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昨日、池袋上空を白い飛行船が飛んでいました。ほぼ真上にいたので、写真を撮ろうと思ったら、あれよあれよという間に遠くまで行ってしまいました。飛行船って思ったより速度があるんですね~。 それはともかく。 かつて『月刊コミックドラゴン』にて連載されていた漫画です。 『ユニコーンの乙女』 (青木邦夫&水野良。富士見書房。ドラゴンコミックス。1996年。880円。印刷/共同印刷。製本/本間製本) 「ラムリアース王国にある一角獣ユニコーンが住む森がある。この森を護るために組織された森林衛士隊に所属するジュディスは、森のユニコーンの中のアンウェンに乗ることを許された乙女であり、腕利きの衛士でもあった。彼女はラムリアースの五百年祭の日に、森の中であるユニコーンの死体を発見する。側にいた不審な男に斬り掛かったものの、それは森のドルイド、精霊使いのケニーだった。彼は敵は強力な魔術師だと言うが、ジュディスは1人で立ち向かおうとする・・・」 ソードワールドノベルの短編の中で、水野良氏が書いた『ユニコーンの乙女』を漫画化したものです。これまた久々に読みましたが、今でも充分わくわくできました。 家を飛び出し、森林衛士隊に入って肩肘張って頑張ってきた少女ジュディス。そのジュディスを陰ながら想うドルイドのケニー。その2人が、五百年祭の時に起きたユニコーン襲撃事件を追います。 この短編は、キャラクターの立て方・動かし方、その心理描写、世界観の使い方、各種要素・ギミックの配置などが絶妙で、物語性の基本と要所を押さえた展開、ベタながらも安定した全体の構造、といったものが非常に上手くかみ合っていて、流れに淀みがなく、話の筋は単純ながら初期ソードワールドノベルの中の傑作の一つと個人的に思っています。漫画化したのはファンタジー系に強く、非常に魅力的な人の顔やポーズを描く青木邦夫氏です。漫画化された『ユニコーンの乙女』は、原作の魅力を200パーセント出し切っているといってもいいかと思います。 いやー、何度も読んでますが、やっぱいいですね、これ。水野良氏の作品は、漫画化されると微妙だったりすることもありますが、これは最高です。 今回、この漫画読んで、久々に原作の方を読んでみたくて探したんですが、見つからずじまいだったので、とりあえず漫画の紹介のみ。 青木邦夫氏は最近「十六夜清心」名義でアクション系のピザッツなどで官能的な作品を描いています。画力がさらに上がってますね。あと、確か小説かゲームブックかの挿絵もこの前描いてたような気が。 ついでに正統派異世界戦記ものの漫画を紹介。 『ソードゲイル』第1巻 (佐藤信。講談社。月マガKC。2006年。562円) 「イグラウ大陸の東端にあるフェレー王国に、強大なベルジエ帝国が侵入した。王の庶子であるフレイは、圧倒的な大軍との戦いの中で、その軍事的才能を発揮していく。しかし、ベルジエ軍を率いていたのは、帝国屈指の知将オリアス公シモンだった・・・」 中世ヨーロッパ系の異世界を舞台にした戦記もの。英雄の素質がある青年・フレイが主人公で、苦境の中、武と知によって劣勢のフェレー軍を率いていきます。 『アルスラーン戦記』から魔法の類いを抜いた感じで、より近いのは「八の弓、死鳥の矢」などの花田一三六氏かな。うーむ、田中芳樹的な合戦メインの戦略戦術描写みたいのはなくて、主人公フレイの勇者的活躍がメイン。 連載の方は今大変なことに。『マガジングレート』で連載してます。 少し昔のパソコンゲームで、小人(ドワーフかホビット)が主人公で、爆弾を投げて敵を倒したりするファンタジー系アクションロープレ(ディアブロみたいの)があったんですが、タイトルが思い出せません。分かる人いませんか。 参照サイト 山咲電脳組(山咲まこと) http://yama3.sakura.ne.jp/ グループSNE http://www.groupsne.co.jp/ 双葉社 http://www.futabasha.co.jp/ 花田一三六の六畳間から http://hanada136.fc2web.com/ 日本飛行船 http://www.nac-airship.com/ 関連記事 ロッカの秘密が明かされ、チヅルは否応無しに決意する。村崎久都&小池倫太郎『百目の騎士』弐之巻 http://xwablog.exblog.jp/9153758/ 物語性のある魅力的なイラストで知られた歴史&FT系イラストの大作家アンガス・マックブライド氏が死去 http://xwablog.exblog.jp/9158568 イスラム風の要素を使った珍しいファンタジー漫画。カトウコトノ『将国のアルタイル』第1巻 http://xwablog.exblog.jp/8466145 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この記事のコメント おはつです。凄いコミックワールドですね。驚きでし。ところで、300〜スリー・ハンドレッド〜といい、墨攻といい軍団戦記ものが流行る昨今、個人に焦点をすえた戦記ものがやや薄くなった感があります。しばらくすればまた出てくると思いますが、馬頭氏はどちらが好みですか? Posted by tile at 2007年06月17日 00:43 こんにちは。 読んでる漫画などの中から面白かったものを紹介しています。 >個人に焦点をあてた戦記もの 「個人に焦点をあてた戦記もの」がどういったものを指すのかが微妙ですが、『ロックユー』や『グラディエーター』みたいののことでしょうか? 私としては、合戦シーン、多人数戦闘シーンがある映画は好きです。もちろん、『ロックユー』や『グラディエーター』みたいのも好きですが。 管理人・馬頭
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| 2007-06-16 03:09
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