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同名の本は何か副題をつけるようにして欲しい。『イヴァン雷帝』トロワイヤとスクルィンニコフ
古い記事です。


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2006年07月14日
同名の本は何か副題をつけるようにして欲しい。『イヴァン雷帝』トロワイヤとスクルィンニコフ

昨日はある本を探してて代わりにいいものを発見。『世界地理風俗大系』(新光社刊)ですよ。昭和5年のやつ。文字が読み辛いのは難ですが、図版が多くて嬉しい限り。東欧・ロシア・ドイツ・北欧・中欧は押えました。
しかし、どれも分厚いデカイ本なのです。・・・部屋を片づけようとしてる人間のすることじゃないですな。

それはともかく。
今必死に読んでるのはイヴァン雷帝関係の本です。

『イヴァン雷帝』


『イヴァン雷帝』

(アンリ・トロワイヤ。中央公論社。470円)



イヴァン雷帝の生涯を紹介した名作。
イヴァン雷帝は1552年にヴォルガ河中流域を支配するカザン汗国を征服し、広大な領土を獲得しました。そのカザン汗国の首都だったカザンに今回旅行することができて、とてもよかったです。本当なら画像をお見せしたいところですが、出来ないのが残念。
このカザン旅行の時にも携帯したのが『イヴァン雷帝』の文庫でした。『ロシア建築案内』の時にもカザンの記事があるのですが、こっちは日本でコピーして持ってきました(ロシアだとコピーは手軽に出来ないことに行ってから気付いた!)。
夜行電車の中とかホテルとかでカザンに関する部分だけ読んだんですが、これで久々に読んだせいで再び興味が沸立てられてしまったのですよ。

しかし、手持ちの本の中には↓は入ってなかった。古本屋で探してたという本もこれのこと。で、無かったので、わざわざ借りてきました。



イヴァン雷帝


『イヴァン雷帝』

(スクルィンニコフ。成文社。1994年。3800円)



ペテルブルク大学の教授で中世ロシア史の専門家であるスクルィンニコフが1975年に書いた本の邦訳。訳者は栗生沢猛夫先生。
今、読み途中ですが、凄く面白いです。なんというか、トロワイヤの『イヴァン雷帝』はドラマチックで情緒的に過ぎる感じですが、スクルィンニコフのはより読みやすく、解説的。ただ、ちょっと希望的推測の部分を断定しすぎなところもあります。
翻訳自体は1994年でスクルィンニコフも、新情報などを提供してるそうなんで、多少古いとはいえ十二分にお役立ちですよ!


話は変わりますが。
今日の『高校講座 世界史』でやってた「銅銭と銀」は面白かったです。モンゴルの支配と元の貿易、そして明の時代に、それにともなう貨幣に対する政策の違いが、周辺諸国に大きな影響を与えたことが語られました。相変わらず吉村民はダメですが、面白く分かりやすい番組です。モンゴル・元の銀を中心とした経済が、宋の時代の銅銭を流出させ、周辺地域の経済圏を統一させ、そのまま統一勢力の誕生にひとやく買ったというのはなかなか燃える。明の銀を排除した政策がそのまま朝貢貿易に繋がるというのも面白い。

この前、『ヘロドトス』という本が出てました。著者は藤縄謙三氏。5250円なのですぐには買えません。
あと、『ケプラー疑惑』とかも面白そう。

Posted by 管理人・馬頭 at 00:27 |Comments(2) |TrackBack(0) | ロシア・CIS , 本<歴史>

この記事へのコメント

こちらでははじめまして。
「ヘロドトス」(藤縄謙三)は同じ著者の「歴史の父ヘロドトス」(新潮社)の新装改訂版じゃないかと思われます。
Posted by ひで at 2006年07月17日 00:02

>ひで さま
どうも〜。書き込みありがとうございます。
『歴史の父ヘロドトス』の新版でしたか。ハードカバーのあんなデカイやつだったのでまったく気付きませんでした。なんか普通は新版というと、文庫化かと思ってたので・・。
しかし、これがわざわざ新版で出されるというのは、古代ギリシャに対する何かしら盛り上がりがあるのかも? 『ヒストリエ』もそのひとつ?
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年07月17日 04:30

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特に盛り上がりってものは無いようです....orz


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