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見ただけで人を殺すミネルヴァを倒すことはできるのか? 藤田和日郎『邪眼は月輪に飛ぶ』
『うしおととら』の藤田和日郎氏が『からくりサーカス』の連載が終わった後、『週刊ビッグコミックスピリッツ』で短期集中連載した作品です。

邪眼は月輪に飛ぶ_藤田和日郎

『邪眼は月輪に飛ぶ(じゃがんはがちりんにとぶ)』

(藤田和日郎。協力/床井雅美。小学館。ビックコミックス。2007年。524円。印刷/凸版印刷)
「米軍が空母で運んでいた『ミネルヴァ』と呼ばれる超常の力を持つフクロウが逃げ出した。東京に上陸したミネルヴァは、その『見ただけで生き物を殺す』という能力で、何百万もの人間を殺していく。この事態解決の糸口をつかむため、米軍のマイケル・リードとCIAのケビンは、ある山奥の村に住んでいる杣口鵜平(そまぐちうへい)の元へと向かう。彼こそ、13年前にミネルヴァをあと一歩のところまで追いつめた人物だったのだ。鵜平は義理の娘で拝み屋の輪(りん)とともにミネルヴァを倒すため米軍に協力することになる。米軍が用意した6人の狙撃の名手たちも倒され、鵜平と輪はそしてリードとケビンは、ミネルヴァとの死闘を演じるのだった・・・」

さすが、藤田和日郎氏です! めちゃめちゃ面白かった。
生き物を見ただけで殺してしまう超常の力を持ったフクロウ『ミネルヴァ』。それを仕留めるため、最高の猟師である杣口鵜平、霊能を持った娘・輪、部下を殺された軍人リードたちが、それぞれ独自のスタンスながら協力し合い、圧倒的なミネルヴァの力と戦うというお話。
内容は藤田和日郎氏が得意とする超常バトルでありながら、昔話の形式を大枠に使い、それに沿ってみっちりと濃い物語を詰め込んであります。キャラクターたちの造りも、背景が行動を規定する、という藤田氏の表現の仕方が、いつもながらキャラの魅力を存分に引き出しています。戦いのシーンも藤田流の理屈アクションで見ててわくわくしました。銃器を使った戦いは軍事・兵器に詳しい床井雅美氏が協力してるだけあってしっかりと描かれているようです。

単行本一冊・七話の短い話ですが、まさに昔話のように「まとまり」と「広がり」をともに持つ、良質の中編漫画です。オススメ。


>ミネルヴァ
ローマ神話の知恵の女神。ギリシャ神話の影響で戦いの神ともなります(アテナ女神と同一視)。「ミネルウァ」。


藤田氏は現在、『モーニング』で19世紀のイギリスを舞台にした『黒博物館スプリンガルド』を連載中。バネ足男の活劇、だそうです。


参考サイト
モーニング スプリンガルド
http://www.e-1day.jp/morning/manga/kurohakubutsukan.html
目の事典
http://www.ocular.net/jiten/
ef:七尾奈留さんデザインの美少女ゲーム、アニメ化決定 今秋放送へ(まんたんウェブ)
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2007/06/ef.html

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『ef』がアニメ化だそうです。
新海誠氏がOPやってくんないかな。


この記事へのコメント

藤田和日郎先生のマンガはそのまま小説化できるぐらい毎度密度の高いものに仕上がっていますが、その内容の濃さは少年誌向きではないことは明らか。週刊誌で『うしおととら』・『からくりサーカス』を連載していたことは驚異です。
で、『邪眼は月輪に飛ぶ』も週刊誌でやっちゃう藤田和日郎先生。

すごすぎでんがな。
Posted by み--よっ--ち at 2007年06月05日 23:43

藤田和日郎氏の漫画はスマート&ライトがメインのサンデーの中である意味異色ともいえた作品ですが、それでいてサンデーの看板作品を担うだけの実力がありましたね。
皆川亮二氏とともにその画力が圧巻でした。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年06月06日 23:30

> 『ef』がアニメ化だそうです。

つ「キミキス pure rouge」

さて、それぞれどうなるか楽しみですねぇ。
Posted by 蒸しぱん at 2007年06月07日 00:15

>キミキス
いやはやめでたい。
漫画化とかしはじめた時点でアニメ化は決定してたのかもしれませんね~。
話の方はどうなんでしょう。

Posted by 管理人・馬頭 at 2007年06月07日 04:35


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by xwablog | 2007-06-06 02:24 | 日記
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