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2007/03/21
「たとえ忘れてもやることに意味がある」 借りてた『メメント』のDVD、レンタル期限のギリギリで見て返却してきました。 これは前々から気にはなってたんですが、どうも見る機会がなくて見てなかったんですが、とうとう見ることができました。 『メメント』 (監督/クリストファー・ノーラン。出演/ガイ・ピアース、ジョー・パントリアーノ、キャリー=アン・モス、スティーヴン・トポロウスキー、他。2000年。) 「元保険の調査員レナードは、自分の妻が殺され、その時のショックでそれまでの記憶ははっきり残っているのに、それ以降の記憶が残らないという障害を持ってしまった。妻を殺した人物を追いながらも、10分しか記憶が保てないレナードは、自分に伝えるべきことをメモしながら行動するのだが・・・」 うわわわわ~、これは面白いな~。 10分前のことですら忘れてしまう男レナード。彼は妻を殺した犯人に復讐するため、重要なことはメモし、ポラロイドカメラで写真として残していきます。最も大事なメモは自分の体に入れ墨として残して無くさないようにするという、異常なまでの追跡は、彼の行動力の源泉なのですが・・・・。 映画の構成も彼の行動を徐々に巻き戻す形で見せていき、最初が結末、最後がはじまりにして結論、という、見た事もないような話の作り方です。 エルヴィス・ミッチェル「解説を求められたらどう説明しますか?」 ノーラン「新しく記憶のできない男が復讐を誓うサイコ・スリラー」 おまけ映像で監督がこんなこと言ってましたが、その説明は合ってるけどほとんど何も説明してないかも。 映画の中では前の部分で話の時系列では後になる部分の方が謎が多く、序々に謎が解けていくのですが、それは観客として見た時の感想であって、映画では主人公レナードの主観に沿って見せているということになっています。よく考えると酷い話だ。 レナード(ガイ・ピアース)が追うジョン・G、レナードが泊まるモーテルの主人バート、何度もレナードと行動を共にするテディ(ジョー・パントリアーノ)、レナードに協力してくれるナタリー(キャリー=アン・モス)、ナタリーの彼氏ジミー、ジミーの相棒ドット、そしてレナードの過去に登場するサミー(スティーヴン・トポロウスキー)とその妻。登場人物はだいたいこれくらい。あ、レナードの妻もいたか。それなのに、ああ・・・こんがらがるこんがらがる。 当時、映画が上映された時はリピーターがたくさん出たというのも頷けるような作品です。ちなみにDVDでは映画の場面を逆順に見ることも可能。 この映画の原作はクリストファー・ノーラン監督の兄弟ジョナサンが書いた短編『メメント・モリ』。「メメント・モリ」はラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味。日本語訳ではだいたい「死を想え」と訳される有名な語句。「メメント」は記憶の意、だそうです。 「いつからおれは1人なのか ふと目覚めると女房がいない トイレでも行ったように でもなぜか彼女は決して戻らないと知ってる」 (中略) 「ただ いつから1人か知らずに横たわってる そんなおれが癒されるのか 時間を知らないおれが癒されるのか」 映画の中でレナードがこう言うのですが、記憶を失うことで残った過去に捕われ続ける、それもほぼ依存しなければならないくらいの状況、というものにレナードが陥ってしまったことを考えると、まさに彼の悲劇の核心が見えてきますね。 記憶が随時なくなってしまうというのであれば、時間経過そのものがほぼ起こってないようなもの。映画の中でも、「今」が「いつ」なのかが混乱してしまうような感じを味わうことになります。実質映画の中では三日(?)だけど、もっと長い時間とも短い時間とも見える。彼は記憶を失うことによって、時間というものさえも失ってしまったということか。ここらへんのことについての考えはもっと思い出して楽しまないと。 ともかく、単純な記憶喪失ものというようなものではありません。これは非常に面白かったです。 「目を閉じても世界は消えない」 参照サイト メメント公式 http://unzip.jp/special/memento/index.html ノーラン兄弟が作ったという公式サイト http://www.otnemem.com/ サガサガ(リーマン) http://rimanman.blog19.fc2.com/
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| 2007-03-21 02:05
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