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タグ:小説 ( 35 ) タグの人気記事
亡国の皇子が空の果てを目指す王道青春ものの物語。犬村小六『とある飛空士への恋歌』
今、外の通りをすごく大きなくしゃみをしながら歩いてくる人がいるみたいなんですが、10秒ごとくらいに出るくしゃみの音が徐々に大きくなって聞こえてきて、なんか笑えます。

それはともかく。

とある飛空士への恋歌_犬村小六

『とある飛空士への恋歌(とあるひくうしへのこいうた)』

(犬村小六。小学館。ガガガ文庫。2009年。620円。イラスト/森沢晴行)
「三大国のひとつバレステロス皇国の皇子カール・ラ・イールは、革命によって全てを失う。愛する母までも処刑され、革命の旗頭だった少女ミナ・ヴィエントへの恨みは六年後にも消えていなかった。世界の謎とされる『空の果て』を見つけるため、空飛ぶ島イスラに集められた一行の中に、ミナ・ヴィエントとともに、カルエルと名前を変え庶民の中で生きてきた元皇子の姿があった。カルエルは義妹のアリエルとともにイスラの飛空士の訓練生として学ぶことになるのだが・・・」

『とある飛空士への追憶』で、レシプロの飛行機械がある程度まで発達した文明を持つ世界を舞台に王道冒険小説を書いた犬村小六氏の新作。同じ世界だけど『追憶』とは違う時代らしい設定で、新たな物語を作り出しました。
今回は風の革命という民衆蜂起によって国を失った少年が、世界の果てにあると神話に言われた「空の果て」を見つける探険の旅に参加します。旅というか、空に浮かぶ不思議な島がこの世界にはいくつもあって、そのひとつ、何キロもある巨大な島イスラを人が住めるように改造した、巨大な方舟で「空の果て」を見つけようと、1万以上の人間が乗り込んで行きます。
まだ、話ははじまったばかりで、文庫だと一巻分はすぐに終わってしまいます。たぶん、何冊も続くシリーズになるのでしょう。楽しみですね。

参照サイト
ガガガ文庫
http://www.gagaga-lululu.jp/gagaga/
All Green(森沢晴行公式)
http://www005.upp.so-net.ne.jp/morisawa/

関連記事
第二次世界大戦を舞台にした冒険活劇。日本ものとドイツもの。吉原昌宏『迎撃空域 吉原昌宏作品集1』
http://xwablog.exblog.jp/7310649
次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ。犬村小六『とある飛空士への追憶』
http://xwablog.exblog.jp/8861288
守りたいから私は飛ぶ! 謎の飛行体ネウロイと戦う少女たちの物語。『ストライクウィッチーズ』
http://xwablog.exblog.jp/9744416
飛べない豚はただの豚だ。飛ばない豚はよく訓練された豚だ。宮崎駿『紅の豚』のDVD
http://xwablog.exblog.jp/8870917
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by xwablog | 2009-02-21 22:51 | 日記
ウィンフィール王国で求める狼の足の骨は見つけられるのか? 支倉凍砂『狼と香辛料』10巻
旧ブログから大量の記事を削除。でも、まだまだ残ってます。いつ終わるのか・・・。
あと、画像がUPできないと、二度手間ですね。またいろいろ試したけど、失敗。

それはともかく。

支倉凍砂『狼と香辛料』X (第10巻)

『狼と香辛料』X(第10巻)

(支倉凍砂。アスキー・メディアワークス。2009年。590円。イラスト/文倉十)
「船でウィンフィール王国へと渡ったロレンスとホロ、そしてコル。ここのブロンデル大修道院には『狼の足』の骨があるという。しかし、それを見るためには修道院の奥へと入ることができなければならなかった。しかも、この島は現在経済的困難に見舞われ、よそ者として動きづらく・・・」

『狼と香辛料』の第10巻目です。
イギリスみたいな島国ウィンフィール王国で、「島安陸高」の不況が島の財産へと打撃を与えています。ロレンスたちが前の話で手に入れた情報によると、この島のブロンデルという修道院に狼の足の骨が安置されているという話ですが、それに近づくのはいろいろ不都合がありそうです。しかも、ルウィック同盟という商業組合の連合体が、修道院の土地を狙っていて一波乱、といった感じになってきます。
ホロと同じく古い神々の末裔のひとりである黄金の羊も登場。狼の骨の存在の有無を確認するため、ルウィック同盟の商人のひとりピアスキーと組み、修道院から同盟が利益を出すことに協力します。

この話だけでウィンフィール王国の話は終わりみたいです。どうやらヨイツの方で何やらありそうですから、たぶん次はそっちに向かうのでは。

関連サイト
支倉凍砂 すぱイしー ているず
http://ameblo.jp/hasekura2/
ハイノハナ(文倉十)
http://haino.mods.jp/
電撃文庫&hp
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/index.php
狼と香辛料アニメ公式サイト
http://www.spicy-wolf.com/

関連記事
『狼と香辛料』(支倉凍砂/著)の世界を紹介する充実のガイドブック。『狼と香辛料ノ全テ』
http://xwablog.exblog.jp/10015288
ホロの故郷ヨイツの情報を求め修道院を探すのだが。支倉凍砂『狼と香辛料』第4巻の感想
http://xwablog.exblog.jp/7266069
商人としての命運をかけ、危険な密輸に手を出すが・・。支倉凍砂『狼と香辛料』第2巻の感想
http://xwablog.exblog.jp/7266023
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by xwablog | 2009-02-07 22:20 | 日記
『狼と香辛料』(支倉凍砂/著)の世界を紹介する充実のガイドブック。『狼と香辛料ノ全テ』
ども。どうにかこうにか生きている馬頭です。
最近思うのですが、嫌なことは後回し後回しにしてきたツケがそろそろ回ってきそうな予感。

それはともかく。

『狼と香辛料ノ全テ』

『狼と香辛料ノ全テ』

(電撃文庫編集部。アスキー・メディアワークス。支倉凍砂、文倉十、小梅けいと。2008年。1400円。176ページ)

Story(小説各話の解説。旅の記録)
World(世界観解説)
Mediamix(メディアミックス関連の情報。漫画化、アニメ化など。)
Special!(支倉凍砂インタビュー、文倉十インタビュー、挿絵のラフなど)
Column(名言集など)
特別書き下ろし短編、「狼と星色の遠吠え」も収録。
『狼と香辛料』索引用語集
などなど。

巨大な狼神の変化した少女・ホロと若い商人のロレンスが活躍するファンタジー小説『狼と香辛料』のガイドブック。
いわゆる関連商品であるムックで、ライトノベルのガイドブックという形式のものなんですが、思ったよりかなり充実しています。中の記事やデザインもなかなか凝ってて、いいものじゃないかと。
作品に出て来た中世ヨーロッパ的ないろいろな要素を解説してたりするのも好感が持てます。
巻末に短編小説が載ってます。10ページ程度のホロとロレンスの関係を描いたものです。

驚いたのは、ファヴィエ著『金と香辛料 中世における実業家の誕生』の翻訳者であり、成蹊大学の教授で経済史学者である内田日出海氏が特別寄稿として、「『金と香辛料』 〜『狼と香辛料』に寄せて〜」という『金と香辛料』の内容を簡単に説明するという文章を載っけてること。1ページの短いものですが、まさかこんな人にコラム書いてもらうとは・・・
ちなみにこの『金と香辛料』はすでに入手困難な本ですが、今、amazonですげー値段付いてますね。2万? うー、早く再版するか文庫化とかしてください。

ところで、『狼と香辛料』のアニメ第二期が決定したそうですね。
あとブルーレイでも第一期が出たとか。

参照サイト
電撃文庫&電撃文庫MAGAZINE
http://dengekibunko.dengeki.com/
「狼と香辛料」ほろろん祭りIIの開催が決定!公式ガイドブックも今日発売!
http://dengekibunko.dengeki.com/news.php?2008/12/10/2f654f91a8b810f5062ae66b8ca1f2e1
支倉凍砂 すぱイしー ているず
http://ameblo.jp/hasekura2/
ハイノハナ(文倉十)
http://haino.mods.jp/
小梅けいとの原典皆既
http://www7.plala.or.jp/koumekeito/
狼と香辛料 アニメ公式
http://www.spicy-wolf.com/
内田日出海プロフィール 成蹊大学経済学部
http://www.seikei.ac.jp/university/keizai/teachers/uchida_h.html

関連記事
かわいい狼神ホロと若い行商人ロレンスの二人旅。支倉凍砂『狼と香辛料』第1巻の感想その1
http://xwablog.exblog.jp/7265975
狼の骨を探すためやってきた町は利権まみれで対立し・・・。支倉凍砂『狼と香辛料VIII』対立の町〈上〉
http://xwablog.exblog.jp/8569740
東京国際ブックフェアと『ドイツ中世後期経済史研究序論』の関係性について、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7720567

追記
狼と香辛料III漫画版

『狼と香辛料』III

(小梅けいと&支倉凍砂。アスキー・メディアワークス。2009年。570円)


漫画版の3巻です。
単行本1巻のところはエンディングに。2巻へ突入しますね。
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by xwablog | 2008-12-11 00:01 | 書庫
内戦終結のための最後の戦い。未完の大作。打海文三『覇者と覇者 歓喜、慚愧、紙吹雪』
打海文三『覇者と覇者 歓喜、慚愧、紙吹雪』

『覇者と覇者 歓喜、慚愧、紙吹雪』

(打海文三。角川書店。2008年。1800円。483ページ)
「黒い旅団に致命傷を与えた常陸軍とその同盟勢力たちはつかの間の平安を手に入れていた。しかし、その戦闘によって首都圏から多量の難民が流出し、常陸軍の勢力範囲に流れこんできた。海人やファンたちが難民の対処に戸惑う中、奥州軍は自分たちの領地内にある難民キャンプを封鎖し、難民を追い出しはじめた。限界を越える難民たちは街の治安を悪化させ、さらには奥州軍との対立へと拡大し・・・」

2007年10月9日に亡くなった打海文三氏の遺作となってしまったこのシリーズ。最後の巻『覇者と覇者』がとうとう出ました。今まで『裸者と裸者』『愚者と愚者』のどちらもがはじめ海人メイン、あとは月田姉妹メインの上下巻で別れていたように、この巻も本来は上下巻で別れるはずだったのでしょう。けど、急死のため下巻の半分まで書いたところで終わってしまっています。まさに未完の大作。上巻下巻で副題が違うことになってたはずですが、今回これについた副題の「歓喜、慚愧、紙吹雪」はたぶん上巻用のものでしょう。内容的に。

もっとも危険だった黒い旅団を撃退し、最後は我らの祖国から首都圏をめぐって決戦に、ということになりますが、疲弊した両勢力は一時的に休むことになります。でも、そこで難民問題が発生。首都圏からの膨大な難民の流入と、奥州軍のキャンプ閉鎖と難民の追い出しで、危険な緊張状態となってしまいます。奥州軍との対立、北海道政府の平和・統一のための動き、そして支援を受け、諸勢力を糾合して決戦へと挑む常陸軍。海人は軍事司令官として様々な場面に対処していくことになります。
これが、前半まで。
後半は月田椿子とパンプキンガールズがメインで、我らの祖国を倒して、諸勢力が共同でつくった国民和解政府ができた後の話となります。戦争は戦闘が終わってからが大変なんですが、武装解除、就職斡旋、北海道軍の平和維持軍や軍閥との軋轢、などなど問題は山積み。さらに我らの祖国の残存勢力がテロをしかけてきたりして、という展開になります。残念ながら、最後がどうなるのかわからないまま終わってしまっています。
終わったところから判断しようとしても、ああなる可能性もあるし、こうなる可能性もあるし、で予想はしづらいのですが、できれば海人たちには幸せになってほしいですね。未来のビジョンを描けない危うさがあったとしても。
この巻では小さかった恵や隆たちも大きくなって帰国して、復興にかかわってきたりもしてくれます。ああ、なんか恵は危なっかしいなぁ。
あと、常陸軍の報道官の女の人の名前が最後まで出てこなかったのは残念。死体屋もね。


池上冬樹の解説がついてますが、それによると、やはりはじめは『死者と死者』が最終巻のタイトルだったらしい。あと、この本のシリーズ名って「応化戦争記三部作」なのか「応化クロニクル三部作」なのかどっちなんでしょうね。


参照サイト
パンプキンガールズは二度死ぬ(打海文三公式)
http://higasinaganuma.cocolog-nifty.com/blog/
愚者と愚者 角川書店公式
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200609-03/
帝国少年
http://tksn.web.infoseek.co.jp/

関連記事
警察官による報復テロとその暗闘の決着をつける時が来た。『ハルビン・カフェ』打海文三
http://xwablog.exblog.jp/7537872
内戦の混乱の中で生きる少年と少女たちの生きるための戦いについて。『裸者と裸者』上下巻、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7533952
首都圏を巡る混沌とした戦いの中で十万人の女の子と十万丁のAKを夢想しろ!『愚者と愚者』上下巻。の記事
http://xwablog.exblog.jp/7537793
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by xwablog | 2008-11-02 14:36 | 書庫
インドの殺人秘密結社の首領となった青年の物語。山際素男『カーリー女神の戦士』
池袋東口・シャンティ、豆とひき肉のカレー

どうしたことか、またカレー屋でカレー食べました。意味不明な勢いにのってます。
この前行ったのは、池袋東口にある「シャンティ カリーバー&カバブ」という店。この前紹介したお店も「シャンティ」でしたが、カレー屋でこの店名良く使ってます。サンスクリット語で「平和、安らぎ、静寂」の意味だとか。行った店の場所は、池袋のポストホビー60階通り店の近く、黒人がよくたむろってる洋服屋の隣りあたりです。一階はカウンターのみだけど、二階にも席があるみたいです。
食べたのは日替わりカレーなんですが、その日は豆の入ったひき肉のカレーでした。口当たりもよくカレーのルーの量もこの前のスパイスガーデンと同じくらいで比較的多かったんですが、ナンが少し小さめでした。深夜四時?くらいまでやってるらしいです。


というわけで、またインド関連の本、ということで探してみましたが、ウチにあるのは、あとはこんなのくらいでしょうか。



『カーリー女神の戦士』

(山際素男。集英社。集英社文庫。1994年。660円。384ページ)
「19世紀初頭のインド。裕福な商人に拾われ養子となったファランギーは、立派な青年へと成長する。しかし、義父たちが実は女神カーリーを崇め、その教えに則って多くの人間を秘かに殺し続ける殺人秘密結社『タグ』の一員だと知るのだった。苦悩するファランギーだったが、ついに彼はタグに入党することを決意するのだった・・・」

翻訳家・ノンフィクション作家でもありインド文化研究家でもある山際素男氏による異色の小説。インドの女神カーリーを崇める殺人秘密結社「タグ(サッグ)」の首領となった青年の話。
14世紀にはじまり、北西インドなどで旅行者などを殺し続けてきた秘密結社が存在したというだけでも驚きですが、これはそれが敵側とかじゃなく、主人公達の側だってのが面白い。
この暗殺者集団については澁澤龍彦氏の『秘密結社の手帖』にも載ってるそうです。なんでも、黄色いハンカチーフでの絞殺、というのが殺しのスタイルだったようです。

この小説、はじめは三一書房から出たのが、あとから集英社から文庫で出たみたいです。

そういや、『屍姫』を全巻やっと読み終わりました。この中でもカーリーの力を称する教主ミラムという屍が登場してましたね。


そろそろ赤壁の戦いの映画、『レッドクリフ』公開ですね。見たいけど、どうしよう。


参照サイト
山際素男(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%9A%9B%E7%B4%A0%E7%94%B7
シャンティーカレーバー&ケバブ(食べログ)
http://r.tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13019493/

関連記事
キプロス紛争の経緯など当時の状況を紹介。大島直政『複合民族国家キプロスの悲劇』
http://xwablog.exblog.jp/9769178/
ビジネスの時の参考書・入門書みたいな感じで判り易い。島田卓『2時間でわかる 図解インドのしくみ』
http://xwablog.exblog.jp/9719476/
先週の日曜に池袋でカレー祭り。バングラディッシュのボイシャキメラ(正月祭)という記事
http://xwablog.exblog.jp/7480848
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by xwablog | 2008-10-31 00:24 | 書庫
16世紀の欧州&アフリカを巡る波瀾万丈な人生。アミン・マアルーフ『レオ・アフリカヌスの生涯』
どうも。馬頭です。
なんか今日、池袋で店によってから置いておいた自転車に乗ったら、なんか変な液体がサドルについてて、それが触れたお尻の部分がかぶれてしまいました。なんだこれは。イタズラ?

それはともかく。
この本も、前に図書館でもらった本です。

レオ・アフリカヌスの生涯 地中海世界の偉大な旅人

『レオ・アフリカヌスの生涯 地中海世界の偉大な旅人』

(アミン・マアルーフ。訳/服部伸六。リブロポート。1989年。2472円。484ページ)
1 グラナダの巻
2 フェズの巻
3 カイロの巻
4 ローマの巻

『アラブが見た十字軍』の著者アミン・アマルーフが実在の人物の「自伝」という形式で書いた伝記みたいな小説みたいな本。
もとになった実在の人物というのは、グラナダ生まれのモール人で、最後はローマで地理学者「ヨハネ=レオ・ド・メディチ」もしくは「レオ・アフリカヌス」と呼ばれることになる人物です。もともと15世紀末のグラダナにいたわけですが、レコンキスタのせいでグラナダが陥落するとモロッコへ逃れ、さらにソンガイ帝国(ガオ帝国)のトンブクトゥーに行き、カイロに行き、と各地を転々とすることになります。そして、1518年にシチリア海賊に捕まったことで、ローマに連れて行かれてしまい、そこで生活することになり、『アフリカ誌(アフリカ記)』などの著作を残しました。『アフリカ誌』はそれまであまり知られていなかったアフリカ大陸に関する書物として、長い間ヨーロッパで読まれ続けました。
彼は1527年のカール5世によるローマ劫略を逃れ、家族のいるテュニスに戻り、そして意外と長生きして1554(1555)年に死亡したそうです。なかなか興味深い人物ですね。

まあ、当時書かれた自伝とかじゃなく、自伝形式の小説みたいなものですので、そこらへんを許容できるなら楽しめるかと思います。西欧視点ではない15・16世紀の沿地中海世界を舞台にした作品というのも珍しいので、そういった点でもなかなか。
ちなみに著者のアミン・アマルーフ氏は、レバノン人だそうです。
翻訳の固有名詞の付け方が微妙かもしれません。


その他、ニュースなど。

少女と神父 スキャンダラスな愛憎劇 映画「宮廷画家ゴヤは見た」(MSN)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/081003/tnr0810031727008-n1.htm
画家を主人公、もしくは絵画をネタにした映画って結構ありますね。

モスクワで和食ブーム JA全農など催し(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/121202.html?_nva=5
モスクワはスシバーも非常に多いみたいです。



『フェローズ』


前にも記事に書きましたが、『エマ』の森薫氏が『フェローズ』という新創刊雑誌で新連載はじめるわけですが、なんと、今度はシルクロードものの漫画『乙嫁語り(おとよめがたり)』だそうです!!
おおお〜。これは楽しみ。
『Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 』は10月14日発売です。




ちなみに今日はイジャスラフ1世が死亡した日です。

参照サイト
レオ・アフリカヌス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%8C%E3%82%B9
リブロポート(関心空間)
http://www.kanshin.com/keyword/179850
そうかー、リブロポートもう無いんだ。西武・セゾングループ系の出版社だったんですね。
ヘリオトロープ
http://morikaoru.blog62.fc2.com/

関連記事
今の音楽とはちょっと違う性質の中世ヨーロッパの音楽について。皆川達夫『中世・ルネサンスの音楽』
http://xwablog.exblog.jp/9321429
ウガンダでアミン大統領の主治医をした白人青年の話。英映画『ラスト・キング・オブ・スコットランド』
http://xwablog.exblog.jp/8012832
イブン・ファドランの北方旅行を元にした冒険小説。マイケル・クライトン『北人伝説(ほくじんでんせつ)』
http://xwablog.exblog.jp/7598791
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by xwablog | 2008-10-04 00:04 | 史劇
ハイブリッドのトップメンバーが集結。深見真『ヤングガン・カルナバル』第5巻 ドッグハウス
i-phone販売はじまりましたね。うちの会社じゃ一人もいないです。まあ、次のバージョンが出るまで待ったほうがいいという話も。

ヤングガンカルナバル05深見真

『ヤングガン・カルナバル』第5巻 ドッグハウス

(深見真。イラスト/蕗野冬。徳間書店。トクマ・ノベルズEdge。2006年。819円。209ページ)
「豊平琴刃に敗れ、豊平重工の地下娯楽施設『ドッグハウス』へと連れてしまった鉄美弓華。彼女を救うため、白猫率いるハイブリッドの精鋭たちが襲撃をかける。塵八は虚の死を乗り越え戦いの中へと戻っていく。しかし、その混乱の中、琴刃は父・豊平空継の思惑とは違った行動をとりはじめ・・・」


深見真が書くガンアクション小説『ヤングガン・カルナバル』シリーズ。一応二巻までは読んでましたが、この前やっとまとめて買ったので続けて読んでます。夏コミあわせの同人誌の作業はしてません。
それにしても相変わらずポンポン人が死んでく話ですね。よもや虚が死ぬとは思いませんでした。あと、前言われた通り、捕まったり拷問とか容赦ない。
アクションも凄くて、どこの中東かと思いました。出てくる銃器もめったに見ないようなのとか出て来て面白いです。
この「ドッグハウス」までで第一部とのこと。
先月からコミカライズ作品もネット配信しはじめたようです。

そうだ。ガンアクと百合ということなら、今度一迅社が創設する新レーベルの一迅社文庫アイリスで、イタリアの刑事モノが出ますね。『.(Period)』(瑠璃歩月)というやつで、イラスト担当が玄鉄絢だという。イタリアの警察はいろんな種類があって管轄も組織も別で複雑、という夢のような存在でして、やはりこれに目をつける人はいるようですね。

ちょうど調べてる時にみつけたんですが、イタリア警察のミニカーを扱ってるサイトがありますね。
パンテーラ
http://pantera.jp/index.html
イタリアの警察のミニカーだけ、って! ニッチ過ぎだ。だが、そこがいい。

参照サイト
深見真のものかき日記 うっかり。
http://fmkkoe.blog27.fc2.com/
ヤングガンカルナバル FlexComix
http://comics.yahoo.co.jp/magazine/next/yannguga01_0001.html
エッジdeデュアル王立図書館
http://www.tokuma.co.jp/edge/

関連記事
サンドロが向き合う過去を捨てた女と過去を失った女。相田裕『GunSlingerGirlガンスリンガーガール』第8巻
http://xwablog.exblog.jp/7973160
最近の銃と弾丸についてまとめたジオグラのDVD『サイエンス・ワールド 銃と弾丸 BULLETS』
http://xwablog.exblog.jp/7675670
外国製の忍者刀。ブラックニンジャソード(Black Ninja Sword)は山海堂で売ってるらしい、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7269069
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by xwablog | 2008-07-11 22:13 | 日記
次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ。犬村小六『とある飛空士への追憶』
とある飛空士への追憶_犬村小六

『とある飛空士への追憶』

(犬村小六。小学館。ガガガ文庫。2008年。629円。339ページ。イラスト/森沢晴行)
「対立する神聖レヴァーム皇国と天ツ上の二大国。皇国によって占領された土地に生まれた孤児シャルルは、成長して貴族の私設軍隊の傭兵飛空士として空を飛んでいた。戦局が敵側有利となり、この占領地であるサン・マルティリアにも危険が差し迫る中、そんな彼に貴族の娘・次期皇妃となりうる少女ファナを、皇国側に無事送り届けるように命令が下される。複座式の水上偵察機サンタ・クルスたった一機で大瀑布を越え、数多の敵軍の中を潜り抜けなければならない無茶な任務は、出会うはずのないシャルルとファナという身分違いの2人を不思議な縁で結ぶことになり・・・」

発売されてからかなり話題になっていたので、知っている方も多いかと思いますが、私も読みました。ライトノベルレーベルの中でも地雷が多いガガガ文庫ですが、これは文句なく傑作。
ちょうど機械文明が多少発達してきた感じの架空世界が舞台の、飛行機乗りとお姫さまのせつないロマンスです。もちろん、恋愛だけじゃなく、世界観やアクションなどもいい。プロペラ戦闘機とか巨大な飛行船みたいなものが出て来て空戦(ハードなものではないですが)を見せてくれますが、そこらへんも楽しませてくれます。なにより、話の良さがピカ一です。

あと挿絵描いてるのが森沢晴行氏なんですが、これがまたイイ。この作家さんはファンタジー系ばかりがメインだとばかり思ってましたが、こういうジャンルのもきっちりこなしてて、しかも雰囲気と合ってますよ。



参照サイト
ガガガ文庫
http://www.gagaga-lululu.jp/gagaga/
All Green(森沢晴行公式)
http://www005.upp.so-net.ne.jp/morisawa/

関連記事
かわいい狼神ホロと若い行商人ロレンスの二人旅。支倉凍砂『狼と香辛料』第1巻の感想その1
http://xwablog.exblog.jp/7265975
カモッラをネタにした超常パルプフィクション! 成田良悟『バッカーノ!』シリーズ
http://xwablog.exblog.jp/7751569
第二次世界大戦を舞台にした冒険活劇。日本ものとドイツもの。吉原昌宏『迎撃空域 吉原昌宏作品集1』
http://xwablog.exblog.jp/7310649
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by xwablog | 2008-06-22 23:59 | 日記
ディストピア小説の傑作を映画化した作品。ジョージ・オーウェル原作の映画『1984』を見ました。
web拍手レス
>『炎628』はベラルーシフィルムとモスフィルムの共同制作なので、ウクライナの映画ではありません。
>『炎628』、もう一言。制作は1985年。2005年は日本でのDVD発売年ですね。
あー、間違えました。ベラルーシでしたね。画面綺麗だったから2005年で納得してましたが、思ったより古い映画だったんですか。これの話聞いたの最近だったので、ここ最近元気がいいロシア映画のことかと思ってました。

>ディストピアものなら「蟻に習いて」も、まずまずでした。前にも紹介しましたかね?
たぶん、してます!

>田中ロミオの「人類は衰退しました」も・・・・これはむしろユートピアでしょうか?
まあこれはこれで幸せな方向?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
映画1984_ジョージ・オーウェル_1

『1984』
(原作/ジョージ・オーウェル。イギリス映画。監督/マイケル・ラドフォード。出演/ジョン・ハート、スザンナ・ハミルトン、他。ビデオメーカー。製作は1984年。1995年VHSビデオ化。113分。)
「1984年、世界のみっつの大国のうちのひとつ、オセアニア。『偉大なる大兄(ビッグブラザー)』が指導する政党INGSOC(イングソック)の政策により、人びとは生活の隅々まで支配された全体主義的管理社会の中に生きていた。報道や情報を統括する真理省の記録局の職員ウィンストン・スミスは、職場で出会った女性ジュリアに魅かれていく。恋愛すら危険な社会でふたりは密かに逢瀬を重ねるのだが・・・」


ジョージ・オーウェルの傑作ディストピア小説の映画化。タイトル通り1984年に制作されたのですが、現在なぜかまだDVD化されておらず、手に入らないのですが、先日晴天さんに見せてもらいました。
ひとりの中年男性が、理不尽で矛盾に満ちたこの世界で、ささやかな抵抗をし、ささやかな歓びを得たものの、圧倒的なまでの力によって苦しめらてしまうというような話。作品そのものは淡々とした雰囲気で進みながら、かなり深いテーマについて語っていきます。


映画1984_ジョージ・オーウェル_5

これが、主人公のウィンストン・スミス。オセアニアという国の四大組織のひとつ、報道・情報を統括する真理省の記録局で過去の記録を改変・捏造する仕事をしている冴えない中年男性。黙々と仕事をこなすも、その国家体制そのものには疑問を抱いています。


映画1984_ジョージ・オーウェル_4

ウィンストンが出会う女性・ジュリア(小説版だとジューリアになってますが)。
性風俗を取り締まるポルノ課で働いているけどセックス好き(この説明には偏りがあります)。性には肯定的な彼女にウィンストンがどんどんハマっていき、性や愛の素晴らしさを知っていきます。


映画1984_ジョージ・オーウェル_3

ブースに区切られたウィンストンの職場。過去の新聞の記事内容を現在の状況に合わせて書き換えていく、という非常にディストピアらしい仕事。これとそっくりなシーンが『未来世紀ブラジル』にあったような。そういや、久々に『未来世紀ブラジル』が見たいな〜


映画1984_ジョージ・オーウェル_6

ディストピアといったら、食堂は欠かせない。まずそうな食事はともかく、勝利ジンは飲んでみたいな。
みんなが着ているのはINGSOCの制服の青い作業着。

食堂といえば、速水螺旋人さんの『馬車馬大作戦』の中に収録されているディストピア世界の食堂を舞台にした短編「ユートピア・カフェはあなたの友」は傑作ですのでぜひ一読を。


映画1984_ジョージ・オーウェル_2

集会でやるポーズ。両手の握りこぶしを頭の上で交差させる。見てる最中、自分もついやってみました。立ち上がってまでして・・・。



前々から見たい見たいと思っていて、やっと見ることが出来ました。これのことを聞いた時、「『未来世紀ブラジル』みたいな作品ですか?」って聞いたら、「『未来世紀ブラジル』が『1984』みたいなんです」って言われたのですが、見て納得。『未来世紀ブラジル』の他にもディストピアものの作品の元ネタを見た気分。
この前皆さんと会った時にディストピアものについて話をしましたが、みんないろいろ読んでて吃驚しました。私などほとんど読んだり観たりしてないので、いくつか薦められた作品を見てみるつもり。とりあえずコレから。実はこの作品を見た日に、原作の小説も買いました。

1984_ジョージ・オーウェル

『1984年』

(ジョージ・オーウェル。訳/新庄哲夫。早川書房。ハヤカワ文庫。1949年。早川の日本語版は1972年発行。760円。422ページ)

私が買ったのは2002年の45刷目のもの。これが1949年に書かれたと知って吃驚しましたよ。
速水さんに原作から読んだ方がいいと言われてたのに、映画見るの我慢できませんでした。まあ、『鷲は舞い降りた』の時も映画から見て、イメージが思い浮かんで読めたので、これも映画の場面を思い浮かべながら読むしかないか。
今、ちょっと冒頭部分を読み始めたらぐいぐい引き込まれてしまいました。これは読むのが楽しみだな〜

これ買うのと同時に、角川文庫から出てるオーウェルの『動物農場』も買いました。もう、タイトルだけでワクワクしてきます。

そうだ、オーウェルの『すばらしき新世界』をリドリー・スコットが再映画化します。
「リドリー・スコット監督が、新作SF「すばらしき新世界」に着手?」
http://eiga.com/buzz/20080606/7

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晴天さんに『1984』もらった時に、同時に『炎628』って映画もいただきました。
これ、第二次世界大戦中のベラルーシを舞台に、戦争の姿を描いた作品。1985年のロシア映画。まだ、半分しかみてませんが、面白いですよ。

昨日は、深夜にこの二作を立て続けに見てたら、途中で頭痛くなってきたので(もともと体調悪かったので)寝ましたが、その後見た夢の中で、自分でも状況はうまく思い出せないのですが、なぜか私は密貿易拡大を狙うロシアマフィアの男たちに取り押さえられることに。そして本当に生娘のような悲鳴をあげながら目を醒ましました。なんだったんだあの夢は。


参照サイト
早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/
allcinema online
http://www.allcinema.net/prog/index2.php
映画ドットコム
http://eiga.com/
ジョージ・オーウェル(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB

関連記事
非党員でユダヤ系の医師の苦難に満ちたソ連生活。『ロシアンドクター』という記事
http://xwablog.exblog.jp/7696095
君は速水螺旋人を読んだ事があるか!?『速水螺旋人の馬車馬大作戦』という名を持つ本の形の果てしない世界
http://xwablog.exblog.jp/8611488
書痴たちのこの生き様を見よ! 迷惑この上ないから! COCO『今日の早川さん』
http://xwablog.exblog.jp/8044843
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by xwablog | 2008-06-17 23:32 | 日記
一裁判官の人生と死の訪れを描く。トルストイ『イワン・イリッチの死』
イワン・イリッチの死 トルストイ

『イワン・イリッチの死』

(レフ・トルストイ。訳/米川正夫。岩波書店。岩波文庫。初版1928年、1994年61刷。378円。105ページ)
「1882年の冬、裁判所にいる仲間のもとに、イワン・イリッチの死が伝えられる。彼の死について語る仲間たちだが、その価値はある意味軽く、ある意味重い。そして、そのイワン・イリッチの人生が語られはじめるのだった・・・」


原作は1884年(1886年?)に書かれたもの。岩波文庫で出てて、11節わずか100ページちょっとの短編です。原題は『СМЕРТЬ ИВАНА ИЛЬИЧА』(スペルあってるかな?)。「イワン・イリイチの死」とも訳されますね。
『アンナ・カレーニナ』(1877年)を書いた後、数年間著作活動をしてなかったトルストイが久々に書いたのがコレ。ある裁判官の、他人にとってたいしたことなく、本人にとって最重要な、一俗人の生涯。はじめの一節目は友人のピョートル・イワーノヴィチの視点で描かれますが、二節目以降はイワン・イリッチの人生のはじめから、まさしく最後の瞬間までが描かれています。

面白かったのですが、半分くらいをトイレの中で読んだのは失敗でした.......orz

今月、岩波文庫から、フランス文学者の桑原武夫の書いた『ソ連・中国の旅』(初版1955年)が復刻されるようです。


参照サイト
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A4
米川正夫(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E5%B7%9D%E6%AD%A3%E5%A4%AB
岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/

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by xwablog | 2008-06-12 03:02 | 書庫