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1600年に行われたパッペンハイマー裁判の詳細。ミヒャエル・クンツェ『火刑台への道』
仕事中、眠たさをごまかすために飴を舐めたりするのですが、それが続きすぎて一日に一袋くらい食べちゃうことがあります。これはよくないなぁ。ちなみに最近気に入っている飴は『塩キャラメル』というやつ。フランスのロレーヌの岩塩を使用。

それはともかく。昨日につづき処刑人繋がりで。

火刑台への道_ミヒャエル・クンツェ

『火刑台への道』

(ミヒャエル・クンツェ。訳/鍋谷由有子。白水社。1993年。2800円。315ページ)

第一章 塔
第二章 街道
第三章 高き所
第四章 谷間
第五章 奈落
第六章 水車小屋
第七章 魔女の集会
第八章 拷問部屋
第九章 処刑場
あとがき
原註

1600年にバイエルン公国の首都ミュンヘンで処刑された放浪者一家の処刑までの顛末を、史料や当時の社会状況を紹介しながら解説する一冊。原題は1982年にドイツで出された「Strasse ins Feuer. Vom Leben und Sterben in der Zeit des Hexenwahns」
当時の裁判で容疑者がどのようにして取り調べられ、拷問され、罪が決定していくか、そしてどのようにして処刑されるのかが細かく書かれていて、この悲惨で不幸なミヒャエル・パッペンハイマーの一家が子供も含めてどんな目にあったかが400年たった今でもよくわかります。この事件は当時有名で「パッペンハイマー裁判」として知られているようです。
当局にとって迷惑な存在であった放浪者たちに対する見せしめという意味もこめて、「魔女」の一家ということで彼らに罪を拷問で「自白」させ、見せ物のように処刑します。そう。処刑というものが当時のエンターテイメントだったのがよくわかります。
処刑される方のことも詳しいですが、する側の方についても詳しく書いてあります。処刑人というものがどういうものかもよく解ります。
あと処刑した側のトップは、もちろんバイエルン大公ですが、当時のバイエルン大公は、あのマクシミリアン1世・偉大公です。強力な君主で、敬虔かつ狂信的なカトリック教徒で、連盟(リーガ)側の指導者で、三十年戦争では家臣のティリー伯とともに重要な役割を見せていたあの人。当時はまだ若く、27歳前後だったようです。

ところで、著者のミヒャエル・クンツェ氏は、本来は作詞家・脚本家としての活動がメインで、グラミー賞までとってます。宝塚で何度も上演されている『エリザベート』はこの人の作品。
けど、この人、昔は法律を学んでて博士号まで持ってます。だから、この裁判をとりあげた本について書けたのですね。

ともかく、これも非常に面白い本で、私の「お薦め歴史本10冊」の中に入る良作です。

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ところで、ロシア正教会の次の総主教が決まったようです。
ロシア正教会、第16代総主教にキリル府主教を選出(朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0128/TKY200901280271.html?ref=rss
モスクワおよび全ルーシの総主教には、やはり総主教代理をつとめたスモレンスク・カリーニングラードのキリル府主教がなることが決定しました。就任式は2月1日。


参照サイト
白水社
http://www.hakusuisha.co.jp/
マクシミリアン1世 (バイエルン選帝侯)(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B31%E4%B8%96_(%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%B3%E9%81%B8%E5%B8%9D%E4%BE%AF)
ミヒャエル・クンツェ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%92%E3%83%A3%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A7
ミヒャエル・クンツェ公式
http://www.storyarchitekt.com/
宝塚大劇場 エリザベート
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/07/snow_takarazuka_elisabeth/index.html

関連記事
宗教改革に揺れるオーストリアを舞台にした処刑人となった男の物語。英・墺映画『ダークソード 処刑人』
http://xwablog.exblog.jp/10266804/
多数派でない者は枠からはずれ、人の感情を害する。白水社『中世のアウトサイダーたち』
http://xwablog.exblog.jp/8181408/
近世ドイツを生きる人びとの世界。P・ラーンシュタイン『バロックの生活 1640年~1740年の証言と報告』
http://xwablog.exblog.jp/8532065
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by xwablog | 2009-01-30 10:34 | 書庫
中世ドイツで城主となった少年の奮闘。残念ながら未完。冨士宏『城物語』。あと『fellows!』vol.2
web拍手レス
>おお!?ヴイゴ・モーテンセン主演ですか。ぜひ見たいですがこの辺境では・・・・・大阪まで脚をのばしましょうかね。
関東でも有楽町まで行かないと観れないみたいなんですよ。あんまり評判にもなってないみたいだし残念。
とりあえず、今日は行けなかったですが、月末までには見たいですね。

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ども。馬頭です。最近は映画見る暇もないです。漫画は読むけどな!
ところで、今日から『アラトリステ』という17世紀のスペインの傭兵を主人公にした小説の映画化作品が上映されているそうです。主演は馳夫さんことヴィゴ・モーテンセン。これ、本当は見に行くつもりでしたが、土曜は仕事だし、日曜はやんなきゃいけないことがあって行けません。なんか早くしないと、上映終わっちゃうんじゃないかと。最近、映画って上映がすぐ終わっちゃいますからね。

それはともかく。

城物語 Die Burgen Geschichte_冨士宏

『城物語 Die Burgen Geschichte』

(冨士宏。マッグガーデン。ブレイドコミックス。2006年。933円。222ページ)
「1250年代のドイツ。シュバルツバルトにある小領モルゲンベルク城を拝領した少年領主ミハイル・フォン・シュミートは、少し前まで鍛冶屋の息子として育ってきたのだが、貴族のフォン・シュミットの庶子だったため、騎士として叙され、父からこの城を任されたのだった。かつて平民の子だった頃に憧れた騎士になれたミハイルだったが、辺境の小城の現実に面食らうことばかりで・・・」

ナムコの『ワルキューレの冒険』の公式漫画『The Birth of Walkure ワルキューレの降誕』とかを描いた冨士宏氏が、『月刊コミックゲーメスト』で連載した中世ドイツを舞台にしたオリジナル作品。
作者が冒頭で「他でははっきり描かれる事のなかった本来の城と騎士の物語」と言っているように、リアルな中世の騎士の生活と戦いを描く内容になっています。
平民から突如騎士にされて城をまかされた利発な少年ミハイル。薄情な父から与えられたのは辺境の小城モルゲンベルク城で、部下は少なく、三人の騎士が城の実権を握り、城の金庫は空な上、隣接するアーヴェントベルク城とは小競り合いの真っ最中という問題だらけの領地だったのです。
しかし、生来の賢さとがんばり、「騎士になりたい」という夢がかなったことを励みにして、苦闘しながら騎士として、この城の領主として成長していくことになります。
残念ながら、この話は途中で終わってしまっていて、作者もそれがよほど残念だったのか、これはパイロット版みたいなもので、だれか続き描かせてほしい、みたいな感じのことを話の前後に作者自身が登場して語っています。
実際、なかなか面白く、このまま終わらせてしまうのは惜しい感じです。実際的な中世世界の描写・解説とかも、歴史好きの私としては好感が持てる作品です。

ところで、『fellows!(フェローズ!)』のvol.2が出ましたね。

Fellowsフェローズ2008年12月号vol.2

『fellows!(フェローズ!)』2008年12月号(vol.2)

(エンターブレイン。2008年。680円)
碧風羽、長澤真、入江亜季「乱と灰色の世界」、森薫「乙嫁語り」、八十八良「早春賦」、室井大資「ブラステッド」、笠井スイ「月夜のとらつぐみ」、なかま亜咲「健全ロボ ダイミダラー」、佐々木一浩「電人ボルタ」、新居美智代「グッドアフタヌーン・ティータイム」、鈴木健也「蝋燭姫」、福島久美子「水晶石の森」、佐野絵里子「為朝二十八騎」、長野香子「ノラ猫の恋」、しおやてるこ「たまりば」、薮内貴広「In Wonderland」、原鮎美「Dr.ヤモリの改心」、冨明仁「彼女と彼」、小暮さきこ「ネコベヤ」、まさひこ「グルタ島日記」、近藤聡乃「うさぎのヨシオ」、貴子潤一郎&ともぞ「探偵真木」、松山紗耶「こどもタクシー」「国境ブランコ」、川島三代子「4番目の人」、二宮香乃「蜘蛛谷」、空木哲生「スナップガール」、丸山薫「ストレニュアス・ライフ」、「ロック・ホークと深夜の情事」

これの次号予告によると、vol.1で「ラピッドファイア」を描いた久慈光久氏が、14世紀の南ドイツを舞台にした漫画を連載するようです。イタリアとドイツを結ぶアルプスの峠、ザンクト=ゴットハルトの関所・難攻不落の砦ヴォルフスムントが舞台だという話です。超楽しみ。
なんか、最近、中世ヨーロッパものの漫画多くないですか?

あと、この号の森薫氏の「乙嫁語り」の話は、建材の彫刻を彫る木彫り職人が登場しますが、なんかこれ思い出しました。

V・ヴェレシチャーギン_ドアの絵1 V・ヴェレシチャーギン_ドアの絵2


V・ヴェレシチャーギンの絵で、中央アジアでの彫刻のあるドアの絵ですね。トレチャコフ美術館だかにあったはず。

漫画の中に出て来た中央アジア的な中庭や回廊のある家に住んでみたいですね。もちろん、室内は織物だらけで!


参照サイト
コミックゲーメスト(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%
E3%82%AF%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%82%B9%E3%83%88
冨士宏(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A8%E5%A3%AB%E5%AE%8F
ヴァシーリー・ヴェレシチャーギン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%AA
%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%B3
Vasily Vereshchagin(Olga's Gallery)
http://www.abcgallery.com/V/vereshchagin/vereshchagin.html
ヴェレシチャーギン(収蔵庫 ロシア美術資料館)
http://www.art-russian.org/ve_album.html
フェローズ
http://www.enterbrain.co.jp/jp/p_pickup/2008/fellows/index.html

関連記事
ドイツ中世都市の現地の観光案内書『ヴュルツブルク さまざまな角度から』。美麗写真や興味深い記述あり。
http://xwablog.exblog.jp/7387074
中世ヨーロッパのお城の魅力を分かりやすく紹介する。『ヨーロッパものしり紀行 城と中世都市編』
http://xwablog.exblog.jp/7276176
墨家の男が城を守りにやってきた。ジェイコブ・チャン監督『墨攻』映画版。残念ながらのガッカリ映画
http://xwablog.exblog.jp/9677486/
森薫氏が描く19世紀のカフカスが舞台の新作登場。『fellows!(フェローズ!)』2008年10月号(創刊号)
http://xwablog.exblog.jp/9671068/
お城・要塞の本で、洋書を持ってた。『FORTRESS』。ブックフェアで買ってきたよ。
http://xwablog.exblog.jp/7286047
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by xwablog | 2008-12-13 23:20 | 史劇
帝権についての貴重な情報がたくさん。ハンス・K・シュルツェ『西欧中世史事典II 皇帝と帝国』
こんばんわ。最近、テレビのある生活を忘れてきた馬頭です。
ほんと、昔はあれだけ見てたのに、今は無くても全然平気。てか、いりません。どうせ娯楽番組は低俗で、報道は偏向、映画はハリウッド映画しかやんないですしね(ちょっと負け惜しみが入ってます)。

それはともかく。

西欧中世史事典II_シュルツェ

『西欧中世史事典II 皇帝と帝国』

(ハンス・クルト・シュルツェ。ミネルヴァ書房。MINERVA西洋史ライブラリー69。訳/五十嵐修、浅野啓子、小倉欣一、佐久間弘展。2005年。3500円。256ページ+39)
1 帝国
(1 概念規定、2 歴史的背景、3 帝国の領土、4 帝国と国民、5 救済史的帝国理念、6 帝国の象徴)
2 皇帝権
(1 概念規定、2 歴史的背景、3 皇帝権の国制史的・理念史的現象形態)
訳者あとがき
王朝系図
地図
史料一覧
略語表
文献および史料の補遺
地名索引
事項索引
人名索引

シュルツェが1997年に書いた『GRUNDSTRUKTUREN DER VERFASSUNG IM MITTELALTER Band 3 : Kaiser und Reich』の日本語訳です。
これの1は持ってましたが、2はずっと買うのためらってました。けど、半年くらい前(だったかな?)に買いました。書影の画像に珍しくカバーがかかってるのは、中古本でカバーがセロテープでとめてあったため。
前の『西欧中世史事典 国制と社会組織』は国の制度と社会組織についてでしたが、今回は神聖ローマ帝国の皇帝の権力と帝国という形態についての本。まだちょっとしか読んでませんが、ビザンツ帝国との関連での帝権の話とか面白かったです。あと、初期の中世ドイツ史についてのことが多く嬉しいです。

参照サイト
ミネルヴァ書房
http://www.minervashobo.co.jp/

関連記事
聖職者を任命する権利を巡って起こる多様かつ大規模な争い。オーギュスタン・フリシュ『叙任権闘争』
http://xwablog.exblog.jp/7271455
中世ドイツ国家の制度と組織を解説。ハンス・K・シュルツェ『西欧中世史事典 国制と社会組織』
http://xwablog.exblog.jp/7798331
二律背反の聖なる都が占領される。アンドレ・シャステル『ローマ劫掠 1527年、聖都の悲劇』
http://xwablog.exblog.jp/8121368
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by xwablog | 2008-11-27 02:05 | 書庫
豊富なカラー写真と図版でワルサー社の拳銃を紹介。床井雅美『ワルサー・ストーリー』
web拍手レス
>党の制式ピストル
>戦間期ドイツの政党(ナチスのみならず)は、武装パレードを行ったり警察隊や他勢力と小競り合いをしたりしていたので、普通に拳銃下げたりしてました>党の制式ピストル
情報ありがとうございます!
警官とかでもない人が普通に武装できるなんて凄いですね。しかも警官隊と小競り合いって・・・。
そういや、前に晴天さんが昔の日本じゃ普通に銃を買えたという話をされてましたが、この前買った漫画「紅壁虎」にも「例えば小金持ちの父親が成人した息子にピストルを贈るなんて話がいくらもあった」ってありました。当時の銃に対する認識ってどうだったんでしょうね。


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ワルサー・ストーリー_床井雅美

『ワルサー・ストーリー The Pictorial History of Walther Pistols』

(床井雅美。徳間書店。徳間文庫。1995年。980円。254ページ)
GALLERY
現代ワルサー・ストーリー
モデルP38ストーリー
モデルPP&PPKストーリー
ワルサーストーリー
INDEX

床井雅美氏による銃器の紹介するシリーズものの一冊。これはワルサーについて。このシリーズのものは豊富なカラー写真と図版と詳しい解説がありがたい。
なんで私がこれだけ持ってるかというと、PPK/Sをガスガンで持ってたから。この系統の銃はほんとフォルムの美しさが抜群で大好きです。実銃を一度撃ってみたいですね〜
解説には各銃の紹介だけじゃなく、ワルサー社の略史も載ってて、これを読むとワルサー社の発展の経緯がなかなか面白いです。
19世紀末に設立されたこの会社は、当初は一般向けの(どういう需要があったのかしりませんが)セミ・オートマチックピストルを作ってたそうです。軍関連のはモーゼルとかの大手が独占してたから、食い込めなかったみたい。でも、第一次世界大戦でドイツが負けてベルサイユ条約で軍備の制限がかけられると、モーゼルとかは制限があったけど、一般向けの会社だったワルサーはそうした制限がなかったとか。そして、20年代から30年代にかけて成長し、ナチス時代に制式採用されたことでより大きな会社になりました。この一連の流れがうまくハマってて非常に面白いですね。
この時に採用されたのがPPとかPPKだそうです。ところで、この本で「党の制式ピストルに・・・採用された」ってあるけど、「党の制式ピストル」ってのは軍とか警察とかとは違うってことなのかな?
戦後はワルサー社のあったチューリンゲンのツェラ・メリスがソビエトの管理地区に入ってたので、社長のワルサーさんは西側へと逃げ、パテント所得とライセンス生産の開始、1950年代に入ってからの西ドイツ軍への制式採用という感じでなんとか立て直したみたいです。はじめのまんま、東ドイツに残ってたらどうなってたんでしょうね〜

ちなみにワルサー社の正式名称は意外と長い。創設者がカール・ヴァルター(ワルサー)って人だったので、「Carl Walther GmbH Sportwaffen」だそうです。

その他、ニュースなど。

揺れる独裁者 ベラルーシで下院選 反政権派容認どこまで 「欧米接近」模索する独裁者(MSN)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080928/erp0809282113007-n1.htm
独裁者独裁者って繰り返しすぎだこの記事。わざとやってるだろ。

ボスニアの銀行強盗、持ち出したのは空の金庫
http://www.excite.co.jp/News/odd/E1222570985035.html
なんかのコントみたいだ。

ここ最近は、コサックスではなく、信長の野望・天翔記をやってます。しかもやってるといっても、自分でプレイするんじゃなくて「行方を見守る」モードにして、コンピューターに全部任せて成り行きを楽しむ、というのをやってます。だいたいは関西・九州地方の大名が全国統一することになります。意外と武田・北条・上杉ってのはあんま無いですね。たぶん、島津が一番多い。このゲームって、結局は人材がどれだけ集められるかが最重要ポイントなんで、そうなると中部・関西・九州・中国が有利となります。ゲームとしてはキャラクターゲームでもあるので、有名人とか歴史的に活躍した武将をキャラとして立たせるため強くするので、そういうのが多い地域に人材が集中します。北条・武田・上杉あたりはいい武将が多いのですが、勢力が拮抗するので、勢力拡大が難しくなってしまいます。東北はやはり人材不足で、多少いいのがいても、国力の弱さもあって、どこかの国が急速に飛び抜けて強くなることが無いので、まごついてるうちに統一勢力が攻め寄せてきて・・・と、歴史通りに進みます。
島津が優位なのは武将が粒揃いなのと、国が九州の南端にあるからというのもあります。武将をどれだけ集中して集めて戦争できるか、が重要なので、後背の領土が安全なのは圧倒的に有利なんです。だから、どっかの国が九州を統一すると、だいたい全国統一します。逆に北条氏が西には進めないので関東を北上し、東北を統一してから勢いよく西へ、というパターンもあり。意外なのは本願寺が活躍することが多いこと。統一したの見たこともあります。領地がばらけてても、かなり頑張れるようです。
時代ごとのシナリオがありますが、中期でやれば信長優位です。さすが主人公。最後の「関ヶ原の戦い」のシナリオでやれば、ほぼ確実に徳川側が勝ちます。
東北でやるとどこでもどの時代でもキツイです。この前、最北端の蛎崎でやったら、えらい大変でした。


参照サイト
ワルサー社
http://www.sinopa.ee/walther/
徳間書店
http://www.tokuma.jp/

関連記事
最近の銃と弾丸についてまとめたジオグラのDVD『サイエンス・ワールド 銃と弾丸 BULLETS』
http://xwablog.exblog.jp/7675670
南北戦争でゲリラ戦をした民兵の若者たちの運命は・・・。アン・リー監督『シビル・ガン 楽園をください』
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サンドロが向き合う過去を捨てた女と過去を失った女。相田裕『GunSlingerGirlガンスリンガーガール』第8巻
http://xwablog.exblog.jp/7973160
手先は器用だけど生き方は不器用な、英雄にしてエンジニア。『カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男
http://xwablog.exblog.jp/9564507/
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by xwablog | 2008-09-28 22:51 | 書庫
ドイツの首都・ベルリンという街の歴史をまとめた一冊。杉本俊多『ベルリン 都市は進化する』


『ベルリン 都市は進化する』

(杉本俊多。講談社。講談社現代新書。1993年。700円。316ページ)
1 萌芽の双子都市
1-都市誕生 2-市場都市 3-3つのゴシック教会堂
2 幾何学の王都へ
1-王宮 2-ベルリン・バロック 3-城塞都市 4- フリードリヒ・シュタットの格子状街路網 5-円形、正方形、八角形の幾何学広場 6-フリードリヒのフォルム
3 理性の時代の開放都市
1-シュプレー河畔のアテネ 2-シンケルの都市改造 3-ベルリン市庁舎 4-帝都のネオ・バロック 5-「賃貸兵舎都市」 6-ベルリン世紀末
4 拡散する世界都市
1-モダニズム都市 2-メトロポリスと都市機械 3-大衆の住宅地 4-ヒトラーの妄想
5 封印される都市
1-廃墟から 2-東西ベルリンの競争 3-自由と秩序 4-ポスト・モダン状況
結びにかえて

ドイツの首都ベルリン。この街が今に至るまでの歴史をはじめから解説し、その時代ごとの特徴と、都市形成に影響を与えた思想的背景を紹介しています。
最も古い記録だと1244年から名前が出るベルリンですが、シュプレー河の対岸にあったケルンと一体となって成長した街です。この街の周囲は森と湿地に囲まれ、長い間未開の土地だったのですが、中世にブランデンブルク辺境伯領の都市として、近代にはプロイセン王国の首都として急激に拡大していくことになります。
そんな街のもろもろの成り立ちを簡単に知ることができる一冊です。

著者・杉本俊多氏はドイツ近代建築史の研究者。

古本で買ったのですが、変な色付きの汁で汚れてて、へにょへにょになってたので、ちゃんと見て買えばよかった。

参照サイト
講談社現代新書
http://shop.kodansha.jp/bc/books/gendai/
ベルリンの赤い雨(アニメソングの歌詞ならここにおまかせ?)
http://www.jtw.zaq.ne.jp/animesong/ki/kinniku/berurin.html

関連記事
12世紀ドイツの歴史などに詳しいちょっと古い歴史書。F・ラウマー『騎士の時代 ドイツ中世の王家の興亡』
http://xwablog.exblog.jp/9477826
ドイツから東欧への人の流れの歴史を追う。シャルル・イグネ『ドイツ植民と東欧世界の形成』
http://xwablog.exblog.jp/7908977
二つの都、ウィーンとベルリンに焦点をあてたドイツ・中欧史。加藤雅彦『中欧の崩壊』。
http://xwablog.exblog.jp/7751553
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by xwablog | 2008-09-13 02:32 | 書庫
12世紀ドイツの歴史などに詳しいちょっと古い歴史書。F・ラウマー『騎士の時代 ドイツ中世の王家の興亡』
騎士の時代 ドイツ中世の王家の興亡_ラウマー

『騎士の時代 ドイツ中世の王家の興亡』

(フリードリヒ・フォン・ラウマー。柳井尚子/訳。法政大学出版局。叢書・ウニベルシタス386。1992年。4944円。468ページ。)
序文
「ホーエンシュタウフェン家、ツェーリンゲン家、ヴェルフェン家」「ホーエンシュタウフェン家がザリエル家を継承、ロタール選ばれてドイツ王に」「ロタール王の敵対者としてのホーエンシュタウフェン家」「ドイツ国王に選ばれたホーエンシュタウフェン家のコンラート」「王コンラート3世の初期
「第二回十字軍観説」「1147-48年の第二回十字軍遠征」「1147年のスラヴ十字軍」」「末期のコンラート3世」「フリードリヒ・バルバロッサ」「ドイツの諸問題の解決」「フリードリヒの第一回イタリア遠征」「フリードリヒのドイツ支配」「教皇との争い、そしてロンバルディアの不穏な情勢」「フリードリヒの第二回イタリア遠征」「ハインリヒ獅子公の対スラヴ戦争」「ドイツにおけるフリードリヒ」「第三回イタリア遠征」「ドイツの混乱とイギリスとの同盟」「フリードリヒ・バルバロッサの第四回イタリア遠征」「シュタウフェンの王権とヴェルフェンの大公権」「1168-74年のイタリアの進展」「フリードリヒの第五回イタリア遠征とヴェネツィアの平和」「ハインリヒ獅子公に対する裁き」「1183年のコンスタンツの和議」「フリードリヒの最後のイタリア遠征」「十字軍遠征とフリードリヒ・バルバロッサの死」「ハインリヒ6世」「絶頂期の皇帝権」「ハインリヒ6世の帝国世襲権闘争と彼の死」「イノセント3世とシチリアの混乱」「シュヴァーベンのフィリップ」「フリードリヒ2世を求める声」「フリードリヒ2世、ドイツ王兼皇帝」「シチリアのフリードリヒ2世、十字軍遠征延期」「フリードリヒ2世の十字軍遠征とグレゴール9世」「フリードリヒ2世の立法と人間性」「ロンバルディアとの衝突と王ハインリヒの謀反」「フリードリヒ2世の最後のドイツ滞在」「ロンバルディア諸国およびグレゴール9世と闘うフリードリヒ」「教皇イノセント4世に対するフリードリヒ2世の最後の闘い」「コンラート4世」「マンフレッド」「コンラーディン」
結び
訳者あとがき
原注
参考地図
系譜図
君主一覧表
地名索引

19世紀に活躍した官吏で歴史家・ベルリン大学教授のラウマーの代表作である「Geschichte der Hohenstaufen und ihrer Zeit(ホーエンシュタウフェン家とその時代の歴史)」を改訂・縮約版として1968年に、「歴史記述の古典」シリーズのひとつとしてドイツで出たものを、日本語訳したのがこれです。
元の本は全六巻、第一記の「ローマ帝国の分割からゴットフリート・フォン・ブイヨンの死まで(395-1100)」から、第九記の「12、13世紀の遺産(1 教会の遺産、2 学問と芸術、3 家庭の事情、風俗と習慣)」まであるのですが、膨大な分量になってしまうので、第2記から第4記までをさらに短くまとめた今回の形で出したみたいです。
各章のサブタイトルみるとわかりますが、ホーエンシュタウフェン家のフリードリヒ1世とフリードリヒ2世の二人の皇帝の時代をメインで扱っています。
この本の中で私が嬉しいのは、「1147年のスラヴ十字軍」と「ハインリヒ獅子公の対スラヴ戦争」の章があることですね。北ドイツ・ポンメルンのスラヴ人の王ニクロートとその息子たちがキリスト教諸国と戦います。父ニクロートが戦死、兄ヴラディスラヴは屈服してしまいますが、森の中に隠れて反抗の機会を狙っていた弟プリビスラヴが、ついに決起。ザクセンのハインリヒ獅子公、デンマーク王のヴァルデマー1世、ブランデンブルクのアルブレヒト辺境伯といったそうそうたる敵を相手に必死の抵抗を続けるのです。中でも1159年頃のデミン近郊の戦いは超燃えます。

まあ、古い本ではありますが、読み応えがあり、楽しめる内容です。この時代をカバーしてる本があまり無い中で、貴重な一冊。

その他のこと。

毒キノコ中毒で一時意識不明 北広島の男性 「食べられる」通行人の一言で(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/116882.html
危ないな〜。食べられるって言った人もテキトーなこと言うのはまずいだろ。

北海道で震度5弱=青森、岩手にも津波注意報−十勝沖、M7.0・気象庁(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2008091100178
イラン南部のホルムズ海峡付近でM6.1の地震 被害不明(CNN)
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200809100029.html
北海道の方は被害がそれほどでもなかったみたいですが、イランの方のは情報まだ流れてないので心配ですね。

今月法政大学出版局から出る《ものと人間の文化史144》の『熊』(赤羽正春)が面白そうです。

今日はお休みもらって久々の平日休み。いや、体調悪いのが不安になったのでここで一旦休みもらおうかと。で、病院に行って診てもらったんですが、風邪ですら無いみたい。この寒気とか発汗とか、頭がぼーっとしたりするのは、なんなんだ。

参照サイト
法政大学出版局
http://www.h-up.com/

関連記事
ドイツを中心とした中世に生きた女性たちの姿。エーディト・エンネン著『西洋中世の女たち』
http://xwablog.exblog.jp/7830871
聖職者を任命する権利を巡って起こる多様かつ大規模な争い。オーギュスタン・フリシュ『叙任権闘争』
http://xwablog.exblog.jp/7271455
中世ドイツ国家の制度と組織を解説。ハンス・K・シュルツェ『西欧中世史事典 国制と社会組織』
http://xwablog.exblog.jp/7798331
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by xwablog | 2008-09-11 18:12
ドロテアが捕まり魔女として火刑にかけられそうになり・・・。Cuvie『ドロテア(Dorothea)』第6巻
ドロテア(Dorothea)』第6巻Cuvie

『ドロテア(Dorothea)』第6巻
(Cuvie。富士見書房。角川書店。角川コミックスドラゴンJr。2008年。680円)
「戦いの末、ついにドロテアが捕えられてしまう。そのころ、ナウダースでも城に民衆が詰めかけ、エルゼ姫はとるべき道を誤った父親のナウダース伯を説得するために赴く。しかし、追いつめられた父はエルゼを襲おうとし・・・」

Cuvie(キューヴィー)氏による15世紀末のドイツ・神聖ローマ帝国を舞台にした『ドロテア』の最終巻が出ました。
ザクセンの援助も虚しくエムスの軍勢に追いやられ雷鎚団(ミョルニール)は敗退。ドロテアはついに囚われの身となってしまいます。しかし、捕えられた牢獄から脱出し、同じく捕われていた『白の家』のおばば・ウルスラ・シャンツガルトを助けようとしますが、彼女はすでに痛めつけられ逃げる余力もない状態。ドロテアは彼女から「生きてゆけ」という言葉と、最後の贈り物としてナウダース領内の傭兵(ランツクネヒト)たちを譲り受けます。
逃げたドロテアの替わりに無実の女性が火刑によって処刑されるのを見届けたドロテアですが、逃げる前にコンラートによってまたも捕まってしまいます。コンラートはエムスや異端審問官などには頼らず、自らの力で彼女を裁くつもりでした。ほとんど狂った状態のコンラートと対決し、これを倒すドロテア。しかし、火ひ包まれる建物から脱出することができず死にそうになってしまいます。そんな時、ギュルクがやってきて彼女を救い、ドロテアもついに自分の気持ちに素直になることができたのでした。

いやー、最後はエムスとの戦いで締めるのですが、あの時ドロテアが捕まって、まさにそのまんま、ジャンヌ・ダルクみたいな展開になるんじゃないかと思ってたので意外でした。逆転し、ついにエムス伯を倒す彼女たちが、その後も活躍していきました、っていういい終わり方でよかったです。ある程度のバッドエンドも覚悟してましたから(ドロテア死亡でギュルクとエルゼが結ばれるみたいな・・・)。
テーマとか時代とか国とかが漫画としては珍しいものだったのですが、話として面白く盛り上げたし、最後も上手くまとめてくれたなかなかの良作だったのでは。

その他、ニュースなど。

リンカーン伝記映画制作へ=スピルバーグ監督が09年に−米紙(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008051300542
リーアム・ニーソンが出演するかも?

四川大地震写真(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/graph/chinashisen/index.htm?from=yoltop
凄い地震だったみたいですね。テレビとかで映像みるわけじゃないから、いまいちよく伝わってこなったけど、こりゃ凄い。この前のミャンマーの台風といい、これといい、東アジアは大型自然災害ばっかだな。

大地震をカエルが予知?=数十万匹が大移動−中国四川省(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008051300733
この前関東でも、深夜に連続して地震あったけど、なんか大きな地震の前触れだったり・・・

門司海保、対テロ合同訓練 サミット控え県警などと (エキサイトニュース)
http://www.excite.co.jp/News/society/20080513130143/Kyodo_OT_CO2008051301000408.html

今、若者にウケる「蟹工船」 貧困に負けぬ強さが魅力?(asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/0513/TKY200805120295.html?ref=rss
今度読んでみよう。どこのがいいんだろ。それにしても最近は再訳とか復刻とか再発見とか流行ってんなぁ。

10代少女、ネット見て作った爆弾で恋敵の家を大爆破、女性の家が全壊・・・英(痛いニュース)
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1127132.html
こ、これは・・・硝酸アンモニウム系の爆弾? イギリスのヤンデレは斧とか鉈とかみたいな文系の武器じゃなく、理系の武器でやるらしい。
この少女の集団ってレディースみたいなものなんでしょうかね?

参照サイト
ShootOuts on web Cuvie公式
http://cuvie.hp.infoseek.co.jp/
富士見書房
http://www.fujimishobo.co.jp/

関連記事
エムスとの戦いの中、雷鎚の魔女であることが危機を招くことに。Cuvie『ドロテア 魔女の鉄鎚』第5巻
http://xwablog.exblog.jp/7988154
その想いを確かに抱き・・・。Cuvie(キューヴィー)『ドロテア 魔女の鉄槌』第4巻
http://xwablog.exblog.jp/7933356
畏怖を込めて魔女と呼ばれ・・・。Cuvie『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第3巻
http://xwablog.exblog.jp/7838479
異端の拠点を襲撃する傭兵団だが・・。Cuvie(キューヴィー)『ドロテア(DOROTHEA)』第2巻
http://xwablog.exblog.jp/7805108/
中世ヨーロッパを異教のまま生きる少女の物語。『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7755042/
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by xwablog | 2008-05-13 20:54 | 史劇
近世ドイツを生きる人びとの世界。P・ラーンシュタイン『バロックの生活 1640年~1740年の証言と報告』
ゴールデンウィークももう終わりに近づいてきてる感じがするのですが、何もできなかったなぁ。
明日のコミティアも行けそうにないです。

バロックの生活 1640年~1740年の証言と報告


『バロックの生活 1640年〜1740年の証言と報告』
(ペーター・ラーンシュタイン。訳/波田節夫。法政大学出版局。叢書・ウニベルシタス228。1988年。3900円。488ページ)
第一章 時代の輪郭
第二章 回顧
第三章 肉体と魂
第四章 お上と臣下
第五章 職業と経済
第六章 旅と冒険
第七章 戦争
訳注
訳者あとがき
人名索引
文献一覧

バロック時代のドイツの生活を紹介した本。著者は1913年シュツットガルト生まれのラーンシュタイン氏で、定年するまでは役人。法学博士でもあったので、停年後は法律家、文化史家、寄稿家として活躍とか。この『バロックの生活』は1974年に出した本で、ほかに書いた本もだいたい1970年代以降に書かれたものです。
「本書はバロック時代の人々の生活の跡をたどることをめざしている。調査する時期は三十年戦争の収支決算で始まり、1740年、ウィーンではマリア・テレジアが、ベルリンではフリードリヒ2世が即位した年に終る。地理的には当時のドイツ文化圏を扱うが、これは多かれ少なかれドイツ国民の神聖ローマ帝国の領土と合致していた。」
冒頭にこのように書いてある通り、当時のドイツ文化圏における人びとの生活に焦点を当て、同時代における様々な記録・証言・報告を引用しつつこの時代がどのような時代であったのか、そして何よりもその中で活き活きと生活する人間の姿を掘り起こしていきます。
もっとも、やっぱり昔の生活は苦しかったのか、悲惨な話も結構ありますが、今と変わらぬ部分もあったりして、非常に興味深いです。

ドイツについてがメインの本ですが、ドイツ以外の地域の証言なんかも取り上げたりしています。ロシアでいえば、ピョートル大帝について言及している部分がありますが、サンクト・ペテルブルクについてこうあります。
「ピョートルはヘラクレスの如き人物であった。そしてそういう人物として真にバロック的現象であった。彼が自分の意志を記念するために自分の都市ザンクト・ペータースブルクを建設したやり方もバロック的である。この首都は彼の意志に従って短期間のうちにネヴァ河の河口の沼地から生れた。この時代の特性を示すものとしての都市の建設については後でさらに詳述するが、このペータースブルクは模範例である。」(P134より抜粋。)
バロック都市としてサンクト・ペテルブルクが分類されるようですね。当時の都市建設ブームみたいのはヨーロッパ全体での流れとして見る必要があるんですが、じゃあ、それにどの都市が当てはまるのかというと、いまいちちゃんと知らないですね。P156に書いてあるのを見ると、カールスルーエ、マンハイム、ハイデルベルク、ルートヴィヒスブルク、ハーナウ、カッセル、ポツダム、といった場所のようです。

「死に方というものがあった。そんなものを習得しようとする人は今ではもはやほとんどいないであろう。しかし当時の人は貴賤を問わず、きちんとそれを心得ていたのである。」(P130)
なんか、日本にもこういう美学的なものがあったような。
そういや、この本の中に三十年戦争の時の将軍のひとり、マンスフェルトの死に様についてのことがちょっと書いてありました。

あと、今探しだせなかったけど、あまりに苛酷な生活のため、老婆のような姿になってしまった女性の話が載ってるのも、確かこの本だったかな?

ともかく、この手の「当時の証言」系の情報が満載の本が好きならこれは外せない一冊です。この前紹介した『鉄腕ゲッツ行状記 ある盗賊騎士の回想録』も似た系統ですが、あっちはまさに自伝。

ヨーハン・ディーツ親方自伝

ちなみに『大選帝侯軍医にして王室理髪師 ヨーハン・ディーツ親方自伝』(コンゼンツィウス著。白水社)という本がありますが、このヨハン・ディーツって人もこの時代の人で、その証言は『バロックの生活』の中でも何度も取り上げられています。



その他、ニュースなど。

グルジア無人偵察機2機を撃墜=アブハジア当局者(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008050400192
これって、こんな「局地的」な戦いでも無人偵察機が使用される時代になったということなのか、それとも私自身のイメージするよりももっとこの紛争当事国の所有兵器のレベルが高いのか、どっちなんでしょうね。

シラーの頭蓋骨、どちらも偽物=DNA鑑定で判明−独(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008050400017
中部ドイツ放送、ということはドキュメンタリー番組かなんか作るのかな。見たいなぁ。

持ち出した発掘物、実は10倍の4万点=米大所蔵のマチュピチュ遺跡品−ペルー(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200804/2008041500107&rel=j&g=int

「ノルウェーのエコ」写真特集
http://eco.nikkei.co.jp/special/article.aspx?id=20080501q0000q0
nice boat...

意外な人が意外な順位!? 明治時代の「英雄番附」(エキサイトニュース)
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091209572929.html
「「番附」は、東洋と西洋に分かれているが、横綱は東洋が豊臣秀吉、西洋がナポレオン一世、大関は東洋が成吉思汗(チンギスハーン)、西洋が歴山大王(アレキサンダー大王)、関脇は徳川家康、シーザー、小結は西郷隆盛、ペートル大帝(ピョートル大帝)といったところ。」
うーむ、ピョートル1世の扱いはどれくらいなんだろ。一枚欲しいな〜。

参照サイト
法政大学出版局
http://www.h-up.com/
白水社
http://www.hakusuisha.co.jp/
ディートリヒ・ブクステフーデ (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA
%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%96%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%87
科目名:ヨーロッパの生活と文化 平成15年度後期 ヨーロッパ庭園史(1)
http://sng.edhs.ynu.ac.jp/lab/iwakiri/2003-lecture.html

関連記事
ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの自伝『鉄腕ゲッツ行状記 ある盗賊騎士の回想録』。痛快極まる面白さ!
http://xwablog.exblog.jp/8335876
12年振りの『近世の文化と日常生活』だったという話の記事
http://xwablog.exblog.jp/7239531/
斜行戦術によって勝利を掴んだプロイセン軍。MAA『フリードリヒ大王の歩兵 鉄の意志と不屈の陸軍』
http://xwablog.exblog.jp/8014875
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by xwablog | 2008-05-04 23:59 | 書庫
ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの自伝『鉄腕ゲッツ行状記 ある盗賊騎士の回想録』。痛快極まる面白さ!
web拍手レス
>鉄腕ゲッツ面白そうですね。「サムライとヤクザ」という本を思い出しました。
基本的にこの人は、自分のために行動したので、任侠とか武士道とかとはちょっと違うかもしれません。他人のフェーデに参加したのだって、人助けとかそういうのじゃないですし。でも、かぶき者とかには通じるところがあるかもしれない?

ーーーーーーーーーーーーーーーー

どうも。馬頭です。今日はカレル大学が創設された日ですね。

ところで、この二週間何をしていたかというと、知り合いの同人誌にボヘミアのヨハン盲目王についての短い記事を書くことになり、それをずっとやってたのでした。最近の集中力低下は酷いもので、ブログの記事と同時にだと進まなそうだったので、ブログはちょっと手を止めて、ヨハン王についてずっとやってました。
ほんの2ページ分でいいというので簡単にできるだろうとか思ってましたが、『王権と貴族』とか『世界歴史大系』とか『オーストリア史』とかいろいろ読み直してたら、思ったよか時間かかりました。昨日完成したので、ブログの方を再開したというわけです。

これやってる間にも他の本とかも読んじゃったりしてたのですが、その中で、これは非常に面白かったです。



『鉄腕ゲッツ行状記 ある盗賊騎士の回想録』

(ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン。訳/藤川芳朗。白水社。2008年。2500円。244ページ)
訳者まえがき
構成
献辞
第一部 フェーデ
その一 生い立ち、ブルグント遠征、辺境伯の小姓としての日々
その二 スイス戦争、マクシミリアン1世から言葉をかけられる
その三 盗賊騎士ゲッツの誕生、ニュルンベルク戦争での大手柄
その四 厚顔無恥な傭兵を相手に、危険な大立ち回りを演じる
その五 追い剝ぎ同然の騎士たちがぶつかり合う、小さな逸話
その六 砲弾で片手を失うが、鉄腕騎士となってますます暴れる
その七 姓名未詳の煽動者を支援した、ゲッツ兄弟の短い逸話
その八 対ケルン市のほか、フェーデがフェーデを呼ぶ日々
その九 対バンベルク・フェーデ、ただし狙いはニュルンベルク
その十 帝国追放刑と破門、さらには戦争で捕虜となる体験
その十一 生涯最高額の身代金を得るフェーデ、他の騎士との確執
第二部 農民戦争
その一 農民軍に無理強いされて、その隊長となったいきさつ
その二 農民戦争の責任を問われ、二年の幽閉生活を送る
その三 釈放に際しての条件、裁判官の横顔とルター派の信仰
その四 シュヴァーベン同盟解散で失われた釈明の機会
第三部 騎士としての武力行動
その一 若いころ、一貴族の争いに加勢し、捕虜となる話
その二 ジッキンゲンを訪れる途中、見知らぬ騎士に襲われる
その三 恩赦で軟禁を解かれ、対トルコ戦争でウィーンにおもむく
その四 すでに高齢ながら、カール5世のフランス遠征に参加する
その五 世のため人のために生きたことを、今一度教訓として語る
その六 神の恩寵を信じつつ、回想に終止符を打つ
訳注
ゲッツ年譜
訳者あとがき

中世末期/近世初期、15世紀と16世紀のドイツに生きたひとりの騎士の回想録の翻訳です。
ゲッツはゴットフリート・フォン・ベルリヒンゲン(ゴットフリートの愛称がゲッツ)という騎士でしたが、生涯にわたってさまざななフェーデ(私闘)を繰り返し、自分のどころか他人のフェーデにまで手を貸して当人よりも大活躍したりする上に、商隊を襲うなど盗賊騎士としても悪名高く、たいそうな暴れん坊でした。彼は1480年頃に生まれ、1562年まで長生きしたのですが、晩年近くなって自分のしてきたことを回想録にまとめました。これはベルリヒンゲン家に代々伝わり、あまりの面白さから、どんどん写本が作られ、さらには出版されていくことになります。19世紀半ばになって子孫のフリードリヒ・ヴォルフガング・ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン=ロサッハ伯爵という人が、『鉄腕騎士ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンとその一族の歴史』という本を書いてたりしますが、その他にも多くの作家が彼をモチーフに作品を描き、中でもゲーテが1773年に『鉄腕ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』というものを書いていたりもします。
ゲッツが「鉄腕」なるあだ名をちょうだいしているのは、若い頃に参加した戦いで、砲弾があたって重傷を負って右手を失い、それ以後は機械仕掛けの精巧な義手をしていたためです。彼はそんな体になっても以後もフェーデを続け、浮き沈みの激しい生涯を送った人物でした。
そんなゲッツが書き出した彼の人生の物語は、緊迫する戦争のやりとりや、喧々諤々の大騒動、笑ってしまような間抜けなエピソードなど様々な話が盛り込まれ、生き生きと描写されています。大都市を相手に渡り合ったり、著名な人物が登場したりと、思わず「おお〜っ!」と言いたくなるような、痛快で面白い冒険物語となっているのです。
内容は判り易く、文も読み易く、ある意味小説のような感覚で読めるのではないでしょうか? これは中世・近世のヨーロッパ史に興味がある人にはオススメです。特に当時の様子について知りたい人にとっては超オススメの一冊となっています。是非どうでしょう?

○追記
せっかくなので興味深かった部分など抜粋してみます。

「さて、ニュルンベルクの者たちと敵対するつもりであったことを、わしは誰にも隠し立てしようとは思わぬ。すでに準備に取り掛かっていたときに、どう進めるのが一番よいかを、今一度じっくり考えた。そして思いついたのが、まずは例の坊主、つまりバンベルクの司教と談判する、という手であった。そうすればニュルンベルクの者たちも黙ってはおるまい。このような考えから、わしはまず、司教が通行の安全を保証した九十五人の商人たちを襲い、引っ捕えてこっちの言うとおりにさせた。」

ゲッツはこんな感じで人びとを捕えては身代金を取ったりして稼ぎました。基本的には「フェーデ」という形で正統な理由を持って行うのですが、中には理由を後付けして襲う場合もあったようです。
しかし、捕まってしまう人の中には運の悪い人もいるようで、次のようなことがあったようです。

「つまり、前々から知っていたことだが、ニュルンベルクの商人がフランクフルトの見本市に行くときは、ヴュルツブルクに泊まった翌日、徒歩でハビヒツタイルとマイン河畔にあるレングフルトの町を通り抜け、シュペッサルト山地に向かうことになっていた。わしはまず確かな情報を集め、やがて五人か六人の商人を引っ捕えた。そのなかの一人はこのわしにすでに三度、しかもこの半年のあいだに2度とっつかまり、一度は金品を取り上げられていた。ほかの者たちはニュルンベルクのしがない荷造り人たちであった。」

三度も! 捕まり過ぎだ。災難もいいとこです。

他にもいろんな戦いがあるんですが、とある村で因縁のある人物とその主人の騎士を追いかけ回していた時、逆に農民たちに襲われる話なんてのも面白かったです。

「そうやってわしが村のなかでやつを追いかけ回していたとき、一人の農民が石弓に矢をつがえているのが目に入った。そこでわしはそいつに突進し、射るまえに矢を払い落としてくれた。それからすぐに馬を止め、そやつを剣で一突きして、わしがナイトハルト・フォン・テュンゲンの一党であること、したがってフルダの味方だってことを思い知らせてやったよ。ところがその間に農民たちが群をなしてやってきて、手に手に豚小屋用のフォークだの手斧だの、あるいは投げ斧やら薪割り斧やら石やらを持ち、わしを取り囲みおった。俗に言う、『ぶん投げろ、さもなきゃ何も始まらぬ、ぶっ叩け、さもなきゃ何も手に入らぬ』というやつで、手斧やら石やらがわしの頭をかすめてびゅんびゅん飛び交い、こっちのお椀を伏せたような格好の兜を直撃するのではないかとひやひやしたよ。」

なんかその場面が思い浮かべられて笑えます。この本はそういう想像を誘う場面が多いです。

あと、東欧関連の話ではこれが面白い。
1499年、まだゲッツが若い頃、小姓としてホーヘンツォレルン家のアンスバハ辺境伯フリードリヒ5世に仕えていたのですが、その時にポーランド人と諍いを起こしたことがありました。

「ある日、食事のときにたまたまポーランド野郎の隣の席につくことになった。そいつはな、髪の毛の色つやが良くなるからと、溶いた鶏卵を塗っておるようなやつだった。わしがそのとき、わが殿ファイト・フォン・レンタースハイム様がナミュールで作らせてくださった、フランス風の長い上着を着ておったのは、思えば幸いなことであった。というのも、わしが今しがた述べたポーランド野郎の隣で勢いよく立ち上がったとき、知らぬうちにその上着が触れて、やつのきれいに撫でつけた髪を乱してくれたのだ。まだわしが立ち上がっている最中のことであったが、やつがパン切りナイフで突きかかってくるのが目の隅に入った。こっちのからだはかすりもせなんだが、わしがこん畜生と思ったのも道理というものであろう。わしはそのとき長い剣と短い剣を手元に携えておったのだが、とっさに短い方をつかむと、奴の頭をポカリとなぐってやった。それでも小姓のお勤めは決められたとおりにつづけ、その夜は城にとどまっておったよ。」

血気盛んなお年頃ですから、こんなしょーもないことで喧嘩も起きようというもの。しかし、翌日、次席侍従からお前を捕えるとのお達しが。納得できないゲッツは辺境伯フリードリヒの息子たちのところへ行き、匿ってもらう。しかし、王子たちが父や母のところに行ってとりなしたものの、ゲッツが一応罰せられないといけないということになってしまいます。なにせ、ゲッツが問題を起した相手のポーランド人は、辺境伯フリードリヒの妃ソフィア(ゾフィー)の関係者だったのです。なんで、辺境伯の妃とポーランド人に関係が?、と思うかもしれませんが、このソフィアという奥さんは、当時のポーランド王ヤン1世の妹で、前王カジミェシュ4世の娘だったのです。ここでゲッツがちゃんと処分されないと、妃側の面子が立たないというわけで、さすがに王子たちでもどうにもできなかったみたいです。ちなみにこの王子たち三人の中の三男アルブレヒトは、1512年にドイツ騎士団の総長に就任し、さらに1525年にはプロイセン公となるのです。つまりプロイセン公国、ひいてはドイツ帝国はこの人から、という大事な人なわけです。こんなところでもゲッツは著名人と関わっていたりします。この本には他にも神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世や、騎士戦争の参加者ジッキンゲンやフッテンなども登場します。
さて、このポーランド人の小姓とのいざこざですが、さらにひとつエピソードが入っています。あの後ゲッツはある場所でポーランド人の小姓とばったり出会うのです。

「と、どうしたことか、不意に当のポーランド野郎が、とはつまりわしが城中で殴りつけてやったやつ、そして今はわしに仕返ししたがっているやつが、思いがけず一人でこっちへやって来るではないか。わしもまた一人であったから、千載一遇の好機が訪れたのであった。そこでわしはすぐさま意を決して、やつに戦いを挑み、攻めに攻めた。やつはたまらず逃げ出して、自分がそのころ仕えていたリトアニア公の宿所に飛び込んだ。さもなければ、かならずや一太刀あるいは幾太刀か食らわせてやったものを。それにしても人だかりがすごかったから、市場や家の窓からわしらを見ていた人間は百人にものぼったであろう。」

当時、アンスバッハにリトアニア公の宿所があったというのも面白いですね。この時のリトアニア公アレクサンデルは、ヤン1世と同様にカジミェシュ4世の息子のひとりで、辺境伯の妃ソフィアの兄弟ということになります。

これの他にも、とあるボヘミア貴族が、その時のボヘミア王ヴワディスワフ2世(ハンガリー王でもあったのでウラースロー2世でもある)に叛旗を翻すため、あることに手を貸そうとするも失敗してしまう、という話が入ってます。これなんかも面白いですよ。だいたいこのヴワディスワフ2世ってのもやはりカジミェシュ4世の息子のひとりで、妃ソフィアの兄弟なんですから。

他にもいろいろ面白い逸話がありますが、それはどうかこれを読んでみてください。

ところで、鉄の義手に「ゲッツ」という名前、というと、漫画の『ベルセルク』を連想してしまいますね。『ベルセルク』の主人公は「ガッツ」で鉄の義手ですし。でも、作者の三浦建太郎氏は、ゲーテの『鉄腕ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』は知らなかったとか言ってるみたいです。でも、ここまで似てるのは、どこかでこのゲッツについての話を聞いたことがあって、それがモチーフになって作られたんでしょうね。

あと、『銀のうでのオットー』に言及したかったけど、本が見つからないので、それについてはまた今度。

参照サイト
白水社
http://www.hakusuisha.co.jp/
鉄腕ゲッツ行状記
http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=02629

関連記事
エムスとの戦いの中、雷鎚の魔女であることが危機を招くことに。Cuvie『ドロテア 魔女の鉄鎚』第5巻
http://xwablog.exblog.jp/7988154/
カラー写真満載! ドイツの文化などを紹介する本『Knaurs Kulturfuehrer in Farbe. Deutschland』。
http://xwablog.exblog.jp/7957530/
12年振りの『近世の文化と日常生活』だったという話の記事
http://xwablog.exblog.jp/7239531/
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by xwablog | 2008-04-07 23:58 | 書庫
多数派でない者は枠からはずれ、人の感情を害する。白水社『中世のアウトサイダーたち』
ああ、なんかどんどん暖かくなってきましたね。体調が良くないので、昨日までずっとコート着て外出てましたが、さすがに今日は暑すぎで薄着にしました。

ラサ騒乱10人死亡=警官隊が威嚇発砲、新華社報道−チベット主席、ダライ派非難(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008031500237
警官隊発砲で7人死亡か=チベット族デモ、四川省に拡大−中国
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2008031600189
これからどんどん大変になってく。今後、「チベット独立戦争」とかそんな呼ばれかたするような展開には・・・・ならないか。

2年間トイレに座り続けてトイレと一体化した女性、便座ごと病院へ運ばれる(痛いニュース)
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1103331.html
何度読み返しても、状況がよくわかりません。でも、寒い日も暑い日も、ずっとひたすら下半身は裸だったってことだけはわかった。(ぉぃ

それはともかく。
わずかに残った「卑しき人びと」の記録をもとにした本。

中世のアウトサイダーたち

『中世のアウトサイダーたち』

(フランツ・イルジーグラー&アルノルト・ラゾッタ。訳/藤代幸一。白水社。1992年。3200円。348ページ)
第一章・周辺集団とアウトサイダー
第二章・乞食とならず者、浮浪者とのらくら者
第三章・ハンセン病患者
第四章・心と頭を病む人びと
第五章・風呂屋と床屋、医者といかさま医者
第六章・大道芸人と楽士
第七章・魔法使い、占い女、狼男
第八章・ジプシー
第九章・娼婦
第十章・刑吏とその仲間
第十一章・結論でなく、いかがわしい人びととまともな人びと

中世都市ケルンを例にして当時の社会の周辺集団・疎外者・底辺に住む人びとを紹介した一冊。著者はトリーア大学の教授フランツ・イルジーグラー氏と、ミュンスター市にあるウェストファーレン産業博物館のアルノルト・ラゾッタ博士。訳者の藤代幸一氏は、これの他にも、『ある首斬り役人の日記』とか『ハンス・ザックス謝肉祭劇選』『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』『黄金伝説抄』なんかを訳してますね。
社会の基準に達しないもしくは反する行いをする人びとが、いったいどのような扱いを受けたのかがそれぞれの職業ごとに紹介されていますが、中でも娼婦の扱いの酷さは凄いです。社会の底辺といえるそれは抜け出すことさえ不可能な構造を持っています。あと、処刑とか拷問を行う刑吏も興味深い。ある一定の権力・地位を持ってはいるのですが、それと同時に蔑視され忌み嫌われる存在として差別されました。
こうした強烈な差別があったわけですが、一部においては意外と寛容だったりしてそこも面白いです。中世というと非寛容な社会というイメージばかり強いですが、この本に出てくるような社会の底辺にいる人びとを、思ったよりか許容しているところもあります。中でも娯楽に関する商売、楽士や大道芸人、見せ物屋などが、結構普通に商売させてもらったりもしています。どうも、都市の上層部の人たちが娯楽の提供について必要だと認めていたという感じがあります。(もちろん、そうした人たちもこれらの娯楽を楽しんでいます)
その他にもいろいろ興味深い話が満載で、なかなか知られることのない中世都市の下層社会を知ることのできる面白い一冊かと思います。

この本に書いてあったことですが、差別は少ない労力で自己を防衛することの出来る便利な手段であり、非合理的な差別には合理的な効率の良さがある。それは社会構造に取り込まれた合理性なので、ここにかかる「手間」が減らない限り差別は無くならないのでは、とちょっと思ったりもしました。

あと、スラヴ関連の記事はほぼ無いこの本ですが、冒頭にちょっとだけあります。ケルン市がリューベック市に対して出した書き付けのことが書いてあるのですが、そこにはスラヴ人のことがちょっと出てきます。
ある人物の身分証明(嫡子証明書)のための書き付けなんですが、この中で、「メッデメンのヤーコプは婚姻により正式かつ合法的に生まれた者にして、奴隷ではなく自由民であり、ヴェンド人ではなくドイツ人である。」とわざわざ「ヴェンド人(スラブ人)」ではないことを断ってるんですよね。これはどうやらリューベックのようなハンザ同盟の都市では重要だったみたいです。でも、逆にケルン市ではそれほど重要視されない事柄だったということもまた不思議な事情です。つまり、スラヴ人との関わりが密接だったハンザ都市では、その関係性からスラヴ人の地位が低く見られていたということかも。そういえばハンザ都市であるノヴゴロドって、ドイツ人とかの外国人商人を隔離して扱ってたわけですが、そこらへんも対になってるみたいに見えますね。こうなると、ハンザ都市でのスラヴ人の扱いについても知りたくなります。

『中世のアウトサイダーたち』は、2005年に新装版が出てます。ちなみにタイトルが改題されて『中世のアウトサイダー』となってるので注意。

参照サイト
白水社
http://www.hakusuisha.co.jp/

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by xwablog | 2008-03-16 23:45 | 書庫