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タグ:サイエンス ( 34 ) タグの人気記事
動物を軍事目的で使用してきた歴史を紹介。マルタン・エモスティエ『図説 動物兵士全書』
web拍手レス
>太田三楽斎が軍用犬らしきものをつかい、同盟国の里見一族と絡んで、巷説から八犬伝らしいですよ。
へー、日本の戦闘犬ですか〜。なんかいいですね〜。それが八犬伝に、というのも面白い。
かつての犬養部の一族は屯倉の守衛が仕事だったそうですが、彼らはのちに犬を手放して軍事系氏族になったそうです。もとのは軍用犬て感じじゃなさそうですね。

>カップめん、僕も好きですが・・・・どうか野菜も魚も食べてください。よく噛んで食べると頭が冴えますよ〜
わかりました。よーし、それじゃあ次はシーフードヌードルでも・・・!

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今日は暖かかったですね〜。20度だそうです。そして、花粉が酷かった。鼻水がでるわでるわ、汲んでも尽きぬ豊かな泉のようじゃった。顔も眼も痒いし、たまらん。
そうそう。最近はやけにお腹が張る感じがし続けてるし、実際たくさん食べてるので、食事をカップ麺系一本に絞ろうかと決めました。そんで、カップ麺を作る時、お湯入れてからそのこと忘れて他のことしちゃって少しのび気味になることが多いから、タニタのキッチンタイマー TD-380を買いました。こ、これ便利ですね。なんで今まで使わなかったんだか。

それはともかく。

図説 動物兵士全書_マルタン・エモスティエ

『図説 動物兵士全書』

(マルタン・エモスティエ。訳/吉田春美&花輪照子。原書房。1998年。3600円。416ページ)
はじめに 権力の残酷さと想像力
第1章 動物と戦いの精神
第2章 軍用犬、軍務の三〇世紀
第3章 伝書鳩、ノアの洪水から湾岸戦争まで
第4章 ロバ、ラバ、牛、あらゆる戦場へ
第5章 軍用象、今昔
第6章 ラクダ、砂漠の戦争
第7章 馬、あらゆる戦いの友
第8章 アザラシ、アシカ、イルカ、特殊工作員

この本は1996年にフランスで出された「LES ANIMAUX-SOLDATS」という本の翻訳です。著者は同じシリーズとして『図説 自殺全書』『図説 死刑全書』といった本を書いたエモスティエ。
古今東西の軍事に利用された動物たちのことについてまとめたもので、各章は動物ごとに区切っていますが、各所でそれ以外の動物のことについても言及されていたりもします。
動物を軍事目的に使うというのは歴史の一番はじめから行われていたことで、そして第二次世界大戦の時ですらまだまだ多用されたりしていました。彼らは、敵兵を殺すことのみならず、運搬、伝達、警報、探索、占卜、愛玩、そして食用と、多岐にわたる目的のために利用されます。
この本では、そういった動物たちの活躍と利用法を当時の情報を紹介しつつ解説していきます。
写真や図版が豊富で(180点)、それだけでもなかなか貴重なものを見せてくれますよ。
ちなみにメインは西洋の話で、東洋の話はほんの少しだけ。

カエサルが伝書鳩のシステムを多用したという話とか興味深いですね。そこらへんだけまとめてある記事とかないかな。
カール・マルテルのポワティエの戦いでの勝利も伝書鳩で伝えられたとか。
攻城戦とかで投石機で投げるものに、動物の死体とか病気になった人間の死体とかがあったのは知ってたけど、壷に入れたサソリやら蛇やらというのもあったそうです。
軽騎兵の「フッサール」の語源はハンガリーでマーチャーシュ王が20人あたり1人の騎兵を出すようにしたから「20分の1」がもとだそうです。

ところで誤植みつけました。384ページ、左から一行目と二行目、「一九九四年」とありますが、クリミアでの戦いの話なんで、「一九四四年」の間違いですね。

参照サイト
原書房 HARA SHOBO official site
http://www.harashobo.co.jp/
動物兵器(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%85%B5%E5%99%A8
軍馬(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E9%A6%AC
軍犬(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E7%94%A8%E7%8A%AC
伝書鳩(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9D%E6%9B%B8%E9%B3%A9
戦象(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E8%B1%A1

関連記事
君は速水螺旋人を読んだ事があるか!?『速水螺旋人の馬車馬大作戦』という名を持つ本の形の果てしない世界
http://xwablog.exblog.jp/8611488
豚と人間との関わりの話。豚ってとってもお役立ち。H-D・ダネンベルク『ブタ礼讃』
http://xwablog.exblog.jp/8200654
世界経済史の重要ファクターなのに世界史ではほとんど重視されてない『毛皮と人間の歴史』
http://xwablog.exblog.jp/7696009
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by xwablog | 2009-03-18 23:52 | 書庫
人が人を食べることから読み取れるものとは。中野美代子『カニバリズム論』
web拍手レス
>カニバリズム・・・・怖いけど、確かに興味を引かれます。そういえば西南戦争関係の本に
>そういう話が出てきて驚いたことがあります。日本でも、だいぶ後まで残っていたのでしょう。
薩摩の兵士が相手を喰ったとかなんとかでしたっけ? ひえもんとったりー。

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この前、むちゃくちゃ暖かい日がありましたが、あの日以来、花粉のせいで目やら鼻やら顔やらが痒くて痛くてたまりません。早く夏にならないかな。もしくは砂漠に移住しよう。

それはともかく。

カニバリズム論_中野美代子

『カニバリズム論』

(中野美代子。福武書店。福武文庫。1987年。600円。288ページ)
序(澁澤龍彦)
1 
カニバリズム論--その文学的系譜
迷宮としての人間---革命・悪・エロス
食の逆説--開高健氏『最後の晩餐』をめぐって
中国人における血の観念
2
魔術における中国--仏陀とユートピア
中国残酷物語--マゾヒズムの文化史
虚構と遊戯--中国人の性格について
3
王国維とその死について--一つの三島由紀夫論のために
恐怖の本質--アンドレーエフ「血笑記」と魯迅「狂人日記」
単行本あとがき
文庫版あとがき
初出一覧
解説(荒俣宏)

中国文学の研究者で、北海道大学の教授だった中野美代子氏がいろいろな所に書いたカニバリズム(食人)についての記事をまとめた本。1975年に出したものの文庫化です。
中国の話が多いですが、古今東西のいろいろな食人の事例を出しつつ、その行為の意味、本質、そしてその行為が問いただす事、を解きほぐすとこんな感じかもといったような事が書いてあります。
人喰いという異常性は表面ばかり見てると簡単な結論に落ち着きがちですが、深く考えれば考えるほど行為と観念のパラドックスでこんがらがってきます。なかなか興味深い。
どの話も面白く、読み始めると止まりませんね。怖いものみたさ故か、それともある意味パズル的な試考の故か。

人の肉を、というと、私としてはどうしても子供の頃に読んだ『三国志』の話が強烈に印象に残ってますね。
あと、最近だと『宗像教授』シリーズの話や、『キノの旅』の「人を喰った話」でしたっけ? あれとか。

参照サイト
カニバリズム(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

関連記事
ネネツ族(Nenetsy。ユクラ。ユクラ・サモエード)_クワルナフ用語辞典
http://xwablog.exblog.jp/7158460
イタリアでの騒々しい美食の日々。ヤマザキマリ『それではさっそくBuonappetito!(ブォナペティート)』
http://xwablog.exblog.jp/10297589
タバスコ中瓶と無敵屋と牛乳酒、という記事。
http://xwablog.exblog.jp/7280561
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by xwablog | 2009-02-18 01:11 | 書庫
エジソンが狙う恐竜の発明品に仕掛けられた罠とは? 久正人『ジャバウォッキー』第7巻
・今日は帰ってきたら謎の体調悪化。寒さのせいか?
『アフタヌーン』の最新3月号買ってきましたが、どうやら来月に『ヒストリエ』の5巻が出るようです。あと『ヴィンランド・サガ』の7巻も。ヒストリエの方はあのペラの街の絵とかもちゃんとなってるようでした。ちなみに今号ではアンティパトロスとかディオドトスとか登場。
しかし、今のアフタヌーンは古代ギリシャにヴァイキングと、私の好みばっちりの作品があって嬉しいですなぁ。

それはともかく。

ジャバウォッキー第7巻_久正人

『ジャバウォッキー』第7巻

(久正人。講談社。マガジンZKC。2009年。571円。222ページ)
「エジソンたちを撃った狙撃手を追ってワイルドウェストショーに潜り込んだリリーとサバタ。謎の産業で栄えるモンコで地下の秘密工場を発見したのだが、彼らは自分たちがエジソンの策略で動かされていたことに気づく。さらには一座の人たちが国の諜報機関のメンバーであることがわかり、これと共闘することになってしまうのだが・・・」

『ジャバウォッキー』の第七巻です。『マガジンZ』の休刊にともない現在連載していたweb雑誌『ZOO』も休刊し、残念ながらこれが最終巻となります。でも、最後はうまいことまとめてあって、突如終わったという感じは全然しません。一応予定通りなのかな?
モンコにある「有翼の蛇」教団の秘密工場で何かが作られていることを調べるため、潜入するリリーとサバタですが、バッファロー・ビル率いるワイルドウェストショーのCIAメンバーたちもこれを調べてて、現場でバッティングすることになります。さらにはイフの城をだまくらかして動かし、この工場を見つけるのを手伝わせたエジソンは、その恐竜たちの発明品を奪いとるために自らの私兵部隊「99」を送り込みます。恐竜たちと99の死闘の中、現れたのは高性能な「自動車」でした。奪い取られる新技術。しかし、それはあまりにも大きな罠となっているのです・・・!
いやはや、ほんとこの漫画面白かったですね〜。そうくるかー、とかいつも吃驚させられました。最終巻では人類史を俯瞰した陰謀が明らかになりゾクゾクもの。最後はリリーとサバタのことも上手くいって良かったけど、いや、ほんと、これで終わっちゃうのもったいないなぁ。日本編とかあれば見たかった。


参照サイト
マガジンZOO
http://www.kodansha.co.jp/zhp/zooindex.html
マガジンZ公式
http://www.kodansha.co.jp/zhp/hp.htm
福井県立恐竜博物館(FPDM)
http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
恐竜模型展示室(徳川広和)
http://www2.neweb.ne.jp/wc/A-fragi/
日本古生物学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/psj5/
西部開拓時代(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%83%A8%E9%96%8B%E6%8B%93%E6%99%82%E4%BB%A3
自動車(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A
石油(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E6%B2%B9

関連記事
恐竜たちの教団「有翼の蛇」が登場。久正人『ジャバウォッキー(JABBERWOCKY)』第5巻
http://xwablog.exblog.jp/8982729
恐竜と人間がクールにヒートアップ! 久正人『ジャバウォッキー』1巻・2巻同時発売!という記事
http://xwablog.exblog.jp/7340558
帝政ロシアが舞台。久正人『ジャバウォッキー』。オススメ漫画をいくつか、忘れないうちに紹介。という記事
http://xwablog.exblog.jp/7340555
シュリーマンがトロイから発掘したものとは? 久正人『ジャバウォッキー』第3巻
http://xwablog.exblog.jp/7340586
ロンドンを震撼させる切り裂き魔の正体は恐竜!? 久正人『ジャバウォッキー』第4巻
http://xwablog.exblog.jp/8492115
不自然に船を沈めるモビーディックの正体は巨大な海竜? 久正人『ジャバウォッキー(JABBERWOCKY』第6巻
http://xwablog.exblog.jp/9674123
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by xwablog | 2009-01-24 00:03 | 史劇
11世紀の天文学者にして詩人、オマル・ハイヤームの生涯を描く。映画『ロスト・キングダム スルタンの暦』
最近、レンタル屋で借りようと思ってるDVDに、第2次世界大戦中にナチスによってポーランドの古城から復活させられたガーゴイルが戦闘機と戦う『ガーゴイル・トゥルーパーズ』というのと、イラク駐留中の米軍が古代遺跡から復活したマンティコアと戦う『マンティコア vs U.S.A.』というのがあって、どっちにしようか迷ったけど、こんなの見つけてしまったので、こちらを借りてみました。

ロスト・キングダム スルタンの暦

『ロスト・キングダム スルタンの暦』

(アメリカ映画。ジェネオン エンタテインメント。ゼイリブ。監督/カイバン・マサイーク。出演/ブルーノ・ラストラ、ラデ・シェルベッジア、モーリッツ・ブライブトロイ、 C・トーマス・ハウエルほか。2005年。81分。3990円)
「現代のアメリカ・テキサスに生きる少年カムランは、イランの伝承を伝える一族の末裔であり、重篤の兄ナデルの見舞いに行くたびに、自らの先達たるペルシアの学者オマル・ハイヤームについて尋ねるのだった。11世紀に生まれた少年オマルは、12歳で父を亡くし、高名な学者の弟子となり研鑽を重ねる。しかし、青年になった頃、隣家の奴隷で親しくしていた少女ダリヤが遠方へと売られてしまい・・・」

グレゴリウス暦より正確なジャラーリー暦を作った11世紀のペルシアの数学者・天文学者で、『ルバイヤート』を詠った詩人としても知られる、オマル・ハイヤームの映画です。原題は『THE KEEPER: THE LEGEND OF OMAR KHAYYAM』。
映画の中では、話が二つ交互に進行する形で、セルジューク朝時代のペルシア、ニーシャープールに生まれ(ちなみにマリクシャーはイスファハンに遷都してるので、舞台はイスファハンのはず)、マリク・シャーのもとで天文学者として活躍したオマル・ハイヤーム(ウマル・ハイヤーム)の生涯についての物語と、現代に生きる少年の自分の由来に関しての探求の物語が描かれていきます。
まさかこんな映画があるとは驚きですが、この日本語版のタイトルつけた人は、もうちょっと考えてタイトルつけるべきでした(笑) 。はじめ、ファンタジーものかと思ったほどです。
現代編と中世編が交互に語られていくのですが、現代編では少年カムランが自分のルーツと「ルバイヤート」を求めてイギリスに、そして祖父のいるイランへと行きます。中世編ではオマルの成長、彼の子供のころからの友人、奴隷の少女ダリアと、戦士階級の家系に生まれた少年ハサンたちとの友情と恋愛の話、マリク・シャーに仕えてからの出世、その業績などが語られ、友人ハサンとマリクシャーの対立、失われた初恋の奴隷娘ダリヤとの再会が話を盛り上げていきます。いや、盛り上げてって言うけど、実はそんなに盛り上がりはしません。しょうがない。だって天文学者の生涯と少年の旅行じゃーな(笑)
ちなみに11世紀のペルシアでの場面は、全部英語で話しています。

今回映画のこと調べてて知ったことで面白かったことがいくつかあります。
『ルバイヤート』の語源についてで、古代アラビア語の「ルバイ」は「4」の意味があるそうで、11世紀のペルシア詩人にとって「ルバーイイ」は四行詩のことを指すようになったとか。
「ハイヤーム」が「天幕造り」の意味で、オマルの父親が天幕職人だったんじゃないかということ。
オマル・ハイヤームの伝承で、彼の学友に宰相となったニザーム・アル・ムルクと、暗殺教団の創始者ハサニ・サッバーフがいるという話があるということ。物語の中でも友人ハサンは反マリク・シャーの頭領として台頭していくという風に登場しますが、ニザーム・アル・ムルクは最初から老人の宰相としてマリク・シャーに仕えています。
当時の社会では高名な学者の元で学んだ人物たちは誰もが栄誉を得ると信じられてたとか。
あと、中世の美麗な『ルバイヤート』の写本があったけど、タイタニック号とともに沈んだとか。

まあ、ともかく、こういう映画なんてのもあるんですよ、ということで。

参照サイト
ロスト・キングダム/スルタンの暦<未>(2005)(allcinema)
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=332954
ウマル・ハイヤーム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%
83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%83%A0
マリク・シャー(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AF
%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC

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ファンタジーの源流たる叙事詩をCGを駆使し映画化。ロバート・ゼメキス監督『ベオウルフ 呪われし勇者』
http://xwablog.exblog.jp/10220366/
ポーランド建国の物語を映画化した作品。ミハウ・ジェブロフスキー主演『レジェンド 伝説の勇者』
http://xwablog.exblog.jp/9872832
イブン・ファドランの北方旅行を元にした冒険小説。マイケル・クライトン『北人伝説(ほくじんでんせつ)』
http://xwablog.exblog.jp/7598791
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by xwablog | 2009-01-21 01:26 | 史劇
キートンたちが動物たちの生態の神秘に触れる。勝鹿北星&浦沢直樹『キートン動物記』
12月だったのに暖かい日が続きますね。手袋しないで自転車乗れるくらいです。
まあ、外がどうだろうと、会社に籠ってる間は関係ないんですが。ウチの会社は、夏は冷房が効き過ぎて寒いし、冬は暖房効き過ぎて暑いしで、なぜかアベコベ。冬はTシャツ、夏はパーカーだったり。

それはともかく。

MASTERキートン番外編キートン動物記_勝鹿北星&浦沢直樹

『MASTER キートン/番外編 キートン動物記』

(原作/勝鹿北星&作画/浦沢直樹。小学館。ビッグコミックスカラースペシェル。1995年。1400円。95ページ)
「日英ハーフの考古学者、平賀=キートン・太一。のぼーっとした見た目とは裏腹に、元SASのサバイバル教官である彼は、食えない教授職ではなく保険の調査員として活躍する。そんな彼の父親・平賀太平は動物学者で、キートンをいろんな動物の事件に巻き込んでいく・・・」

『MASTER キートン』は、しょぼくれ臨時教員・平賀キートン太一は、陰ではロイズの調査員(オプ)をやっていて、英国特殊部隊SASで鍛えた戦闘技術を使って、悪戦苦闘しながらも見事に解決していく物語。浦沢直樹の傑作漫画のひとつですね。
本編の方もめちゃくちゃ面白いし、このblogのネタになる話もあるのですが、とりあえずこの前手に入れた『キートン動物記』のことでも。これはあるのは知ってたけど手は出せないでいたもので、ちょうど手に入れる機会があって、やっと読む事ができました。
1989年から93年までに『ビッグコミックオリジナル増刊号』に掲載されたものが集められています。フルカラーですが、どれも4ページ程度の短いネタ。各話ごとの間にキャラクターたちが会話する形式でのコラムが2ページ入っています。
まあ、『シートン動物記』のパロディのタイトルみてもらえば解る通り、ネタは動物です。父親・太平が動物学者ということもあって、動物に関した話をいくつも絡めてきて楽しませてくれます。
登場する動物は、ネコ、チンパンジー、カメレオン、サメ、カモメ、ウマ、ニシキゴイ、カラス、キリン、ビーバー、クラゲ、ウサギ、東天紅、ゾウです。
中でも話が良かったのはカメレオンのやつですね。
あと、ビーバーの話は面白かったです。彼らが何千万年もかけてヨーロッパの河川にダムを作り続けたおかげで、泥が堆積し、パリからモスクワまで広がるヨーロッパの大平原を作った、という。なんか途方も無い話ですが、500年前までヨーロッパ全土に何千万匹もいたビーバーを、食肉禁止のキリスト教の修道士たちが尻尾に鱗があるから魚だといってビーバーを食べはじめ、絶滅させたというから、それも途方も無い話ですね。

ところで、『シートン動物記』の話は子供のころに聞いたはずですが、なんか印象に残ってませんね。それよりむしろ『ファーブル昆虫記』の方が圧倒的に印象に残ってます。
ちなみに、ファーブルって本国フランスじゃほとんど知られてない人だとかなんとかってのはホントなんですかね。

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話変わりますが、いやいや画像UPできました。よかったよかった。

ところで、今月はGYOで映画の『コンタクト』が無料ネット配信されてるんで見てるんですが、やっぱ面白いですね。ほんと良作です。問題はあの日本が舞台になるシーンだけだ(笑
鏡餅出て来たとこで知ってたにも関わらず笑ってしまいましたよ。いいシーンなだけに台無しだ。
あと、知床半島の南側の付け根にあんな半島なんかねーじゃねーか。てか、北海道にフィヨルドってなんだよ。
あ、『ハートブレイクリッジ』も見れるのか。正月あたりにでも見よう。


参照サイト
ビッグコミックオリジナル
http://big-3.jp/
シートン動物記(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E5%8B%95%E7%89%A9%E8%A8%98

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by xwablog | 2008-12-18 00:52 | 日記
写真を加工して「宗谷」のミニチュア風写真を作ってみました。
どもども。馬頭です。
この前、ショップ99だかで買った安いキャンディーで、「大根しょうがのど飴」というのがあるんですが、これがえらいまずいです。まあ、好みにもよりますが、私には眠気覚ましになります。

それはともかく。
船の科学館で撮った写真で、こんなことしてみました。

ミニチュア風写真_宗谷

ミニチュア風写真「宗谷」

長月みそか氏の『HR ほーむるーむ』第2巻を読んでいたら、ミニチュア風写真というのがあると知って、ちょっとやってみました。この前行った船の科学館にある宗谷です。うーむ、やり方が書いてあるサイトをみつつやってみましたが、面白いですね。出来はともかく(元の写真はこちら)。全体が明るい色が多ければもうちょっと見れるものになったかもしれません。今度、ロシア旅行の時のものでやってみようかと思います。教会なんかいい感じになりそうです。ただ、俯瞰写真の方がよさそうなんですが、そういうのってあんまり無いんですよね。特に教会だと、丘の上にあるわけですから、見上げるのが基本ですし。

ちなみに、宗谷と同じく南極観測船の「しらせ」が解体されることが決まったようです。

南極観測船「しらせ」解体へ 引き取り手見つからず(朝日)
http://www.asahi.com/national/update/1024/TKY200810240272.html?ref=rss
やっぱ、維持費が大変だそうで、保存しきれないみたいです。宗谷とかも年間一億かかるっていうし。そういや、宗谷の保存のための募金の箱が船の科学館にもありました。






『HR ほーむるーむ』第2巻

(長月みそか。芳文社。まんがタイムKRコミックス。2008年。819円)



参照サイト
■風景写真をミニチュア写真に加工するには Photoshop早わかり
http://aska-sg.net/pstips/tips/pages/sentakuhanni-quickmask-01.html
HR まんがタイムきららweb
http://www.dokidokivisual.com/comics/book/past.php?cid=199

関連記事
船の技術と歴史を紹介する博物館「船の科学館」に行ってまいりました。
http://xwablog.exblog.jp/9544946
超危険! マッパのプリンセス爆誕!! どれえじゃっきぃ『危さん(あぶさん)』
http://xwablog.exblog.jp/9354436
山に生きる男の渇望と相克。作/夢枕獏&画/谷口ジロー『神々の山嶺(いただき)』全5巻
http://xwablog.exblog.jp/9429177
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by xwablog | 2008-11-04 22:02 | 日記
90の言語を2ページずつの記事で紹介していく。黒田龍之助『世界の言語入門』
どうも。馬頭です。
この前結構処分したのに部屋の本の数がいっこうに減らないので、今年も古本祭りは断念しようかと思います。いや、行きたいけど、行ったら絶対たくさん買うし、置き場が・・・
とにかく、積読本を少しでも読んでかないと。

『世界の言語入門』黒田龍之助

『世界の言語入門』

(黒田龍之助。講談社。講談社現代新書1959。2008年。720円。232ページ)

『羊皮紙に眠る文字たち―スラヴ言語文化入門』の黒田龍之助氏の新刊が出たので買ってみました。前回は同じく講談社現代新書で『はじめての言語学』という言語学の入門書みたいのを書いてましたが、こっちは世界中の言語の中から90ほどを抜粋して、各2ページで紹介していくエッセイ集みたいな本。それぞれ名前の五十音順で並べられています。紹介されている言語は、次の通り。
アイスランド語、アイヌ語、アイルランド語、アゼルバイジャン語、アフリカーンス語、アムハラ語、アラビア語、アルバニア語、アルメニア語、イタリア語、イディッシュ語、インドネシア語、ウイグル語、ヴェトナム語、ウェールズ語、ウォロフ語、ウクライナ語、ウズベク語、ウルドゥー語、英語、エスキモー語、エストニア語、オランダ語、カザフ語、カタルーニャ語、広東語、カンボジア語、ギリシア語、キルギス語、グルジア語、クロアチア語、コサ語、サーミ語、サンスクリット語、ジャワ語、シンハラ語、スウェーデン語、スペイン語、スロヴェキア語、スロヴェニア語、スワヒリ語、セルビア語、ソルブ語、ゾンカ語、タイ語、タジク語、タミル語、チェコ語、チベット語、中国語、朝鮮語、テルグ語、デンマーク語、ドイツ語、トルクメン語、トルコ語、日本語、ネパール語、ノルウェー語、ハウサ語、パシュトー語、バスク語、ハンガリー語、パンジャーブ語、ビルマ語、ヒンディー語、フィリピン語、フィンランド語、フランス語、フリースランド語、ブルガリア語、ヘブライ語、ベラルーシ語、ペルシア語、ベルベル語、ベンガル語、ポーランド語、ポルトガル語、マオリ語、マケドニア語、マレーシア語、モンゴル語、ラオス語、ラテン語、ラトヴィア語、リトアニア語、ルクセンブルク語、ルーマニア語、レト・ロマンス語、ロシア語。
言語学コラムも12コ、間に挟まってます。
日本語や英語のような親しみ深い言語から、超弩マイナーな言語までいろいろありますが、東欧や旧ソ連の言語が多いのは、著者がスラヴ系言語の研究者だから。とにかく90コ挙げて紹介する時に、本人もよく知らない言語名を選んだらしく、実際にはそういう名前の言葉はなく語族のことだったりするのもあります。どういう言語であるかも書かれてますが、どういうことを思ったか、その言語についてどういう想い出があったか、というような話を1ネタ2ネタ盛り込んで記事にしてます。

どうでもいいことですが、「黒田龍之助」さんの名前って字面がかっこいいなぁ。


参照サイト
講談社現代新書
http://shop.kodansha.jp/bc/books/gendai/

関連記事
ジェスチャーがわかるとより楽しいロシア。『現代ロシアのジェスチャー』という記事
http://xwablog.exblog.jp/7696080
突然の悲劇! Macのロシア語版純正キーボードが壊れた!!!
http://xwablog.exblog.jp/8432518
スラヴ諸国のことわざをたくさん紹介・解説してます。栗原成郎『スラヴのことわざ』
http://xwablog.exblog.jp/7616829
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by xwablog | 2008-10-21 23:17 | 書庫
不自然に船を沈めるモビーディックの正体は巨大な海竜? 久正人『ジャバウォッキー(JABBERWOCKY』第6巻


『ジャバウォッキー(JABBERWOCKY)』第6巻

(久正人。講談社。マガジンZKC。2008年。552円)
「モビーディックによって遭難し、目的の島に漂着したサバタ。しかし、リリーとスターバックはすでに捕えられていた。恐竜闇賭博城を開催する有翼の蛇教団のキンスキは、彼らを使ってある賭けをするのだが・・・」

19世紀末の人間社会の裏に潜む恐竜社会との戦いを描くスタイリッシュアクション漫画。
「白鯨」をネタにした「バック&ディック」編の続きと、謎のスナイパーが登場する「永遠の火種」編が2話収録されています。
どんどん話面白くなってきますね。恐竜の教団「有翼の蛇」も立ちはだかっていくみたいですし、今後の展開が楽しみ。
だけど、『マガジンZ』のネット配信場所である『ZOO』が、今度の『マガジンZ』の休刊によってどうやらこっちも終わっちゃうみたいなので、今後が心配です。まあ、どっかに移るはずですが、どこ行くんでしょう。場合によっては雑誌買い始めないと。

話の中で出てきましたが、船舶の保険てのはもともとは賭博みたいなやつだったわけです。しかも、当初は他人に勝手に保険金かけれたそうですよ。

参照サイト
マガジンZOO
http://www.kodansha.co.jp/zhp/zooindex.html
マガジンZ公式
http://www.kodansha.co.jp/zhp/hp.htm
福井県立恐竜博物館(FPDM)
http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
恐竜模型展示室(徳川広和)
http://www2.neweb.ne.jp/wc/A-fragi/
日本古生物学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/psj5/

関連記事
恐竜たちの教団「有翼の蛇」が登場。久正人『ジャバウォッキー(JABBERWOCKY)』第5巻
http://xwablog.exblog.jp/8982729
恐竜と人間がクールにヒートアップ! 久正人『ジャバウォッキー』1巻・2巻同時発売!という記事
http://xwablog.exblog.jp/7340558
帝政ロシアが舞台。久正人『ジャバウォッキー』。オススメ漫画をいくつか、忘れないうちに紹介。という記事
http://xwablog.exblog.jp/7340555
シュリーマンがトロイから発掘したものとは? 久正人『ジャバウォッキー』第3巻
http://xwablog.exblog.jp/7340586
ロンドンを震撼させる切り裂き魔の正体は恐竜!? 久正人『ジャバウォッキー』第4巻
http://xwablog.exblog.jp/8492115
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by xwablog | 2008-10-07 17:36 | 史劇
あまり知られていない星の和名についての記事を集めた本。野尻抱影『日本星名辞典』
日本星名辞典_野尻抱影

『日本星名辞典』

(野尻抱影。東京堂出版。1973年。3500円。261ページ。)
春の星の和名
夏の星の和名
秋の星の和名
冬の星の和名
沖縄の星名
奄美の星名
アイヌの星名
南十字星
惑星の和名
流星の和名
彗星の和名
古典の星名
星名索引

昨日紹介した『暗殺の事典』のとなりに置いてあったのでついでに紹介してみます。
というか、この本、なんの為に買ったのかいまいち思い出せません。それくらいなので、ほとんど買ってから手にしてない本です。過去に戻ってその時の自分を問いつめたくなるような本が他にもいくつか・・・いや・・・・いくつもありますが、そう、ほら、あれっ!  「過去は戻らない」ってやつでして(ry
今回、ちょろっと見てみましたが、なかなか興味深い話がたくさん。そういう見方でそう名付けたのか、とヨーロッパ風の呼び名とは違う由来が知れて面白い。キチっとした「辞典」という感じでもなく、各地で聞き取った話を集めたエッセイ集の雰囲気も持つような内容です。1973年と、結構古い本なので、この中の情報がどれくらい正しいのかとかは不明。ページの大半は春夏秋冬の星の和名で埋まってて、残り少しで、沖縄やらアイヌやらの星名などについて書いてます。こういうのも一緒に載っけてくれるのはありがたいです。
星の名前などというと、ついついギリシャ神話由来のヨーロッパの呼び名を使ってしまいますが、日本でも古くから星に名前をつけていたんだと再認識できたのはよかったかと思います。
ちなみに『宗像教授異考録』の話の中には日本の星の名前、星についての神話と宇宙観などについてつっこんだ面白い話が載っています。非常に面白かったです。

ところで、この著者の天文学者・天文民俗学者・英文学者である野尻抱影氏は、作家の大佛次郎の兄だそうです。私は全然知りませんでしたが、星に関しての本で有名な人らしい。

参照サイト
東京堂出版
http://www.tokyodoshuppan.com/contents/list/index.html
日本の星名(PDF)
http://homeplanet.web.infoseek.co.jp/topic/gakusyukai/studies_20051202_2nd.pdf
星座(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E5%BA%A7
国立天文台
http://www.nao.ac.jp/

関連記事
江戸時代におけるイギリスのイメージの変遷。T・スクリーチ『江戸の英吉利熱 ロンドン橋とロンドン時計』
http://xwablog.exblog.jp/8721490
ローマで信仰されていた神々の流行や多彩さに驚きます。小川英雄『ローマ帝国の神々 光はオリエントより』
http://xwablog.exblog.jp/9029672
出てくる人が少し微妙だけど面白い。『日本刀なるほど物語』他。そして『宗像教授』。という記事
http://xwablog.exblog.jp/7480780
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by xwablog | 2008-10-06 23:18 | 書庫
船の技術と歴史を紹介する博物館「船の科学館」に行ってまいりました。
本日はゆりかもめに揺られて東京臨海副都心・お台場にある船の科学館へと行ってまいりました。参加者は奥野さん、高田さん、マツーニン卿、そして馬頭です。
悪名高い笹川良一会長の夢の跡・・・かどうかは知りませんが、日本船舶振興会・日本財団が支援する博物館で、船に使われている海事科学や、その発達の歴史を紹介する展示がある船の博物館です。ちなみに四国のどこかに「海の科学館」ってのがありますが、こっちは「船」です。競艇で儲けた金でやってるだけに。

船の科学館080921_01

これが船の科学館の外観。建物自体が船の形をしています。お台場にあるといいましたが、正確には埋め立て地の東の角っこにあたり、実はここの区画だけは品川区になってます。この地点は品川区・江東区・港区の3つの区の係争地なのです(たぶん)。
GoogleMap 船の科学館駅



船の科学館080921_02

駅はゆりかもめの船の科学館駅を下車。
どうでもいいことですが、やはりゆりかもめは輸送装置としてはちょっと貧弱ですね。乗れる人数は少ないし、駅も小さいし。でも、展望とか見た目は非常にいいです。
しかし、実は私はここに来る前にちょっと本屋に寄って、山ほどの本を買ってしまっていたので、重たくてしょうがありません。なんでこんなことになってしまったのか・・・。新橋駅ではコインロッカー使えなかったし、重い荷物を持ち続ける避け得ぬ不幸にうちひしがれる私。しかし、科学館内にはロッカーがあり、手ぶらで見学できたので助かりました。



船の科学館080921_03

船の科学館、といったらコレ!
笹川会長が母親を背負ってる銅像です。孝行の像、だったかな? てらいなくこんな自画自賛のおぞましい銅像作って半公共の場にさらすなんて神経が凄いです。
有名な銅像ですが、これ見るだけでも価値があります。奥野さんは「これ見ただけで船の科学館の半分は見た」と言うようなことをおっしゃってました。なるほど。胃がもたれてお腹いっぱい、ということかもしれん。



船の科学館080921_06

ちなみにそのそばにこんなのもありました。タイトル忘れたけど、黒人・白人・黄色人の子供たちが、笹川に寄り添う銅像。エグい。



船の科学館080921_04

建物の前には、双胴船や海底住居などのいろいろな野外展示があって、その中のひとつに、この「ナヒーモフの主砲」があります。看板の解説にはこうあります。
「ロシア皇帝座乗艦ナヒーモフの主砲。ナヒーモフ(7780トン)に搭載されていた主砲は、ウゴコフ式20CM.35口径砲で連装砲塔型式で4基装備し、計8門を搭載していました。総重量13.6トン。全長7メートル。弾丸重量87kg。初速587M/S」
装甲巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは、1888年竣工のロシア帝国の軍艦で、1904年の日本海海戦で沈没しています。艦名のもとになったのは、ロシア海軍大将のパーヴェル・ナヒーモフ(1802~1855年生没)です。クリミア戦争の時のシノーペの海戦の指揮官で、2年後にセヴァストーポリ要塞で戦死。
船が沈没してた場所から、この砲塔を引き上げたのでしょう。
なかなかデカイ大砲です。



船の科学館080921_05

しかし、ナヒーモフの主砲よりデカイ大砲が建物の裏に設置してありました。これは日本海軍の戦艦・陸奥の41cm主砲身です。とにかくデカい。
陸奥は、長門型の二番艦で、全長215.80メートル、最大速度26.7ノット、乗員1333名の最新の戦艦でした。しかし、活躍できないまま1943年に不審な原因による爆発で沈没してしまいます。この主砲のひきあげは1970年のことだと思います。
wikipediaに載ってた沈んでいた陸奥の船体の再利用の話は面白いですね。



船の科学館080921_07

さて、やっと館内に入りました。ちなみに入場料は大人700円。
写真のは弁才船“住吉丸”(樽廻船)の大型模型。江戸時代に使われた輸送船で、千石船とも。



船の科学館080921_08

一階には船の歴史をたどる模型展示があって、時代ごとの船の紹介をしています。左上はおなじみのギリシアの三段櫂船。右上はヴァイキング時代が終わったあとの北欧の船(13世紀)と、コロンブスが乗ったカラックという種類の船(15世紀末)。カラックはバルト海で使われた船と地中海で使われた船の要素が合体したものだそうです。
下段のふたつは、ナポレオン戦争時代の英国海軍最大の戦列艦(104門艦)ヴィクトリー号の模型。ヴィクトリー号は現在、世界最古唯一の戦列艦として、ポーツマス港に現存します。現役の船でもあります。



船の科学館080921_09

他にも19世紀末から第二次世界大戦前までの船の模型がずらり。しかも大型の模型です。



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もちろん、古い船ばかりじゃなく、現在使われているようないろいろな船の模型もあります。
左上は、 LNG(液化天然ガス)を運ぶためのLNGタンカー。ガスを入れるタンクがそのまんまついた感じで独特な形してます。右上のは車輛を輸送する船。左下はホバークラフト。これ、可動します。
あと、小型の模型ばかりじゃなく、右下みたいな船のしくみを解説する展示もたくさんあります。ちなみにこの写真のは、船のスクリューと舵の仕組みを紹介するもの。スクリューが可変ピッチプロペラという機構を組み込んでいるというのをはじめて知った。



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日本の海域・領土に関する展示もありました。ここらへんからは二階の展示です。
マップがありましたが、当然のように北方四島を自国領土の白線内に入れているあたり、ここの方針が見えてくる感じです。あと、北朝鮮の不審船事件の時の映像が流れてつい沈むまで見てしまいました。面白かったです。もっと早く制圧すればよかったのに。



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軍艦のコーナーもありました。模型がたくさん!
ここに写ってるのは、第二次世界大戦の時の船です。



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上段は戦艦・巡洋艦の列で、左上の一番奥が大和。左下は一部に知られた駆逐艦・綾波。
右下はちょっと離れたところにあった、現在の護衛艦・こんごうの模型です。
他にも瑞鶴とかのおっきな模型とかありましたが、精巧で非常に見てて楽しいものばかりです。



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この二つの模型はかなりの大きさです。左は日露戦争の時の戦艦だったと思うけど名前忘れました。右が大和です。



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三階にあがると、日本の海事の歴史に関しての展示があります。
写真のは18世紀後半に西洋の造船技術が入ってきて作られた、和洋折衷の船。どうやら、西洋式の船の造船が奨励されたから、税金だったか何かの理由で和船と洋船のあいのこの船が作られたようです。これも船体は和船で帆が洋風なわけです。



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これは江戸時代とかに使われた輸送船・弁才船の実物大船体の断面模型。
思ったより大きかったです。



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ちなみに、三階にはラジコン船を操って遊べるコーナーがあって(有料・一回100円)、私もやってみました。なかなか操作が難しかったですが、面白いです。子供たちが凄い夢中でこれやってますが(騒がしい!)、行った人は恥ずかしがらずに是非。



船の科学館080921_19

この手の博物館・美術館に行った時の常で、じっくり見過ぎてしまい時間切れになりそうでしたので、近くに繋留されている宗谷、羊蹄丸を見るために出ることに。
その途中においてあったのですが、なぜか動物の剥製が。



船の科学館080921_20

これが、砕氷船として活躍した宗谷です。もともとはソ連から受注して作られた「ボロチェエベツ」という船だったのですが、作られた1938年当時の状況から結局引き渡さず、日本海軍の特務艦として使われ、その後、引き上げ船に使われたり、南極観測船として使われたりしました。
実は時間がなくてこちらは見ず、羊蹄丸の方に向かいました。



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こっちは、1965年に作られた青函連絡船・羊蹄丸。現在は「フローティングパビリオン羊蹄丸」となって内部はいろいろな展示物や再現ジオラマなどがあります。羊蹄丸が活躍していた頃の青森駅を再現してるのですが、ここの出来がかなり凝ってて面白いです。



船の科学館080921_22

近くに泊まってて、羊蹄丸から見えた、海上保安庁の船。船名は「まつなみ」でした。
ちなみに、科学館本館の三階では、現在「海上保安庁が創設60周年 船の科学館が記念企画展」というのをやっていて、海上保安庁関連の展示があります。海保の装備や写真の展示。映画『海猿』関連のものとか、あと海保の救急隊員の漫画『トッキュー!』(小森陽一/原作。久保ミツロウ/作画)の生原稿展示とか。



船の科学館080921_23

そういや、館内にこんなポスター貼ってあった。海上保安庁のポスターでイラストは『トッキュー!』のもの。こういうのがあるとは聞いてたけど、見れてよかった。
ちなみに連載この前終わりましたがこんな感じの漫画。↓



久保ミツロウ『トッキュー!第1巻

『トッキュー!』第1巻

(小森陽一/原作。久保ミツロウ/作画。講談社。週マガKC。2004年。390円)
「かつて海難事故で父を無くした神林兵悟(かんばやしひょうご)は、海上保安庁の特殊救難隊に入り、海で人を救うことを仕事にしていた。ある日、同じ隊の先輩たちとともに慣れない合コンに参加した兵悟は、その飲み屋で働く女の子に突如「好きだった」と告白される。しかし、ちょうど待ち合わせをした港で車が海に落ちる事故と遭遇し・・・」

原作の小森陽一氏は、海洋ものの話を書く人で、映画にもなった有名な『海猿』や『我が名は海師』などでも原作を書いています。



船の科学館080921_24

最後の最後にオマケ。本館の裏側に、あの母を背負う像がもう一個ありました。こんなの二個も作るなよ・・・・・

この船の科学館は、開館時間が10時から17時までなんですよね。17時って早くないですか?
見て回るのに時間かけすぎて結局全部見れませんでしたが、それでも充分楽しめました。見所がいっぱいありますし、なかなか面白いですよ。



で、新橋に戻った我々は新橋のドイツ居酒屋に行ってドイツ料理とドイツビールを楽しみました。いやー、ドイツビールって口当たりがよくて飲み易くてベロベロに酔っぱらっちゃいました。飲んでる最中に少し寝てしまったり。食事も美味しくて、おみやげにドイツパン買ってみました。これ、気に入りました。

追記。
酔っぱらうとだいたいその時の会話とか忘れちゃうので、忘れないうちにここにこの日
の会話のことを書いておこう。
・ドイツ人は辛いカレーが喰えない。
・類人猿最強のゴールキーパー・カーン。
・ドイツ人は知らない人にもおせっかい。
・ラマダン明けは休暇になる。
・魚の学名でロシア語もの多し。鮭系統とか。
・ロシアにも国際展示場みたいな施設はある。企業系の展示やるみたい。
・タグボートは使用量がバカ高い。数百万とか。
などなど。
飲んだ店はドイツ居酒屋・ジェーエス・レネップ。



参照サイト
船の科学館
http://www.funenokagakukan.or.jp/
(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%B9
マガメガ 週刊少年マガジン公式
http://www.shonenmagazine.com/
一期一会 小森陽一公式
http://www.y-komori.net/

関連記事
大いなるマツリに向け踊り騒ぐ人びとの波が東京へと向かう。星野之宣『ヤマタイカ』第6巻
http://xwablog.exblog.jp/9538164/
大和を呉に帰港させて欲しいと言われて・・・『かみちゅ!』第9話「時の河を越えて」
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http://xwablog.exblog.jp/7457302
江戸東京博物館の常設展を見てきました。デカいし広いし充実してる。ディオラマいっぱい。
http://xwablog.exblog.jp/8920330
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by xwablog | 2008-09-22 02:49 | 日記