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豚と人間との関わりの話。豚ってとってもお役立ち。H-D・ダネンベルク『ブタ礼讃』
web拍手レス
>チェコの諺でおバカさんを「頭にヨーグルトをつめて鼻から垂らしてる」というそうな。
「脳みそが○○で出来てる」系の言い回しって感じですね。

>象が蟹や兎など小さなものを嫌うと熊楠のどこぞのエッセイで読みました。
下の方でうろうろされるのが嫌いとか? 象ってかなり神経質な生き物だそうですから、そこらへんに関係あるのかもしれませんね。

ーーーーーーーーーーー

飲み会出れるかと思いましたが、残業決定。

西部の銃撃戦再現、安全のため法令を強化(エキサイトニュース)
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081205932915.html
歴史再現イベントのことを「リエナクトメント」と言うのか。あっちはそういったのが盛んですね。アメリカでは南北戦争ものが人気高いみたいです。

食事中の鼻水って、どうして出るの?
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091205650413.html
私はかなり鼻水出る方ですが、刺激物ばかり好むというのも関係あるかも?

Serbia's neighbours accept Kosovo(BBC)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7304488.stm
クロアチア、ブルガリア、ハンガリーが承認したことについての警告。

「ヤクルト」がエスペラント語だと知ってしらべてたら、こんなことが書いてあったのみつけた。
明治乳業(wiki)
http://ja.wikipedia.org//wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E4%B9%B3%E6%A5%AD
「1987年に内容量を500mlから500gに変更を行うことで売り上げを大きく伸ばす(1-3月期のシェア9.6%→7-9月期にシェア14.9%)。これは、ヨーグルトの密度が水よりも重いことから、中身を減らす(500ml≒518g→500g)ことでコストダウンをし、競合他社と価格競争で勝利した故である。」
すげー。上手いこと考えるなぁ〜。


それはともかく。
また手近にあった本でも。この前久々にトンカツ食べたし。



『ブタ礼讃』
(ハンス=ディーター・ダネンベルク。訳/福井康雄。博品社。1995年。2400円。249ページ)
1 豚はいかに役だつか
2 猪から豚へ
3 豚と人間との歴史(東アジアと太平洋地域、近東とエジプト、ギリシアとローマ、ケルトとゲルマン、中世、近世)
4 迷信(いけにえ、お告げ、魔法、収穫のしきたり、神聖)
5 シンボル
6 経費と価格
7 貨幣、切手、メダル
8 病気
9 霊薬
10 植物名
11 喜びと悲しみ
12 愛と憎しみ
13 物語
14 ことわざと慣用句
15 地名
16 食べる
訳者あとがき
参考文献
索引

人間と豚の関わりと使用法などの歴史を書いた一冊。1990年にかつての東ドイツで出された本で、原題は『豚を持つ』。これは「幸運を摑む」の成句だそうです。そういう成句があるほど、この豚という生き物は利用価値が高い、そして人間と親しい関係の動物なのです。しかし、豚という生き物は、いろいろな場面で侮蔑と賛美の極端な反応を貰うのに、意外とどういう存在なのか、どう関わってきたのか、ということは知られていません。
かくいう私もそう知っているわけでもなかったのですが、この本を読むとまったく知らなかったことばかりで(それも面白い話ばかりなので)非常に楽しく読むことができました。私的には歴史的な場面に登場・言及された豚についての内容とか、昔はどういう風に扱われ、どう使われてきたのか、という部分がかなり楽しめました。
中でも、古代地中海世界で豚が戦象に対する兵器として使われたという話は吃驚しました。
「古代の戦争では、戦闘用の象を防ぐために、たしかに豚が使われていた。古代ローマの著述家クラウディウス・アエリアヌスは、西暦200年頃の著書『動物の特性について』の中で、こう書いている。『象は、角のある雄羊と豚のブーブー鳴く声をこわがる。かくして、よく知られているように、古代ローマ人は、エペイロスの王ピュロスの象を追い払い、輝かしい勝利を得た』。」(P6より)
他にも、マケドニア軍がメガラ包囲をした時に豚のせいで戦象が逃げたという話もあります。
あと、曲芸の話もあって帝政時代のロシアでは、円形競技場でよく見せ物が行われた時、豚がいろいろな芸をしたそうです。中でもドゥラフ一座の行った豚によるパラシュート降下(!)は受けたとか。ちなみにサーカスの豚で人気があるのは、巻き毛の生えたハンガリー産の豚・マンガリッツァ種だそうです。
こんな芸もこなせるくらい頭がいい動物ですので、中世イギリスでは猟犬ならぬ猟豚が使われたこともあったとか。あと、ヨーロッパでは豚を牧羊犬みたいに使うこともあったみたいです。・・・・って、あー、あれか! 『ベイブ』か!
ちょっと納得いった。

ところで、ユダヤ人とイスラム教徒は豚を食べませんが、その由来については長く諸説入り乱れた感じだったそうですが、現在はだいたい次のような感じでまとまりそうだとか。
生態学的な原因と社会経済学的な原因のふたつがあったとし、それを

○紀元前1000年頃に中近東で激しい気候変動があって、森林が草原へと変わってしまい、豚と人間は食料を取り合う関係となったこと。また、豚を家畜とするにも余剰農作物が作れるほど農業生産性は高くなかったため、家畜化できなかったこと。
○遊牧民にとって豚は家畜として適さず(? 確か中央ユーラシアの遊牧民って豚飼ってたような気が?)、農耕民の家畜としてのイメージと結びついていた。当時の中近東の遊牧民は農耕民と社会的経済的に敵対していた。

と、しています。
あと、wikiには由来の一説として、かつて豚肉を食べてたエジプトでは豚を飼う人びとが賤民とされていたため、そこにいたヘブライ人たちがその影響を受けて豚を不浄としたのではという話を書いています。ただ、この『ブタ礼讃』ではエジプト人は豚を不潔としていたかどうかは疑問だとしています。(ヘロドトスも『歴史』の中でエジプト人が豚を不潔としていた、と書いてます。豚飼いは神殿に入れなかったとも)

ああ、なんか豚のことばっかり書いてたら、またトンカツ食べたくなりましたよ。

(前にどっかで『「豚はイノシシの家畜化したもの」というのは間違いで、どっちも別々の種族だ』みたいなことを読んだのですが、家畜化した猪でいいみたいでした。そんな記事、何で見たんだっけか。)

参照サイト
ブタ(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%82%BF
yahooキッズ図鑑 ブタ-哺乳類(哺乳綱)
http://contents.kids.yahoo.co.jp/zukan/mammals/card/0264.html/
まい泉
http://members.aol.com/maisenpr/

関連記事
時空を行き来する魔女アルマが関わったのは・・・。三山のぼる『メフィスト』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/8174215/
神保町の餃子屋で一番好きなお店です。餃子専門店・天鴻餃子房・飯田橋店
http://xwablog.exblog.jp/8095853
かもして食べて飲んで、美容整形してテラフォーミングして?『もやしもん』第3巻特装版。
http://xwablog.exblog.jp/7696133
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by xwablog | 2008-03-20 02:15 | 書庫
少女漫画で19世紀初頭の英国海軍モノ。山田睦月&大木えりか『コランタン号の航海 水底の子供』第1巻
最近、ちょびちょびですがweb拍手してくださる方が増えてきてて嬉しいです。前はほんとにさっぱりでしたが!
拍手の時の画像も、IEでちゃんと見れるようにもしましたよ。

<コソボ>セルビア系住民と治安部隊が衝突 70人以上負傷 (エキサイトニュース)
http://www.excite.co.jp/News/world/20080317224600/20080318M30.093.html

いまどきの『小学一年生』の付録(GIMODO)
http://digitallife.jp.msn.com/article/article.aspx/genreid=120/articleid=276510/

それはともかく。
前々から気にはなってたけどちょっと後回しにしてしまったのが悔やまれます。『恋愛映画のように、は』(これも凄くいい作品です)などの山田睦月氏が作画担当の時代もの。

コランタン号の航海01山田睦月

『コランタン号の航海 水底の子供』第1巻
(山田睦月&大木かりん。新書館。ウィングスコミックス。2007年。550円)
「1811年9月、ポーツマス港でメリーウェザー艦長率いる英国軍艦のコランタン号へ乗艦したルパート・マードック海尉は、この船が『出る』と言われる曰く付きの不思議な船だと知りつつも、自分の合理主義を貫こうとする。そんなとき、コランタン号には海軍本部からフランスからフランス貴族の生き残りを救出しろ、という命令を受け取り、一路フランス沿岸へと向かうのだが・・・」

ここのところ、原作付きで仕事をすることが多い山田睦月氏ですが、今回はなんと英国海軍モノというわけでして、ほんと幅の広い仕事できる人だなとか思ったりしました。しかも、幻想的な雰囲気とちゃんとした海軍ものをソフトな仕上がりで上手くまとめてて、質の高さにびっくりしました。原作の大木えりか氏は第4回日本SF新人賞で『ドリーミング・ソロ』とかいう作品を書いていいとこまで選考残ってますが、本とかは無いみたい。もともとSF畑の人?

変人が多く乗船してたり、物がかってに動いたり、猿が乗ってたり、元は無人のフランス艦を拿捕したものだったり、と不思議なことがいっぱいで、世界中に名前が知られるほどの奇妙な船HMSコランタン号ですが、そこに二等海尉として乗船したのが、マンチェスター生まれの合理主義者の青年・ルパート・ユースタス・マードックくんです。この船の怪異は、ルパートを恐怖させるというか困惑させてしまいます。なかなかくせ者らしき乗組員たちもいて、彼が何週間持つのか掛けられてしまうありさまです。
そんなコランタン号に下った命令は、フランスで革命の時に追われた貴族の生き残りを保護しろ、というものでした。それはこのコランタン号にも因縁深いブルターニュ西岸での作戦となるのですが、そこには何やらきな臭いものがあったりして・・・
ファンタジー的な要素からも楽しめるし、英国海軍ものとして普通に楽しめる部分もあるし、山田睦月作品としても読めるし、いろいろな要素のいい部分がうまく作用しあっていい作品になってる感じがする作品です。
これ、第2巻がもう出てるそうなので、さっそく続きを買ってみたいと思います。

参照サイト
andante (山田睦月公式)
http://www.i-chubu.ne.jp/~mutsuki/andanteindex.html
第四回日本SF新人賞
http://sfwj.jp/sinjin004.html

関連記事
ロンドンを征したる者の帰還。ロンドン旅行をした友人からのおみやげ。
http://xwablog.exblog.jp/7242473
ナポレオン戦争を再現する。RTSの傑作『Cossacks II(コサックス2)』。仏軍敗ってクトゥーゾフ気取りさ。
http://xwablog.exblog.jp/7494868
英国で新しい犯罪捜査機関・SOCA(ソカ)が設立、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7457682
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by xwablog | 2008-03-18 01:50 | 史劇
多数派でない者は枠からはずれ、人の感情を害する。白水社『中世のアウトサイダーたち』
ああ、なんかどんどん暖かくなってきましたね。体調が良くないので、昨日までずっとコート着て外出てましたが、さすがに今日は暑すぎで薄着にしました。

ラサ騒乱10人死亡=警官隊が威嚇発砲、新華社報道−チベット主席、ダライ派非難(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008031500237
警官隊発砲で7人死亡か=チベット族デモ、四川省に拡大−中国
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2008031600189
これからどんどん大変になってく。今後、「チベット独立戦争」とかそんな呼ばれかたするような展開には・・・・ならないか。

2年間トイレに座り続けてトイレと一体化した女性、便座ごと病院へ運ばれる(痛いニュース)
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1103331.html
何度読み返しても、状況がよくわかりません。でも、寒い日も暑い日も、ずっとひたすら下半身は裸だったってことだけはわかった。(ぉぃ

それはともかく。
わずかに残った「卑しき人びと」の記録をもとにした本。

中世のアウトサイダーたち

『中世のアウトサイダーたち』

(フランツ・イルジーグラー&アルノルト・ラゾッタ。訳/藤代幸一。白水社。1992年。3200円。348ページ)
第一章・周辺集団とアウトサイダー
第二章・乞食とならず者、浮浪者とのらくら者
第三章・ハンセン病患者
第四章・心と頭を病む人びと
第五章・風呂屋と床屋、医者といかさま医者
第六章・大道芸人と楽士
第七章・魔法使い、占い女、狼男
第八章・ジプシー
第九章・娼婦
第十章・刑吏とその仲間
第十一章・結論でなく、いかがわしい人びととまともな人びと

中世都市ケルンを例にして当時の社会の周辺集団・疎外者・底辺に住む人びとを紹介した一冊。著者はトリーア大学の教授フランツ・イルジーグラー氏と、ミュンスター市にあるウェストファーレン産業博物館のアルノルト・ラゾッタ博士。訳者の藤代幸一氏は、これの他にも、『ある首斬り役人の日記』とか『ハンス・ザックス謝肉祭劇選』『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』『黄金伝説抄』なんかを訳してますね。
社会の基準に達しないもしくは反する行いをする人びとが、いったいどのような扱いを受けたのかがそれぞれの職業ごとに紹介されていますが、中でも娼婦の扱いの酷さは凄いです。社会の底辺といえるそれは抜け出すことさえ不可能な構造を持っています。あと、処刑とか拷問を行う刑吏も興味深い。ある一定の権力・地位を持ってはいるのですが、それと同時に蔑視され忌み嫌われる存在として差別されました。
こうした強烈な差別があったわけですが、一部においては意外と寛容だったりしてそこも面白いです。中世というと非寛容な社会というイメージばかり強いですが、この本に出てくるような社会の底辺にいる人びとを、思ったよりか許容しているところもあります。中でも娯楽に関する商売、楽士や大道芸人、見せ物屋などが、結構普通に商売させてもらったりもしています。どうも、都市の上層部の人たちが娯楽の提供について必要だと認めていたという感じがあります。(もちろん、そうした人たちもこれらの娯楽を楽しんでいます)
その他にもいろいろ興味深い話が満載で、なかなか知られることのない中世都市の下層社会を知ることのできる面白い一冊かと思います。

この本に書いてあったことですが、差別は少ない労力で自己を防衛することの出来る便利な手段であり、非合理的な差別には合理的な効率の良さがある。それは社会構造に取り込まれた合理性なので、ここにかかる「手間」が減らない限り差別は無くならないのでは、とちょっと思ったりもしました。

あと、スラヴ関連の記事はほぼ無いこの本ですが、冒頭にちょっとだけあります。ケルン市がリューベック市に対して出した書き付けのことが書いてあるのですが、そこにはスラヴ人のことがちょっと出てきます。
ある人物の身分証明(嫡子証明書)のための書き付けなんですが、この中で、「メッデメンのヤーコプは婚姻により正式かつ合法的に生まれた者にして、奴隷ではなく自由民であり、ヴェンド人ではなくドイツ人である。」とわざわざ「ヴェンド人(スラブ人)」ではないことを断ってるんですよね。これはどうやらリューベックのようなハンザ同盟の都市では重要だったみたいです。でも、逆にケルン市ではそれほど重要視されない事柄だったということもまた不思議な事情です。つまり、スラヴ人との関わりが密接だったハンザ都市では、その関係性からスラヴ人の地位が低く見られていたということかも。そういえばハンザ都市であるノヴゴロドって、ドイツ人とかの外国人商人を隔離して扱ってたわけですが、そこらへんも対になってるみたいに見えますね。こうなると、ハンザ都市でのスラヴ人の扱いについても知りたくなります。

『中世のアウトサイダーたち』は、2005年に新装版が出てます。ちなみにタイトルが改題されて『中世のアウトサイダー』となってるので注意。

参照サイト
白水社
http://www.hakusuisha.co.jp/

関連記事
時空を行き来する魔女アルマが関わったのは・・・。三山のぼる『メフィスト』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/8174215/
中世ヨーロッパを異教のまま生きる少女の物語。『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7755042/
ドイツ騎士団などによる北方十字軍についての記事も載ってます。『歴史群像』2008年4月号 no.88
http://xwablog.exblog.jp/8170006
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by xwablog | 2008-03-16 23:45 | 書庫
時空を行き来する魔女アルマが関わったのは・・・。三山のぼる『メフィスト』第1巻
web拍手レスの返事
>新宿は汚いですか。田舎者の儚い幻想が・・・・(笑)でも西新宿においしい煎餅屋があるんでしょ?
私の印象が最悪なだけで(そういう所ばかりに目がいくというのもあるし)、便利ではあるし、おしゃれなお店も多いですよ。魔界都市ではありません!!

ーーーーーーーーーーーーーー

今日は久々に新宿に行きました。相変わらず猥雑で薄汚い上に、下劣で粗暴な人間が目立つ街ですね。そんな街で会いたくもない虚言癖の人間に会うことに。ああ、こいつともう二度と会わないで済む方法ってないかな・・・

あと、新宿行った時に蛍光の黄緑の立派なモヒカン頭の男を見ました。まるでディメトロドンのようでした。

コシュトニツァ首相が辞任表明=EU加盟めぐり大統領と対立−セルビア(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008030900004
タディッチ大統領は加盟賛成で、コシュトニツァは反対派。

[タイ]ロシア人「死の商人」を逮捕 米捜査当局の情報で(毎日Jp)
http://news.livedoor.com/article/detail/3543977/

リンカーンの「奴隷解放」目指す書簡、NYで競売に(CNN)
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200803070018.html
300万~500万ドルになる予想だそうです。手紙一枚が五億円・・・・

それはともかく。

メフィスト第1巻三山のぼる

『メフィスト』第1巻

(三山のぼる。講談社。モーニングKC。1985年。480円)
「16世紀のフランス。魔女として弾劾され殺された少女・アルマ。それから数百年後の日本において、オカルティズムに傾倒する青年・流動玲二(るどうれいじ)は幾人もの少年を誘拐し、黒魔術の儀式のために殺していた。そして玲二が呼び出したのは、アルマと名乗る美しい魔女だったのだが・・・」


表紙の「メフィスト」が「女フィスト」にも見えるようになってますね。
三山のぼる氏の描く壮絶かつ幻想的な物語。時間を彷徨し、苛酷で皮肉な運命の歯車に巻き込まれていく人々のドラマです。
アルマは医者の娘でしたが、その生誕には秘密があり、父が危篤の母を助けるため、悪魔とやりとりをしたのですが、その後生まれた彼女には、悪魔の印が授けられていたのでした。成人し、父の職業を継いだのですが、薬で人々を治し、多くの人から慕われ名声をもつようになった彼女を、領主ニコラ・ミレが目をつけます。彼はロレーヌ公シャルル3世の臣下で、検事総長として彼女を捕え、財産を奪って殺してしまいます。
そんなアルマですが、なんと現代の日本に蘇ることになります。アルマは黒魔術を行い、恋人を殺した青年・玲二のもとに、その恋人の姿となって蘇るのでした。彼女はそのまま人間としてこの世に残り、警察に捕まった玲二と関わり続けるのでした。彼女の不思議な力によってか、玲二は古代ローマやルネサンス時代のフランスへと時間を越えて行き来し、その時代の残虐な行いや堕落した狂騒の中へ叩き込まれるのでした。そして、彼はその自身の狂った本性をそこでも発揮し続けるのですが・・・

これ、すでに20年も前の漫画なんですが、すげー面白いです。星野之宣歴史ファンタジー系の作風で、この陰湿かつ暗い物語・その幻想的な雰囲気は星野氏を上回ります。

この作品の中で魔女狩りで殺されたアルマですが、魔女狩りは当時の理性的な普通の人たちにとってもかなりうさん臭いものとして写っていたようですが、それでもこんなにも流行ったのは、やはり儲かるというのが重要だったんじゃないかと。

ちなみに魔女を罰することの理由のひとつに「聖書」があります。

「魔法使いの女は、これを生かしておいてはならない。」
旧約聖書 出エジプト記22章18節

これは魔女を処罰するときに聖書から引用される言葉で、その行いの根拠となったりしました。
「出エジプト記」のこの21章から22章の部分は、モーセが神さまからいろいろな掟を聞いてる場面で、さまざまな例が出されます。その中のひとつがこの一文でした。


参照サイト
モーニング
http://www.e-1day.jp/morning/sitemap/

関連記事
エムスとの戦いの中、雷鎚の魔女であることが危機を招くことに。Cuvie『ドロテア 魔女の鉄鎚』第5巻
http://xwablog.exblog.jp/7988154/
中世ヨーロッパを異教のまま生きる少女の物語。『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7755042/
キリスト教が支配するヨーロッパの中における異教。B・ジョーンズ&N・ペニック『ヨーロッパ異教史』
http://xwablog.exblog.jp/7249842/
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by xwablog | 2008-03-15 20:59 | 史劇
ドイツ騎士団などによる北方十字軍についての記事も載ってます。『歴史群像』2008年4月号 no.88
米グーグル:公立図書館の蔵書検索で本文表示を実現(毎日jp)
http://mainichi.jp/life/electronics/news/20080314org00m100042000c.html
これ、日本でも導入してくれないかな。

イラン総選挙で投票、候補者の審査で保守派勝利は確実(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200803140030.html


今日は、すごい久々にトンカツを食べました。美味しかった。大好きなんでもっと気軽に食べたいものです。残念だったのは、口の中を少しやけどしてたので、ちょっと食べてる時痛かったです。

それはともかく。
『歴史群像』の最新号です。

歴史群像2008年4月号no88

『歴史群像』2008年4月号 no.88

(学研。2008年。930円)
幻の連合艦隊Z作戦、関東「北条帝国」への道、文化大革命、現用歩兵兵器誕生、巨大自走砲カール、名将・韓信と背水の陣、キエフ死守命令の蹉跌、北方十字軍、犬養襲撃、奮闘!イギリス艦隊航空隊、ノルマンディー1944Act.1、中島超遠距離爆撃機「富嶽」、武蔵 深大寺城、第一次世界大戦の歩兵兵器、敗者が描いたトラファルガル海戦、ベトナム戦争のヘリ部隊、フェアリー・ソードフィッシュ、金門要塞と中台紛争、信長の独断フルスロットル、戦場のミステリー、兵士と荷物

最近、好みの記事が少ないので買うことがめっきり減った『歴史群像』ですが、今回は「北方十字軍」があるということなので買ってきました。記事は荒川佳夫氏。荒川佳夫氏って、架空戦記もの書いてる人だと思いますが、こういう記事もちゃんと書けるのですね〜。

この前、歴史群像シリーズから出た、第一次世界大戦の本とか面白そうですね。まあ、時間ないから買わないけど。あと、『図説 縄張のすべて』ってやつも面白そう。これのヨーロッパの城バージョンとか出してくれないかな。

参照サイト
歴史群像
http://rekigun.net/

関連記事
キリスト教が支配するヨーロッパの中における異教。B・ジョーンズ&N・ペニック『ヨーロッパ異教史』
http://xwablog.exblog.jp/7249842
ハンザとルーシの無視しえない関係のために。『ドイツ・ハンザの研究』高村象平という記事
http://xwablog.exblog.jp/7695992
麻生たん、リトアニアのスギハラハウスを訪問、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7695848
同名の本は何か副題をつけるようにして欲しい。『イヴァン雷帝』トロワイヤとスクルィンニコフ
http://xwablog.exblog.jp/7751504
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by xwablog | 2008-03-14 23:48 | 書庫
古代ローマを舞台に少年奴隷の全てをかけた戦いのドラマ。技来静也『拳闘暗黒伝セスタス』第1巻
この前のことはかなりショックでしたが、なんとかなんとか。

新疆発の航空機テロ未遂=緊急着陸、犯人を逮捕−中国(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date4&k=2008031000002
中国でオリンピック開催中にテロって可能性は大だと思ってます。

カトリック教会がマルチン・ルターの名誉回復?(世界キリスト教情報)
http://cjcskj.exblog.jp/
検討中らしい。前世紀からどの宗派に対しても和解の流れでやってきたカトリックですが、カトリックとして最終的な目的ってのは何でしょうね。まさか、タダで和解しようなんては思わないだろうし。(キリスト教社会を緩い連合体としてまとまりを持たせたいってことはあるんでしょうが。

ベトナムのニュース2本。

ベトナム国営石油、イランの油田開発に参入(NIKKEI.NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080312AT2M1202F12032008.html

ベトナムが初の人工衛星打ち上げへ、通信サービス拡大で(CNN)
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200803120012.html

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そうだ、連載開始はすでに10年も前の話か・・・

拳闘暗黒伝セスタス第1巻_技来静也

技来静也『拳闘暗黒伝セスタス』第1巻
「紀元1世紀、ネロ帝時代のローマ。拳闘士奴隷として育った少年・セスタスは、元拳闘士・ザファルから習い、自らの弱小な肉体を克服する拳闘の技を身につける。彼の前にはローマの支配制度と苛酷な拳闘士としての生死をかけた戦いが待っていた・・・」
白泉社------ジェッツコミックス-------1998年------505円

ネロが皇帝に即いた紀元54年からの古代ローマが舞台の、拳闘士奴隷が主人公の作品。最近、『ヤングアニマル』での連載の方がパルティアの戦士たちとか自分的に熱いネタが盛り込まれてきてかなり燃えてきたんですが、ついでに七巻までを読み返してみました。
幼い頃に奴隷にされ、拳闘士(剣闘士じゃなく、殴り合いをする奴隷)の訓練所で育った少年セスタスは、あまりにも無力でありながら、自分のたった二つの拳だけで何かを切り抜けつかみ取らなければなりません。彼の師匠で奴隷の訓練士・ザファルは、小柄で力が弱いセスタスに、自分の技を教え、技とスピードで勝つことを教えました。これは、この師弟がこの大帝国ローマで、身分の最底辺である拳闘士奴隷として生きていく物語であり、されにはその周辺の人びとが時代の苛酷な力によって翻弄されていく物語です。
セスタスにはライバルともいうべき人物として、ルカスがいます。彼はザファルの膝を壊した人物で、皇帝に仕える格闘集団・皇立徒手格闘兵団の団長・デミトリアスの息子で、セスタスとは対照的な格闘家です。このルカスとセスタスを中心に「拳闘(格闘試合)」を通じて物語は進み、自らの立場と社会そのものに苦しめられながらも、その戦いの技によってそれを克服していこうとします。

さらに、皇帝ネロも、皇帝でありながら自らの無力と孤独に苦しみ、母アグリッピーナの支配を愛憎ないまぜで感じ悩みます。この少年皇帝もまたセスタスやルカスと同様にこの物語の主人公のひとりとも言える存在です。

この漫画、久々に読んでみてちょっと思ったのですが、初期の方ほど「漫画らしい」突拍子もない設定が多かったりしますね。中国人みたいのが出て来たりとか、東洋武術をも取り入れた総合格闘技だとか(まあ、それを言ったら、徒手格闘兵団そのものがアレですが、それはそこ)。現在連載している段階まで来ると、もっと話に深みが出て来て、飛び道具に頼らない面白さがありますね。
しかし、読むまで忘れてましたが、トラキアの赤毛小僧アシュレイとか、剣闘結社ケルベロスとか、次はいつ出てくんでしょうか。

参照サイト
ヤングアニマル
http://www.younganimal.com/
拳闘暗黒伝セスタス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%B3%E9%97%98%E6%9A%97%E9%BB%92%E4%BC%9D%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B9

関連記事
ギリシャ神話と同化して混乱しがちなローマの神々について。スチュアート・ペローン『ローマ神話』
http://xwablog.exblog.jp/8113562/
古代ローマの激動の時代を描く長編テレビドラマ。ジョン・ミリアス監督『ROME(ローマ)』
http://xwablog.exblog.jp/8032543
安彦先生も歴史好きだからこーゆーの描くのは楽しかろうさ。『我が名はネロ』、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7751445/
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by xwablog | 2008-03-13 02:21 | 史劇
windows機で見ると画像が見れない?
このブログですが、私はいつもMacで作って見てます。
でも、今日何気なくwin機で見てみたら、どういうわけか、画像がまったくみれません。なんでなのか不明。同様の症状の方いますか? もしいるのでしたら、web拍手コメントで教えていただけると嬉しいです。(まさかウチのwin機だけ?

○追記
原因分かりました。
画像貼付ける時のタグの問題で、サイズの指定がしてないと表示されない見たいです。Macだとそれが指定してなくても見れてwinだと見れないということなのでしょうかね? 試しに下の記事『トランシルヴァニア』だけ直してみました。
プロバイダの画像置き場に置いてるわけじゃないので、毎回自分でタグ書き込んでたんですが、今度っからは、さらに画像サイズをいちいち調べて入力しないといけないので面倒かも・・・
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by xwablog | 2008-03-08 01:12 | 更新記録
意外に歴史の話が載ってるので一応目を通しておいた方がいいかも。『トランシルヴァニア その歴史と文化』
今日、はじめてまともにサンシャイン60の三階を見てまわりました。ここにメキシコ料理屋(エルトリートというお店です)があるとは思わなかったな(まあチェーン店系ぽいですが)。今度行ってみたいです。

ロシアの女性受刑者、施設内で美人コンテスト(エキサイトニュース)
http://www.excite.co.jp/News/odd/00031204869082.html
服はどうしたんだろ。

<国立国会図書館>係長が上司や業者に暴行し停職 (毎日jp)
http://www.excite.co.jp/News/society/20080307123900/20080307E40.063.html
「立法考査局」の人らしい。その部署は国会議員らからの依頼に応じて調査を行う部署だそうです。

確率2億分の1、一卵性の三つ子誕生 米国(CNN)
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200803050025.html
論文によって分母が違うようで、六万から二億ってことらしいけど、まあニュースのタイトルとしては二億ってした方がウケるでしょうね。

少なくとも大阪市には“流しの救急車”が実在する — 手を挙げても停まってくれないが、どうすれば乗せてもらえる?(なんでも評点)
http://rate.livedoor.biz/archives/50572447.html
へぇ〜、と思わせる興味深い話です。独善的な慈善活動は嫌いですが、これなら納得。

それはともかく。
表記は「トランシルバニア」じゃなく「トランシルヴァニア」です。

トランシルヴァニアその歴史と文化

『トランシルヴァニア その歴史と文化』
(コーシュ・カーロイ。監訳/田代文雄。訳/奥山裕之&山本明代。恒文社。1991年。2800円。233ページ)
本書によせて ネメシュキュルティ
はじめに
序章
マジャール人の征服まで
アールパード王朝
モハーチの戦いまで
トランシルヴァニア公国
総督府時代
1848年-1918年
まとめに
図版●トランシルヴァニア素描/コーシュ・カーロイ画
トランシルヴァニア地名対照表
解説 <森の彼方>その闇のなかの光彩 田代文雄

いや、とりあえず近場にあって本てだけで紹介してみようかと。
この本、全然歴史の本って感じじゃない扱いなんですが、意外と歴史についての話が載ってたりします。『彩色年代記』からの情報でトランシルヴァニアにいた豪族ジュラについての情報もここに。


参照サイト
サンシャインシティ
http://www.sunshinecity.co.jp/

関連記事
失踪した恋人を捜しにトランシルヴァニアへ。トニー・ガトリフ監督『トランシルヴァニア(TranSylvania)』
http://xwablog.exblog.jp/8026738
ブラン城の返還。ワラキアの歴史ある城がアメリカ在住のハプスブルク一門のものに
http://xwablog.exblog.jp/7696157
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by xwablog | 2008-03-07 23:58 | 書庫
紋章についての本の中でも紋章のルールについて詳しい一冊。森護『西洋の紋章とデザイン』
web拍手コメントへのレス

>ナポレオンは左向きの鷲を好んだそうですね。右向きが一般的だったそうですが、奇をてらったのでしょうか

というこの前の記事に対するweb拍手コメントをいただきましたので、ちょっと調べてみました。




『西洋の紋章とデザイン』
(森護。ダヴィッド社。1982年。3200円。213ページ)
1 基礎編(1・紋章とは、2・紋章の起源、3・紋章の構成、4・楯の仕組み、5・紋章図形、6・ディフェレンジング、7・マーシャリング)
2 応用編(1・紋章の所有権と使用権、2・紋章と著作権、3・紋章と考証、4・紋章のフォーマット、5・彩色のタブー、6・紋章作画の発想、7・発想から完成まで、8・紋章の力と品位)
索引
付図

というわけで、これのP98に簡単な説明がありましたので抜粋してみます。

「・・・注意すべきは、その頭の向きであり、デキスターを向くのが原則であって、単にイーグル・ディスプレイドといえば、必ず頭をデキスター向きに描かれる。ところがこれにも例外があって、まれにシニスターに頭を向けるものがあり、そのもっとも有名なものは皇帝ナポレオンの紋章の鷲である。このような逆向きの頭を持つ鷲は特に『eagle displayed, head turned towards sinister』と指定して呼ばれることになっている。」

だそうです。ここに書いてある、デキスターとシニスターってのは、紋章の楯の左右の位置のこと。楯を装備した人間から見て右側になる方(つまり紋章の楯を見る我々からすると左側)がデキスターで、逆側がシニスターになります。
質問の方で左向きの鷲を好んだって書かれてますが、正面から見て左右でだったら逆です。左向きの鷲が普通でナポレオンの右向きが珍しいわけですね。
あー、でもなんで珍しいのかは分かりませんでした。(ぉぃ

この前の記事で、昆虫の紋章は珍しいとか書きましたが、ナポレオンも蜂の紋章も使ってたとか。蜂はカール大帝(シャルルマーニュ)の紋章でもあったそうです。

あとナポレオンと関係ないですが、神聖ローマ帝国の鷲と、ロシア帝国の鷲はかなり似てますが、宝珠の持ち方に特徴があるみたい。脚の爪の親指を立ててガチっと握ってるのがロシアの、掬うように持ってるのが神聖ローマ帝国の。ちゃんとしたルールかどうかわかりませんが、いくつか見たらそんな感じでした。

紋章も似たのをいろいろ見比べてみると面白いですね。

ちなみに未だ『鷲の紋章学』を手に入れていません。いつか買ってやる。

参照サイト
ナポレオンの紋章に蜂もあるそうですが肖像画では小さくて見えません。 何か蜂をデ.
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q141016344
- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B7%B2

関連記事
紋章は家や人そのものを表す力がある。『紋章の歴史 「知の再発見」双書69 絵で読む世界文化史』
http://xwablog.exblog.jp/8117473/
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by xwablog | 2008-03-07 02:37 | 書庫
ソ連・東欧の政治ジョークがいっぱい。『スターリン・ジョーク』
web拍手コメントへのレス

>スターリンジョークを風刺・ジョークとしてではなく、本気で捉えている人、結構するかもです…
でも、得てしてそういう判り易い話の方が通りがいいわけでして・・・
きっと今後もずっと言われ続けてしまうのかと。

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どうも。馬頭です。
この前から『ヒストリエ』ネタで記事にしたり書き込みとかしようと思ってたんですが、どうもいらぬ突っ込みをしてしまいそうで躊躇してしまいます。最新号でも休載だったし。というか、隔月掲載と割り切ればいいのか。ともかく新展開楽しみにしてます。

南オセチアが独立承認呼び掛け=コソボ独立、旧ソ連圏に飛び火(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008030501052

英銀大手バークレイズ、ロシア中堅銀を買収(NIKKEI.NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080305AT2M0400705032008.html

マグナ・カルタの複写、落札者が米国立公文書館に貸し出しへ(CNN)
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200803040030.html
エドワード1世の署名付き。

それはともかく。
実は本日、3月5日はスターリンの死亡した日です。

スターリンジョーク


『スターリン・ジョーク』
(編/平井吉夫。河出書房新社。河出文庫。1990年。480円。306ページ)
十月革命、スターリンの勝利、社会主義建設、コルホーズ、万国の労働者、団結せよ、大粛清、イデオロギー闘争、大祖国戦争、人民民主主義、社会主義経済共同体、冷たい戦争、衛星上の小スターリン、ソヴィエト型選挙、鉄のカーテン、スターリンの死、スターリン批判、東欧の動乱、大脱走、ベルリンの壁、中ソ対立、フルシチョフ時代、宗教はアヘンなり、スプートニク、社会主義の優位性、地平線上の共産主義、エレヴァン放送、ブレジネフ時代、プラハの春、ワルシャワ労働歌、レーニンは生きている

そんなわけでして、ソ連・東欧の政治ジョークを集めた一冊。いわゆる「ソ連らしい・共産圏らしい」ネタを集めたもので、30のテーマ別に550編も収録してあります。はじめはハードカバー版だったかと思いますが、1983年に出たものを、後に文庫版にしたようです。

どのジョークも小気味良いひねりの効いた話で、そうかそうかと笑えます。
例としていくつか抜粋してみましょう。

・ワルシャワ大学の学生がイデオロギー・テストを受ける。
「資本主義はいかなる発展段階にあるか?」
「資本主義は絶望のふちに立っています」
「よろしい。では、社会主義はいかなる発展段階なのか?」
「社会主義は、資本主義の次の段階です」

・二人の男が死刑判決を受けた。銃殺! 処刑日の前日になって、銃殺ではなくて絞首刑に変更すると伝えられた。
「なるほど」と一人の死刑囚が仲間に言った。「もう弾がなくなったようだな」

・「なんて遅れた国なんだろう」と一人のソ連兵士がハンガリーに来て驚いた。「ここにゃ、シラミ駆除ステーションが一つもない!」

こんな感じの小話が山ほど詰まった本で、ニヤニヤ笑いが止まらない面白さです。

しかし、このギャグが誰にもちゃんと分かるかどうかってのは、かなり微妙ですね。特に現在は。
当時の「東側」がどんな社会だったのかとか、どういう政治状況だったとか、どんな事件があったのか、ということを知っていて、やっと笑えるのでは。
最近は冷戦時代なんて過去の話、この前なんか年若い知り合いが「ソ連ってまだあるんですか?」なんて真顔で聞いてくるありさまですからね。過去のソ連のパターン化・パロディ化されたイメージが、さも本当のことだったかのように語られたりするのですから、何も知らず物事を安直にとらえるような人たちは、今やこの『スターリン・ジョーク』を読んでも本当のことだと信じちゃうんじゃないかと不安になるくらいです。

そもそも、この本のあとがきにも書いてあるように、ジョークというやつは普遍性があり、どこそこのジョークと言われるものを聞いて、「〜〜らしい」とか思うのは実のところ、ジョークの中で入れ替え可能な語句の組み合わせが思わせているだけで、ジョークそのものの形がその国らしいわけじゃないのではないかと。

だからといって、この『スターリンジョーク』がつまんないというわけじゃなく、ソ連とか東欧が好きならこの上なく楽しめる内容となっています。この本、残念ながら絶版となっていますが、たまに古本で出てるので、気になる人は是非。

参照サイト
河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/index.html

関連記事
ソ連の学園ものはこんないい話だ。『ヴィーチャと学校友だち』という記事
http://xwablog.exblog.jp/7696184
非党員でユダヤ系の医師の苦難に満ちたソ連生活。『ロシアンドクター』という記事
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傑作ヒトラー映画オリバー・ヒルシュピーゲル監督『ヒトラー最後の12日間』。ブルーノ・ガンツが凄い。
http://xwablog.exblog.jp/7243269
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by xwablog | 2008-03-05 23:00 | 書庫