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コミックマーケット73。明日は間に合わないかも。セルビア歴代王一覧本。
コミックマーケット73がはじまりましたね。
我がサークル「クワルナフ」は、二日目、12月30日土曜日の西館、こ-28aでございます。
そして、どういうわけか、現在まだ新刊コピー誌はできておりません。
進行具合は、50パーセントってとこでしょうか。
タイトルもちゃんと決まってない。
一応、前のに合わせて『ネマニッチ家君主一覧 中世セルビアの支配者たち』かな? だいたいこんな感じ。
たぶん、校正する時間ないので、文章が変だったり誤植だらけだったりしますが、遅れてでもなんとか間に合わせたいと思います。

ちなみに、こんな感じの本。

「ステファン・ネマニャ(ステファン・ネマーニャ。ステファン1世。聖シメオン)
1109年から1113年~1200年2月13日生没(1114年~1200年とも。年号については各種資料で数え方の違いか一年のずれがある)。ラシュカ(セルビア南西部)の大部族長(ヴェリキ・ジュパン)。在位1168年~1196年。セルビアのネマニッチ朝の創始者。1109年から1113年頃にラシュカのジュパン(部族長)のZavida(ザヴィダ?)の息子としてゼータ(現在のモンテネグロ)のリブニツァ(現在のポドゴリツァ)に生まれ、1166年から1168年にかけて、長兄ティホミルに対し、他の兄ストラシミルとミロスラフと共に反乱を起こし、ティホミルを追放。その後、ティホミルを支援するビザンツ軍を北コソボのミトロヴィッツァ近郊で撃破し(ティホミルは入水自殺します)、ステファン・ネマニャはラシュカのジュパン(部族長)となり、イバル川(モラヴァ川支流)流域を支配。さらに、セルビアと同じようにビザンツ帝国からの影響力から離れたいと思っていたハンガリー王国と接近し、宗主国であったビザンツ帝国との戦いを繰り返します。1171年には(自称ですが)セルビア王ステファン1世となりますが、1172年にビザンツ帝国に敵対していたハンガリー王イシュトヴァーン3世が死亡すると、ハンガリー王には親ビザンツ派だったベーラ3世(皇帝マヌエル1世の義理の姉妹を妻にしていました)が即位し、ハンガリーからの支援がなくなります。そしてその年の内に軍勢を率いてきたマヌエル1世に降伏し、コンスタンティノープルへ連れていかれて、帝国の宗主権を認めることになります。・・・・・・・」

これはステファン・ネマニャの記事の半分くらいです。まあ、前の『プシェミスル家君主一覧』と同じやり方で、各時代のセルビア王などを紹介します。


ところで、馬頭はこんなギリギリだというのに、実は初日に参加してきました。

コミケ73初日 入場前の行列


コミケ73初日 入場前の行列

これパナソニックの前から撮影したんですが、えらい行列。だいたい11時ちょっと前くらい。ゆっくり行ったのでかなり後ろの方だったのですが、それにしても毎年行列長くなってるような気が。ほんの2、3年前まで、初日っていうと、開場時間に合わせてくれば、30〜40分ちょっとで入場できたと思うのですが、今日は結局11時15分くらいでした。しまった、11時にくればよかった。



『ロシア語軍事用語集 増補改訂版』


『ロシア語軍事用語集 増補改訂版』
晴天さんのコームナタ・セイテーナにて頒布してた本。ご挨拶した時にいただいてしまいました。ありがとうございます。さっそく読ませていただきますね。



今日の戦利品


今日の戦利品。
クロアチア旅行記とか、ソユーズ本とか、ドイツ軍もの。
ドイツ軍仮想戦ものは、あのシリーズそっくりに作ってあって凝ってます。すげぇ〜。こんなの作りたいですね〜。

とりあえず、読む時間ないので明日読もう。とにかく作業しないと・・・・





あ、そうそう。今日、コミケ会場で聞いた一番ふるってる言葉は、

「小学生からはじめるナチス・ドイツ」

でした。ちょ、それどんな小学生だ!
ミリタリーのコーナーを歩いてた時にどっかのサークルの人がそう言ってるのを聞いたのでした。


明日は午後に来てくれると出会い運が少し上昇。

参照サイト
コームナタ・セイテーナ
http://blog.livedoor.jp/koshek/
コミックマーケット
http://www.comiket.co.jp/
クワルナフ 同人誌のページ
http://www.toride.com/~digxwa/digxwaFiles/magf/mag_f.htm

関連記事
クワルナフは、コミックマーケット72に参加しました。三日目日曜日。
http://xwablog.exblog.jp/7319314/
『キエフ公国史2』の見本が届きました。クワルナフが参加する日曜は雨の予報ですね。
http://xwablog.exblog.jp/7305648/
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by xwablog | 2007-12-29 23:59 | 日記
コミケ73(の予定の)情報。中世セルビアのネタでいきたいかと思います。
コソボ、2月6日に独立宣言か=セルビア大統領選の直後−地元紙(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007122400357
国名はどうなるんだろ。

王制廃止が確定=毛派、暫定政府に復帰へ−ネパール(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007122400197
自業自得とはいえ、これでまたひとつの王国が消え去るわけで、まったく残念です。


それはともかく。
コミックマーケット73(の予定の)情報を。

まったく出せる可能性は低いのですが、冬コミの新刊には『中世セルビアの君主一覧』という同人誌を持っていくつもりです。コピー誌。前に出した『プシェミスル家君主一覧』みたいなやつです。
今週に残業が無く、熱と頭痛が収まれば間に合うでしょう。


参照サイト
コミックマーケット
http://www.comiket.co.jp/
セルビア共和国(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/serbia/

関連記事
日本敗退。そしてウクライナ準々決勝進出。さらにオシム氏が監督?という記事
http://xwablog.exblog.jp/7720565
中世のバルカン半島に広まったキリスト教の宗派を解説。ディミータル・アンゲロフ『異端の宗派ボゴミール』
http://xwablog.exblog.jp/7545773
戦うことを厭わない女戦士の戦い。吉原昌宏『ニムロッド NIMROD』の紹介
http://xwablog.exblog.jp/7310640
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by xwablog | 2007-12-25 09:02 | 日記
エルサレムを守る騎士バリアンの活躍。リドリー・スコット『キングダム・オブ・ヘブン』
web拍手レス

>キングダム・オブ・ヘブンまずまずでしたね。ロック・ユー!は御覧になりましたか?
『ロックユー』は良かったですね〜。もちろん、DVDまで持ってますよ!

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どうも。最近は積み本が日に一度かニ度は崩壊する程度には積み上がってる馬頭です。
こんな環境にいれば体調も崩すわい、とか思ったりします。片付けたいけど、今日はとにかく寝てなんとか体調を戻さないと来週に困ったことに・・・

英女王も「ユーチューブ」活用=Xマスメッセージ掲載へ(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007122300023
日本の皇室もこういうことやってみるべきでしょうね。

英女王、歴代最高齢の君主に=高祖母の記録上回る(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200712/2007122001125&rel=j&g=int
ヴィクトリア女王より長寿なわけですが、在位期間ではまだ七年も短い。エリザベス2世が即位した時は25歳ですが、ヴィクトリア女王は18歳で即位。どっちも、若き女王! なんか萌えますね。
ところで、ヴィクトリア女王って19世紀後半から今に至るまでのヨーロッパ各国の王室に広くその子孫を残した人ですが、彼女の持つ血友病が遺伝でロシアの皇太子アレクセイなどに伝わってしまいます。

ブレア前英首相、カトリックに改宗(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007122300005
これはちょっと驚いた。

カリモフ氏の再選確実=ウズベク大統領選(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007122300035


それはともかく。

キングダム・オブ・ヘブン


『KINGDOM OF HEAVEN(キングダム・オブ・ヘブン)』

(リドリー・スコット監督。アメリカ映画。出演/オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、エドワード・ノートン他。20世紀FOX。145分。1500円)
「12世紀。ヨーロッパのキリスト教徒たちが聖地エルサレムを占領してから100年。十字軍の騎士たるゴットフリーは母国フランスへ戻り、庶子バリアンに自分とともに聖地へ来ないか、と誘う。妻と子供を失っていたバリアンは、見知らぬ父とともに聖地へと向かうのだが・・・」

十字軍騎士のバリアンの活躍を描いた歴史映画。歴史上に実在するモデルはいますが、バリアンは創作です。
鍛冶屋のバリアンは、ある日父親を名乗る騎士ゴッドフリーがやってきて一緒に聖地に来いと誘われます。彼には他に後継者がいなかったのです。妻と子供を失っていたバリアンですが、現地の司祭ともめて殺してしまい、そこを逃げて父の後についていきます。
しかし、そのことが元で地元領主の兵士たちと戦うことになり父ゴッドフリーは負傷。その後死亡してしまいます。それでも聖地へと向かう船に乗ったバリアンですが、船は嵐に合い、沈んでしまいます。海岸に漂着したバリアン。そこから歩いてさまよう内に、とあるイスラム教徒の地元領主と戦うことになり、殺してしまいます。その男の連れ添いの男が、バリアンの言葉を解すのでそのまま聖地へと連れて行かせます。
聖地についたバリアンは、父ゴッドフリーが治めていたイベリンの領地を治めることになるのです。現地では周囲をイスラム教徒に囲まれていながらも、同じキリスト教徒同士で折り合いが悪く、一致団結という感じではない様子。彼を快く思わないトランス・ヨルダンの領主ギー・ド・リュジニャンという人物もいたりします。しかし、エルサレム国王ボードワン4世の妹シビラ(ギーの妻)と親しくなったりもします。その互い想いは道ならぬ恋へと発展するのですが・・・。

イスラム勢力の指導者サラディン(サラーフ・アッディーン)は、アンティオキ公ルノー・ド・シャティオンたちが行った隊商への襲撃をきっかけにエルサレム王国へ進撃してきます。ルノーの領地カラクで英雄的な戦いをみせたバリアンは、ボードワン4世やティベリウス卿の信頼を勝ち得ますが、シビラとの再婚要請を自分的に許容できなかったためそれを拒否し、その後国王が死ぬとギーがエルサレム王国の実権を握ってしまいます。ボードワン四世がせっかく平和裏にことを収めたというのに、対イスラム強硬派のギーやルノーは、サラディンと戦いを望み、あっさりと敗北します。
サラディンは十字軍国家との決着をつけるため、エルサレムを占領するため攻め寄せてきます。強硬派のギーたちも穏健派のティベリウス卿もいない中、バリアンはわずかな兵士、そして市民たちの協力を得てこれに対抗しようとするのでした・・・

基本的には1187年のエルサレム陥落までの史実を元ネタに、バリアンという人物を主人公に組み立てたフィクション。同じくスコット監督の『グラディエーター』以来、歴史ものが流行っていた中で作られたもののひとつと見ていい作品です。しかし、その内容には当時すでに行われていたイラク戦争の影響からか、反戦というか宗教対立批判的な臭い部分(それも結構直接的な表現が)があるのがリドリー・スコットらしいというかなんというか。まあ、バリアンのキャラを見てもわかる通り、この人、綺麗ごと好きですから。
話は非常にいいのですが、残念ながら、長編映画であり、日本では完全版は上映もDVD化もされませんでした。実はアメリカでは完全版がDVD化されたというので、日本でも出ないかとずっと待っていたのですが、とうとう出なかったので先日諦めてこれを買ったという次第です。まあ、安かったし。字幕も戸田奈津子だし不満ありあり。wikiによると20世紀フォックスではこうした酷いもので出してしまうことが度々あるとのこと。いや、いつかアメリカ版四枚組のものを見たいものです。

十字軍ものですが戦いのシーンは、カラク城前での戦い、そして最後のエルサレム攻防戦だけで、ハッティンの戦いは戦い前の様子と、十字軍敗北後のところだけがあります。イスラム軍も十字軍もかっこいいので、もっとやって欲しかったなぁ。あと、『タイムライン』でも思いましたが、夜に投石機を使って派手に爆発ボンボンなシーンは見栄えがいいとはいえやり過ぎな気が。

イスラム側の役者としてサラディンが凄くかっこいいです。ちょー渋い男で私的なサラディンイメージより少し線が細いですが、これもまたいい。あと英スーダン混血の俳優アレクサンダー・シディグ演じるナシールもいい。

十字軍側では一番かっこよかったのはもちろんティベリウス卿ですが、もっと活躍して欲しかったですね。エドワード・ノートン演じるエルサレム王ボードゥワン4世はずっと仮面被ってたのですが良かったです。実はルノーもギーも役がはまっててよかった。
しかし、王妹シビラ演じるエヴァ・グリーンはすげー美人ですね。仏スウェーデン混血。双子の妹がいるとか。アメリカ英語や日本語を勉強してるってあるけど、どれくらいしてるんだろ。あと、実際にはギー役のマートン・チョーカシュとほんとうにつき合ってるとか。

ところで、このDVDは収録特典として史実解説ってのが付くのですが、これがちょっと酷い。ドキュメンタリーとかみたいな形式ならわかりますが、映画と一緒にいろいろな歴史ネタの話が字幕として付くというもので、はっきり言って読みにくいったら無いです。映画にも解説にも集中できない。ずっと見ないといけないし。なんのつもりだろう?

参照サイト
キングダム・オブ・ヘヴン公式
http://www.foxjapan.com/movies/kingdomofheaven/
十字軍 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%AD%97%E8%BB%8D
イベリン家
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%AE%B6

関連記事
ローマを生涯の敵とすると誓った男の物語。BBC制作の歴史ドラマ『ガーディアン ハンニバル戦記』
http://xwablog.exblog.jp/7671006/
実在のバルトの海賊王シュテルテベイカーの生涯を描く『パイレーツ・オブ・バルト』
http://xwablog.exblog.jp/7457302
中世を舞台に諸国が覇権を争う!ヨーロッパ最高皇帝を目指せ!『Knights of Honor(ナイツオブオナー』
http://xwablog.exblog.jp/7516575/
スパルタVSペルシアのガチンコ勝負! DVD『300(スリーハンドレッド) 特別版2枚組』が発売
http://xwablog.exblog.jp/7499530/
アレクサンドロス大王の生涯を描く超大作。映画『ALEXANDER(アレキサンダー)』のDVDをとうとう
http://xwablog.exblog.jp/7261234


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by xwablog | 2007-12-24 00:07 | 史劇
漫画家になった漫画家の漫画を描く漫画家の漫画と変わらない生活。福満しげゆき『僕の小規模な生活』第1巻
こじきになると東大出のインテリ美女が、上からの目線で蔑んでくれるらしい、と聞いて、本気でこじきになってみようかと考えた人の数は、多くの人が想像するよりもずっと多いのではないか、と鋭く推察する馬頭です。
ああ、そうだ、こじきと言えば、この前池袋の五叉路の近く(ミリタリ屋の近くにあるローソンのあたり)で全裸のホームレスを見かけた。歩道で普通に全部脱いでた。

それはともかく。
こんな有名雑誌に載るとはおもわなんだ人の単行本が出ました。前にも紹介した『僕の小規模な失敗』とか『やっぱりこころの旅だよ』とか『カワイコちゃんを2度見る』や『まだ旅立ってもいないのに』などの福満しげゆき氏の新作です。

僕の小規模な生活』第1巻


『僕の小規模な生活』第1巻

(福満しげゆき。講談社。モーニングKC。2007年。743円)
「漫画家を目指す25歳の僕。情緒不安定な妻の収入と不安定な仕事量でなんとか暮らす不安定なアパート暮らしの日々だが、不安は尽きず煩悶とする。生活する中で人々とのかかわりは避けて通れず、そうした関係をあまりあるほどの不器用さでやりくりしつつ、はてしなく遠い漫画家としての坂道をのぼりはじめたばかりのころの話」




         コレを読む前に言っておくッ!
                    おれは今やつの漫画をほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは連載を読んでいたと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        いつのまにか連載を始めるまでの経緯を読んでいた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    エッセイ漫画だとかメタフィクションだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

                  (ポルナレフ談)


福満しげゆき氏による自伝的半フィクション漫画。青林工藝舎をメインに活躍(?)していた福満氏ですが、とうとう大手出版社・講談社の『モーニング』にて連載を持つことができるようになったようです。これは、『モーニング』で連載されているわけですが、どういうわけかその『モーニング』で連載がはじまった経緯などが描かれている「マンガを描くマンガ家のマンガ」となっています。

『僕の小規模な失敗』で自分の半生をもとにして漫画を描いたわけですが、これはその続きになっています。ですから『モーニング』で連載がはじまるまでと、はじまってからの漫画となっています。
この作家さんを知らない人にとってはどんな漫画か分からないかもしれませんが・・・いや、一応単行本全部読んだ私でもどんな漫画家か説明しづらいのですが・・・この作家さんのいつも通りの鬱々とした想いに悩まされる人物が主人公(この場合漫画家の僕ニアリーイコール福満しげゆき氏)の話です。
この作家さんの漫画を見ていつも思うのですが、社会不適合者の一歩手前か少し入ったような人物の視点で、扶養家族生活、面接、バイト、持ち込み、バンド、隣人、仕事、打ち合わせ、連載、といったことを語られていますが、こんなことが、そしてこんな陰にこもった思考の語りがなんでこんなに面白いんでしょうね。読んでて、もう楽しくてたまりませんでした(はじめの方だと、インクで線がうまく描けないくだりなんかとか声出して笑いました。後半は外で読んでたので声出せませんでしたけど、ニヤニヤしっぱなしでした)。そして、読み終わった後の読後感のなんともいえない感じが。さらに少しするとなんか泣けてきそうな気持ちにもさせられます。なんかすげー漫画です。
ああ、そういえば、ヨーロッパでは20世紀になるまで、精神病は伝染すると考えられていたとか。そんな感じか?

あと、この漫画によれば、福満氏は奥さんに「クソブタ」と罵ってもらってるそうです。

連載の方は二月から再開のようです。


参照サイト
福満しげゆきホームページ
http://www.k5.dion.ne.jp/~fukuyuki/
e-1day
http://www.e-1day.jp/
青林工藝舎
http://www.seirinkogeisha.com/
ミス東大のブログが大炎上!「こじきのくせに」発言にア然!(アメーバニュース)
http://news.ameba.jp/internews/2007/12/9652.html
ご本人のブログ・サイトは閉鎖されてしまったようです。

関連記事
『僕の小規模な失敗』の意外なアグレッシブさに少し絶望する自分を発見、の巻という記事
http://xwablog.exblog.jp/7480833
中世ヨーロッパを異教のまま生きる少女の物語。『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7755042/
少年を助けようと旅立つ少女と彼女を捕えた山賊の少女の関係。藤田貴美『雪の女王』
http://xwablog.exblog.jp/7720698/
こんな大人になるはずじゃなかった。そう思ったことのある大人は必読。福満しげゆき『やっぱり心の旅だよ』
http://xwablog.exblog.jp/7854943
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by xwablog | 2007-12-23 15:01 | 日記
回線の変更があります。IP電話の番号も変更。という話
これは古い記事です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2007年02月23日

回線の変更があります。IP電話の番号も変更。
・連絡事項・
本日、ネット回線の変更をします。ADSLから光に。
それにともなって、今まで使ってた050ではじまるIP電話の番号が無くなり、別の番号になります。
ちなみにKDDI(dion)のでやるので、ブログのアドレスも、メールアドレスもそのまま引き継ぎできるので変更ありません。

Posted by 管理人・馬頭 at 07:18 |Comments(6) |TrackBack(0) | 雑記


この記事へのコメント
無事つながりました。作業時間50分くらい。
ケーブルが細いな~。曲げたり圧力かけちゃダメといわれたのでおそるおそる。

けど、光になった実感はあまり無いです~。こんなもの?

Posted by 管理人・馬頭 at 2007年02月23日 12:27

うちもかなり前にADSLから光にしましたが、あまり早くなったという感じはしませんでした。それどころか、最近YouTubeで動画を見ると止まるという有様です・・・・。
Posted by ひで at 2007年02月23日 21:05

>光の速度
なんなんでしょうね~。これは、もともとのADSLがある程度早かったからそう感じるだけなのか、それとも光というのは思っていたほど早くないものなのか・・・。もしくは、マシンスペックの問題?
あ、でも、実はYouTubeを見てみたら、いっつもなら何度も止まってしまってまともに見れないような長い動画が、すんなり見れました。
これが光ファイバーの力!?
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年02月24日 02:35

なんか、ここにコメント書くときの、書き込みの反応が遅いような気が・・・
気のせいじゃなく。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年02月24日 02:37

新しい電話番号教えろゴラァ!
メール送ったの届いてる?
Posted by モーリー at 2007年02月24日 04:01

>電話番号
さっき、メール返送したよ~。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年02月24日 22:43
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by xwablog | 2007-12-23 01:05 | 日記
畏怖を込めて魔女と呼ばれ・・・。Cuvie『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄鎚』第3巻
web拍手レス

>以前産経新聞で連載されてたナポレオニック小説に”電信”が
>出てきました。作者もですが載せる方も甘い
電信は1830年代からですね。わずか数十年ですが、その差はデカいですよね。
そういえば、あの頃のフランスでは腕木通信が使われてたみたいですね。はじめて知った時はこんなのあったのかとビックリしました(いきなり電信が入ってきた日本じゃ意外と知られてないみたいです)。凄い速く伝えることができるみたいだし、なかなか侮れないものです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ところで、まだ同人誌は何も作ってません。もう、ホントにどうなるんでしょうね。(他人ごとみたいだな

【グローバルインタビュー】今のロシアは 元KGB国家二重スパイが語る(中)(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071216/erp0712161048002-n1.htm
産経ニュースというより、産経らしいニュース。

銃乱射の馬込容疑者、迷彩服の下に防弾チョッキ(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071216/crm0712162229022-n1.htm
この記事、「凶悪事件」ってカテゴリされてたんですが、なんというか「迷彩服」あたりに焦点をあててるので、そのままミリタリーオタクに対するバッシングに繋げてくるかなとか思ったり。間違っても猟友会とかが叩かれることはなかろうかと。この短い記事の中でタイトルも含め「迷彩」って言葉が六回も使われ、わざわざ締めに「軍事マニア向けのカタログが押収された」とまで書いてますし。

平成19年度狩猟者適性検査(免許更新)のお知らせ

「合法銃」管理を点検へ=政府、規制の強化検討−佐世保発砲で(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007121700829


それはともかく。
最新5巻までは買いましたが、とりあえず三巻。

『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第3巻



『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄鎚』第3巻

(Cuvie。富士見書房。角川書店。角川コミックスドラゴンJr。2007年。580円)
「傭兵団における活躍から、敵味方から『雷鎚(ミョルニール)の魔女』と呼ばれるようになったドロテア。そんな彼女をワルドー派の副将コンラートがつけねらうが、彼は自らを保護していてくれていた領主を殺し、遁走する。そしてついにザクセン公に会うことができたドロテアたちは、姫から託された手紙を渡すのだった・・・」

雷鎚団(ミョルニール)の傭兵たちの信頼をある程度得たドロテア・エッシェンバッハですが、その活躍(すでに少尉になってる)から畏れと尊敬を込めて「雷鎚の魔女」と呼ばれることに。必死に戦う彼女ですが、大事なことは間近にあるのに気づかない。ギュルクは自分の想いをドロテアに伝えるのですが、どうにも彼女の方が鈍くて気づいてくれません。恋愛沙汰にはとんと疎いらしい。そういうわけで、ドロテアとギュルクの関係がちょっとギクシャクしちゃったりします。
この巻から登場するのが、ワルドー派の副将だった人物で、自称「主の剣」のコンラートです。ドロテアをあしらうほどの剣の腕を持つ人物ですが、その狂信によりドロテアを火刑にせんといろいろやってきます。

ところで、この話の中で、ドロテアたち雷鎚団はザクセン公国の首都ドレスデンに行って、ザクセン大公・選帝侯のフリードリヒIII世と会うことになります。ナウダースのエルゼ姫(エルセベート・フォン・ナウダース)の親戚(おじ・姪の関係)ですね。実際にいた人物で、超有名人。フリードリヒ賢明侯とも。

フリードリヒ三世
賢明侯。F der Weise。1463年1月17日〜1525年5月5日。在位1486年〜1525年。ドイツ帝国の改革に努めたが、皇帝マクシミリアン1世の死(1519年)後彼に提供せられた皇帝位を斥けた。ヴィッテンベルク大学を創立(1502年)。ルター派に改宗はしなかったが、ルターを庇護し、彼をヴォルムスの議会に赴かせ(1521年)、またテューリンゲンのヴァルトブルク城に彼をかくまい、宗教改革は事実上彼によって普及の緒についた。
『岩波西洋人名辞典 増補版』P1240より抜粋。

もともとヴェッティン家(劇中ではヴェティナーと表記。ヴェッティナー)はテューリンゲン伯やマイセン伯だった家系で、祖はテューリンゲン辺境伯ブルクハルト(〜908年)です。そのひ孫デディ1世のそのまた孫がデディ2世になります。キエフ公国のリューリク家のイジャスラフ1世が深くかかわった人物ですね。
そのデディ2世の兄弟ティモの息子が大コンラートで、彼からずーっと下ると、フリードリヒ3世がいます。
ちなみにエルゼ姫はフリードリヒ3世の妹カタリナの娘ということになってます。クリスティーネという妹がいたことは確実ですが、カタリナは創作かも。

そんな人物をドロテアは味方にすることに成功します。フリードリヒ3世はナウダースを狙うエムスに戦いを挑むことにしてくれたのです。しかし、ドロテアはここでやっと気づくことになります。理由はどうあれ、彼女の行為が戦争を引き起こすきっかけとなったのです。自分たちの故郷を守るために、今度はたくさんの人たちが犠牲となる容赦ない戦争の惨禍を、自分が巻き起こしたことになってしまったのです。悩むドロテア。そしてひとつの方針を連隊長に申し出ることになるのでした。
ドロテアは仲間の傭兵たちに、今度の戦いでは略奪行為を慎むよう訴えかけることになります。人々の前でフードを脱ぎ捨て、自分の姿を晒して訴えるドロテア。ランツクネヒトの誇りをつつき、ザクセン公からの雇用の安定をチラつかせ、「賊」ではなく「常備軍」となる可能性を示します。自らの正当性をこうして補強する彼女ですが・・・・

いやー、面白いですね。歴オタとしてちょっと気になるところとかありますが、それはともかく面白い。さーて、4巻読むぞ。


参照サイト
日本ライフル射撃協会
http://www.riflesports.jp/
ShootOuts on web Cuvie公式
http://cuvie.hp.infoseek.co.jp/
富士見書房
http://www.fujimishobo.co.jp/

関連記事
異端の拠点を襲撃する傭兵団だが・・。Cuvie(キューヴィー)『ドロテア(DOROTHEA)』第2巻
http://xwablog.exblog.jp/7805108/
中世ヨーロッパを異教のまま生きる少女の物語。『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7755042/
キリスト教が支配するヨーロッパの中における異教。B・ジョーンズ&N・ペニック『ヨーロッパ異教史』
http://xwablog.exblog.jp/7249842/

鉄槌じゃなく、鉄鎚です。
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by xwablog | 2007-12-19 01:57 | 史劇
一目見て楽しく簡単に理解する歴史地図。『地図で読む世界の歴史』古代ギリシア、ローマ帝国。
なんか12月入ってからもあんまり寒くならないなー、とか思ってたら、おとといあたりから寒くなってきました。ちょっと前までは手袋しないで自転車乗っても平気だったけど、辛くなってきました。


ソバカス提督じゃない方のアッテンボローの『The Private Life of Plants』のDVDがあったのでレンタルしたのですが、日本タイトルが『植物の世界』というシリーズ名でその二巻が「エピソード2 食虫植物の生態」となっていたので見たら、全然そんな内容じゃなかった。たしかに一部出てくるけど、実際には「植物の栄養と生長」みたいな感じの内容でした。すっげーワクワクしながら見始めたのに、すっかり騙されました。
だいたい、ネットで調べると日本語版のサブタイトルでもはじめはそんなの付いてなくて、第2巻は「生きのびる企み」ってなってる。本当のサブタイトルは「Growing」だったし。レンタル用にまた改題したのかもしれないけど、どこが「食虫植物の生態」だ。これはあまりにあんまりだ。

それはともかく。

THE HISTORICAL ATLAS地図で読む世界の歴史古代ギリシア


『THE HISTORICAL ATLAS 地図で読む世界の歴史 古代ギリシア』

(ロバート・モアコット。監修/桜井万里子。訳/青木桃子。河出書房新社。1998年。2000円。142ページ)
1 クレタ、ミュケナイと英雄の時代
2 暗黒時代からアテナイの興隆へ
3 強敵ペルシア
4 ペリクレスからフィリッポスへ
5 アレクサンドロスとその後の時代
参考文献
索引

テーマを決め各時代やある事物に焦点をあててビジュアル化した歴史地図のシリーズ。私が持ってるのはこの古代ギリシアとローマ帝国のやつ。



THE HISTORICAL ATLAS 地図で読む世界の歴史 ローマ帝国


『THE HISTORICAL ATLAS 地図で読む世界の歴史 ローマ帝国』

(クリス・スカー。監修/吉村忠典。訳/矢羽野薫。河出書房新社。1998年。2000円。142ページ)
1 都市から帝国へ
2 皇帝による支配
3 平和な帝国
4 混乱の世紀
5 復興と没落
ローマの支配者たち(BC753-AD565)
参考文献
索引



多くの地図でわかりやすく当時の状況を図解。さらにいくつものカラー写真や図版もついて、見て分かる、という点に努力を払ったたいへん楽しいシリーズとなっています。
残念ながら、これにはロシアバージョンがあるのですが、私の見たいところに関してが少しパワー不足の内容となっていて、持ってなかったりします。いつか欲しいけど。

「古代ギリシア」の方みてると、古代ギリシア世界のややこしいのが少しはわかりやすくなります。スパルタの展開とか見てるのも面白いですが、黒海沿岸への移民、植民の様子も楽しい。あと、ペルシアすげーでかいなぁ、とか思ったりしますが、最後はマケドニアすげぇぇアレキサンダーかっこええ、という締めかたしてます。
「ローマ帝国」の方は、よく属州の名前と場所とかで迷ったときに見ます。『ビザンツ帝国史』の方がちゃんとしてるんだけど、あれ開くのが大変だから・・・


参照サイト
『The Private Life of Plants』(デイビッド・アッテンボロー)
http://www.tvfactual.co.uk/private_life_of_plants.htm
河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/index.html
サー・デイビッドアッテンボロー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB
%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%BC
ダスティ・アッテンボロー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B9%E3%83%86%E3%
82%A3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83
%9C%E3%83%AD%E3%83%BC

関連記事
アルメニアの教会建築の素敵な雰囲気!歴史的な経緯等。『アルメニアにおけるキリスト教建築の展開』
http://xwablog.exblog.jp/7751465
スパルタVSペルシアのガチンコ勝負! DVD『300(スリーハンドレッド) 特別版2枚組』が発売
http://xwablog.exblog.jp/7499530
壮大な謎が徐々に解明されていく。北アフリカへ。『イリヤッド』10巻の記事
http://xwablog.exblog.jp/7683756
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by xwablog | 2007-12-18 02:13 | 書庫
ドイツを中心とした中世に生きた女性たちの姿。エーディト・エンネン著『西洋中世の女たち』
どうもー。部屋が本格的にゴミ屋敷化してきた馬頭です。
ここ数日は体調の悪さのためにどうにもならなかったです。日曜には人を誘って食事でも、とか考えてたけど諦めて部屋でカップ麺食ってました。理想と現実の落差がどうこうとか考えながら布団の中で悶々としてたわけですが、あまりの部屋の汚さなので、ムリクリ片付けはじめて多少はマシになりました。熱はあがったけど。
片付ける中で、もう10年くらい前から持ってた古いPCを処分することに。使わないのに何故か捨てるに捨てらんなくて持ってましたが、分解して不燃ゴミにしました(当時すげー金出して買ったのに、今じゃゴミにしかならないという・・・)。でも、PCケースだけは分解できなくて困ってます。どうしよう、とか思いましたが、そういやこーゆーのは分解せずにそのままゴミ回収してもらえばよかったとか今更ながら思ったり。あの分解作業はなんだったんだ・・・

車などに実弾2700発=防弾チョッキも着用−佐世保8人死傷乱射・長崎(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2007121600125
2700発って凄いな。防弾チョッキもあったし、どんだけやりあうつもりだったんだ。

そういえば、今日、わけあって『萌え萌え銃器事典』って本をちょこっと読んだんですが、最後の方に、「あなたの誕生銃」みたいな記事があって、宝石の「誕生石」みたいに月ごとに「誕生銃」が示されていました。もう、ここらへんの発想からしてアレですが、私の場合はスパスでしたよ。

患者射殺で組員再逮捕=「拳銃で男性撃った」−人違いとみて動機解明へ・佐賀県警(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007121600092
不審な部分の多い事件ですが、結局はっきりしないまんま終わるんだろうか。


そういや、いつの間にかカウンターが5万を越えてますね。来てくださった皆様、ありがとうございます。あと5000ほどで、55555となって五人並んだミハイル・ロマノフが見れそうですよ。

まあ、それはともかく。
『ドロテア』を読んだからじゃないですが、これをピックアップ。

西洋中世の女たち


『西洋中世の女たち』

(エーディト・エンネン著。訳/阿部謹也&泉眞樹子。人文書院。1992年。6386円。532ページ。)
序文-----中世と私たち
第一章 初期中世 500年から1050年まで
1 ゲルマン人における女性の地位 2 キリスト教の婚姻観と教会法 3 メロヴィング朝の女たちから 4 世俗世界と修道院、律院の大貴族の女たち 5 下女と隷属農民の女たち
第二章 盛期中世 1050年から1250年まで
1 女性にとって、都市の生活様式と家族法・相続法の発展がもつ意義 2 女性の宗教運動 3 宮廷と騎士の世界の女性
第三章 後期中世 1250年から1500年まで
1 一般的な枠組みと法的枠組み 2 中世都市共同体における女性 3 イタリアの状況 4 政治における女性 5 農村の女性
結論------変わるものと変わらないもの、変化のなかで継続してゆくもの

訳者あとがき
解説にかえて-----中世ヨーロッパの女性と現代------
図版の出典
参考文献
人名索引

中世ドイツを中心に、当時の女性たちの生活、生き様、制度上の扱いといったことについて語りまくった一冊。
ドイツだけじゃなくフランスやイタリアについても扱ってますが、王や諸侯の妻・妃・姫についてはドイツが多いです。あと、中世も後の方になってくると史料が多いのか、都市の女性などにも言及が多くなってきます。
また、私がとくに興味のあるところでは、東ヨーロッパ・スラヴ関連とかなんですが、例えば、「北ヨーロッパ、スラヴの婚姻法」(P161〜)のところにある記事とか。

「広大なスラヴの地はビザンツの影響を受けていたために、事情はかなり多様であった。キリスト教は単婚制を普及させようと努めていたが、それはまだこのあたりの大公たちの間では一般的ではなかった。ポーランド大公ミェシュコ1世(在位963年〜992年)がキリスト教徒の女領主と結婚するとき、大公がまずしなければならなかったのは七人の異教徒の妻を離縁することだった。(中略)11世紀から13世紀までポーランドとロシアでは、非公式に結ばれた結婚で教会に一種の同意結婚と認められたものがあったことが証明されている。」(P163より抜粋。)

ここでミェシュコ1世の妻となったのは、ボヘミア公女ドゥブラヴァですね。「女領主」ってどういう意味なんでしょう。ミェシュコ1世が七人の妻を離縁したという話はどっかに書いてあったと思いましたが、なんだったか。恒文社『ポーランド史』ではなかったような気が?
そういや、ロシアでキエフ大公やその息子たちが、ポロヴェツ族から嫁を取るってことがありましたが、あれってやっぱりキリスト教的建前では非公式な関係ということになるのかな? あそこはウラジーミル1世のこともあるし、年代記に書いてあるからってだけでは「公式」とは言えないような感じ。


あと面白かったのは、イタリアで奴隷のことを意味する言葉のこと。
「イタリアの奴隷制度-----ジェノヴァの例」

「しかし私たちは暗い面を忘れるわけにはいかない。地中海地方の多くの場所で、特に港湾都市で文字通りの奴隷制度が残っていたのである。(中略)1154年から1200年の間に約4500の公正証書(公証人が私権に関して作成する証書)が発行された。専門用語のせいでいくらか難解だが、スクラヴィ(奴隷)やスクラヴァエ(女奴隷)という言葉が見られるのは13世紀初頭からであることが立証できる。1180年代以降、本来はサルディニア地方出身を意味する名前だった『サルドゥス』や『サルダ』が同じように奴隷を表わすようになっていったが、『サラケヌス』や『サラケーナ』(サラセン人、イスラム教徒のこと)は、たとえ公正証書の中でその者の購入に関して使われているばあいや遺言書や解放証書で使われているばあいでも、必ずしも奴隷を意味しているとは限らなかった。売買証書や解放証書に出て来るセルヴィやアンキラエという用語は明らかに奴隷身分をさしている。」(P185より抜粋。)

奴隷を意味する「スレイヴ」の語が、中世初期に奴隷として大量に取引されたスラヴ人に由来することはよく知られてますが、これ読む限りだと、さらにサルディニア島(当時はイスラム教徒の勢力下にあった)からの運ばれた奴隷がいたようですね。あと、イスラム教徒が捕まって奴隷となるから、「サラケヌス」「サラケーナ」という言葉があったんでしょうし。イベリア半島ではイスラム教徒との戦いが激しかったからそこからの奴隷も多かったようです。あと、気になるのは「セルヴィ」とか「アンキラエ」。セルヴィの方はセルビア人ってことなんでしょうかね? アンキラエはなんだろ。古代黒海北岸のアンテス族とは関係ないだろうし・・・


いや、ともかく引用も多いし、事例を見せてくれたり、なんとも読み応えがあります。女性史という観点だけじゃなく、中世の生活誌としても読めます。いい本です、オススメ。


ところで、人文書院って京都の出版社なんですね。


参照サイト
人文書院
http://www.jimbunshoin.co.jp/
女性 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E6%80%A7
奴隷 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7

関連記事
中世ヨーロッパを異教のまま生きる少女の物語。『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7755042/
かわいい狼神ホロと若い行商人ロレンスの二人旅。支倉凍砂『狼と香辛料』第1巻のその1
http://xwablog.exblog.jp/7265975
ヴァイキングたちの取引についての考え。熊野聰『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』
http://xwablog.exblog.jp/7560019/
更新記録81・カウンタとか、ちょっとだけ更新。対応した人物になっています。
http://xwablog.exblog.jp/7260450
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by xwablog | 2007-12-17 00:57 | 書庫
とっつきやすく、読みやすい。新潮社『読んで旅する世界の歴史と文化 中欧』
web拍手レス

>チェコ映画回顧展1965~1994を去年大阪でやった模様。ミロス・フォルマン監督と呼ぶようです。
>プログラムのマルケータ・ラザロヴァー(13世紀の話)がめちゃくちゃ面白そう。フォルマンのチェコ時代
>の白黒映画は海外ではDVDが出回り始めたようです。『読んで旅する中欧』は沼野先生の説
>「中欧は西欧以上にヨーロッパの本質が剥き出し」がすばらしいです。
>Konkurs (1963)がフォアマンのデビュー作ですが(リンク失念)、アマデウスの撮影監督も一緒
>に同作品でデビューしてます。あと、マルケタはフォアマン監督じゃないです。念のため。
情報ありがとうございます。『マルケータ・ラザロヴァー』はなかなか面白そうですね。写真見るかぎり、衣装とかもかっこいいし。13世紀というからモンゴル軍との戦いものかとちょっと思ったけど、ロマンスのようですが、いろいろ設定がよさげです。まさに、こういうのこそ日本でもDVD出して欲しいですね〜。

拍手レス追加
>ミロシュ・フォルマンのチェコ時代の作品「ブロンドの恋」と「火事だよ!カワイコちゃん」はDVDあります
どちらも1960年代のチェコが舞台で片方は田舎、片方は消防士の話。当時のチェコの様子が見れそうですね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<米国大使館>10年ぶり借地料支払う 日本側値上げに合意(毎日jp)
http://www.excite.co.jp/News/politics/20071210210400/20071211M10.089.html
100年前の古文書を引き合いって・・・どんだけ恥知らずなんだ。


それはともかく。
とりあえず急ぎで。

読んで旅する世界の歴史と文化 中欧 ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー


『読んで旅する世界の歴史と文化 中欧 ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー』

(沼野充義/監修。新潮社。1996年。3000円。369ページ)
第1部 中欧の歴史・民族・地理(第1章 歴史、第2章 民族・宗教・言語、第3章 地理)
第2部 中欧の文化(第1章 文学、第2章 演劇、第3章 音楽、第4章 建築、第5章 美術・工芸、第6章 映画、第7章 思想・科学)
第3部 中欧の生活と風俗(第1章 中欧の人々、第2章 料理と酒、第3章 祭りとイヴェント)
人物事典

各地・各国の文化を歴史を軸にして紹介していくシリーズの11冊目。
文化面を強調していますが、歴史についての記述も多く、なかなか楽しめるシリーズとなっています。写真がたくさん使われていて、カラー写真も多数。歴史や文化面での知識がもとから無いと読めない類いの本ではなく、初心者でもいろいろ興味深く読めるし、ある程度知ってる人でも楽しめるものとなっています。

そういや、『カッコーの巣の上で』の監督フォアマン氏が、チェコ人だとこれではじめて知りました。ミロシュ・フォアマン。


参照サイト
新潮社
http://www.shinchosha.co.jp/

関連記事
二つの都、ウィーンとベルリンに焦点をあてたドイツ・中欧史。加藤雅彦『中欧の崩壊』。
http://xwablog.exblog.jp/7751553/
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by xwablog | 2007-12-10 23:59 | 書庫
異端の拠点を襲撃する傭兵団だが・・。Cuvie(キューヴィー)『ドロテア(DOROTHEA)』第2巻

恩師を見つめていた元教え子、「何見てんだ。事務所こいや」とボコられる(痛いニュース)
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1065414.html
最近は面白すぎるニュースが多すぎる。

高齢の親、放置すれば禁固刑=核家族化進むインドで新法(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date2&k=2007120800074
インド人の家族イメージって、いまいち無いな。

それはともかく。


ドロテア第2巻キューヴィー


『ドロテア(DOROTHEA)』第2巻

(Cuvie。富士見書房、角川書店。角川コミックスドラゴンJr。2006年。580円)
「傭兵(ランツクネヒト)として傭兵団ミョルニールへと入団したドロテア。しかし、彼女の容姿のため周りの人間から遠巻きに見られてしまう。そして傭兵団はザクセン地方の領主と組んだワルドー派という異端の信者たちを討伐する仕事を行うことになり、進軍をはじめる。そんな中、奇襲を察知したドロテアの活躍は、傭兵団の中で彼女が受け入れられるきっかけとなるのだが・・・」


中世後期ドイツを舞台とした漫画の第2巻。
傭兵団「雷の鎚(ミョルニール)」に無事入団したドロテア。ですが、彼女の青白い肌と赤い眼は人々から怖がられたり不気味がられてしまいます。子供にビビられたりして少しヘコむドロテア。
そんな風に見られる中、異端ワルドー派の生き残りの拠点へと向かう傭兵団。ドロテアももちろん参加するのですが、途中、ワルドー派の斥候を華麗にしとめたり、森の中でナフサを用いた待ち伏せに気づき、傭兵団の仲間を救ったりという活躍があり、これまで遠巻きにしてた傭兵たちが彼女に歩み寄ってきます。確かに警戒してる人もいるけど、多くは近寄りがたかったようです。こうして傭兵団に受け入れられた彼女は、とうとう初仕事としてワルドー派の砦(村落?)の襲撃に参加することになります。
傭兵団の方が圧倒的に強く、またたくまに砦を落とすものの、そこでは自分の信念のために戦う人や、ワルドー派の女子供もいて、彼女は自分の行いにショックを受けます。彼女の仲間たる傭兵たちは、この戦いで、財貨を奪い、女を犯し、好き放題やってます。ドロテアはそんな誇りない行いをする人間の側なのだと、そしてそれが戦争なんだと気づいてしまうのです。
そのころ、故郷のナウダースの白き家では、領主がシャンツガルドを捕えてしまいます。知らぬ間に故郷が危機に陥ってしまったのです。
さらには、傭兵団のトップである連隊長は、ドロテアを囮に使って、ワルドー派の残存勢力を倒そうとするのです。

ここ数年で、傭兵ものの本がいくつか出てますが、その情報が、この漫画にどれくらい使われてるか知りたいですね。実はまだ読んでなかったりするんですよ。ああ、読む本がありすぎる・・・




参照サイト
ShootOuts on web Cuvie公式
http://cuvie.hp.infoseek.co.jp/

関連記事
中世ドイツ国家の制度と組織を解説。ハンス・K・シュルツェ『西欧中世史事典 国制と社会組織』
http://xwablog.exblog.jp/7798331/
中世ヨーロッパを異教のまま生きる少女の物語。『ドロテア(Dorothea) 魔女の鉄槌』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7755042/
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by xwablog | 2007-12-09 23:58 | 史劇