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殺人事件の容疑者となった兄を探してトルコまで。篠原千絵『暁に立つライオン』
ヒッタイトといえば『天は赤い河のほとり』の篠原千絵氏ですが、またもトルコを舞台にした漫画です。しかも、今回は現代もの。

暁に立つライオン_篠原千絵

『暁に立つライオン』

(篠原千絵。小学館。2003年。390円)
「女子高生・和泉えりなは兄・鷹士が殺人事件の容疑者として国際手配されたと伝えられる。鷹士はトルコでNPO団体ヒューリエットで働いていたのだが、そこの仲間を殺したというのだった。そこにトルコからヒューリエットの代表シンクレアが来て、えりなが来れば隠れている鷹士も現れるのではないかといって、えりなにトルコまで来てくれないかと言ってくる。彼女は鷹士から送られてきたペンダントを持って、トルコへと渡ることにするが・・・」

『天は赤い河のほとり』の連載が終了した後、またもトルコものでということで描いた作品。ミステリーもので、高校生えりなが、殺人容疑をかけられた兄を求めてトルコまで行ってしまいます。しかし、怪しい人物は兄の所属した団体のメンバーらしく、命まで狙われてしまいます。実は密輸を偽装することもあった団体だったため、シンクレアがこのことで鷹士を捕まえたいがために、エサとして呼ばれたえりな。そんな危機を助けてくれるのが、同じ団体のメンバーのひとり、アルプ・アスラン。実は彼は・・・みたいな話。

これ、巻末にトルコ旅行記のおまけ漫画「トルコ取材雑記」がついてて、これが面白かったです。で、なんとカマンカレホユックの遺跡まで行って、あの大村幸弘氏と会ったりとか、ハットゥサ(ボガズキョイ)まで行ってみたりとか、楽しそう。


参照サイト
篠原千絵リング(ファンサイト)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/nene/ring/sinohara.htm

関連記事
古代中東史はやっぱり面白い。大村幸弘『鉄を生みだした帝国 ヒッタイト発掘』
http://xwablog.exblog.jp/10497272/
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by xwablog | 2006-10-29 06:42 | 史劇
今年も行ってきました。第47回神田古本まつり(2006)。そんで、またやってしまいました
10月27日金曜からはじまった毎年恒例の古本祭り。今年も行ってきましたよ。



古本祭り2006_1



今年は、28日の土曜だけ行ってきました。まあ、何日も行くというのが間違ってたという気もしないでもないですが。
日曜は雨が少し降ったようなので、わざわざバイト休んでまで土曜に行ったのは正解だったかも。
しかし、自分は一ヶ所一ヶ所全部見るので、古本祭りで靖国通り沿いに出てる外売りのところを見てるだけで凄い時間かかります。三省堂前から西に進んでいって、到着してから3時間経った時には、まだ、上の写真の大きな交差点のところまで到着してもいませんでした。



古本祭り2006_2



みんな楽しそうですが、他人のことは省みません。この日だけで何度人とぶつかり、何度人の足を踏んだことか・・・。
自分的に古本祭りのパターンとしては、靖国通り沿いを三省堂前から順次クリアしていって、交差点とその隣の通りに集まってるエリアを見たら一端エスニック料理の出店で食事し再開。端まで行ったら折り返してスズラン通りを見るという形にしてます。各出版社が出してるブースは重要なところは少ないので結構早く見れます。でも、堀だし物も多い。
そういえば、今回三省堂裏でいっつもやってた古本コーナーが無くなりましたね。三省堂の中のも無くなってたし。

いつも古本祭りに行って思うのですが、それほど激烈に安くなってるというものはそれほど無いですね。店舗の方で安売りを実施してる古本屋もほとんど無いし。でも、安くなってるので良い本を見つけると非常に嬉しいです。まあ、何にせよいろいろみつけて買ってしまうわけですが、今回はこんな感じになりました。



古本祭り2006_3積読本



あわわわ。またこんなに買ってしまいましたよ。

上から、
『ロシア革命前史』
『ソフィア』特集・ロシアの世界、東欧の世界、の2冊
『チェチェン やめられない戦争』
『愚者と愚者』上下巻
『トナカイ王 北方先住民のサハリン史』
『中世前期北西スラヴ人の定住と社会』
『幻の豹』
『シベリア旅行記』
『歴史学研究』10冊ほど
『新潮古代美術館 栄光の大ペルシア帝国』
となります。
あ、写真に入れ忘れましたが、『ドイツ中世後期の世界』も買いました。
各本ごとの感想などについてはまた後日。

ただ、はじめに自分で思ってたよりか、全然買いませんでした。リュックは重くて大変でしたが、手荷物は袋ひとつ分だけで済みました。使ったのも予算の半分くらいでした。
1番お得だったのは、『新潮古代美術館 栄光の大ペルシア帝国』が200円だったのと、『シベリア旅行記』が1500円だったのかな。
嬉しいのはずっと探してた『幻の豹』がこんなところで買えたこと。半額だったし。

はー、みんなちょっとずつ読んでみましたが、『シベリア旅行記』なんか凄い面白いです。当時の人たちの様子が生き生きと描かれてます。『愚者と愚者』もちょっとだけ読もうと思ったら結構読んじゃいました。『裸者と裸者』の記事書いたら、続けてこれの記事も書かないと。『チェチェン やめられない戦争』も非常に良い文で楽しいです。内容は悲惨そのものですが。なんでロシア人というか外国人ってこういう文体で上手く書けるんだろう。
とにかく、面白かったのは後でまた記事にします。


ところで、この日はついでにせっかく御茶ノ水に行くので、メディアワークスの入ってるビルを見てきました。



東京YWCAビル061028_1



これがメディアワークスが入ってる東京YWCA会館。明治大学の目の前の道を入ってすぐ。
東京YWCAってのは東京基督女子青年会のこと。YWCA(ヤング・ウーマンズ・クリスチャン・アソシエイション)は1855年の英国にはじまるキリスト教系団体。クリミア戦争で救護活動をした女性たちの団体と、キリスト教団体「プレイヤー・ユニオン」が合体して、女性の教育などに力を入れてきたようです。世界中に会員がいます。現在、本部はスイスのジュネーブ。日本には1905年から。津田塾大学の創設者津田梅子が初代会長。
この東京YWCA会館にはメディアワークスの他にも入ってるみたいです。

入り口にはメディアワークスの広告用のショーケースが。
内容は、10月の電撃文庫の新刊と「ぶっちぎり!2006フェア」でした。


参照サイト
神保町公式
http://jimbou.info/news/furuhon_fes.html
東京YWCA
http://www.tokyo.ywca.or.jp/
東京YWCA会館への地図
http://www.tokyo.ywca.or.jp/map/kanda.html
建築+街並探訪
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/kkuehara/main.htm

関連記事
ゾロアスター教の通史。青木健『ゾロアスター教史 古代アーリア・中世ペルシア・現代インド』
http://xwablog.exblog.jp/10251326
首都圏を巡る混沌とした戦いの中で十万人の女の子と十万丁のAKを夢想しろ!『愚者と愚者』上下巻。の記事
http://xwablog.exblog.jp/7537793
神保町の餃子屋で一番好きなお店です。餃子専門店・天鴻餃子房・飯田橋店
http://xwablog.exblog.jp/8095853
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by xwablog | 2006-10-28 06:37 | 日記
壊滅した東京でゾンビと銃撃戦。伊藤明弘『BATTLE GARL(バトルガール)』という記事
古い記事です。

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2006年10月27日
壊滅した東京でゾンビと銃撃戦。伊藤明弘『BATTLE GARL(バトルガール)』。

この前の月曜、深夜に映画の『ドーン・オブ・ザ・デッド』をやってたんで見たのですが、なんか元気なゾンビってのでなんか笑えました。うわわわ、むちゃくちゃ全力疾走してる!
まあ、ゾンビものの基本をなぞる感じの作品だったんですが、なかなか面白かったです。

で、これ見てて『ドラゴンエイジ』の佐藤大輔&佐藤シュウジの『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』というタイトルが、『ドーン』のパロなのかもとか思った。
ちなみに単行本買う予定なので連載は見ないことにしたのだけど、やっぱ見とけばよかった・・・。

で、同じくゾンビものということでこんなの思い出した。

バトルガール


『BATTLE GARL(バトルガール)』

(伊藤明弘&モビーディック/光用高志。発行JIGEN。発売文苑堂東京店・ちなみに「文苑堂東京店」の「苑」の字は草冠の下にウ冠が入るやつ。1992年。980円)
「ある日、東京湾に隕石が落下した。隕石から発生した霧はコスモ・アンフェタミンと名づけられる菌を含み、それによって保菌者となった人々は、死後100パーセントの確率でゾンビと化した。こうして壊滅した東京および関東一円は封鎖され、ゾンビ蠢く死地となった。一ヶ月後、現地に派遣された慶子は、父親の桐原一佐の命令によって、残存する人間たちを襲撃する人間狩り部隊を倒すため、死者の街でひとり戦いぬくことになるのだが・・・」

現在、生き馬の目を撃ち抜くような大人気作家となった伊藤明弘氏が、かつて作画を担当した、ゾンビもののガン・アクション漫画。バトルスーツを着た女の子が、ゾンビたちと死闘を演じます。ゾンビものとガン・アクションものとを融合させたので、敵が撃たれ強いですし、ド派手なアクションをしながら撃って撃って撃ちまくり・・・って、そりゃいつもの伊藤明弘漫画じゃないか! もう十数年前の作品ですが、伊藤明弘氏の作風は昔からこんなんだったと再確認。
自衛隊の裏切り者が、ゾンビ化した人間狩り部隊を操って、原発を占拠し、東京を別の国家として独立させようと目論見ます。敵の作戦を打ち破るため、慶子は武器商人のバトルキッズの3人組と手を組んで、キャンプを救おうとしますが、先手を打たれます。ゾンビと化したキャンプの人間たちが襲いかかり、そこに人間狩り部隊も登場し、絶対絶命に。
これ、ゾンビものの定番として(定番か?)、移動が装甲バスだったり、カギを落としたりのネタがちゃんと入れてあります。

実は、これのアニメがあるらしいです。詳細不明。
あと、今年の末あたりに、主人公・桐原慶子らしき人物のフィギュアが出ます。なぜかK子となってる。
絶版らしく、漫画自体の再版・新装版化もないようなので、もしかして文苑堂や、モビーディックとの絡みで、権利が難しいことになってるとか? もしかして黒歴史?(追記・2008年1月に新装版が出ました。今まででなかったのは原稿紛失ということだったらしい)

しかし、伊藤明弘氏の作品って、基本的に話の流れが、他の流れを踏まえての展開だったりするので、その交錯する構成に絡まれるのが楽しくてしょうがない。でも、この作品は一巻完結のもので、さらに原作は違う人だからか、話の筋自体はかなり分かりやすいです。ありきたりのゾンビものではありますが、それをちゃんと読ませて楽しませるというのは、やはり伊藤氏の見せ場の魅せ方が絶品で、アクションのスピード感が読むことの停滞を許さないということもあるかも。

あと、『バトルガール』を探してる時に、こんなのもみつけた。

ギャロップGALLOP


『GALLOP(ギャロップ)』
(BREN-303=伊藤明弘。司書房。1989年。850円)
「2025年3月、核によって地球の人類は絶滅。軌道上の宇宙ステーションにいた米軍の空挺4個中隊だけが人類として残ることになった。しかし、その六ヶ月後、地球を撮影した画像には信じられないものが写っていた。まるで何事もなかったかのようにかつてのように存在する地球の姿。こうしてリステアたち選抜された兵士たちが、謎の解明のために降下する・・・」

やっぱりガンアクションがたっぷりあるSF。司書房の美少女漫画雑誌に連載されていたらしく、Hシーンもあります。でも、Hが少なかったからか、打ち切りっぽい感じで終わってます。

参照サイト
公認綾金観光協会
http://www.ipc-tokai.or.jp/%7Essuzuki/itoh/
文苑堂書店
http://www.bunendo.com/
桐原K子リリース(モビーディック)
http://www.mobydick.co.jp/news/060803.html
伊藤明弘のページ(WestRiver)
http://picnic.to/%7Egogowest/main/sakka/itouakihiro.htm


Posted by 管理人・馬頭 at 03:20 |Comments(62) |TrackBack(1) | 漫画<少年_青年_成年> , SF , 軍

この記事へのコメント

 懐かしいですね「バトルガール」。銃器がやたらとジャミングを起こしたり、「ゾンビ対策に為に輸入した銃器」が滅茶苦茶雑多でエンフィールドのリボルバーやコルト・ピースメーカーまで入っていたり、荒削りながら伊藤明弘っぽさが満遍なく発揮されている佳作だと思いますよ。
Posted by 晴天 at 2006年10月27日 10:59

>バトルガール
おお、ご存知でしたか。
銃のセレクトとか武装に関してはかなり伊藤氏の趣味が出てるような。
ほんと、いい作品なんですが、再版されませんね。『ブルーゲイル』が出るくらいですから、いつか出してほしいです。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年10月28日 02:18

キューティー鈴木が主演で実写されました
Vシネマだったとおもいます
Posted by うい at 2007年07月02日 00:06

>実写化
知らなかったです〜。情報ありがとうございます。実写でしたか。アニメだと思ってました。そして、なにより主役がキューティー鈴木とは驚きです。

『バトルガール Tokyo Crisis Wars』
ttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=86169
ttp://www.fjmovie.com/horror/j/t6/55.html

なんか出渕裕とか大槻ケンヂとかも関わってる。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年07月02日 07:08

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どこが新装版出すのかと思ったら、徳間書店のリュウコミックスでした。

参照サイト
ペルーの村で、近くにいん石が落ちてから謎の病気が流行中(GIGAZINE)
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070919_mystery_illness_after_meteorite/

関連記事
最近の銃と弾丸についてまとめたジオグラのDVD『サイエンス・ワールド 銃と弾丸 BULLETS』
http://xwablog.exblog.jp/7675670
首都圏を巡る混沌とした戦いの中で十万人の女の子と十万丁のAKを夢想しろ!『愚者と愚者』上下巻。の記事
http://xwablog.exblog.jp/7537793
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by xwablog | 2006-10-27 05:55 | 日記
イランの文化・生活を知ろう! 上岡弘二ほか『暮らしがわかるアジア読本 イラン』
確か、前に紹介した『パキスタン通い妻』の中で、イスラム教徒は犬を嫌って、ペットにしない、という話があった時に、そういやペルシャでは犬は聖獸だったけど、現在では嫌われる存在になってる、という話をどっかで読んだな、と思いました。
で、『イラン人の心』(岡田恵美子)にその話載ってたのですが、それ以外にもイランもの読んでみた。

暮らしがわかるアジア読本 イラン

『暮らしがわかるアジア読本 イラン』

(上岡弘二。河出書房新社。1999年。2000円)

大変分かりやすい、イラン紹介コラム集みたいな本です。イラン人についての衣食住・生活全般から、社会問題、歴史、宗教、政治、言語、流行までなんでもありです。それぞれのネタを様々な人が、数ページ分の記事にしてあります。
少しでもイランに興味があれば、楽しめますし、さらに歴史とか現状が分かってるとさらに面白く読めますよ。
ちなみに著者は、上岡弘二氏の他に、羽田正、原隆一、鈴木優子、ナギザデ・モハマド、吉枝聡子、八尾師誠、山田稔、ラジャブザーデ・ハーシェム、杉浦和夫、谷正人、鈴木珠里、山本由美子、高橋和夫、大前信子、富田健次、鈴木均、中西久枝、南里浩子、川瀬豊子、佐々木あや乃、深見和子、山内和也、横山彰三、となってます。イラン人も2人書いていますね。上岡氏が一番書いてますが、次に吉枝聡子氏が多かったです。

この中、結構歴史に関しての記述もあって、なかかな楽しめました。しかし、そこらへんはそれとして、日常生活とかイラン事情を書いたものの方が、なんというか、書いた人たちの体験とそれに対する感想が強く含まれていて、面白いです。

羊を投資対象にしてる話とか。これには価格とかいろいろ書いてありますが、なんでも山羊より羊のほうがいろいろ取れて値段が高くなるそうです。
イランも全部が全部イラン人というわけじゃないので、少数民族がいますが、トルコ系の人たちのことが簡単に紹介されてたりしました。北西部にたくさんいるんですが、テヘランにも大量に移住してるらしいです。著名な人物も出ていて、中でもハタミ師も数代前に移住したトルコ系住民の子らしいです。
そういや、この本を書いた上岡氏はペルシア語の発音に関して、元のものとは違った感じで通って普及してしまったものが多数あることに不満らしく、そのことについても書いてました。さっきの「ハタミ師」も本当は「ハータミー師」が現地読みに近いらしいです。「ホメイニ師」も「ホメイニー師」だとか。あと、「ラムサール条約」のラムサールも「ラームサル条約」が正しいのですが、他にも語の前半で伸ばしてるものが、なぜか語の後半が伸ばされてしまう言葉が多いとか。都市名の「アーモル」「バーボル」もそうですし、あとイランではなくアフガンとかの「カーブル」や「ペシャーワル」も、なぜか「カブール」「ペシャワール」が一般的になってしまっていると書いています。・・・すみません、間違えてました。
あと、イランでも『おしん』が流行してるらしく、皆見てるそうですが、やはりそこはイスラム国。イスラム的に問題のある表現などの部分はまるまるカットしたりしてるそうです(似た話、パキスタンでもありましたね)。だけど、正確な情報が伝わらないので、一部想像が入り込んだりしちゃうので、(貞淑ならざる格好の)女給たちと付きあいがあることなどから、「おしんは実は売春婦だ」とかいう噂が流れたりするとか。・・・どんなNHKドラマじゃ!

これらの中でも、イランの外食産業の悲惨さを書いた記事「生きるために食べる」は、笑いました。イラン人はあまり外食産業においしさを求めていないようで、マズイことこの上ない食事を食わされるらしいです。「外食文化果つるところ」だとか。

「イランの外食産業は、人件費が安いにもかかわらず手間暇をかけるのを惜しむ。とにかくはやればよいの精神。」
「レストランの主人は、実際に供することのできる料理の数よりも、見た目のメニューの豪華さを気にする。そして、実際に供することのできる、数少ない料理の質には信じられないほどこだわりが少ない」
「本来右手の指で食事をするので、熱いものは食べられないために、イラン人は猫舌である。そのイラン人が作るので、スープはいつもなまぬるすぎ、適温であったことがない」
「まず、ほとんどの料理が羊肉であり、レストランはいつも羊肉の臭いがする。ただし、イラン人が羊肉食なのではない、外食がそうなのである」
(本文より引用)

とにかく痛烈に批判してます。よほどマズイものを食わせてもらったのでしょう。でも、一応最後にフォローはしてます。

「なおさらに、この観点からイラン外食文化の名誉のためにつけ加えておくならば、イラン外食料理は少なくともイギリス料理よりは優れている、とは、筆者たちの友人のイラン研究者の間で一致した見解である。食に関して保守的なところには、外食文化は発達しない、ということであろうか」

結局、褒めて無いという。

ちなみに、テレビ東京の人気番組『元祖!でぶや』の中に登場する外国人芸能人「マッスル」氏は、イラン人らしい。あ、あれ? あの人、ガンガンお酒飲んだり、豚肉喰ったりしてませんでしたっけか?


この本、全体的に雑学的な話も結構含まれてますが、それはそこ、異なった社会の話なので、とても興味深く読むことができます。まさにイラン社会を、大視点から小視点まで広くで知ることの出来る良本かと。ああ、なんかホントに旅行したくなってきました。
で、この前のペルシア文明展の時にもらった旅行代理店のパンフを見て見たのですが、うーむ、大体28万~33万くらいか。自分としては最低でもペルセポリス、パサルガダエ、スーサ、ヤズド、イスファハン、ソルタニエ、の6ヶ所はいかないといけないので、これ全部廻るツアー探さないと。パサルガダエがちょっときびしいかも。
あと、バム遺跡は見たいですね。地震で崩壊しちゃった後だったのが残念ですが。

参照サイト
イラン大使館
http://www.iranembassyjp.com/
栄光のイラン
http://www.ne.jp/asahi/eden/kanata/iran/index.html
イラントップページ
http://www.geocities.jp/kazuiran/

関連記事
7000年の歴史の重みが心地よい1級の品々。『ペルシャ文明展』上野・東京都美術館
http://xwablog.exblog.jp/10456226
ゾロアスター教の通史。青木健『ゾロアスター教史 古代アーリア・中世ペルシア・現代インド』
http://xwablog.exblog.jp/10251326
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by xwablog | 2006-10-26 06:36 | 書庫
ハンガリー動乱再び? 違う感じの動乱ですよ。ニュース20061025
あー、自分は月末に向けて大変なことになってきますが、ハンガリーではもっと大変なことに。


ハンガリー動乱50周年、デモ隊と警官隊が衝突
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200610240004.html
「ブダペスト──ハンガリーの労働者デモが次第に反ソ連色を強めた「ハンガリー動乱」から50周年を記念する式典が23日、当地で開催されたが、ジュルチャーニ首相の退陣を要求する数千人のデモ隊と警官隊が衝突した。警官隊はデモ参加者らに催涙ガスやゴム弾を発射し、放水車も投入。デモ参加者の一部は警官隊に投石するなどした。」(CNN。10月24日記事より抜粋。)

この前、タイのクーデターがあった時、同時にハンガリーもくすぶってるぞ、とか書いてましたが、とうとう火が出たというか。
実はまだ映像見てないのですが、暴動みたいになっちゃってるようです。

「デモ参加者らは、記念展示されていた旧ソ連時代の戦車を乗っ取り、警察署に乗りつけた。」

おおおおおおッ!
そんな、なんてことを!

>ハンガリー動乱(ハンガリー事件)
1956年10月、社会主義国ハンガリーで起きた反ソ改革要求暴動。56年6月のポズナン暴動に始まるポーランドでの改革に刺激されて10月23日、学生、知識人らが改革要求のデモを行った。ソ連軍の介入にもかかわらず、改革派のナジの連立政権ができ、複数政党制や集団農場からの離脱の自由を認めた。同政権がワルシャワ条約機構からの離脱をめざすに至ると、11月、ソ連が第2次軍事介入を行い、2週間余りにわたる首都などでの市街戦のすえ、反ソ派を弾圧した。カーダールの社会主義労働者党の親ソ政権が発足するが、市民の抵抗は年末まで続いた。現在、10月23日は国民記念日。
(『角川 世界史辞典』P757より抜粋。)

あと、ブルガリアのこともニュースにあったのでついでに。

低投票率で決選投票へ ブルガリア大統領選
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200610230007.html
「22日に投開票され、現職パルバノフ大統領の優勢が伝えられていたブルガリア大統領選は、投票率が規定の50%に及ばず、決選投票が実施されることが確実となった。
全国世論調査センターの出口調査によると、パルバノフ大統領の得票率は60%を超え、対立候補の極右政党「攻撃」党首、シデロフ氏の約20%を大幅に上回っている。しかし、投票率は約38%と、90年の民主化以来最低の水準にとどまった模様だ。」(CNN。10月23日記事より抜粋。)

とりあえず極右系のにはなんなかったか。


どうでもいいことですが、最近ポストに入れられてたチラシの中に変なのがあった。
ものみの塔のパンフレットにあったイラスト。(元は画像がありました)
なんか、牧歌的な風景の中で、人々が友好的な雰囲気を出している、というのが見せたいのでしょうが、かなり違和感が。


参照サイト
ハンガリー政府観光局
http://www.hungarytabi.jp/
ハンガリー大使館
http://www.hungary.or.jp/

関連記事



この記事へのコメント

>「デモ参加者らは、記念展示されていた旧ソ連時代の戦車を乗っ取>り、警察署に乗りつけた。」

記念展示物が完動品だというところが、日本とヨーロッパとの違いだ・・・。うらやましいのう。
Posted by モーリー at 2006年10月26日 13:07

>完動品
やっぱり日本だと展示物でも作動しないものばかりなのか~。こういうの、博物館は動くものを残していかないと意味ないような気も。

日本も皇居とかに戦車とか野砲とかたくさん置いておいてくれたら良いのにね。

>T34
奥野さんのとこの掲示板で入手した情報によると、リアノヴォースチにこの事件の写真があります。

http://www.rian.ru/photolents/20061024/55082015.html
Posted by 戦車兵・馬頭 at 2006年10月27日 00:53

>この前、タイのクーデターがあった時、同時にハンガリーもくすぶってるぞ、とか書いてましたが、とうとう火が出たというか。

えーと、現地からですがw
被害の具合で行けば前回(9月)の一連のデモの方が酷かったし、市民も熱くなってました。
戦車が出たとか、そういう情報が流れると、さぞかし凄いことになってるんだろうと言う印象を受けやすいですが、そうでもないってことで。
Posted by pisti at 2006年11月03日 22:40

>pisti さん
おお! 現地の方から生情報ですか! ありがとうございます。
こっちではこれに関するニュース自体、ほとんど手に入りません~。

はじめはどんな事が起こっちゃうのかハラハラしてましたが、それほど酷いことにもならず、沈静化(?)してるようでよかったです。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年11月04日 01:55

http://www.afpbb.com/
のサイトだとぽつぽつ関連ニュースもありますが、確かに日本語では少ないですよね。

実は11月4日にもデモが企画されており、衝突が警戒されてましたが、今回はとりあえず平和的に治まったようです。
まあ、これからも暴れるのは一部の野党支持者だけでしょうから、そう酷いことにはならないんじゃないでしょうか、と思いますが。

ただ、暴動があったにも関わらずハンガリー・フォリントの相場は高くなっていて、経済的にはあんまし問題ないようです。この辺りは不思議なところなのですがw
Posted by pisti at 2006年11月05日 07:26

おお、確かにAFPなら結構あります。CNN.co.jpでもほとんどニュースは無いくらいですが、まあ、しょうがないのかもしれませんが。
フォリント相場が高くなってるというのは、実質的な影響は無い、という風に見てるからかもしれませんね。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年11月05日 20:29
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by xwablog | 2006-10-25 06:33 | ニュース
女人禁制の男の園・大奥を描く逆転世界。よしながふみ『大奥』第1巻
『西洋骨董洋菓子店』や『愛がなくても喰ってゆけます。』のよしながふみ氏の、一部で話題になってる異色の時代劇漫画『大奥』を読んでみました。

「ここは暗い。こんなにも輝くばかりの美貌と才覚を持つ者達がひしめいているというのに、心が暗いのだ」

大奥第1巻_よしながふみ

『大奥』第1巻

(よしながふみ。白泉社。ジェッツコミックス。メロディ連載。2005年。571円)
「天然痘に似た奇病によって男の人口が激減し、女性が社会の中心を担うようになった江戸時代の日本。その日本を統治する幕府のトップである将軍職も女性によって継がれるようになっていた。男が足りない世の中でありながら、将軍だけは美男3000人を集めた女人禁制の世界『大奥』を持っていて・・・・」

面白い! こんな変な設定なのに面白い!
男女逆転という点だけでなく、話とキャラクターがそもそも良くできていて、この歪んだ社会をはじめの違和感を感じさせないで「納得」させる力を持っています。
この漫画、はじめは貧乏旗本の息子・祐之進が大奥にあがり、驚きつつも、その中で頭角を現していきます。
この話は途中からこの大奥の主人である八代将軍・吉宗(女性)が中心となって進んでいきます。この巻の最後には、この大奥を含め、日本社会の全てにおよぶ女性優位の構造の謎に迫ろうかという感じになってます。
はやく次の巻出ないかな~。とか思ったら、11月29日に発売予定です。

参照サイト
The Fumi Yoshinaga Resource(ファンサイト)
http://yoshinagafc.web.infoseek.co.jp/
大奥を知る(武士の時代)
http://homepage1.nifty.com/SEISYO/oooku.htm

関連記事
疫病の流行で社会が変わり女将軍が生まれる時がきた。よしながふみ『大奥』第3巻
http://xwablog.exblog.jp/7920601
去年終わりの新刊等まとめて紹介。将国のアルタイル3巻、大奥4巻、聖痕のクェイサー6巻、新鬼武者2巻
http://xwablog.exblog.jp/10129464
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by xwablog | 2006-10-23 06:29 | 史劇
更新記録74・「史劇」の漫画にいくつか追加。他、用語など。
また今週の日曜も何もできませんでした。ホントに同人誌作れるか不安です。
疲れてる? やっぱり週休1日じゃ作業やもろもろのことさえやれないのかも。
でも、そうもいってられないので、今日は寝ないで、くらいの勢いでなんかやってみますが。

で、更新ですが、「史劇」の漫画の部分にいくつか追加しました。手元にある漫画だけとかだと幅が狭いので、とにかく気付いたのは載っけてしまうことにしました。

あと、「用語」にもいくつか。こっちは少し前に入れてたやつ。何入れたのか忘れてしまいました。

それと、すでに気付かれた方もいるかと思いますが、ブログの方の自分で決めれるカテゴリーを、もっと細かく分類することにしまいた。
本なら本でもどういった本か細かくしてますし、地域も中東とか増やしましたし、漫画でもジャンルとか決めれるようになってます。
まあ、ちょっとそれでも問題があります。漫画を男性・女性といったもので分けるの自体が無理があるというもので。でも1番簡単な分類だから一応これにしました。
これが良さそうなら、今までの分類もなるべく直していこうかと思います。

しかし、また言うようですが、ドリームウィーバーは使い辛いですね。ホント。更新やりにくくてしょうがないです。
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by xwablog | 2006-10-22 23:27 | 更新記録
『探検ロマン世界遺産』トランシルバニアの要塞教会。他、ドキュメンタリー系のテレビ番組
久々にドキュメンタリーの紹介とか。

この前NHKでやってた『探検ロマン世界遺産』のトランシルバニアの要塞教会の回が良かったですね。
13世紀から17世紀にかけてトランシルヴァニア地方に建設された100近くの要塞教会。その内の七つが世界遺産に登録されているそうです。
ビエルタン要塞教会は高さ8メートルの壁で囲われていてます。これがなんともカッコいいです。壁で囲われた教会(修道院)というとロシア旅行の時に見たものを思い出しますが、それとはまた違った感じの様式で、これはこれで素敵です。ロシアのは壁は重厚ですが、中に入ると意外とオープンな感じですが、こっちのは最後までぎっちり詰まった感じに作ってあります。迷路みたい。ビエルタンも3重の城壁がありますし、さらに中央にある教会は、小高い丘の上に作ってあります。ロシアのは全体が小高い場所にあるような感じなんですが、こっちのは一部だけ。トランシルバニアのこうした要塞教会は、この土地に住んだドイツ系住民の人たちが作ったもの。だからこの要塞の作り方もドイツ風かと思われます。縄張りの作り方の違いを国ごとに調べたら面白そうですね。
他の教会では、プレジュメル要塞教会も紹介されてました。こっちのはかなりロシアのものに似てます。白く高いがっちりとした城壁(高さ12メートル、厚さ9メートル)に囲まれてますが、実はその壁の内側には避難してきた住民たちが住むための部屋がアパートのように250も作られています。だから、壁の一番上の方にしか銃眼が開いてないです。面白かったのは回転する板が銃眼にとりつけてあって、そこの裏表に鉄砲を並べて回転させて連続して撃ったとか。「死のオルガン」と言うそうです。
やっぱりルーマニアも行ってみたいですね~。

プラネットアース』の第2部はじまりましたが、第1回が草原、2回目が海でした。草原の方は凄く楽しかったです。カリブーの大群が移動する様とか、見ててなんか感動します。

『千年の帝国ビザンチン』の再放送もやってたのでまた見直しましたが、やはり中途半端で描き方が安直かつ詰まらない。
『ドキュメント72時間』の「東京・山谷バックパッカーたちのTokyo」が面白かったです。外国人のバックパッカーが住所不定の日雇い人夫たちが多くたむろってる山谷の安宿に長期間泊まって日本で生活する姿を撮ってました。中にひとりゲームオタクのイギリス人(スコットランド人だったか?)がいて、毎日秋葉原のゲーセンに通ってるとかやってました。自分の国にはこんな大きなゲーセンは無い、とかいってました。そうなのか? なんかイギリスあたりだったらありそうですが。

あと、ちょっと前の番組だけど、『首都大地震 見過ごされてきた危険』という番組が面白かったです。神奈川の実家は山の斜面にあるからどうかわかりませんが、現在住んでる場所はなんとか平気みたい。ただ、ハザードマップによると洪水による浸水の可能性はそれほど低くない様子。まあ、住んでるのは2階だから大丈夫だと思うけど。
それより問題は、地震の時に部屋にある本棚がどんな状態になるかだ。ああ、恐ろしい。

前々回だったか、『TBSドキュメント』にアフマディネジャド大統領が出てましたね。これがなんかインタビュアーが憎々しく思えるほどイヤな感じで、大統領がそれを上手いことかわしてくのが面白かったです。なんとか喋らせようとするインタビュアー、でもそんな手にはやすやすとはひっかからないで冗談をまじえつつ朗らかにかわしてく大統領。やっぱり頭いい人ですね。

『素敵な宇宙船地球号』のイヌイットの話や昨日やった馬乳酒の話、ジェームズ・キャメロンが撮った『出エジプト記の真実』は見忘れました。

見れなかったけど、NHKBS7で今日、『ロシア 問われる警察と司法』というのと『戦火にさらされる学校 ネパール』というのがやってました。なんでNHKのドキュメンタリーは、タイトルに国名を国名だけという形で入れるんだろう? 『ネパールの戦火にさらされる学校』とかでもいいような気がしますが。

ところで、最近NHKでオタクに注目した番組がたくさんやってたりしますが、『一期一会』でやってたのは最悪でした。先週は池袋の乙女ロードにある執事喫茶みたいの(K-BOOKS古本専門店の裏手にある)の店長と体育会系の大学生のトークというイタタタタタなやつで、今週のは声優アイドルの世界というこっちも辛いやつでした。取り上げるのはいいけど、自分的にはこういうのは好きじゃないです。
「オタク」というものについてではなく、そのオタクが入れ込む基本的なものに注目してほしいですね。そういう意味でたぶんBSでやってる『マンガノゲンバ』とかいう番組は見て見たいです。

今週の注目番組一覧
NHK 24日深夜2時40分『地球ドラマチック 地球から消えた動物2』
NHK教育 25日午後3時30分 『高校講座地理 中央アジア』
TBS 25日深夜1時55分『CBSドキュメント』Uボートのがある・
NHK 27日夜10時 『同時3点ドキュメント』人質交換
NHK教育 上と同じ時間『美の壺』本の装丁

やっぱりNHKばっかりだ。



参照サイト
探検ロマン世界遺産
http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/
ルーマニアへ行こう!
http://go2rumania.exblog.jp/

関連記事
今日放映の『失われた千年王国 ビザンチン~イスラムとカトリックの間に生きた帝国』のことなど
http://xwablog.exblog.jp/7720534
森の墓地とストラスブール。刀を返してTBSを斬ってみる
http://xwablog.exblog.jp/7269038
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by xwablog | 2006-10-21 06:26 | 日記
古代中東史はやっぱり面白い。大村幸弘『鉄を生みだした帝国 ヒッタイト発掘』
最近、起きるべき時間より前に起きてしまうことが多いです。しかも、自分で何してるのかわかってないまま、なんか色々してるみたい。目が覚めたらPCの電源がついてるなんてのはよくあること。暑い日には、服を脱いでるとかも。この前は異様に喉が乾いて、何杯も何杯も飲み物を飲み続けたり(しかも、3度寝、4度寝しては、喉の渇きで目が覚めるということの繰り返し)。
でもこの頃は寒くなってきたせいか、布団からは出ることは少なくなりました。そのかわり布団の中で服脱いでたりとかはありますが。まったく寝てる間に何してるかわかったもんじゃありません。

それはともかく。
中近東文化センターの所長、大村幸弘氏がけっこう前に書いた本を読みました。

鉄を生みだした帝国 ヒッタイト発掘

『鉄を生みだした帝国 ヒッタイト発掘』

(大村幸弘。NHKブックス。1981年初版。これは1996年の第13版。850円)

日本のヒッタイト(ハッティ)の第一人者。NHKの『文明の道』でも出演してましたね。
この本は、1981年に出たやつの新版みたいです。
1970年代にトルコに留学。トルコ語もままならないのにヒッタイト語もやらないといけないという状況で、何年も向こうで発掘したりしてたという経験を書いた本です。
ヒッタイト史についてというより、考古学的苦労話。とても話が面白く、ヒッタイトの街の名前についての謎に迫っていく、という感じが楽しかったです。
ヒッタイト史に限らず、古代史においては、当時の名前、つまり古名がわかってない場合が多いそうです。遺跡が発掘されているのに当時の名前がわかんなかったり、文献とかで名前はたくさん出てくるのにその場所がわかんなかったり。そんな中、ヒッタイト帝国の重要な宗教都市であるアリンナがどこか、ということを考察していく様子が描かれています。
アリンナは都市名であると同時にヒッタイトの守護神で太陽の女神の名前。
ヒッタイトというと当時のオリエント世界で製鉄技術をもってして勢力を拡大したという国ですが、実際に製鉄してたのかはっきりしてないじゃないか、ということで製鉄を行っていた場所を特定しようとして、それが「アリンナ」だろうと予測。そのアリンナがどこにあるのかを推測したわけです。
結論からいうと、アラジャホユック遺跡というすでに発掘されていた遺跡がそうだろうということになりました。ここはヒッタイト帝国の首都ハットゥシャ(現在のボアズキョイ)から50キロくらいの場所にあります。考えてく上で、防衛に適し、1度も敵の手に落ちたことがなく、製鉄に適した街、の全部をクリアし、文献の上で登場する鍛冶師のいる街アリンナに相当する場所、ということで、ここがわかったのです。墓から鉄製品も出てるし、炉もあれば鉄滓という製鉄した後に出るものも出土し、だいたいここだろうということになっています。
このことが結論に至るまで、数年がかりというからやっぱり考古学は大変だなぁ。
実際に現在の研究ではどうなのか知りませんが、大村氏によると、アリンナの住民はヒッタイト以前に住んでいた人々「プロトヒッタイト」だったが、それをインド・ヨーロッパ語族系の「ルトゥ」が征服し、そのすぐ後にヒッタイトがやってきて、ルトゥを滅ぼし製鉄技術を持っていたプロトヒッタイトを服属させたと考えられるとか。製鉄に関する言葉の語源がヒッタイトではなくプロトヒッタイトの語彙になってるそうなので、実はヒッタイトはもともと製鉄技術を持ってたわけではなかったとのこと。

そういや、ヒッタイトものの漫画といえば『天は赤い河のほとり』ですが、やはり大村氏の著作も参考にしてるみたいですね。多少自分の中の情報増えたので、また読みたいなぁ。

あと、今こんな展示が中近東文化センターでやってます。前にペルシャ文明展で貰ったチラシ忘れてました。

古代ユーラシアの青銅器のチラシ

『古代ユーラシアの青銅器』
中近東文化センター(東京都三鷹市)で、9月23日~2007年2月18日までやってます。
講演会で面白いのがあるので、どれか狙っていければいいのですが、バイト先の現状だと予定も建てられんです。

講演会(各会共14:00~15:30 聴講料 500円)
第1回 10月1日(日)ペルセポリスの栄華と青銅器 足立拓朗(中近東文化センター研究員)
第2回 10月29日(日)グリフィンと青銅器—ギリシア・アルカイック期を中心に— 林俊雄(創価大学教授)
第3回 11月5日(日) 中国北方の青銅器(仮題) 高浜秀(金沢大学教授)
第4回 11月12日(日) コーカサスの青銅製帯とスキタイ 雪嶋宏一(早稲田大学図書館司書)
第5回 11月19日(日) 中近東の青銅製武器 足立拓朗
第6回 12月3日(日) 南インドの青銅器時代 上杉彰紀(関西大学講師)
第7回 1月14日(日) 殷周青銅器(仮題)  飯島武次(駒澤大学教授)
第8回 1月21日(日 我々における青銅器時代の意義 川又正智(国士舘大学教授)
第9回 2月4日(日) 中央ユーラシア中部の青銅器  畠山禎(横浜ユーラシア文化館学芸員)
第10回 2月18日(日)最古の文明メソポタミア文明と青銅器 足立拓朗

この中だと、やっぱり最後メソポタミアのか4回目のコーカサスとスキタイものかな。5回目も面白そう。というか、これ気付くの遅すぎたようで、第1回のペルセポリスものを逃してしまった・・・。残念。



参照サイト
大村 幸弘 氏略歴(大同生命国際文化基金)
http://www.daido-life-fd.or.jp/06_omura.html
シルクロード見聞録
http://ww5.enjoy.ne.jp/~s-mattsun/index.htm
ヒッタイトへの旅(シルクロード見聞録)
http://ww5.enjoy.ne.jp/~s-mattsun/kouza/kouzabk04.htm
トルコへの糸(同上)
http://ww5.enjoy.ne.jp/~s-mattsun/essei/esseibk04.htm
アラジャ・ホユック(NENES WORLD)
http://www002.upp.so-net.ne.jp/nene/ten/toruko/5/arajya.htm
スパークリング・トルコ
http://homepage1.nifty.com/endow/all_turkey/all_turkey_main/all_turkey_main.html
中近東文化センター
http://www.meccj.or.jp/

関連記事


この記事へのコメント
喉が乾いて起きるって、それはちょっとやばくないですか?あんまり続くようなら調べてもらった方がいいかもしれないですよ。
あと、知らぬ間に服を脱いでいる件については、夢魔に襲われている可能性を考慮した方がいいのかも。

僕も、考古学関連の本には推理小説的な面白さがあると思います。『白樺の手紙を送りました』とかもそうですが、文書に比べると「物言わぬ」資料である考古学資料を縦横に駆使し、まるでパズルを組み立てるような形で過去を再現していくという。ただ単に掘って見つけるだけではなく、発見したものを基礎に理詰めで論を展開していかなければならないわけで、考古学者には独自のセンスが求められるのでしょうね。
Posted by 奥野 at 2006年10月22日 17:33

この本の続編ともいうべき「アナトリア発掘記」もなかなか面白いですよ。鉄にこだわって追い続けた「鉄を生み出した帝国」の後、単に鉄に関する物を求めるだけでなく、一つの遺跡をじっくりと堀り、文化編年を作ることを目標に据えて可能な限り遺物を残していく方向で発掘を進めている様子が書かれています。鉄についても、ヒッタイトに鋼が存在したらしいということが書かれているので、前著との繋がりもあります。
Posted by ひで at 2006年10月22日 21:52

>考古学
確かにパズル的要素があって面白いんですよね。これがこうだからこうなって、という解明していく過程が良いというか。
最近、いろいろなパターンの探偵小説が出てますが、そのうち考古学探偵なんてのも出てくるかも。結構似合うかも。

>アナトリア発掘記
おお、そーいうのもあるのですか。読んでみないと。
発掘とかしても、こういう風に本にしてもらわないと、知る機会すら無いから、続きもの的な感じで出してくれるのは嬉しいですね。

>渇き
何が理由なのかさっぱりです。結構寝汗かくのでそのせいとか?

>夢魔
いつの間にか脱がされてる! とかではなく、やっぱりこれも汗っかきなせいかと。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年10月22日 23:4
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by xwablog | 2006-10-20 06:23 | 書庫
銅線泥棒と密売組織。石油とコンヤとロシア海軍の砲弾。
『プレデター2』がテレビでやってて久々にまた観てしまった。やっぱ面白いのですが、1とはノリがまったく別物ですね。ドリフみたい。
しかし、ちょっとこのプレデター、諦めるの早いよ。しかも自爆しようとした後にのんびり治療してるし。

それはともかく。
ニュースをいくつか。

<銅線窃盗>全国各地で相次ぐ 闇の密輸組織存在か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061019-00000062-mai-soci
「銅くずや銅線を狙った窃盗事件も北海道など全国各地で相次いでいる。資材置き場などから盗んだり、電線を切断して持ち去るなどの大胆な手口もあり、主に転売を目的としている。警察は盗品の銅を密輸する闇組織があるとみて、全容の解明を進めている。(中略)7月末に室蘭港で寄港先の茨城・日立港から盗んだ銅くず約2.6トン(約260万円相当)を中国に密輸出しようとして、パナマ船籍の貨物船の乗組員の中国人14人が道警に逮捕された。中国人船員は「中国では電線用の銅が高く売れるので、盗んで売るはずだった」と供述。」

フィリピンで、日本のODAで建設された送電線が、まったく無防備だったのでガンガン盗まれまくってる(けど日本政府は無関心)という話は聞いたことがありますし、どっかだったか治安の悪い外国で、鉄道の線路を転売するためにやはり勝手に取り外して事故になった、という話もありましたね。そういうのが日本でもあるとは・・・。日本ではゴミとして扱うものを、海外にもってって再利用する商売が流行ってるというのをNHKで番組にしてましたね。見損ねましたが。

どうでもいいですが、「闇の密輸組織」とか書いてありますが、じゃあ「闇」じゃない密輸組織があるってのか。



トルコでバス事故。

トルコの邦人バス事故、東京のイケダさん死亡か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061018-00000115-yom-soci
「トルコ中部のコンヤ市近郊で17日(日本時間18日)、日本人観光客ら計27人を乗せた観光バスが横転した事故を受け、旅行を企画した「エイチ・アイ・エス」(HIS、東京都新宿区)は、「安全なツアー運営ができるか確認が必要」として、25日出発分までのトルコツアーの中止を決めた。」(Yahoo!ニュース読売新聞10月19日記事より抜粋。)

激烈に道が悪くての事故、というわけじゃなく、雨で交差点でのスリップで横転ということだったとか。まあ、崖から落ちる類いのヤバイ事故ならこんなじゃ済まないか。
世界遺産めぐりの旅行だったみたいです。いいな、コンヤか~。

HISの事故報告
トルコで発生しましたバス事故について
http://www.his-j.com/info/ist_061018.htm



【中国】エジプト:天然ガス採掘・石油精製で中国と協力
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061019-00000010-scn-cn
「中国石油化工股フェン有限公司は17日、エジプト石油省との間で天然ガスの採掘や石油精製での協力を加速させるための覚書を取り交わした。国有資産監督管理委員会(国資委)の公式サイトが19日付で伝えた。
 中国石油化工の王天普・総裁は中国を訪問したエジプトのファハミー石油大臣と会談した。両者は中国石油化工とエジプト石油省が2005年10月に共同で設立した中薩石油鑽井公司を通して天然ガスの採掘や石油精製での協力を加速させることで一致した。」

中国って、スーダンでも石油に手を出してますよね。南米とかロシアとかの石油でもそうですが、中国の石油獲得戦略の拡大ぶりが凄いですね。見てて面白いというか。



ヤフーオークションをみてたら、なんか日露戦争の時の砲弾のかけらを出してる人がいました。

★掘出物【日本海海戦・戦艦朝日】ロシア海軍の砲弾・破片
http://page7.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g29366049

「当方の祖父が大切にしておりました、日露戦争の遺品となります。●祖父は、日露戦争に海軍として、出兵しておりまして、戦艦【朝日】の砲撃手の乗組員としてバルチック艦隊と日本海海戦にて交戦しておりました。生前の話によりますと、その時にロシア海軍の被弾した時の砲弾の破断片の一部だそうです。。大勝利を収めた記念として、上等兵の目を盗み持ち帰ってきたそうです。」

面白いものを出品してますね。でも、成分分析したりしたとしても、本物かどうかは判断できるんでしょうか。一緒についてる勲章みたいのとかと合わせて30000円って、高いのか安いのか。

日本の中古車販売ではパキスタン人の勢力が強いとかどっかで聞いたな。

参照サイト
Yahoo!オークション
http://auctions.yahoo.co.jp/jp/
カスピ海石油をめぐる覇権争い
http://tanakanews.com/e0302oil.htm
幻想のトルコ
http://www.ne.jp/asahi/eden/kanata/turkey/index.html

関連記事
ニコライ2世の名誉、正露丸、フィンランド銃、イスラムカーとか最近のニュース。
http://xwablog.exblog.jp/7699493
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by xwablog | 2006-10-19 06:21 | ニュース