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カテゴリ:書庫( 213 )
動物を軍事目的で使用してきた歴史を紹介。マルタン・エモスティエ『図説 動物兵士全書』
web拍手レス
>太田三楽斎が軍用犬らしきものをつかい、同盟国の里見一族と絡んで、巷説から八犬伝らしいですよ。
へー、日本の戦闘犬ですか〜。なんかいいですね〜。それが八犬伝に、というのも面白い。
かつての犬養部の一族は屯倉の守衛が仕事だったそうですが、彼らはのちに犬を手放して軍事系氏族になったそうです。もとのは軍用犬て感じじゃなさそうですね。

>カップめん、僕も好きですが・・・・どうか野菜も魚も食べてください。よく噛んで食べると頭が冴えますよ〜
わかりました。よーし、それじゃあ次はシーフードヌードルでも・・・!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は暖かかったですね〜。20度だそうです。そして、花粉が酷かった。鼻水がでるわでるわ、汲んでも尽きぬ豊かな泉のようじゃった。顔も眼も痒いし、たまらん。
そうそう。最近はやけにお腹が張る感じがし続けてるし、実際たくさん食べてるので、食事をカップ麺系一本に絞ろうかと決めました。そんで、カップ麺を作る時、お湯入れてからそのこと忘れて他のことしちゃって少しのび気味になることが多いから、タニタのキッチンタイマー TD-380を買いました。こ、これ便利ですね。なんで今まで使わなかったんだか。

それはともかく。

図説 動物兵士全書_マルタン・エモスティエ

『図説 動物兵士全書』

(マルタン・エモスティエ。訳/吉田春美&花輪照子。原書房。1998年。3600円。416ページ)
はじめに 権力の残酷さと想像力
第1章 動物と戦いの精神
第2章 軍用犬、軍務の三〇世紀
第3章 伝書鳩、ノアの洪水から湾岸戦争まで
第4章 ロバ、ラバ、牛、あらゆる戦場へ
第5章 軍用象、今昔
第6章 ラクダ、砂漠の戦争
第7章 馬、あらゆる戦いの友
第8章 アザラシ、アシカ、イルカ、特殊工作員

この本は1996年にフランスで出された「LES ANIMAUX-SOLDATS」という本の翻訳です。著者は同じシリーズとして『図説 自殺全書』『図説 死刑全書』といった本を書いたエモスティエ。
古今東西の軍事に利用された動物たちのことについてまとめたもので、各章は動物ごとに区切っていますが、各所でそれ以外の動物のことについても言及されていたりもします。
動物を軍事目的に使うというのは歴史の一番はじめから行われていたことで、そして第二次世界大戦の時ですらまだまだ多用されたりしていました。彼らは、敵兵を殺すことのみならず、運搬、伝達、警報、探索、占卜、愛玩、そして食用と、多岐にわたる目的のために利用されます。
この本では、そういった動物たちの活躍と利用法を当時の情報を紹介しつつ解説していきます。
写真や図版が豊富で(180点)、それだけでもなかなか貴重なものを見せてくれますよ。
ちなみにメインは西洋の話で、東洋の話はほんの少しだけ。

カエサルが伝書鳩のシステムを多用したという話とか興味深いですね。そこらへんだけまとめてある記事とかないかな。
カール・マルテルのポワティエの戦いでの勝利も伝書鳩で伝えられたとか。
攻城戦とかで投石機で投げるものに、動物の死体とか病気になった人間の死体とかがあったのは知ってたけど、壷に入れたサソリやら蛇やらというのもあったそうです。
軽騎兵の「フッサール」の語源はハンガリーでマーチャーシュ王が20人あたり1人の騎兵を出すようにしたから「20分の1」がもとだそうです。

ところで誤植みつけました。384ページ、左から一行目と二行目、「一九九四年」とありますが、クリミアでの戦いの話なんで、「一九四四年」の間違いですね。

参照サイト
原書房 HARA SHOBO official site
http://www.harashobo.co.jp/
動物兵器(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%85%B5%E5%99%A8
軍馬(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E9%A6%AC
軍犬(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E7%94%A8%E7%8A%AC
伝書鳩(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9D%E6%9B%B8%E9%B3%A9
戦象(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E8%B1%A1

関連記事
君は速水螺旋人を読んだ事があるか!?『速水螺旋人の馬車馬大作戦』という名を持つ本の形の果てしない世界
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豚と人間との関わりの話。豚ってとってもお役立ち。H-D・ダネンベルク『ブタ礼讃』
http://xwablog.exblog.jp/8200654
世界経済史の重要ファクターなのに世界史ではほとんど重視されてない『毛皮と人間の歴史』
http://xwablog.exblog.jp/7696009
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by xwablog | 2009-03-18 23:52 | 書庫
時代劇や漫画小説がどれだけ実像と違うか解ると吃驚します。東郷隆&上田信『絵解き 戦国武士の合戦心得』
絵解き 戦国武士の合戦心得_東郷隆&上田信

『絵解き 戦国武士の合戦心得』

(東郷隆&上田信。講談社。講談社文庫。2004年。495円。217ページ)
第一章 日本刀
第二章 合戦
第三章 槍と弓
第四章 大砲と火縄銃
第五章 戦場での目印・音
第六章 首実検と切腹
第七章 女武者と船戦さ
あとがき

2001年に出た『歴史図解 戦国合戦マニュアル』の新装版です。作者は『大砲松』で吉川英治文学新人賞をとった小説家・ライターの東郷隆(とうごうりゅう)。
この本、前に奥野さんに教えてもらってからずっと読みたかったんですが、なかなか売ってないなー、と思ってましたら、実はレーベルが「講談社α文庫」(の緑背表紙の歴史ジャンル)じゃなく、普通の「講談社文庫」の方だったと今日判明。『アレクサンドロス変相』も見てみたいと思ってたので、体調悪いのにジュンク堂に行ってきました。足をフラフラさせながら歴史コーナーを見てると、新刊で『「聖なるロシア」のイスラーム』と『バルト海の中世』とかの本を見つけてしまいまして、ちょっと悩んだものの買ってしまいました。・・・熱があったからなのだと思いたい・・・
で、結局そっちに眼をとられて肝心の『アレクサンドロス変相』を見忘れたり。

この『絵解き 戦国武士の合戦心得』は、戦国時代とそのちょっと前あたりの日本での戦争で、武士たち、一般の兵士たちが、どのように戦ったのかを図解付きで解説したものです。漫画やら小説やら時代劇やらでみられるような言動・出来事がいかにテキトーなものであるかよくわかります。いや、漫画なんかではまさに漫画的表現で鎧ごと真っ二つとかがありますが(『花の慶次』とか)、あれは強さの表現であって、実際には刀で鎧とかは切れないのですが、実際に切れるもんだと思ってる人もいるようで、東郷氏が漫画原作者とかからそうした質問を受けて辟易してるようです。
この本の中では史料からの情報などを紹介しつつ、現実にはこんな感じだったんだよ、というのを刀・槍・弓、といったモノごとに分けて解説していきます。そして戦いの最中のみならず、その前後における作法なども紹介しています。
たくさんの挿絵が入っていますが、イラスト担当は『コンバットバイブル』などの上田信氏。

どの話も眼から鱗の話ばかりでしたし、『センゴク』を読んだばかりだったので、この描写あったなぁとか、この本を参考にしたんじゃないかと思うようなこともたくさん書いてありました。
例えば、武士が甲冑姿で戦う時の一番いいスタイルだという介者兵法とか、槍を使う時は上からバシバシ叩くとか。
あと、ヘー、と思ったのが、馬につける防具の話とか、槍で突く時は、体ごとじゃなく、手許で扱く形で突きをガシガシ入れるとか、盾が広く使われたとか。今言う「手だてが無い」という言葉が「手楯が無い」から来ているという話は驚きました(本当なのか?)。敵兵と距離を取りたい弱兵の国ほど槍が長い、という話もなるほどーとか思いました。だから織田が長いと!
各種の火砲、後装式と前装式、ロケットみたいな兵器のどれもが同時期に出たというのも面白い話でした。ここらへん詳しく知りたいですね。
そういや、馬の顔につける防具「馬面(ばめん)」の話のところで、越前・豊原の甲冑師の工人で「馬面派」という人たちが大坂の陣でこれを巧みにつくって「馬面」という姓を許されるというのがありましたが、調べてみたら、本当に馬面という苗字の方がいるんですね。17世帯っていうから、全部で50人程度かな?

ちなみにこれの第二弾である『絵解き 雑兵足軽たちの戦い』というのも出てました。


参照サイト
講談社文庫
http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/
東郷隆(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E9%83%B7%E9%9A%86

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%BE
全国の苗字
http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html

関連記事
マイナー武将・仙石秀久が主人公。戦国時代の真実の姿を描く! 宮下英樹『センゴク』第1巻
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今川義元と太原雪斎が駿河の国を大きくしていく。宮下英樹『センゴク外伝 桶狭間戦記』第1巻
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by xwablog | 2009-03-15 23:55 | 書庫
古今東欧の情報が満載された最良の東欧情報本。平凡社『東欧を知る事典 (Cyclopedia of Eastern Europe)』
この前、眉毛触ってた時、やけに長い眉毛があるな〜、と思って抜いてみたら、四センチ近くありました。
で、そういや、前にも長い眉毛の話してたな〜、と思って調べたら、やっぱりしてました。『クルドの星』の紹介の時。
私めは、眉毛をいじって引き抜くクセがあるみたいで、ついやっちゃいます。

それはともかく。
なんか最近漫画ばかりなので、ロシア・東欧分を補給しなきゃ、ということでこれでも。

東欧を知る事典 (Cyclopedia of Eastern Europe)

『東欧を知る事典 (Cyclopedia of Eastern Europe)』

(平凡社。監修/伊東孝之&直野敦&萩原直&南塚信吾。1993年。843ページ)
はじめに
凡例
項目編(アーワ)
地域・国名編
東欧、ポーランド、チェコスロバキア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ユーゴスラビア(旧)、スロベニア、クロアチア、ユーゴスラビア(新)、セルビア、モンテネグロ、ボスニア=ヘルツェゴビナ、マケドニア、アルバニア、ルーマニア、ブルガリア
資料編
各国便覧
東欧史略年表
文献案内
原語の転写と片仮名表記について
索引
執筆者・図版協力者

平凡社が1990年後あたりから出しはじめた「エリア事典」シリーズのひとつ。ネットがこんな充実してくる前では、東欧史関連の情報はまずこれから探したものです。もちろん、今でもネット以上の情報が多々有り、東欧好きならこの本は手許に一冊欲しいのではないでしょうか。全項目は1300、図版は200もあります。確かにそこかしこにオイシイ図絵とか史料写真とかがあったりしますよ。
私が持っているのは旧版ですが、2001年に新訂増補版が出てます。項目が1350に増えてたりしますし、各項目の新情報とかも追加されてるらしいです。いい本だと言いつつ、私は新版持ってないという・・・。私のはすでに読みまくってカバーもボロボロ。いつか新版欲しいけど、なんかそろそろさらに新しい東欧事典とか出てくんないかな。

ちなみに「エリア事典シリーズ」は、他にも『ロシア・ソ連を知る事典』と『アフリカを知る事典』、『中央ユーラシアを知る事典』を持ってます。『南アジアを知る事典』『スペイン・ポルトガルを知る事典』も欲しいですね〜。


参照サイト
平凡社
http://www.heibonsha.co.jp/
東ヨーロッパ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91

関連記事
ドイツから東欧への人の流れの歴史を追う。シャルル・イグネ『ドイツ植民と東欧世界の形成』
http://xwablog.exblog.jp/7908977
日本とクルドの混血児の少年が家族との再会を求めトルコ・クルディスタンを行く。安彦良和『クルドの星』
http://xwablog.exblog.jp/9461332
チェコ史スロヴァキア史を判り易く解説。中世史に偏り気味で良い。薩摩秀登『図説チェコとスロヴァキア』
http://xwablog.exblog.jp/7976451
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by xwablog | 2009-03-10 02:33 | 書庫
ノヴゴロドの対ハンザ通商条約に関する論文有り。『比較都市史研究』第19巻第1号 2000年6月
最近スーパーで買ったメンチカツを良く食べます。すりゴマが入ってるソースをかけてからしをたっぷりつけてますが、晩ご飯それだけとか。あ、あとキムチが付いたり。

それはともかく。

『比較都市史研究』第19巻第1号 2000年6月

『比較都市史研究』第19巻第1号 2000年6月
(比較都市史研究会。発売所/岩田書院。2000年。3000円。74ページ)
フォーラム
例会報告
295 シンポジウム 比較都市史論の試み
東南アジアの都市:バンコク(高谷好一)
アフリカの都市・ムバンザ(黒田末壽)
南アジア・ガンダーラの都市(西川幸治)
ヨーロッパの都市史研究(鵜川馨)
296 明治中期東京市における市会--市参事会体制の形成--(中嶋久人)
297 チューダー朝及び前期スチュアート朝期における都市社会と地域経済---レスターの事例を中心に--(川名洋)
298 中世ネーデルラント諸都市の市民権(田中史高)
299 18世紀ボルドーにおける都市改造(J.P.プスー)
12世紀末--13世紀後半ノヴゴロドの対ハンザ通商条約--「基本条約」の成立年代をめぐって--(小野寺利行)
中世後期ネーデルラント諸都市の市民権(田中史高)
ヨーロッパ中世都市研究における「橋」--「リビング・ブリッジ 居住橋」に寄せて--(桑野聡)

この前、『史学雑誌』や『史林』を見に行ったら、近くにこんな本があったので買ってみました。都市の歴史についての研究を載せている本で、他にも興味深い話の載ってる号があったんですが、とりあえず一番気になったノヴゴロドに関する記事があるこの号を。いや、ほんとは他のも欲しかったけど、高いんですよ、これ。74ページで一冊3000円。1ページ40円かい。
全部が都市史に関する記事なんですが、どれも面白かったです。前半は例会の報告なんで、その内容を説明する2ページごとの簡単な記事があるだけでしたが、それも面白かった。東南アジアの都市の話の中で、アユタヤやバンコクといったタイの代表的な都市が、実は現地人であるシャム人の比率がひどく低くて、場合によっては3分の1しか居住してなく、それ以外は中国、ポルトガル、日本、マレー、モンといった外国人ばかりだったとか。王宮と外国人地区ばかりで構成された二本柱の「首都」だったわけです。その都市の役割とか面白そうですね。
「中世ネーデルラント諸都市の市民権」の中では、現在のオランダにあたる地域で、「市民」を意味する言葉が何と呼ばれ、その種類と分布、意味合いや由来、といった話がされ、最終的に「市民」とは何か、が語られます。これがまた面白かった。
「ヨーロッパ中世都市研究における「橋」」という記事が一番分量が多かったですが、これは1999年だかに行われた企画展「リビング・ブリッジ 居住橋」に関連してヨーロッパで流行った、橋の上に住居・商店などがある「居住橋」の歴史を紹介・考察するものです。意外にもヨーロッパですら橋についての研究はほとんどされてないそうですね。簡単にはまとめきれない社会史的現象として興味深く読ませてもらいました。
そして何よりも面白かったのが「12世紀末--13世紀後半ノヴゴロドの対ハンザ通商条約--「基本条約」の成立年代をめぐって--」ですか。書いたのは明治大学兼任講師らしい小野寺利行氏。専攻は「中世ノヴゴロド−ハンザ交易史」とのことで、他にもハンザ&ノヴゴロド関連の論文などがあるようです。
古くからバルト海とロシアの交易中継点として栄えたノヴゴロドですが、12世紀後半からハンザ同盟の商人たちが進出してきて、それまでバルト海で有力だったゴトランド島商人を駆逐し、ノヴゴロド商人たちもついにノヴゴロドに押し込まれてしまいます。そうした中、ノヴゴロドとハンザ同盟との間で結ばれた「基本条約」というのが四つ現存していて、その成立した年代を登場する人物名や当時の状況から、成立年代を推定しようというのがこの論文の目的です。
『白樺の手紙を送りました』の時にも思いましたが、推理小説的謎解きの面白さがありました。これは『ロシア中世都市の政治世界—都市国家ノヴゴロドの群像』も読んでおくをいいですよ。
23号にも小野寺氏の「中世ハンザ交易におけるノヴゴロドの内陸輸送」というのがあったんですが、そっちもなるべく早くにですね。


参照サイト
比較都市史研究会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/tsgcuh/
中近世ロシア研究会
http://members3.jcom.home.ne.jp/russland/index.html
日本ハンザ史研究会
http://members.jcom.home.ne.jp/hanse/index.html

関連記事
白樺に綴られた人々の営み。V.L.ヤーニン『白樺の手紙を送りました ロシア中世都市の歴史と日常生活』
http://xwablog.exblog.jp/9978697
中世ロシアを舞台にしたファンタジー小説。富永浩史『死天使は冬至に踊る ルスキエ・ビチャージ』
http://xwablog.exblog.jp/9498805
ビザンツ皇帝に仕えたヴァイキングたちを紹介する。ラーション『ヴァリャーギ ビザンツの北欧人親衛隊』
http://xwablog.exblog.jp/9171952
ハンザとルーシの無視しえない関係のために。『ドイツ・ハンザの研究』高村象平という記事
http://xwablog.exblog.jp/7695992
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by xwablog | 2009-02-19 23:41 | 書庫
人が人を食べることから読み取れるものとは。中野美代子『カニバリズム論』
web拍手レス
>カニバリズム・・・・怖いけど、確かに興味を引かれます。そういえば西南戦争関係の本に
>そういう話が出てきて驚いたことがあります。日本でも、だいぶ後まで残っていたのでしょう。
薩摩の兵士が相手を喰ったとかなんとかでしたっけ? ひえもんとったりー。

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この前、むちゃくちゃ暖かい日がありましたが、あの日以来、花粉のせいで目やら鼻やら顔やらが痒くて痛くてたまりません。早く夏にならないかな。もしくは砂漠に移住しよう。

それはともかく。

カニバリズム論_中野美代子

『カニバリズム論』

(中野美代子。福武書店。福武文庫。1987年。600円。288ページ)
序(澁澤龍彦)
1 
カニバリズム論--その文学的系譜
迷宮としての人間---革命・悪・エロス
食の逆説--開高健氏『最後の晩餐』をめぐって
中国人における血の観念
2
魔術における中国--仏陀とユートピア
中国残酷物語--マゾヒズムの文化史
虚構と遊戯--中国人の性格について
3
王国維とその死について--一つの三島由紀夫論のために
恐怖の本質--アンドレーエフ「血笑記」と魯迅「狂人日記」
単行本あとがき
文庫版あとがき
初出一覧
解説(荒俣宏)

中国文学の研究者で、北海道大学の教授だった中野美代子氏がいろいろな所に書いたカニバリズム(食人)についての記事をまとめた本。1975年に出したものの文庫化です。
中国の話が多いですが、古今東西のいろいろな食人の事例を出しつつ、その行為の意味、本質、そしてその行為が問いただす事、を解きほぐすとこんな感じかもといったような事が書いてあります。
人喰いという異常性は表面ばかり見てると簡単な結論に落ち着きがちですが、深く考えれば考えるほど行為と観念のパラドックスでこんがらがってきます。なかなか興味深い。
どの話も面白く、読み始めると止まりませんね。怖いものみたさ故か、それともある意味パズル的な試考の故か。

人の肉を、というと、私としてはどうしても子供の頃に読んだ『三国志』の話が強烈に印象に残ってますね。
あと、最近だと『宗像教授』シリーズの話や、『キノの旅』の「人を喰った話」でしたっけ? あれとか。

参照サイト
カニバリズム(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

関連記事
ネネツ族(Nenetsy。ユクラ。ユクラ・サモエード)_クワルナフ用語辞典
http://xwablog.exblog.jp/7158460
イタリアでの騒々しい美食の日々。ヤマザキマリ『それではさっそくBuonappetito!(ブォナペティート)』
http://xwablog.exblog.jp/10297589
タバスコ中瓶と無敵屋と牛乳酒、という記事。
http://xwablog.exblog.jp/7280561
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by xwablog | 2009-02-18 01:11 | 書庫
人々が生きる中世ヨーロッパ世界とは・・。堀米庸三/編『生活の世界歴史 6 中世の森の中で』
ども。馬頭です。
この前の日曜にコミティアあったらしいけど、その日は久々に地元の方に行きました。実家には帰らなかったけど。1年半ぶりくらいに友達と会って飲み会。積極的に連絡しないタイプばかりなので、無理にでも集まらないと飲み会もできない。というか、最近みんなPS3とかで、電源無しのゲームはほとんどやってないらしい。一番ゲームやってる人間に『馬車馬大作戦』を布教しつつ、「コンベンションとか行かないと駄目なんじゃないか?」と言ってみても、「そういうのは俺が働いてる土日なんだよ!」とのこと。まあ、そりゃそうか。

あと、最近ネットが不調です。アクセスできないことの方は確認中。さらにそれとは関係ないけど昨日あたりから、理由がよくわからないままエキサイト商品情報も検索できなくなっちゃいました。

それはともかく。

生活の世界歴史 6 中世の森の中で

『生活の世界歴史 6 中世の森の中で』

(堀米庸三/編、木村尚三郎、渡邊昌美、堀越孝一。図版監修/松村赳。河出書房新社。1991年。680円。353ページ)
プロローグ 自然と時間の概念
市民の一日、農民の一年
攻撃と防禦の構造
城をめぐる生活
神の掟と現世の掟
正統と異端の接線
「知(アルス)」の王国
エピローグ パリ一市民の日記
参考文献
索引

もとは1975年に出たシリーズの文庫版。人気があって、何度も出てますね。
その中でも、この6巻の「中世の森の中で」は、中世ヨーロッパ社会というものがどういったものだったのか、人々の生活を覗き見つつ紹介します。
社会史ものが好きならOKですし、中世世界というものがそこに生きる人々にとってどういうものだったのかを知りたい人なら手始めにばっちりの一冊。
文庫なのに図版が多く、当時の文献からの抜粋なども多くあって、楽しい一冊です。

参照サイト
河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/index.html

関連記事
昔の人の生活の様子を再現した絵本みたいな本『カラーイラスト世界の生活史』シリーズの手持ちを並べてみた
http://xwablog.exblog.jp/9826760
歴史家たちの歩んだ人生とその業績を集めた本。刀水書房『20世紀の歴史家たち』世界編・上下巻
http://xwablog.exblog.jp/9171981
かわいい狼神ホロと若い行商人ロレンスの二人旅。支倉凍砂『狼と香辛料』第1巻の感想その2
http://xwablog.exblog.jp/7265985
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by xwablog | 2009-02-17 00:26 | 書庫
19世紀フランスのデザイナーが集めた古今東西の装飾。オーギュスト・ラシネ『世界装飾図』カラー文庫版
ども。馬頭です。
どうやら次のコミケの申し込みは終わってしまったようです。惚けてて出し忘れてしまいました。
先週はいろいろあったからなぁ。

それはともかく。

世界装飾図 (L'ORNEMENT POLYCHROME)オーギュスト・ラシネ

『世界装飾図 (L'ORNEMENT POLYCHROME)』

(オーギュスト・ラシネ。マール社。マールカラー文庫2。1994年。300円。159ページ)
原始美術/エジプト/アッシリア/ギリシア/ギリシア・ローマ/中国/中国と日本/インド/インドとペルシア/アラブ/ケルト/ビザンチン/ローマ・ビザンチン/マウル/ロシア/中世/ルネサンス/16世紀/17世紀/17・18世紀/18世紀/19世紀

19世紀のフランスでもっとも有名なデザイナーの一人であったラシネ(Auguste Racinet 1825-1893)が出した『世界装飾図集成』(全4巻)の超ダイジェスト版。文庫版なので原著に比べると少ししか載ってませんが、これの完全翻訳版がマール社からその後出たようです。これは宣伝ようのパンフみたいなもんか? 値段もオールカラーなのに異常に安いし。

この中でロシアの編紐模様をして「スラブ民族の春を愛する心の反映」としています。異国風の影響はあるが基本はスラブ独自の模様だとも。私はロシアの装飾を見て、古いのはともかく、中世のはなんとなくペルシアの影響が強く感じられるようにも感じますが、実際はどうなんでしょうね。

これのちゃんとしたバージョンの方は、原著通りに全4巻で、各3500円で出てます。さらにはどうやら普及版という少し廉価なバージョンまで出すとか書いてありますが、これは出てないみたいですね。

このマール社のカラー図版もののシリーズは「民族衣装」とか「文様博物館」とか、いろいろ出してます。

参照サイト
美術・デザイン出版:マール社
http://www.maar.com/

関連記事
身体表現の社会的許容度。アルバニアでトップレス騒動。という記事
http://xwablog.exblog.jp/10317534
古代ユーラシアを席巻した遊牧民の興亡を紹介する。林俊雄『興亡の世界史02 スキタイと匈奴 遊牧の文明
http://xwablog.exblog.jp/8699947
あんま日本だからというのと関係ないけど鍵の話が面白かったです。妹尾河童『河童が覗いたニッポン』
http://xwablog.exblog.jp/7938521
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by xwablog | 2009-02-14 23:51 | 書庫
経済面と文化・倫理面に注目したローマ帝国興亡論。弓削達『ローマはなぜ滅んだか』
web拍手レス
>本村凌二先生ですね?中央公論新社の世界史シリーズでも書いていましたよ。
>穀物配給券の逸話は笑っちゃいました・・・・・が、同時に感心しました。
>なるほど。心が弱くてもアタマで補える・・・・・
「興亡の世界史」のシリーズはまだ三つしか読んでないのです。本村凌二氏の本も読んだことないので、ちょっと手を出してみようかな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前に指摘されて気になってた、スラヴ神話のチェルノボーグの記事のことを調べてみたんですが、参考文献として書いた『世界の神話伝説 総解説』とか『世界神話事典』とか見ても、どうにも元になった情報が見つからない。となると、ネット上にあった情報(wikipedia?)をそのまま信じて書いたとかかもしれない。もうちょい調べてなければ修正しないと。

それはともかく。

ローマはなぜ滅んだか_弓削達

『ローマはなぜ滅んだか』

(弓削達。講談社。講談社現代新書968。1989年。550円。241ページ)
序--「ローマはなぜ滅んだか」となぜ問うのか
1--ローマ帝国の繁栄とは何か
2--道路網の整備
3--ローマ帝国の経済構造
4--経済大国ローマの実体
5--爛熟した文明の経済的基礎
6--悪徳・不正・浪費・奢侈・美食
7--性解放・女性解放・知性と教養と文化
8--ローマ帝国の衰退とは何か
9--第三世界(「周辺」)への評価の岐れ道
10--ローマはなぜ滅んだか
あとがき
参考文献
略年表
索引

経済学・古代ローマ史の弓削達(ゆげとおる)氏の新書。20年も前の本なんで、ということもありますが、直接的原因としてパターン化したような社会的倫理の崩壊を持ってくるあたりは作者の意図したものかもしれません。手軽に読むなら、今ならむしろ『興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国』(本村凌二)を読むのとかがいいのかも、と思いますが、これはこれで面白かったです。
ローマといえば道路網ですが、それが庶民に直接的に恩恵をもたらさない、基本的に普通の人にはあってもなくても同じという点はへーとか思ったり。(実際どうなんでしょうね)

参照サイト
講談社現代新書
http://shop.kodansha.jp/bc/books/gendai/
スラヴ神話の神々
http://www.toride.com/~digxwa/digxwaFiles/hisf/his_kiev002.htm

関連記事
孤島の訓練所へ送り込まれた尊たちが互いに殺し合う。義凡&信濃川日出雄『ヴィルトゥス(VIRTUS)』第2巻
http://xwablog.exblog.jp/9739393
ローマで信仰されていた神々の流行や多彩さに驚きます。小川英雄『ローマ帝国の神々 光はオリエントより』
http://xwablog.exblog.jp/9029672/
「カエサル暗殺」までの前半部分を観ました。ジョン・ミリアス『ROMA(ローマ)』episode01-12
http://xwablog.exblog.jp/8577307/
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by xwablog | 2009-02-12 02:49 | 書庫
ヨーロッパのキリスト教が魔女をどう定義し扱ってきたか。上山安敏『魔女とキリスト教 ヨーロッパ学再考』
自分の住んでいる部屋が思った以上に声が筒抜けなのにいまさらながら気づいたわけですが、あれもこれも聞かれていたと想像すると身悶えものの恥辱ですが、羞恥プレイと割り切れば、結構平気だったりする今日このごろ、皆さんはどうお過ごしでしょうか。私は忙しい日が続いてますが、仕事で忙しいわけじゃなく、時間を無駄にしてるせいで忙しいのは私の不徳のいたすところ。もう腹を切って詫びるしかありませんと思い立ったものの、まだ読んでない本があると切るのを思い直して、今日も今日とて積み本の処理の日々。

それはともかく。

魔女とキリスト教 ヨーロッパ学再考_上山安敏

『魔女とキリスト教 ヨーロッパ学再考』

(上山安敏。講談社。講談社学術文庫1311。1998年。980円。404ページ)
第一篇 キリスト文明と魔女
第一章 ディアナ信仰とキリスト教
第二章 ユダヤ教 一神教と自然宗教の間
第三章 民間伝承としての魔女信仰
第四章 初期キリスト教と異教
第五章 魔女の二類型 南欧型と北欧型
第六章 悪魔学の成立へ
第七章 マリアと魔女 女性像の二極分化
第八章 ユダヤ人迫害と魔女狩り
第二篇 魔女狩りの構図
第九章 異端審問と教会位階制
第十章 キリスト教エリート文化と民衆文化
第十一章 産婆と魔女
第十二章 『魔女への鉄鎚』の周辺
第十三章 十六、十七世紀の魔女裁判
第十四章 悪魔憑きと魔女裁判
第三篇 ヨーロッパ思想の中の魔女
第十五章 ルネサンス魔術と魔女裁判
第十六章 魔女狩りとプロテスタンティズム
第十七章 魔女狩りの衰退と神学の変容
第十八章 基層に生きる魔女
第十九章 魔女の祖型 ヨーロッパ精神史の陰影
第二十章 魔女の現在 フェミニズムと魔女
あとがき(原本)
学術文庫版あとがき
参照文献
引用文献

1993年にでた本の文庫化。ヨーロッパにおける「魔女」と、キリスト教がどのような関わりにあったかについての歴史と思想を紹介。
非常に面白い一冊でした。著者は西洋法制史が専攻の法学者。うえやまやすとし。


参照サイト
講談社文庫新刊
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/sinkan_list_x.jsp?x=S
上山安敏(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E5%B1%B1%E5%AE%89%E6%95%8F
魔女(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E5%A5%B3

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1600年に行われたパッペンハイマー裁判の詳細。ミヒャエル・クンツェ『火刑台への道』
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宗教改革に揺れるオーストリアを舞台にした処刑人となった男の物語。英・墺映画『ダークソード 処刑人』
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by xwablog | 2009-02-06 02:51 | 書庫
スペイン黄金時代の女王の生涯。小西章子『スペイン女王イザベル その栄光と悲劇』
今年の冬は暖かいような気がします。でも、私の部屋は寒い。ツーンとする。
そういや、今日、会社でかかってたラジオで、スウェーデンと日本のハーフの映画評論家・LiLiCo(リリコ)氏が、日本の冬は寒い、部屋が寒いって言ってました。スウェーデンの方が部屋が暖かいって。 昔から日本の家屋は、暑さに対処してるけど、寒さは耐えるのみ、って感じですから(朝鮮は逆)。けど、今の家屋ってそんな違わないような気も。

それはともかく。

スペイン女王イザベル その栄光と悲劇

『スペイン女王イザベル その栄光と悲劇』

(小西章子。朝日新聞社。朝日文庫。1985年。474円。322ページ)
プロローグ
第一部 カスティーリャの春
1 王女時代のイザベル
2 アラゴン王子、フェルナンドとの邂逅
3 カトリック両王の治世
第二部 女王と四人の娘たち
4 長女イザベルと次女フアーナ
5 三女マリーアと四女カタリーナ
6 次女フアーナの悲劇
エピローグ
解説 ホセ・デベーラ
イザベル女王年表

15世紀半ばから16世紀はじめにかけてのレコンキスタ終盤と大航海時代初頭という重要な時期に、イベリア半島最大の国、カスティーリャの女王として活躍した女性の伝記。
夫と会わせて「カトリック両王」と呼ばれ、スペイン黄金時代の初期を代表する人物。夫のフェルナンド2世よりか有名なような。大航海時代の画期的転換点を作るコロンブスに援助したわけですから当然か。敬虔なカトリックとして異教徒には酷い人でもありました。

参照サイト
イサベル1世 (カスティーリャ女王)(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%83%99%E3%83%AB1%E4%B8%96_(%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%A5%B3%E7%8E%8B)

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by xwablog | 2009-02-05 02:11 | 書庫