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  デジタル・クワルナフ
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犯罪が横行するソ連で果敢に戦う検事の記録。F・ニェズナンスキイ『犯罪の大地 ソ連捜査検事の手記』
web拍手レス
>「犯罪の大地」、正教会の話に注目されるとはさすがです。私なんかは古くさいナガン・リボルバーを
>老民警が愛用していたとか、そんな記述ばかりに目がいってました。晴天
みんな使ってたのか、これの記事の中で何度もナガンが出てきましたね。驚いたのは、戦利品のワルサーを使ってた話でしょうか。戦争の戦利品ってことですよね? それとも事件で押収した品ということなんでしょうか? それを普通に使えちゃうというのが面白い。
あ、でも、アメリカの警官が、押収した火器を買い取る形(?)で使うという話は聞いたことあったような気も。

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ども。馬頭です。
舌の痛みはなんとかなってきました。そういや、舌の表面が白いのは前からだったような気もしてきた。けど、つまり昔から舌苔がついてたってことか? 舌苔なら白血球の死骸や食べカスが白い原因らしいけど、あいかわらず擦っても取れません。病気か?

それはともかく。

犯罪の大地 ソ連捜査検事の手記

『犯罪の大地 ソ連捜査検事の手記』

(フリードリッヒ・ニェズナンスキイ。訳/工藤精一郎。中央公論社。中公文庫。1986年。520円。387ページ)
著者より
赤の広場の銃声
血塗られた復活祭
中国大使館前の事件
セルゲーエフ事件
わたしが---「犯罪者」だ
秘密の原則
ゴリーツィノの狂人たち
グーセフとサハロフ
マフィアとマフィオズム
法の女神の三つの顔
三五〇万件の事件ファイル
父と子
アレクシーとピチリム
秘密エイジェント
ソ連の犯罪統計
結び
訳者あとがき

戦後すぐの時代がからソ連の司法界で働き1970年代にアメリカに亡命した元検事・弁護士のニェズナンスキイ氏が腐りきったソ連の司法現実を書いた事件簿。
前々から読みたかったのですが、これのタイトルをすっかり忘れてしまい、この前晴天さんに聞いてやっと買うことができました。(普通には買えなかったので、ネットで買いました)
内容は期待以上の面白さでした。国家の上層部の人間たちの思惑が法を超越してしまうという、法が法としてうまく機能していない状況で、なんとか法による正義を実現しようと苦闘する捜査検事の実体験が生々しく語られます。
それにしても登場してくる犯罪はどれも酷いなぁ。しかも、ほとんど不可避とは。ひとつの事件をとってみても、それだけで物語になりそうなほどドラマ性があって、ひとつひとつが濃いです。

中でも興味深かったのは、アレクシー1世の晩期に、ソ連当局が後継者選びに介入して事件を起したりした話「アレクシーとピチリム」。主教のピチリムが後継者になりそうだったけど、陰謀で失脚して、モスクワ府主教のアレクシーがピーメンと改名して総主教になったとか。ニェズナンスキイ氏はピーメン1世のことをこき下ろしてます。アレクシー1世もそうですが、どうやら当時のロシア正教会は綺麗ごとだけじゃなかったみたいですね〜。あと、結構裕福だった?


参照サイト
Пимен (Патриарх Московский)(wikipedia)ピーメン1世 露文
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9F%D0%B8%D0%BC%D0%B5%D0%BD_(%D0%9F%D0%B0%D1%82%D1%80%D0%B8%D0%B0%D1%80%D1%85_%D0%9C%D0%BE%D1%81%D0%BA%D0%BE%D0%B2%D1%81%D0%BA%D0%B8%D0%B9)
中央公論新社
http://www.chuko.co.jp/bunko/

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by xwablog | 2008-12-07 19:42 | 書庫
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