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白樺に綴られた人々の営み。V.L.ヤーニン『白樺の手紙を送りました ロシア中世都市の歴史と日常生活』
白樺の手紙を送りました ロシア中世都市の歴史と日常生活_ヤーニン

『白樺の手紙を送りました ロシア中世都市の歴史と日常生活』

(ヴァレンチン・ラヴレンチエヴィチ・ヤーニン。訳/松木栄三&三浦清美。山川出版社。2001年。2800円。311ページ)
日本語版への序
まえがき
第I部 ネレフスキー発掘のドラマ 1951-1962、1969
第II部 市場側にて
第III部 トロイツキー発掘のドラマ
あとがき
訳者あとがき
白樺文書の刊行文献一覧
図版出典一覧

ロシア北部の古都ノブゴロドで発掘された白樺の皮を加工したメモにまつわるドラマとその内容から導き出された歴史的事件などを書いた本。中世ロシア史に関する本の中では傑作といっていいでしょう。原書の初版は1965年にだされたわけですが、これは1998年に出た第三版の日本語訳だそうです。

当時は紙などなかった時代ですが、ロシアでは羊皮紙でもなく、もっと安価で普及していた「白樺の皮」という素材が紙として使用されていました。白樺の皮は、木の幹からバリバリと綺麗に剥がれるので、それを加工して紙として使うわけです。これらは、大事な記録などというよりも、日用品として、日常的に使われました。そのため、今日、冷たい地中から発掘された保存状態の良いこれら「白樺文書」は、人々の生活を浮き彫りにするような情報がたっぷり詰まっていたのです。
ノヴゴロドではじめて発掘された時の様子や、それらの白樺文書からわかったことなどを書いたこの本は、ロシア史を知らなくてもたいへん面白く読めるのでは。
中でも、中世に生きた一人の少年・オンフィムが書き残した文章と絵は最高に楽しい気持ちにさせてくれますよ!(残念ながら、私が旅行に行った時にはこれはちょうど見れなかったのです〜)

参照サイト
山川出版社
http://www.yamakawa.co.jp/
白樺文書
http://www.toride.com/~digxwa/digxwaFiles/dicf/dic_12sif/d_sirakabamonjo.htm
用語事典 デジタル・クワルナフ
http://www.toride.com/~digxwa/digxwaFiles/dicf/dic_f.htm
ロシア旅行(2004年)九日目 ノヴゴロド デジタル・クワルナフ 旅行のページ
http://www.toride.com/~digxwa/digxwaFiles/tabif/tabi_rus09.htm

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