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歴史上の人物で暗殺された人たちを列記した一冊。カール・シファキス『暗殺の事典』


『暗殺の事典』

(カール・シファキス。関口篤/訳。青土社。1993年。3200円。490ページ)
まえがき
暗殺の事典
訳者あとがき
国・地域別 索引
索引

1991年にニューヨークで出版された『Encyclopedia of Assassinations』の翻訳です。著者は『アメリカ畸人伝』なども書いている元UPI通信の記者・シファキス。
日本語版なんで、五十音順に暗殺された人名とその内容が書かれています。扱う時代は古代から現代まで全てで、地域も全世界に及びます。
ユリウス・カエサル、アンリ3世、カラカラ帝、フランツ・フェルディナント大公、ダレイオス3世、アレクサンドル3世、リンカーン大統領、林彪、大久保利通、インディラ・ガンジー、ケネディ、キング牧師といった名だたる被暗殺者たちが並んでいますが、実際に死んだ人だけじゃなく、ヒットラーやサッチャー首相、レーガン大統領、エリザベス1世といった、死ななかったもしくは暗殺未遂だった人たちも含まれます。
日本人では、大久保利通や伊藤博文、犬養毅といった名前があります。国別・地域別で分類して索引が作ってあるのですが、レオ5世とかニケフォルス2世とかはギリシアじゃなくビザンチンということになってます。ローマ、とか、トルキスタンって分けてるのもあるし、ちょっと国別での分け方には無理があるかも?
気になるロシア・東欧関連はそれほど多くはなく、ハンガリーはティサ首相のみ、ブルガリアはスタンボリスキ、ボリス3世、マルコフの三人、ボヘミアでは傭兵隊長ヴァレンシュタインが入ってます。マケドニアとしてフィリッポス2世が入ってるのは合ってるんですが、この分け方としてはどうかと。
人数的にはローマ、とイギリスが多く、ロシアも結構います。アレクサンドル2世、エリザベータ大公夫人、カトコフ、ガポーン神父、セルゲイ・キーロフ、ストルイピン、セルゲイ大公、偽ドミトリー、トハチェフスキー、トロツキー、ニコライ2世、パーヴェル1世、ピョートル3世、プレーヴェ、ミハイル大公、ミルバッハ伯、ラスプーチン、レーニン、という人たち。レーニンの場合は暗殺未遂説があるから、ということみたいですが、これも無理があるような。

この本は暗殺の事典ということでまとめてはいますが、記事もその人物がどういう人物かの説明が多く、暗殺の細かい状況とかははしょられてしまっていたりします。これはちょっと残念。
この本は昔、HPの記事で、変な死に方をした歴史上の人物を集めてみようというのをやろうとした時に重宝しました。まあ、その記事は完成しなかったんですが。というか今どこにあるのかも不明。もったいないことした。
本として、着眼点はいいけれど、読み易いものとしたのは、私としてはちょっと惜しいなぁ、と思いました。
あと、誤植が多い気も。

ちなみに、原書房から『世界暗殺者事典』というものも出ているそうです。こっちは暗殺した側の方みたいですね。


参照サイト
青土社
http://www.seidosha.co.jp/
暗殺(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%97%E6%AE%BA

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