デジタル・クワルナフ
  管理人・馬頭(xwablog)。トップページのアドレスはhttp://www.toride.com/~digxwa/
トップ
山に生きる男の渇望と相克。作/夢枕獏&画/谷口ジロー『神々の山嶺(いただき)』全5巻
夢枕獏&谷口ジロー_神々の山嶺_第1巻

『神々の山嶺(いただき)』第1巻

(作/夢枕獏&画/谷口ジロー。集英社。集英社文庫。2006年。323ページ)
「1993年、カメラマンとして登山隊に同行してエベレストにやってきた深町誠は、登頂の失敗の後、ネパールのカトマンドゥに滞在していた。そこで深町は古びたコダックのカメラを見つける。それは、あのマロリーが1924年の登頂の時持っていたカメラかもしれなかった。この時、深町はビカール・サン(毒蛇)と名乗る一人の日本人と出会う。その出会いは深町を、山に生きる男の凄まじい執念の物語へと導いていくのだった・・・」

夢枕獏の書いた原作を、谷口ジローが漫画化!(前にも『餓狼伝』で組んでるコンビです)。2000年頃『ビジネスジャンプ』に連載された登山漫画の傑作です。文庫版だと全5巻。
実は最近、山ものの漫画をたくさん読んでまして、これもそのひとつです。今のところ『オンサイト』を2巻、『イカロスの山』を4巻まで、『岳』を6巻まで、と立て続けに読んでます。先にオンサイトとイカロスを読んでたんですが、『岳』はコミケの打ち上げの時に友達夫婦が読んでるって聞いて、読みたくなったのでつい。そういや、昔、『山靴よ疾走れ』は読んでたけど、これは単行本で3巻か4巻くらいでとまっちゃってます。
この『神々の山嶺』は作画の谷口ジロー氏が『ブランカ』っていうソ連が舞台の犬の漫画を描いてるので、そっち経由で知りました。
1924年に標高8848メートルのエベレスト初登頂をめざして登り、そのまま帰ってこなかったイギリスの登山家・マロリーとアーヴィン。この時、マロリーが頂上で使うはずだったカメラが、なぜかカトマンドゥの怪しい登山道具屋で売られているのをカメラマン・深町が見つけ、手に入れます。これを取り返しにきた男・ビカール・サンは、どうやら日本人で、しかも深町も話に聞いたことのある伝説的な日本人登山家・羽生丈二でした。消息不明だった羽生がなぜネパールに? あのカメラのこともあり、興味を持った深町は、羽生という人間について調べはじめることに。そして、その山が全てであり、全てが山だった羽生の人生をかいま見るにつれて、深町はその深みへとハマっていってしまいます。語られる壮絶な過去、そして徐々に判ってくる羽生の目的とは・・・・!?
マロリーのカメラのことも絡み合って、過去から現在までの山に生きる男たちの凄まじい生き様の描写が、繊細稠密かつパワー溢れる谷口ジローの絵で漫画となり、圧倒されるような面白い作品となっています。
超オススメ。

登山家・ジョージ・マロリーは1924年に第三回目のイギリス隊に参加し、アーヴィンと一緒に頂上へ向けて登って、登頂に成功したかどうかは不明なまま消息を断ったのですが、1999年にエベレスト8160メートル付近のところでマロリーの遺体が発見されています。夢枕獏氏はこの発見の前に原作小説を書いたわけですね。ちなみに作中でも紹介されているマロリー伝は、『エヴェレスト初登頂の謎―ジョージ・マロリー伝 』として出ています。
ビカールサン=羽生丈二のモデルになった人物で森田勝って人がいまして、この人については『狼は帰らず—アルピニスト・森田勝の生と死 』って本が有ります。

参照サイト
エベレスト(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%99%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88
蓬莱宮
http://www.digiadv.co.jp/baku/

関連記事
後北条氏の重要拠点。北条氏照が作った八王子城の跡に行ってまいりました。
http://xwablog.exblog.jp/7961506
西部ギリシア地震、ディケンズの机、王宮退去、アキバ通り魔、リトアニアの騎士など、最近のニュース080612
http://xwablog.exblog.jp/8781162
バチカンが中国と国交樹立交渉開始、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7457672
[PR]
by xwablog | 2008-09-04 02:14 | 日記
<< 人造人間が19世紀末のスコット... exciteブログでYoutu... >>