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自分の国は戦って手に入れる! 自立と妥協とバランス感覚。ウルリヒ・イム・ホーフ『スイスの歴史』
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今日は空が青くて、雲の多い一日でした。雲は私の好きなタイプのガサガサしつつも薄くも少なくもない、厚みを持ったばらけた雲でした。
しかし、夕方にはまた雨と雷。今日はせっかく自転車を掃除したのに、また拭くハメになってしまいました。






『スイスの歴史』

(ウルリヒ・イム・ホーフ。訳・監/森田安一、他。刀水書房。刀水歴史全書43。1997年。2800円。308ページ。)
第一章 スイス史のあけぼの
第二章 アレマニエンおよびブルグントの都市とラント
第三章 「盟約者団」の成立
第四章 対外的な力の絶頂期における盟約者団
第五章 カトリックの盟約者団と改革派の盟約者団
第六章 アンシャン・レジーム
第七章 国家の危機 一七九八年から一八四八年まで
第八章 自由主義急進派政権下の連邦国家 1848年から第一次大戦まで
第九章 現代世界における小工業国
訳注
付録

スイスの通史を書いた本。もっと昔のものかと思ったら、まだ10年前の本だったのですね。
スイス史ものといったら森田安一氏の独壇場ですが、こういった翻訳ものもやってます。イム・ホーフ氏は1917年ザンクトガレン生まれで、バーゼル大学卒。イーザク・イーゼリーンの研究者で、長くギムナジウムの教師だったものの、のちにベルン大学の教授になります。日本では『啓蒙のヨーロッパ』が翻訳されています。この本の訳者あとがきに「フリードリヒ大王とスイス」って本を執筆中だってあったけど、それは出ないんですかね。

スイス史ものは山川の新版世界各国史シリーズの『スイス・ベネルクス史』を持ってますが、こっちの方が細かい情報が多いようです。
スイスというと、12世紀以前と近世史が好きな自分としてはかなり疎い部分なんで、イメージは貧しい山岳の国で牧人と傭兵と職人の国っていうパターン通りな感じ。まあ、なんにせよ、仏独伊、そしてオーストリアのど真ん中という、良いんだか悪いんだかわかんないような位置でよくやってますよ。宗教改革時代にはスイス人意識と宗教的帰属意識で苦労したともありますが、むしろ昔からばらばらな国の集合体だから分裂しないで済んだとも見えますが。
10世紀前後はともかく近世史関連では三十年戦争時代の部分で注目したいところですが、面白かったのは、三十年戦争中、東北部が一時的にオーストリア領となっていたこと(1629年〜1631年)。ボヘミアがビーラーホラの戦いでその主権を失ったのと同じようなことが、実は同時期にここでも起こっていたのでした。ここらへんももっと詳しくやりたいなぁ。

ところで、近々、刀水書房から『ゾロアスター教の歴史』という本が出るらしいです。これは見逃せません。

このブログのタグは、全部で20コしか表示されないので、頻度の高いものしか見ることができません。だから、タグの種類を単純に20コ程度で済むようにしようかと思ったのですが、徐々に分類が意味をなさないくらい大雑把になってしまって困ります。この『スイスの歴史』だって、「西欧」よりさらに分けて「中欧」かもっと細かく「スイス」とかにしたいのに。

参照サイト
刀水書房
http://www.tousuishobou.com/
スイス(スイス誓約者同盟)(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9
(wikiの記事についてる写真で男がSIGを持ってますね。折れ曲がりストックの方が一般的だったっけか?)

関連記事
その想いを確かに抱き・・・。Cuvie(キューヴィー)『ドロテア 魔女の鉄槌』第4巻
http://xwablog.exblog.jp/7933356
戦乱のイタリアを賢明かつしたたかに生き抜く、戦う者たちの物語。滝沢聖峰『ばら物語』第1巻
http://xwablog.exblog.jp/7995844
バチカンのスイス人護衛兵、採用500年式典。聖堂前の広場にて、という記事
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追記

歴史の本のシリーズですが、確か安くなってたのを買ったような憶えが。何年か前の神保町の古本市だったかな?
この本はベルン大学の教授のウルリヒ・イム・ホーフが書いた本で、原題は「Geschichte der Schweiz」です。イム・ホーフ氏は思想史とかが専門らしくて、「啓蒙のヨーロッパ」というのも翻訳が出ています。1974年に初版が出てる古い本で、内容は基本的には変わらず、1984年以降のスイスの諸情勢に関しては訳者が補足しています。だからちょっと古いんですが、スイスだけを扱った歴史の本というとこれか、中公新書の「物語スイスの歴史」か、あと「スイスの歴史 建国七〇〇年の軌跡をたどる」か「スイス建国七〇〇年 激動する世界の中で」くらい。ベネルクス三国も加えた本で、山川出版社の「新版 世界各国史」シリーズの「スイス・ベネルクス史」というのもあります。「物語スイスの歴史」が2000年の「スイス・ベネルクス史」が1998年のです。通史じゃないのなら、宗教改革関連や都市史関連のでいくつかあります。

ハプスブルク家によるスイス抑圧の象徴たる関所を巡る物語。久慈光久『狼の口 ヴォルフスムント』第1巻
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-359.html
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by xwablog | 2008-08-31 23:24 | 書庫
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