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今の音楽とはちょっと違う性質の中世ヨーロッパの音楽について。皆川達夫『中世・ルネサンスの音楽』
web拍手レス
>「天使にラブソングを」という映画思い出しました。なるほど。聴覚で・・・・・
>昔の音楽が再現できないというのは寂しいですね。きっと他にも、色々な物が歴史の闇に消えていったのでしょう。
>日本の伝統音楽は恵まれている部類なのでしょうね。もちろん伝承者の苦闘のおかげでしょうけ
>ど・・・・と、「なずなのねいろ」読みつつ考えています。
日本の伝統音楽もやはり時代とともにいろいろな影響を受けてしまい、中世のまんまというわけにはいかないでしょうが、まだマシな方なんでしょうね。

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中世・ルネサンスの音楽

『中世・ルネサンスの音楽』

(皆川達夫。講談社。講談社現代新書472。1977年。390円。221ページ)
中世・ルネサンス音楽のたのしみ
第一章 キリスト教と音楽
第二章 中世世俗音楽の隆盛
第三章 多声音楽の展開
第四章 新しい芸術の誕生
第五章 ルネサンス音楽をつくった作曲家たち
第六章 ルネサンス音楽の広がり イタリア・フランス
第七章 宗教改革のはざまで スペイン・ドイツ・イギリス
日本と中世・ルネサンス音楽
あとがき
付録---ミサ通常文とその訳
中世・ルネサンス音楽史年表
索引

今現在われわれが聴くことのできるような音楽と、古代から中世にかけてヨーロッパで聴かれていた音楽は、ちょっと違う理論で作られていたようです。たとえば、昔の音楽がいわゆるポリフォニーと呼ばれる種類の演奏の仕方で、主従の別がなく、全体でひとつの音楽となるものらしい。今のはホモフォニーという主旋律と伴奏が別れてるものです。こういった基本的なルールが違う音楽が普通だったそうです。この本ではそれの歴史やどういったものかを紹介します。

この本によれば、昔の音楽は、当時そのままに復元することはほとんど不可能だそうです。楽譜が残っていたとしても、解読は困難だとか。いろいろなルールとか、演奏の方法とか、基本的な部分が伝わっていないわけです。そういや、前に知り合いたちと中世ヨーロッパ音楽を再現するというコンサートを聴きに行った時の話でも、当時の楽器は絵から再現できても演奏方法とかは模索するしかない、みたいな話してたような。

昔のヨーロッパでは音楽とキリスト教が深い関連を持っていたのですが、この本のはじめの部分で、東方教会の話が少し入っています。東方教会の聖歌は昔から歌われていたものですが、今伝わっている聖歌が3世紀とか5世紀とかに歌われていたものとまったく同じかどうかというと、聖歌ははじめは口授だけで、古楽譜はその後作られるようになったから、違うんじゃないかとのこと。

あと面白いと思ったのは、キリスト教では聖歌が重要な役割を担うことになるのは(イスラムでもそうですが)、偶像崇拝が禁止されているから、神を感じることができるものを視覚ではなく聴覚にも担わせようとして、そうなったのでは、と推測しています。


ついでに。

フェローズ!のチラシ

今度、エンターブレインから新しい漫画雑誌が出るそうです。
『Fellows!(フェローズ!)』
チラシをもらいましたが、『エマ』の森薫氏がイラスト描いてます。なんか楽しそうな絵ですね。
これは作品というわけじゃないでしょうが、もしかして森薫がここで新連載とか?

追記
どうやら森薫氏の新連載は「乙嫁語り(おとよめがたり)」というシルクロードを舞台にした物語らしい。
『Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 』は10月14日発売予定。

参照サイト
ポリフォニー(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8B%E3%83%BC
講談社現代新書
http://shop.kodansha.jp/bc/books/gendai/

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by xwablog | 2008-08-19 01:09 | 書庫
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