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19世紀前半にロンドン市民を驚かせた事件の裏には・・・。藤田和日郎『黒博物館スプリンガルド』
そういうわけで、風邪で一日お休みもらったのですが、作業に使えるわけでもなく一日寝てました。寝るとひどく汗かくので一日に三回もシャワー浴びるはめに。・・・・これがよくないのか?
今は体の各所がかゆくて眠れません。なんだこれは

黒博物館スプリンガルド藤田和日郎

『黒博物館スプリンガルド』

(藤田和日郎。講談社。モーニングKC。2007年。590円)
「ロンドン警視庁(スコットランドヤード)にある一般非公開の博物館・黒博物館(ブラックミュージアム)。そこに展示されている中のひとつにバネ仕掛けの足がある。これは1837年からロンドン中を騒がした『バネ足ジャック』にまつわる秘密の物語・・・」

『モーニング』に短期集中連載された藤田和日郎氏の描く突拍子も無く愉快で悲しげな怪異譚。『邪眼は月輪に飛ぶ』に続く極上の中編。この話、実際にイギリスで起きた事件をもとにしてますが、よくこんな話もってきたな〜、と思わせます。
機械仕掛けの手足と仮面をつけ、女性を襲う事件が多発する中、ある人物が容疑者としてあがる。それが貴族のウォルターで・・・
このバネ足ジャックの事件は19世紀のロンドンで実際に起き、未解決のまんまだそうです。この事件にナポレオン戦争の英雄・ウェリントン公が関わってるというというのには驚きました。
解説に仁賀克雄氏が書いてますが、仁賀氏の書いた『19世紀絵入り新聞が伝えるヴィクトリア朝珍事件簿—猟奇事件から幽霊譚まで』とか『ロンドンの怪奇伝説』がネタ本なのかもしれませんね。
後半の話「マザア・グウス」も写真とかメスメリスムとか面白く使ってていい話でした。
あと、装丁が凝ってて素敵です。

いつも藤田和日郎氏の漫画読む時はそうなんですが、読んでるとなんだか涙が出てくるんですよね。カッコよくて、物悲しくて、ほんと不思議な魅力を持つ作家さんです。
現在サンデーで連載中の『月光条例』も面白いです。

参照サイト
モーニング
http://www.e-1day.jp/morning/magazine/
Henry Beresford, 3rd Marquess of Waterford(wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Henry_Beresford,_3rd_Marquess_of_Waterford
作中の貴族ウォルターのモデルとなった実在の人物。ウォーターフォード侯ヘンリー・デ・ラ・ボア・ベレスフォード(1811-1859)。

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by xwablog | 2008-08-14 01:23 | 史劇
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