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吸血鬼物語が描かれ楽しまれてきた歴史について紹介。仁賀克雄『ドラキュラ誕生』
ドラキュラ誕生_仁賀克雄

『ドラキュラ誕生』

(仁賀克雄。講談社。講談社現代新書1269。1995年。650円。254ページ)
1--吸血鬼の起源
2--世界の吸血鬼
3--有名な吸血鬼たち
4--吸血鬼文学の歴史
5--ドラキュラ公ヴラド・ツェペシュ
6--『ドラキュラ』を書いた男
7--ドラキュラの末裔
8--吸血鬼の幻影
むすびに
主要参考文献


吸血鬼の由来だけではなく、「吸血鬼の物語」がどのように書かれはじめ発展したかなど、吸血鬼の歴史というよりは吸血鬼をとりあげた話の広がりと歴史を語る一冊。まさに一冊まるまる吸血鬼についてです。
スラヴ世界でのヴァンパイアの起源や信仰、スラヴ以外でのインドや東南アジア、古代ローマ、そして日本での吸血鬼の扱いなどにも触れています。
またヴラド串刺し公やエリザベート・バートリといった歴史上の人物についても少し書いてあります。
ブラム・ストーカーの『吸血鬼』はもちろんこと、それ以前のオッセンフェルダーの『吸血鬼』、ビュルガーの『レノーレ』、ゲーテの『コリントの花嫁』といったものから、マシスンの『地球最後の男』、コッポラの『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、手塚治虫の『バンパイア』やら菊池秀行の『バンパイアハンターD』といったものまで、演劇・映画・テレビドラマ・小説(SF小説)・漫画と様々な表現方法の中での吸血鬼物語を紹介。
これを読めば、『吸血鬼』というものがどれだけ人びとを魅了しているのかがわかります。

ちなみに、ロシアについて少し書いてあって、吸血鬼という言葉の初出を紹介してます。1047年に書かれた『予言の書』というのがあって、「北西ロシアのノブゴロド公国王子ウラジーミル・ヤロスラフ」について書かれているその本の中で、異教徒の高位聖職者を「恥ずべき吸血鬼(ウピル)」と呼んでるとかなんとか。「ウラジーミル・ヤロスラフ」? ヤロスラフ1世の息子でノヴゴロド公のAのウラジーミル・ヤロスラヴィチのことかな? 
フセスラフ・ブリャチェスラヴィチについては言及は無しでした。

著者の仁賀氏は作家で英米文学翻訳家。ワセダミステリ・クラブの創設者。セレクトが微妙な人だとか。

参照サイト
講談社現代新書
http://shop.kodansha.jp/bc/books/gendai/
仁賀克雄(はてなダイアリー)
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CE%B2%EC%B9%EE%CD%BA

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by xwablog | 2008-08-02 12:43 | 書庫
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