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トルフィンとトルケルの決闘の結末とクヌートの覚醒。幸村誠『VINLAND SAGA(ヴィンランドサガ)』第6巻
web拍手レス
>アフタヌーン読みました。アシェラッドの怒りにこっちまでビクビク。トルフィンは知らないんですよね・・・・
ただのヴァイキングの頭目程度じゃなかったアシェラッドですが、このネタがどう絡んでくるかが楽しみですね。

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『VINLAND SAGA(ヴィンランドサガ)』第6巻

(幸村誠。講談社。アフタヌーンKC。2008年。562円)
「追いつかれたアシェラッドたちは、もはや壊滅寸前まで追いつめられた。そんな中、トルフィンはトルケルとの決闘において善戦する。しかし、最高の戦士たるトルケルにまさに一蹴されてしまう。絶対絶命のピンチの中、トルケルはトルフィンに父トールズのことを語りはじめるのだった。その頃、別途逃げていたクヌート王子は自らの意志でトルケルたちの所へと戻りはじめ・・・」

『アフタヌーン』で連載中の中世ヨーロッパを舞台にした歴史漫画の最新刊が出ました。
トルフィンとトルケルの決闘は、トルフィンの善戦で長引きますが、ついに一撃を食らってしまって負傷してしまいます。しかし、決闘の再開のために治療している時、トルケルはトルフィンにトールズのことを喋りはじめます。こうしてヨーム戦士団の中で「戦鬼(トロル)」とまで呼ばれたトールズが、アイスランドで隠遁生活を送りはじめるまでのことが分かることになります。
ちなみに「ヨーム戦士団(ヨーム戦士国)」ってのはバルト海を拠点にしたノルマン人たちのこととしてあり、豪族シグヴァルディが率いています。トルケルはそのシグヴァルディの弟。トルフィンの母ヘルガはシグヴァルディの娘。実際にヨームヴァイキングについての話が有名な「ヘイムスクリングラ」などに載っていて、ヴェンドランド(北ポーランド)に、ヨームスボルグという拠点を置いた無敵のデンマーク系ヴァイキングたちの活躍について語られています。「背の高いトルケル」もこの話の中の登場人物。ただ、ヨームヴァイキングたちも、トルケルも実在は極めて怪しいらしいです。
彼がトルフィンに語る、父トールズが死んだと思われた戦い「ヒョルンガバーグの戦い(ヒョルンガヴァーグの戦い)」がこのヨームヴァイキングのサガの一番盛り上がる場面になってるようです。

さて、この巻では、トルフィンVSトルケルの決闘の他に、クヌート王子がなにかを悟り、決意する場面が含まれています。いままでのボンクラ振りから一転、父王スヴェン双叉髭王と戦おうと、王としての器量の一端を見せてくれます。
これでまた一段落ついたわけで、これからの展開が大きな話になってきそうですね。


『月刊アフタヌーン』2008年8月号

『月刊アフタヌーン』2008年8月号
(講談社。2008年。680円)
表紙・幸村誠「ヴィンランド・サガ」

最新号の『アフタヌーン』は『ヴィンランドサガ』が表紙。連載の方は、ゲインズバラのスヴェン王の本営で親子が対面するところ。

ちなみに我らがエウメネスの『ヒストリエ』は、エウメネスの今後の身の振り方をどうするか、という話。アレクサンドロスの側近となるためアリストテレスの学校に行くか、書記官となるか、という選択。
あと、この号の「百舌谷さん逆上する」は、笑い死にそうになりました。


参照サイト
e-1day アフタヌーン
http://www.e-1day.jp/afternoon/news/
2002年9月号/幸村誠 先生(日本漫画学院webのインタヴュー)
http://www.manga-g.co.jp/interview/int02-09.htm
ヴィンランド・サガ 6(むとうすブログ)
http://samayoi-bito.cocolog-nifty.com/mutous/2008/06/6_3d3b.html

関連記事
イギリス史ものを特集。『COMICS DRAWINGコミックス・ドロウイング』2008年No.02
http://xwablog.exblog.jp/8533256
トルケルの追撃によって追いつめられ・・・。幸村誠『VINLAND SAGA(ヴィンランド・サガ)』第5巻
http://xwablog.exblog.jp/7621046
ヴァイキングたちの取引についての考え。熊野聰『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』
http://xwablog.exblog.jp/7560019
実在のバルトの海賊王シュテルテベイカーの生涯を描く『パイレーツ・オブ・バルト』
http://xwablog.exblog.jp/7457302
by xwablog | 2008-06-25 23:25 | 史劇
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