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  デジタル・クワルナフ
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女子校を舞台にした少女たちの恋愛群像劇。玄鉄絢『少女セクト』全2巻。漫画としてのレベルの高さに脱帽
ホント蒸し暑くなってきましたね。
私はなんか暑くなると両腕を挙げて万歳の状態で寝たりすることもあるのですが、最近の部屋の状態が本まみれでヤバ過ぎて、両手すら伸ばせないです。
あ、でも、大量の本のおかげで室内の湿度が少し下がって、寝る時に過ごしやすくなってるかもしれない、とか思ったり。

それはともかく。
この前買った『百合姫S』に描いてた「インターフェイス」が非常に良かったので、玄鉄絢(くろがねけん)氏の『少女セクト』も読んでみた。

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女子校を舞台にした少女たちの恋愛群像劇。玄鉄絢『少女セクト』全2巻。漫画としてのレベルの高さに脱帽。再読性高し。

少女セクト第1巻_玄鉄絢

『少女セクト』第1巻

(玄鉄絢。コアマガジン。メガストアコミックス。2005年。1000円。印刷/三共グラフィック。装丁/田崎理展)
「籠目女子に通う高校生・内藤桃子(ないとうももこ)。彼女のまわりには女の子が好きな女の子がいっぱい。桃子はそんな彼女たちに相談されたり、巻き込まれたり。藩田思信(はんだしのぶ)は諏訪部さんや燕条寺さんといった少女たちを引き連れて、減らず口で彼女につっかかることも。しかし、実は彼女は桃子のことが・・・」


これは凄い。
成人漫画雑誌『コミックメガストア』にて連載された少女たちの恋と愛と性をテーマにした、学園群像劇なんですが、このストーリーの練りと展開、台詞の鮮烈さ、心情表現の素敵さ、精密で清冽な印象を持つ絵、どれをとっても最上級のものだといって過言ではありません。私もすでに読み直していますし、再読性は高いと思います。

とにかく極上の学園恋愛もの。百合作品であることが、なんらその特異性を主張していないほど、作品としての完成度の高さを見せてくれます(逆に物語性が希薄だともいえますが)。
前々から確かに、『少女セクト』はいい、と言っているのは何度も聞いていましたが、これは完結したのに1年も読まずにいたのはまったく不幸なことでした。

各話ごとにメインの女の子たちが交代するのですが、主人公は内藤桃子と藩田思信。この2人がどっちも減らず口というか口が上手いというか。他のキャラもいい言葉を口にするので、その台詞だけでも面白く読めます。
心と体の物語。そんな気がするような心身の交わりを表現した作品で、エッチシーンもたくさんありますが、清潔感があるタイプの描き方なので、メガストア系か、と引かないで欲しいですね。主人公である桃子は風紀委員というだけあってか(?)、1巻ではHシーンは無しという展開。けど、思信は凄いエロいですよ。いや、他の女の子たちもエロいけど。そういえば、この漫画、いっさい(台詞のある)男性は出てこなかったですね。

中でもとくに気に入った話は、1巻では第三話の狛井姉妹の話。2巻では第10話の反省房の話と第11話の麒麟と思信のなれそめの話ですかね。
第三話の最後の台詞、「私達はただ特等席にいったってだけよ」は非常にキました。

この作品、そうとう話題になったみたいで、発売当時はamazonでは和書の第二位にランクインという快挙だそうです。
現在、Googleで「メガストア」と入れると、あのヴァージンメガストアよりもコミックメガストアが上位に来る・・・・。まあ、それはいいでしょう。けど、「セクト」と入れると、ウィキの「セクト」のサブに「少女セクト」が来るのは、すげえです。


少女セクト第2巻_玄鉄絢

『少女セクト』第2巻

(玄鉄絢。コアマガジン。メガストアコミックス。2006年。1000円。印刷/三共グラフィック。装丁/田崎理展)


2巻で完結。
両方の巻とも、各話ごとの間にキャラの設定、おまけ4コマ、巻末におまけ漫画がついています。1巻では諏訪部麒麟(すわべきりん)に落とされた吉岡柴(よしおかまつり)と、燕条寺真弥(えんじょうじまや)の3P、2巻は転校後の学校での話や数年後の話、そして思信と桃子の出会いの話。また、一・二巻ともに巻中カラーページあり。1巻のあとがきはカバー下に。

この漫画ではキャラクターの名前が特徴的ですが、どうやら鳥と犬に関するネーミングということらしいです。鷹代紅緒、石動菖蒲、鷲見雛、弓梢朋衣、鳰旦蕗、犬吠崎雪華、葦切詩乃、甲斐盟絵、佃嶋鳩子、笠置秋、笠置紀、狛井千鶴、狛井時雨、大神小百合、隼砥教子。うーん、確かにそんな感じだ。

おまけ漫画で語られた、思信と桃子、そしてまーやの数年後の話も凄い気に入りました。思信が勤める会社(どうやら化粧品の会社みたいです)に、2人が忘れ物を届ける、という話なんですが、会社の先輩たちが、みんなガチで! このノリ大好き。

この話、横浜の架空の女子校を舞台にしてます。あと、どこにもそうとは書いてないんですが、なんか少しだけ(至近)未来の話という設定というような気がします。この作家さんの前の単行本が『DANDY:LION』っていう近未来SFだったようなので、そうじゃないかと勝手に思ってますが、どうなんだろ。各種ギミックがカッコいいというのもそんな印象を。
この単行本自体のデザインもとても良い。

イベントではVOLUTESというサークルですが、今回は闘志力研究所さんと合同で電脳コイル本だとか。

>『DANDY:LION』
読みたくて、いろいろなところで探したけど、どこにも売ってないなぁ。地道に探すしかないか・・・。
ちなみに『ダンディライオン』のキャラが『少女セクト』の第一話に登場してるらしい。

参照サイト
Light Weight Lo-Tek Journal(玄鉄絢公式)
http://www2.odn.ne.jp/knxinfo2/
コミックメガストア
http://www.coremagazine.co.jp/comimega/
闘志力研究所
http://tifa.tank.jp/
by xwablog | 2007-07-07 18:09 | 日記
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