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書道漫画というマイナー路線。だが、面白い! 河合克敏『とめはねっ! 鈴里高校書道部』第1巻
自分の同人誌の作成の方はいまさらながら方向転換して、一から作り直しというのを真剣に検討中。ど、どうしよう。

それはともかく。
『帯をギュッとね』『モンキーターン』で大人気の河合克敏氏が、はじめて青年誌に描いた作品がはじまりました。今度はなんと書道マンガです! でもちょっと柔道入ってるのはらしいというか。

とめはねっ!第1巻_河合克敏

『とめはねっ! 鈴里高校書道部』第1巻

(河合克敏。小学館。ヤングサンデーコミックス。2007年。505円。印刷/大日本印刷。デザイン/安斉秀&ベイブリッジスタジオ)
「鎌倉の鈴里高校に入学した帰国子女の大江縁(おおえゆかり)は、入部説明会の時に書道部が行った揮毫を見て書道に興味を持つ。三人しか部員が居らず廃部寸前の書道部は、そんな縁を脅迫して入部させることに成功する。しかし、廃部を免れるにはあと1人必要だった。そこで学校で縁の腕を骨折させてしまった柔道少女・望月有希(もちづきゆき)を騙して入部させることになったのだが・・・」

カナダからの帰国子女で眠たそうな目つきの少年・大江縁が主人公。彼は日本の高校入学にあわせて帰国したようで、日本語はまったく不自由はないけれど、小中でやる習字は存在すら知らなかったという状態。しかし、祖母との手紙の頻繁なやりとりが彼に奇麗な字を覚えさせることなり、鉛筆で書く字はとても奇麗。しかし毛筆ははじめてということで、書道部に入って基礎的なことから学んでいくことになります。
そして、彼と同時に書道部に入部することになってしまったのが、日本女子柔道で二位という才能ある少女・望月有希でした。彼女は字が汚いのが多少コンプレックスなのか、字の奇麗な縁に対抗心というか嫉妬心というようなものを持って書道に張り切ります(私も字が汚い人間ですので、書道はちょっと憧れますね)。そもそも、彼女が入部するはめになったのは、ナンパされてからまれている彼女を助けようと近寄った縁を、そのナンパしていた同級生久我将也(くがまさや)ともども倒してしまったから。そのことを言われ、書道部の悪しき先輩・加茂杏子(かもきょうこ)と三輪詩織(みわしおり)によって半ば騙されて入れられてしまったのでした。(縁が入部を脅迫されたのも、ちょうど部室で着替えてた杏子を見てしまったから・・・)
書道部率いる部長の日野ひろみは1人まともな人物ですが、ほかの2人の悪っぷりに振り回され、こうした流れを阻止できないままでしたが、そのかわり廃部だけは免れそうなことに。
なかなかクラスの方になじめないガッカリ帰国子女の縁は、こうしてちょっとはじけた書道部で、書道のなんたるかを覚え成長していくことになるのです。

書道漫画ということで、それほど盛り上がるのかと思ったら、やはりそこは漫画を描く技量次第ということで、なんとも面白いものに仕上がっています。
キャラクターがみんな活きがよくて好感が持てるし、基礎的な知識とかのうんちくも面白いし、ギャグもなかなか。あの『帯ギュ』の成長物語とギャグ感覚に近いかな?
今後、どうなるのか楽しみです。

『週刊少年サンデー』ではないところでははじめての『ヤングサンデー』連載。内容的には作風がいきなり変わったという感じはしませんが、こうした少年誌→青年誌へのシフトが他の小学館系の作家さんでも顕著に見られるというのは、面白い傾向だと思います。『ジャンプ』『マガジン』だとあんまりないですからね。むしろ逆パターンのほうが目立つか。

『とめはねっ!』の舞台となっている高校の名前が「鈴里」なのは「硯」からか。今気づいた。あと部長の日野ひろみの双子の姉妹、日野よしみの通う「鵠沼学園(くげぬまがくえん)」って、鵠沼高校のことかと思った。まあ、神奈川県南部の高校とか他にももじって登場しそうだな。

作品の中で使われている書道の作品は、どれも他の人に書いてもらっているそうです。表紙などにも使われているのが書家の武田双雲氏。あと取材で行った私立八王子高校(八王子学園内の八王子高等学校)の書道部の先生・桝田真実氏など(書道部の写真が学校のクラブ活動のページに少しあります)。それに慶応義塾大学の書道会の方。
さらに、今後は作中に使われる書道作品を募集するとのこと。書ける人はどうでしょうか。

ちなみに、この単行本が発売された5月2日は河合克敏氏の誕生日だそうです。1964年生まれ。

参照サイト
ヤングサンデー
http://www.youngsunday.com/
武田双雲公式
http://www.souun.net/
慶応義塾大学書道会
http://www3.to/keioshodo
八王子高校
http://www.hachioji-hs.com/

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by xwablog | 2007-05-03 00:37 | 日記
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