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  デジタル・クワルナフ
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ギリシャ神話と同化して混乱しがちなローマの神々について。スチュアート・ペローン『ローマ神話』
先週出た『ヤングアニマル』2008年第5号にあった新人賞の結果発表の中に、古代のヨーロッパ(ローマ?)を舞台にした『ムスカリ』(満月満)という作品がありました。佳作。絵も上手そうなので、嵐の方にでもいいから載らないかな〜。
(四月に創刊される『少年ライバル』の方でもコミック大賞に『デビルフィッシュ』というのを応募して特待生となっている様子。こういう場合、両方で描くのかな?)

ヘンリー英王子、アフガンで従軍=タリバンとの戦闘に参加
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200802/2008022900111&rel=j&g=int
戦う王族の伝統がまだある国ですから。

フェラーリの偽造品を販売、最低3百万円余 8人を逮捕(CNN)
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200802290026.html
イタリア人、意外とこーゆー犯罪好きだな。
画像はこれ
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20080301-1396592-1-L.jpg

『スターシップ・トゥルーパーズ3』予告編
3が作られていたというだけでも驚きだ。

それはともかく。
『ROME』見て以来ローマ関連読むの多いです。

ローマ神話


『ローマ神話』

(スチュアート・ペローン。訳/中島健。青土社。1993年。2400円。306ページ)
1 起源
2 神々
3 儀式
4 国家宗教
5 新来の神々
6 エピクールス学派とストア学派
7 不死の願い
8 オロンテース河、ナイル河、ティヴェレ河
9 モーセとミトラ
10 永遠の都
11 キリストとカエサル
訳者あとがき
索引


日本では「ギリシャ神話」に関する本は多いのですが、「ローマ神話」に関する本は少ないです。これは数少ないうちのひとつ、青土社の神話関連のシリーズの中の一冊です。スチュアート・ペローン氏は古代ローマ関連の本をいくつか書いている人。

かつて、ローマ人にはローマ人の独自の神々がいたのですが、ギリシア文明の影響は多大で、ローマの神々は、オリンポスの神々と同一視されていきます。たとえば、ユピテルはゼウスと、ユーノーはヘラと、ミネルヴァはアテナと、マルスはアレスと、というような感じにです。ローマ古来の神々の性質を引きずるものもいますが、中にはギリシャ神話によって上書きされて元の形がわからなくなってしまった神々もいます。ディアーナはアルテミスの逸話ばかりがあって、ディアーナ本来の神話はほとんどありません。ここらへんの神話の形成のされ方とかもなかなか面白いですね。

ローマの宗教は外来のものがたくさんありますが、その多くはオリエントのものです。宗教的先進地域であったオリエントの信仰が、ローマへと入ってくるのですが、当初はペルシア系のミトラス教などがかなり広がったようです(数的にはそれほどいなかったとも)。
で、その後キリスト教が広がっていくわけですが、この本にはキリスト教にローマの人々が拒否感を抱いたのは、キリストが「存在した神」であったからじゃないかと書いてあります。ローマの今までの神々は、誰もが見た事の無い「存在しない神」だったけど、イエスは現実にパレスチナに生き、多くの人々に現実に見られた存在であった。これが、皇帝ですら生きている間には神にはなれないローマの人々の心性にひっかかったからじゃないか、と。確かに一理ありそうな話ですね。
当時、はじまって間もないのに信じられないような速度で広がり、弾圧されながらも300年がかりで国家宗教にまでなってしまったキリスト教ですが、ローマの信仰とその関係については興味深いので、もっと調べてみてみたいものです。
ちなみに『ローマ帝国の神々』という中公新書が面白いですよ。

参照サイト
青土社
http://www.seidosha.co.jp/
中公新書
http://www.chuko.co.jp/shinsho/
ローマ神話 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E7%A5%9E%E8%A9%B1

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by xwablog | 2008-03-01 23:59 | 書庫
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