デジタル・クワルナフ
  管理人・馬頭(xwablog)。トップページのアドレスはhttp://www.toride.com/~digxwa/
トップ
あんま日本だからというのと関係ないけど鍵の話が面白かったです。妹尾河童『河童が覗いたニッポン』
今日は最低の一日でした。いろいろあったようななかったような。

それはともかく。
これも読んでみました。

河童が覗いたニッポン妹尾河童


『河童が覗いたニッポン』

(妹尾河童。新潮社。新潮文庫。1984年。320円。167ページ)
京都の地下鉄工事、集治監、長谷川きよしの周辺、盲導犬ロボットと点字印刷、山あげ祭、裁判(傍聴のすすめ)、鍵と錠、皇居、走らないオリエント急行、人墨と刺青、CFづくりのウラ、旅するテント劇場、刑務所、番外編田中邸、佐藤信が覗いた河童、和田誠が覗いた河童、中山千夏が覗いた河童

グラフィックデザイナー・舞台美術家・エッセイスト・小説家(『少年H』とか書いてる)でもある妹尾河童氏の「河童が覗いた」シリーズのひとつ。以前、『河童が覗いたヨーロッパ』は紹介しましたが、ついでに日本バージョンも読んでみました。ヨーロッパのやつよりかは楽しめなかったけど、「鍵と錠」「入墨と刺青」などが興味深かったです。
鍵と錠はヨーロッパのものが断然精巧で、日本のものはかなり素朴。ヨーロッパでも19世紀になるまで金持ちしか使わないような道具でもあったし、鍵そのものが芸術品のようなものになってます。あと、古くは権力の象徴でもあったわけですが、中でも面白いのはヨーロッパの城壁都市では、城門の鍵は市長(もしくは領主)が持つことになってて、毎朝毎夕鍵を開け閉めするのが日課になってたそうです。で、その門の鍵ってのがデカいんですよね。




有名な『ブレダの開城』ってベラスケスの絵がありますが、これは敗北したブレダの司令官ナッソーがスペインの名将スピノラに鍵を渡すシーンが描かれてて、その鍵はかなり大きいです。ここで鍵を渡してるのは、その都市の支配権を譲り渡すという意味でもあるわけです。

世界各地において鍵は主婦の地位の象徴だけど、日本においてはしゃもじがそれにあたるとか。まあ、日本にも家具(タンス)とかに鍵はつけることはあったけど、そうはならなかったみたいです。

鍵について「最古のものはエジプトのもの」という話(いわゆるエジプト錠)は、どうやらウソの常識のひとつらしい。アメリカの鍵屋エールの広告の記事の中にもっともらしく書かれた情報だとか。それが広まって百科事典にまで(そしてwikipediaにまで)書かれるようになったというのですが。これってどうやったら確かめられるんでしょうね。

いれずみの話はなかなか面白かったです。「入墨」は刑罰の為に体に入れた印、「刺青」はファッションとして入れるもの、らしい。入墨でいっつも思い出すのは、鯨布って前2世紀くらいの中国の歴史上の人物。本宮ひろ志氏の漫画に登場したのがずーっと印象に残ってます。中国で入墨を入れる刑罰のことを「黥刑」って言ったそうです。だから黥布。なんで鯨になったんだろ。字が似てるから?

点字印刷の話のところで当時の紙幣の話が出て来て、まだ盲人用のあの丸い凹みが無かった時代だから分かりづらいと文句を書いてあって、ベルギーの凹凸付き紙幣を誉めてました。他の国の紙幣の触り心地なんかを書いてますが、ドル札は印刷のインクの凹凸が結構出てて触ると分かったとか。

これの裁判のところ読んでて知りましたが、この人モデルガンのコレクターで、モデルガン愛好家協会の会長だったこともあるようです。(ただし、規制の裁判そのものについては無いです)

そうそう、この作者、まだ生きてますね。

参照サイト
新潮社
http://www.shinchosha.co.jp/
入れ墨 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%BA%E9%9D%92
(道具) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8D%B5_(%E9%81%93%E5%85%B7)

関連記事
ヨーロッパの風景を切り取る楽しみ。妹尾河童『河童が覗いたヨーロッパ』という記事
http://xwablog.exblog.jp/7938502
[PR]
by xwablog | 2008-01-14 22:24 | 書庫
<< windows機から画像もって... ウクライナ系ボンドガールと南ア... >>