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ヨーロッパの風景を切り取る楽しみ。妹尾河童『河童が覗いたヨーロッパ』という記事
古い記事です。

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2006年12月17日
ヨーロッパの風景を切り取る楽しみ。妹尾河童『河童が覗いたヨーロッパ』

昨日、極真空手の大会の様子を深夜に放映してたんですが、信じられないことにグローブ付けてないで殴り合ってました。いや、一応拳のところに包帯みたいの巻いてるんですが、そんだけ。顔はさすがに殴らないルールらしいのですが、それでもガンガン胴体にパンチを入れ合うわけで、あれは絶対痛いハズですよ。よくやるなぁ。しかも、血が出て胴着に飛び散ってるし。
興味深かったのはその大会のベスト4になった人の内、3人がポーランド・アルメニア・ロシアの選手だったこと。ハブラシカ、ホヴァニシアン、ルネフ、の3人ですが、ホヴァニシアンはアルメニアっぽい名前ですぐ分かりますね。
しかし、それはいいけど、テレビのナレーションの中でそれぞれ綽名みたいなのをまた付けてて「欧州のスナイパー」「アルメニアの速射砲」「ロシアの重戦車」ってのは笑った。やっぱロシアは重戦車か・・・

それはともかく。
前に友達が言ってた部屋の中を上から見たイラストを描く人の本をみっけたので買いました。実は全然知らなかったんですが、結構有名なそうで。

河童が覗いたヨーロッパ


『河童が覗いたヨーロッパ』

(妹尾河童。新潮社。新潮文庫。1976年。520円)

ヨーロッパ各地を1970年代に巡った舞台美術家の妹尾河童氏が描いたイラスト満載のエッセイ本。表紙にも描かれていますが、彼が泊まったホテルの部屋の中を上から俯瞰した独特の作風で、細々とした内装を面白く見せてくれます。いろいろ詰まったおもちゃ箱的楽しみに満ちています。
もちろん、ホテルの部屋のことだけじゃなく、観光した各地の建物についても細かいところまで見ていて、話も面白いです。

「僕の質問と、返ってきた答のあいだにあるズレに、日本人とヨーロッパの人たちの精神構造の本質的な違いをハッキリ見る思いがした。」

作者もこう書いてるように、日本人的視点が全然通じない世界ですが、無茶苦茶なのでは無く、聞いてみればまったく納得の行く理論でそのようになっている、という点に注目してて、いろんな話でハッと目を覚まさせるような感じになります。

この人、安い狭い部屋に何度も泊まってますが、中でも屋根裏部屋が好きみたいで、「屋根裏部屋にはお国柄が出る」みたいなことも言っています。斜めの天井と天窓。確かに楽しそうだ。

観光地巡りの中でも特にお城をよく見てますね。カルカッソンヌとかセゴビアの紹介が面白かったです。セゴビア城の解説で言ってますが、城の建材が何で作られているか、どこの石を使っているか、という話は確かに注目に値するくらい面白いネタです。
ウィーン郊外にあるクロイチェンシュタイン城も紹介されてますが、当時はまだ観光地としては有名でなかったようで、地元の人しかいないとか書かれてます。

ホテルの話だけじゃなく、ヨーロッパで乗った電車(寝台車)やその電車に乗る車掌さんたちのイラストもあります。これがまたそれぞれ面白い。車掌の服にやっぱりお国柄が出てたり。ホント面白いところに注目するなぁ。

舞台美術家だけあって、イタリアとかが多いのですが、ロシアにも来てます。モスクワとレニングラード(現在のサンクト・ペテルブルク)。で、やっぱり当時はホテルも何も選べない時代ですから、インツーリストの人に決められたホテルに入ります。モスクワでは頼んでたのよりグレードの高いところに間違って連れてかれます。まあ、なんとかなったみたいですが。入ったホテルは「レニングラード(レニングラーツカヤ)」。モスクワ市内北東部にあるホテルで、スターリン建築のひとつでモスクワ7大高層建築のひとつ。デカイとんがったホテル。当時のレニングラードの方で入ったのは「アストリア」。どっちのホテルも『ロシア建築案内』にちろっとだけ紹介されてます。
せっかくロシアに行ったのにちょっとだけしか紹介してません。残念。建物についてはサンクト・ペテルブルグのスモーリヌイ教会だけ。ああ、是非この人にスーズダリとか、スモレンスクとか行って欲しかったなぁ。

あ、はじめに書き忘れましがが、極真の大会で優勝したのは唯一残った日本人の内田っていう選手。ホヴァニシアンが2位。

参照サイト
新潮社
http://www.shinchosha.co.jp/
スイスを読もう! 河童が覗いたヨーロッパ
http://homepage3.nifty.com/prof_m/ch/books/kappa.htm
東大生が覗いた河童さん
http://www.sakamura-lab.org/tachibana/hatachi/senoo.html
極真会館
http://www.kyokushin.co.jp/

Posted by 管理人・馬頭 at 21:49 |Comments(0) |TrackBack(0) | ヨーロッパ , 本 , TV番組

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講談社文庫から新装版が出ています。

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