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カモッラをネタにした超常パルプフィクション! 成田良悟『バッカーノ!』シリーズ
古い記事です。

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2006年07月30日
カモッラをネタにした超常パルプフィクション! 成田良悟『バッカーノ!』

今日は寝ようと思って布団に入ったものの、興奮して寝つけない。しょうがないので、何か記事でも書いておこうかと思います。

とりあえず、最近読んだライトノベルでも。

バッカーノ!01


『バッカーノ! The Rolling Bootlegs』

(成田良悟。イラスト/エナミカツミ。メディアワークス。電撃文庫。2003年。570円)
「マフィアと並ぶイタリア系の裏組織・カモッラ。1930年のニューヨークで、カモッラのひとつ、マルティージョ・ファミリーに席を置くフィッロは、若くして上級幹部の仲間入りしようとしていた。しかし、その昇進の儀式が行われる日は、波乱のはじまりとなる。マルティージョの幹部のマイザーは、実は数百年前に悪魔との契約によって、不老不死になる薬を手に入れ、仲間とともにそれを分け合い、殺し合っていた。その時の仲間の一人セラードが、その薬を手に入れ、そして偶然にも奇妙な関わり合いによって、マウザーと再会することになり・・・」


作者の成田良悟氏も書かれてるように、『パルプフィクション』的な別個の話の集合体が統一された話となる構成の群像劇。

軽妙な文体とテンポの良い会話。錬金術師たちが手に入れた「不老不死の薬」というアイテムの特異性を活かしたトリックと展開。話の構造が相互に連結して集約的にラストに向かうそのよどみの無さ。どれもが上手く組み合わさって、たいへん面白い読み物として作られています。超常的要素がありつつも、キャラクターたちの生き生きとした動きが冴えてます。
驚いたことにこの成田良悟氏は、この『バッカーノ!』がデビュー作で、2003年の電撃ゲーム小説大賞金賞受賞だそうです。
説明不足とキャラの活躍が分散化して希薄な点が多少あるものの、読みやすさや、ぐいぐいと引き込む魅力というのがはっきり分かる良作です。

これ一作だけ読むと続きは無いかのように思えますが、続編も出てるようです。

アメリカ、禁酒法時代を舞台にした作品はいくつかありますが、それにオカルトというかファンタジー要素を混ぜた作品というのはなかなか親和性がありますね。最近でいうと『俺と悪魔のブルーズ』とか『宵闇眩灯草紙』の6巻とかかな。
そういや、『俺と悪魔のブルーズ』でも言ってたけど、禁酒法って酒の販売・製造は禁止してるけど、自宅での飲酒は禁止してないとか。

ウィキペディア(Wikipedia)の「アメリカ合衆国憲法修正第18条(禁酒法)」の項目を見ると、なかなか興味深い。
禁酒法が制定されたのには三つの要因「清教徒的倫理観」「第一次世界大戦による穀物不足」「酒業界を仕切るドイツ系への反発」があったとか。

禁酒法のアメリカを紹介する本は数少ないようで『禁酒法ー酒のない社会の実験』(岡本勝。講談社現代新書)というのが代表的だそうです。
ミステリ関連のサイトでその内容が分かりやすく紹介されてました。先の三つの要因の他にも、酒がもてなしの基本だった社会ということ、新移民がカトリックであったということ、あと女性運動の活発化とかも影響したとかいうことです。時代状況が許せば、こんな法律も通ってしまう民主主義。まあ、結局ザル法でしたが。

ちなみにカモッラは、イタリア・ナポリの監獄の内部で形成された組織。19世紀のはじめころにはしっかりと存在したとか。暴力的だが陽気でオープン。


参照サイト
成田良悟公式
http://www2.tba.t-com.ne.jp/taoru/resistance/
電撃文庫
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/index.php
中原行夫の部屋・ミステリ資料室-----禁酒法
http://homepage1.nifty.com/y_nakahara/hammett3.html

Posted by 管理人・馬頭 at 06:23 |Comments(29) |TrackBack(0) | 本<小説> , 歴史

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これ、今秋にアニメ化されました。

参照サイト
バッカーノ・アニメ公式
http://www.baccano.jp/
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by xwablog | 2006-07-30 03:12 | 史劇
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