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二つの都、ウィーンとベルリンに焦点をあてたドイツ・中欧史。加藤雅彦『中欧の崩壊』。

古い記事です。

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2006年07月25日
二つの都、ウィーンとベルリンに焦点をあてたドイツ・中欧史。加藤雅彦『中欧の崩壊』。あと巨大恐竜のこと。

会社に活力が無いのは、仕事が非効率なせいだ。
仕事が非効率なのは、経営者にしっかりとした経営方針と未来像が無いからだ。


それはともかく。
神聖ローマ帝国やプロイセン、オーストリア帝国は、ドイツ人だけではなく、より雑多な人々、広範な地域を抱える国だったのですが、その枠組みが継承され、ほんの少し前まで独特の世界を形成していました。第2次世界大戦後にそれは東西の対立で分断されてしまいますが、そこに至るまでの歴史を書いたのがこの『中欧の崩壊』です。

『中欧の崩壊 ウイーンとベルリン』


『中欧の崩壊 ウイーンとベルリン』

(加藤雅彦。中央公論社。中公新書。1983年。560円)


神聖ローマ帝国とオーストリア帝国の首都ウィーンと、プロイセン王国そしてドイツ帝国の首都たるベルリンという二つの街に焦点をあて、東西冷戦時代にその存在と意義が見失われていた「中欧」という地域概念とその歴史について興味深くかかれています。

初版が19833年というわけで、多少古いのですが、中欧史に関する紹介の本としてはとても良いかと。
確か、同じ中公新書でベルリンという街に焦点をあてた歴史紹介があったと思いますが、こうしてウィーンと、その延長線上にある街としてベルリンを見ると、また別のベルリンの側面が見れるかと。

この本で知りましたが、ローマ皇帝で五賢帝の一人、マルクス・アウレリウスはウィーンで死んだそうですね。
あと、ウィーンの城壁は皇帝フランツ・ヨーゼフによって解体されたわけですが、やはりそれには19世紀前半のウィーンの住宅不足という問題があったようです。当時、ちょうどウィーンを中心としてハプスブルク家の支配圏の各地に鉄道網が整備され、それによって人口流入が激しかったとか。
都市の肥大化と労働者人口の増大は、さまざまな出来事が起こるための前提条件として必要だったのはご存知の通り。最近、テレビで知った話でも通信網の重要性は侮れないようなので、やはり、19世紀における鉄道網と通信網の発達は、社会を改変させるための重要なファクターとして、もっとしっかり知っておかないといけないかも。


あと、今日、再放送でやってた『サイエンスZERO』の巨大恐竜ものの番組は面白かったです。
首長竜などの巨大恐竜がいかにして大きくなったかとかの話だったんですが、かつて学研の図鑑とかで見て知った恐竜のイメージが多少変わりました。
そもそも、巨大恐竜がなんで大きくなったのかというのは、「たくさん栄養のあるものを食べたから巨大になった」ではなく、「栄養価の低い食べ物を摂っていたため、大量に食べるため、そしてそれを消化するための長い内蔵を持つために巨大化した」ということらしいです。二酸化炭素量が現代よりも格段に多かった当時の大気だと、植物が急速かつ巨大に育つわけですが、その代わり、植物に含まれる栄養である窒素の量が減るため、大量に食事をしないといけなかった。そのため大量に食べ、なおかつ植物繊維を分解するための大きな内蔵が必要だったといいます。まあ、他にも要因はあったでしょうが、この理由は面白い。
それと、最近描かれる首長竜のポーズは、首を立てないし、しっぽを引きずらないようになってるらしい。昔の図鑑とかだと、首長竜といえばキリンみたいに首立ててたものですが。やっぱり長い首と長いしっぽでバランスをとってたらしい。

Posted by 管理人・馬頭 at 05:33 |Comments(4) |TrackBack(0) | 歴史 , 本 , TV番組

この記事へのコメント

 むかーし、ヨーロッパ風スチームパンク世界の設定を考えていたとき、オーストリアの存在の大きさというものを再確認したものです。ハンガリーは是非行ってみたいんですねー。
 そういやフランツ・ヨーゼフ1世はヴィクトリア女王以上の在位期間で、19世紀後半から20世紀初頭にかけて延々地道に仕事をしているのに日本ではマイナーですね。カワイソウ。
Posted by 速水螺旋人 at 2006年07月25日 16:14

>ヨーロッパ風スチームパンク
スチームパンクというと、ついアメリカ(西部)的世界観で思い浮かべてしまいますが、むしろ状況的にはさまざまな国があって要素が絡み合ってるヨーロッパの方が楽しそうですね。
「オーストリア・ハンガリー二重帝国」も面白そうですし、あと当時のフランスなんかもかなり驚きの世界な感じですよ。
>フランツ・ヨーゼフ帝
この人はむしろ奥さんのエリザベートが有名で、わき役になっちゃってますね。キャラが喰われてます。
江村洋氏の『フランツ・ヨーゼフ ハプスブルク最後の皇帝』は読みましたが、激動の時代を生きたなかなか面白い人物ですよ。
>ハンガリー
私も行きたい!
あ、そういえば、いまさらだけど『快傑蒸気探偵団』ってスチームパンクだったのか。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年07月26日 02:19

>ハンガリー
右に同じ意見>私も行きたい。
ちなみに、来月には喜多山さんがハンガリー行かれるそうですよ。
もう何度目になるのかわかりませんが。
でも、やっぱり「フス戦争」絡みの土地、というかギシュクラ様絡みの場所ばかり行かれる、かなりマニアックな旅だそうで。
ギシュクラの足跡は謎に満ちております・・・・。
>ベルリン
そういえば、ルクセンブルク家は一時あのあたり領有してましたっけ。ハプスブルクに取られなきゃ、つくづく大帝国だったのに・・・。
Posted by 大鴉 at 2006年07月30日 16:00

>ハンガリー旅行
喜多山さんてば、またですか。・・・・・羨ましい!
うーん、ほんとにいつかは我々も行かねばなりますまい。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年08月01日 02:00

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