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ぐいぐい引き込む漫画力。呪術的観点からの『三国志』という驚異。大西巷一『女?(じょか)JOKER』
これも古い記事です。


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2006年06月02日
ぐいぐい引き込む漫画力。呪術的観点からの『三国志』という驚異。大西巷一『女?(じょか)JOKER』

前にビール1杯で酔っぱらっちゃって、友達から「なんて安上がりなヤツだ」と言われたことがありましたが、今日はお酒を買うために店先で試飲させてもらったら、御猪口より小さな器で日本酒を6種類飲んだだけなのに酔っぱらってしまった。気持ちよくなるわ、汗が出てくるわ、足がふらつくわで、自室に帰ったら即座に寝てしまいました。うぬ。こんなていたらくでは立派なアル中への道はほど遠いな。

それはともかく。
大西巷一先生といえば今は『三国志マガジン』のほうで『曹操孟徳正伝』を連載中ですが、以前に『アフタヌーン』で描いていたのが『女?(じょか)JOKER』という漫画。『曹操孟徳正伝』の最新3巻は買いましたが、ちょうど読み直したので先にこれを紹介。

じょかjoker第1巻大西巷一


『女?(じょか)JOKER』第1巻

(大西巷一。講談社。アフタヌーンコミックス。2000年。505円)
「漢王朝の時代が終ろうとしていた時代、戦乱を避けるために徐州の山奥へと逃れた少年・孔明は、そこで襲撃を受けた不思議な村と少女を見つける。記憶を失っていた少女を助けた孔明は、彼女をケイ(圭に心という字)と名づけ一緒に暮らすことに。その後立派に成長した孔明だが、ケイとの結婚を目前にして病に倒れる。それはケイが持つ呪力のせいだった。そして、孔明の死を受け入れないケイは、恐るべきことを口にする。『諸葛孔明を蘇らせます』。しかし、その蘇りとは・・・」


三国志世界を呪術的観点から見るという新しい感覚の作品。この前、久々に全巻買い直して読んでみましたが、やっぱり凄く面白いですね。はじめ買い直した後、夜中にちょっとだけ読み進めておこうとして布団の中で読みはじめたんですが、そしたら読むのが止まらなくなっちゃって、結局4巻全部を朝までかけて一気に読んでしまいました。この物語の吸引力は凄いです。

この物語では、ケイを救った諸葛亮が、劉備と会う前に死んでしまいます。そして、代わってケイが「諸葛亮」となって劉備に仕えるということになります。泰山の古き神霊と関わりの深いケイが、劉備の軍師となって、中国史の裏面ともいうべき儀礼と呪術をもって画策するさまざまな人々と戦います。
この呪術戦が大変ネタが込んでて面白いです。各国に仕える三国志の登場人物たちが、色々な呪術的背景を背負ってて、まさに主君を裏から支えています。古代神や儒教、呪術、儀礼の関わりを、あの三国志世界にうまく組み込んだ傑作漫画といっていいでしょう。

前に自分のサイトの漫画紹介コーナーでこれを紹介しましたが(今日気付いたけど、女?の?の字が間違ってるな)、今回読んでみて、前に「連載が打ち切られた」とか思ったのは勘違いだったのでは、と思うほど、以前感じていた以上に最後は上手くまとまってます。連載が続きそうな雰囲気を持たせつつも、もしかしたらわざとあのあたりで話をまとめたのかもしれませんね。



参照サイト
三国志マガジン
http://www.comic-flapper.com/sangokushi/
クワルナフ・歴史もの紹介コーナー
http://www.toride.com/%7Edigxwa/digxwaFiles/dramaf/drama_f.htm

関連記事
激戦!官渡の戦い。『曹操孟徳正伝』第3巻、という記事
http://xwablog.exblog.jp/7720545


Posted by 管理人・馬頭 at 01:50 |Comments(0) |TrackBack(0) | 漫画 , 歴史
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現在大西氏は富山の方のマイナー誌に漫画描いてるそうです。
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