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火の民族の足跡を辿り現代と古代が交錯する。星野之宣『ヤマタイカ』第1巻、という記事
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2006年05月29日
火の民族の足跡を辿り現代と古代が交錯する。星野之宣『ヤマタイカ』

古代日本人の足跡を末裔たちが辿とうとする壮大な物語があったのですよ。

ヤマタイカ01


『ヤマタイカ』第1巻

(星野之宣。潮出版社。希望コミックス。1987年。780円)
「突如として台風が消え去ったある日、沖縄の米軍基地に沈んだはずのあの戦艦が攻撃をしかけ、壊滅的打撃を与えて去っていく。それと前後して現れる巨大な銅鐸。それは古代より続くある巫女たちの行った祭儀と関連があった。そして、そのことは1年前、沖縄の東端にある島・久高に住む、一人の女・神子(みわこ)が目覚めることからはじまるのだが・・・」


信じられないけど、これほどの話がすでに1980年代に創られていたというのだから驚きです。やはり星野先生は天才だな。

原日本人と卑弥呼の邪馬台国の盛衰。渡来人系の集団の征服が巻き起こした古代の民族離散の話が、現代の沖縄に残っていた巫女たちによって再度辿り語られることに。火山列島日本にすむ特異な火の民たる原日本人。その信仰の由来と祭礼が見事にネタとして消化されています。
まだ吉野ヶ里遺跡とか発見されてない時期(?)だったろうに、その比定の仕方とかが不自然さがなく紹介されてます。
よほど本を読んでるのかしりませんが、それにしたって、「ネタを折り込む」ということに関してのテクニックは脱帽です。

火山がそこらじゅうにある日本の中で、火山の無いところに大和の政権ができたことを絡めるのは面白いなぁ。

文庫判も出てるはずです。『宗像教授伝奇考』が好きなら読むべし。

Posted by 管理人・馬頭 at 02:15 |Comments(0) |TrackBack(0) | 歴史 , 漫画

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