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世界経済史の重要ファクターなのに世界史ではほとんど重視されてない『毛皮と人間の歴史』
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2006年05月11日
世界経済史の重要ファクターなのに世界史ではほとんど重視されてないので、これを読もう。『毛皮と人間の歴史』

ちょい言わせてもらうと、『ひぐらしのなく頃に』、超怖い。
そうだというのに、それを見てる真夜中にいきなりチャイムを鳴らされて、もうびっくりしましたよぅ。 ビクビクしながら覗いたら誰も居ないし、めちゃくちゃ怖いでしょう! やめろー!

それはともかく、『毛皮と人間の歴史』を全部じゃないけど読みました。やはりハンザやノヴゴロド関連で。

毛皮と人間の歴史


『毛皮と人間の歴史』

(西村三郎。紀伊国屋書店。2003年。2800円)
「美しい毛皮を求める人間の欲望の影に、もうひとつの歴史があった。」(帯紹介文より抜粋。)



毛皮交易に関することはもちろんですが、毛皮の作り方や着方についても書いてあったりして、総合的に楽しめます。


ノヴゴロドについても数ページ割いてます。そのところで、毛皮の輸送について書いてたりするんですが、毛皮を運ぶ時は、樽に入れて運ぶそうです。1樽に一万枚くらいのリスの毛皮が入るらしい。
でも、そうした大量に取られる毛皮は、毛皮でありながら意外にも安価だったみたいです。当時のヨーロッパで多量に消費された毛皮は、逆にいうと意外に安かったらからたくさん使われたとも。
もちろん、最高級の毛皮は高額だったみたいです。

ところで、この本の中で少し内容が間違ってるところとか見つけました。
ノヴゴロドをヴォルホフ川中流の街としてますが、中流というか上流です。イリメニ湖から流れ出るヴォルホフ川がはじまったすぐの所にあるんですから。あと、ヴォルガ・ブルガール国がカマ川流域やさらに北方の地域との交易しないで、ノヴゴロド商人経由で毛皮を手に入れた、みたいなことも書いてありますが、これもちょっと違うんじゃないかと。この本は少し情緒的な記述もあるし、そこらへんは注意が必要かも。
ただ、面白くないのか、というと、面白いです。なにより分かりやすいので良い本です。

そういや、この本の中でも、「ヴァリャーギからグレキへの道」の衰退の要因について、「アラブ世界での銀の枯渇」説を可能性のある理由のひとつとしてあげてましたが、その情報の元はどこからきてるんでしょうね。何かの本?
あと、ペチェネーグ族やポロヴェツ族の南ロシア平原の騎馬民族の活動を理由にあげてましたが、9〜10世紀における状況と11世紀以降を比べても、騎馬民族がいるという状況にはそれほど代わってないように思えます。よほどペチェネーグ族とポロヴェツ族の人数の差があるならともかく、何か他に要因があると考えた方がいいのでは。
ここらへんはもうちょっと考えた方がいいかな。

ちなみに、作者の西村三郎氏は2001年に癌でお亡くなりになってます。

Posted by 管理人・馬頭 at 04:40 |Comments(3) |TrackBack(0) | 歴史 , アイテム , 本

この記事へのコメント

この本で地図とかには普通に描いてありますが、ルィビン湖(ルイビンスク湖)は1941年にダム建設によってできた人口湖なので、当時はなかったのです。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年05月15日 03:58

以前に読んで、「バックスキン〜」とか騒いでいたんですが、遊牧民系のところが概説っぽくて可もなく不可もなくだったので投げた本です。
もう一度読もうかという気になりましたが、誤植に気づいたのでまた投げそう…。
p.146 ×胡族舞→○胡旋舞
p.158 ×トゴン=テルム→○トゴン=テムル
単純に誤植でしょうけど。字の形似てるし。
…マクロな視点で全体の流れを読むって、大切なんだろうけど、いまひとつノリが悪い今日この頃…(←ますますわけのわからん隙間にはまりこんでいくヒト)。
Posted by 雪豹 at 2006年05月25日 23:46

確かに大きな視点で見ると、どうしても細かいところに目がいかないものですが、自分の好きなとこを適当にやられると、ちょっと引きますね。
しかも、この本、そういうの多そう。
でも、全体的にはそれなりに楽しめた本かと。
Posted by 管理人・馬頭 at 2006年05月26日 02:55

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