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ヴァイキングたちの取引についての考え。熊野聰『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』
最近のカレーを食べる時はヨーグルトを混ぜるようにしてたのですが、やはり温めたレトルトカレーにヨーグルト入れると少しぬるくなってしまってました。けど、この前オーブンレンジを手に入れて、これでカレーをパックから開けて温めるようになったので、ヨーグルトを先に混ぜてられるので熱々で食べることが出来るようになりました。これだけでもレンジのありがたみが分かるというものだ。
こういうの、なんて言うんだっけか。・・・文明の勝利?

それはともかく。
とりあえず手近にあった本でも。

『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』


『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』
( 熊野聰。山川出版社。ヒストリア013。2003年。1300円)
1 ヴァイキングの生涯
2 交易と贈与
3 社会内の買取交渉
4 商取引と社会規範
5 交渉と強制
6 ヴァイキング社会と商業

ヴァイキングというといまだに「北欧の海賊」と思ってる人が多いかと思いますが、彼らは地元では農民であり牧畜を行い職人でもあり、さらに船で外に出れば交易商人でもありました。彼らの行う略奪は、その経済活動の一環として行われるものだといえます。
緊密な人間関係を築く必要があり、そのための贈与や宴が行われ、そうした富を獲得するために農場経営や交易や略奪があったわけです。この関係は相互的で継続的で、贈与によって人々の支持を得て略奪を行い、略奪を行うために贈与を繰り返す、という感じになっています。
この本では、そうした社会のあり方、その意味などを簡単に分かりやすく紹介しています。非常に面白いので、ヴァイキングそのものに興味がなくても、楽しめます。オススメ。

何よりも大事なのは人間関係であり、社会の中での役割を果たすこと、そういった狭い関係と地域主義がこうした社会を維持していました。村落がちょっと大きくなった程度のものしかなく、専門化した職業も都市といえるようなものもない社会。現代の我々とはまったく違うように見えながら、実は現在でもこれに近い状況は地方においてがっちりと保持されています。近代的な都市文明は、過去の人間社会とは隔絶した異質のものですが、それが全てを埋め尽くしたわけではないのです。


そうだ。『ヴィンランドサガ』(幸村誠)の第5巻が今月発売ですね。

参照サイト
ヴァイキング(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%
AD%E3%83%B3%E3%82%B0
ルーン文字とヴァイキング
http://www.runsten.info/
熊野聰(くまのさとる)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%8A%E9%87%8E%E8%81%B0

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by xwablog | 2007-10-10 23:49 | 書庫
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