デジタル・クワルナフ
  管理人・馬頭(xwablog)。トップページのアドレスはhttp://www.toride.com/~digxwa/
トップ
中世のバルカン半島に広まったキリスト教の宗派を解説。ディミータル・アンゲロフ『異端の宗派ボゴミール』
昨日は友達とお酒飲みにいきました。馬頭めは、また調子にのって飲み過ぎて、気温は暖かいくらいなのに体が寒くて寒くてしょうがないといういい感じになってきて、さらに、ノドの中程まで戻ってきたものが、キラキラと輝く噴水となって出てしまうところでした。あんま覚えてないけど、最後の方で、口当たりよくて美味しいけど強いお酒飲んで、これがえらい効いた。

それはともかく。
久々に手にとりました。

異端の宗派ボゴミール


『異端の宗派ボゴミール』

(ディミータル・アンゲロフ。訳/寺島憲治。恒文社。1989年。4500円。415ページ)
第一章・ボゴミール派の起源
ブルガリアの封建主義の発達と9-10世紀のブルガリアの社会矛盾、ボゴミール派出現以前のブルガリアにおける諸異端の流布、他
第二章・ブルガリアにおけるボゴミール派の出現
司祭ボゴミール
第3章・ボゴミール派の本質------教義と見解
民間伝承に見られるボゴミール派の宇宙創世説と終末論の影響、ボゴミール派の社会・倫理上の見解
第四章・ボゴミール派の組織
「完全者」ボゴミール派信徒と一般の信徒、ボゴミール派の宗教共同体
第五章・ボゴミール派の歴史
12世紀のビザンティンのボゴミール派とバシレイオス裁判、セルビア、ボスニア、イタリア、フランス、ロシアにおけるボゴミール派の影響、13世紀中葉以前の第二次ブルガリア帝国におけるボゴミール派、14世紀のボゴミール派とその衰亡、他

原著は1961年に出された『ブルガリアのボゴミール派』で(これも1947年に出されたものを大幅改訂して出したようです)、作者は中世史において、ビザンツ、バルカン、ブルガリアにおけるブルガリアの民族形成を研究していたアンゲロフで、この本はその代表作。1917年ソフィア生まれ。ソフィア大学卒業後、ミュンヘンへ留学とのこと。
ボゴミール派についてはこれと『ヨーロッパ異端の源流』のどちらかが詳しいですが、こっちのがまるまる一冊だけど、元の本が少し古いせいか、ナショナリズム&社会主義的立場からの史観となっていて、パウロ派やカタリ派との関係の軽い扱いと、農民的反権力的闘争という立場に偏るものとなっています。ただ、この宗派の民衆との関連を扱った点は評価に値するとのこと。
私も昔、これを同人誌の参考文献に使ったのですが、どうもフィリッポポリスのパウロ派については論拠に欠けるらしい。そこらへん書いたっけかな?
ビザンツ帝国の宗教政策なども知れてなかなか楽しい一冊です。『ヨーロッパ異端の源流』もそうですが、『ビザンツ帝国史』と合わせて読むとよいかも。

ところで、恒文社って公式サイトないのか? 今時。
それと、ボゴミール関連のサイト探してたら、怪しげな宗教団体のページがあった。ふと思ったんですが、うちのサイトも「クワルナフ」としてることで宗教関係だとか思われてたらいやだなぁ。


そういや、最近全然「用語辞典」をブログで追加してないな。やっぱり適してないのか? つい本の紹介ばかりになってしまいますね。もうちょっとバランス考えないと。

参照サイト
同人誌のページ(デジタルクワルナフ)
http://www.toride.com/~digxwa/digxwaFiles/magf/mag_f.htm
書庫・ブルガリア史の資料(デジタルクワルナフ)
http://www.toride.com/~digxwa/digxwaFiles/booksf/books_buruga.htm
ボゴミール派(オカルトの部屋)
http://www5e.biglobe.ne.jp/~occultyo/gnousisu/bogomiiru.htm
Essential History of Bulgaria in Seven Pages(注意・超重い。海外)
http://members.lycos.co.uk/rre/History-Seven.html

関連記事
流域の受難。ドナウ川の洪水。というニュース
http://xwablog.exblog.jp/7480835
キリスト教が支配するヨーロッパの中における異教。B・ジョーンズ&N・ペニック『ヨーロッパ異教史』
http://xwablog.exblog.jp/7249842/
多様だった中世の信仰と迷信の形。ジャン=クロード・シュミット『中世の迷信』
http://xwablog.exblog.jp/7249791/
トマス・アクィナスと完全共同体の思想的系譜と推移。ハッチンス『聖トマス・アクィナスと世界国家』
http://xwablog.exblog.jp/7398125/
[PR]
by xwablog | 2007-10-07 23:55 | 書庫
<< コッポラ親子が関わる1927年... 警察官による報復テロとその暗闘... >>