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デュマレスト・サーガシリーズのはじまり『嵐の惑星ガース』を読んでみて、聖書を確認してみた
どうも。「アルバイト募集中」を「アパルトヘイト募集中」と見間違えた馬頭です。

そんなこんなで911のカミカゼアタックからもう六年。なんか、あっという間でしたね。歳はとるもんじゃないな。

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はじめ、「花形」という名前のアナウンサーのことかと思った。

それはともかく。
知り合いから、古い作品だけど面白いぞ、と薦められて読んでみた。

嵐の惑星ガース


『デュマレストサーガ1(DUMAREST SAGA) 嵐の惑星ガース』

(E.C.タブ。鎌田三平/訳。東京創元社。1980年。)
「惑星ガースに行くはめになり、路頭に迷ってしまった渡り者のアール・デュマレスト。彼はその惑星に起こるという『嵐』を見に来た人々の中で、後継者に悩む女皇や暴虐な貴族、妻の復活を目論む男たちと関わり合いながら、この惑星から脱出する方法を模索する・・・」

長編のSFなんですが、アメリカ的ハードボイルドというか、男臭い感じの内容になっていて、でも、凄く引き込まれる内容でした。
デュマレストは知られざる人類の故郷『地球』出身者であり、地球に帰る方法を探して彷徨う彼の苦難の旅のその途中から物語がはじまります。

これの内容のことはここではこれ以上いいませんが、このタイトルの「ガース」ってのが、旧約聖書に出て来る「ゴリアテ」という人物の出身地から取ったと、あとがきに書いてあったので、ちょっと気になって調べてみました。

「・・・ペリシテびとの戦列から、ガテのペリシテびとで、名をゴリアテという、あの戦いをいどむ者が上ってきて、前と同じ言葉を言ったので、ダビデはそれを聞いた」(サムエル記・上、17章23節より抜粋。)

ガース=ガテです。ゴリアテ(ゴリアト)といえば、大きな人だったけど、少年時代のダビデ王によって、投石器で石を当てられて殺された人物ですね。
今回、改めて聖書のこの個所の記述を読んだんですが、面白かったです。あれだけいろいろ使われるだけあって、凄い名場面なんですよ。ちゃんと読んでみるととても盛り上がります。

そもそも、この戦いはペリシテ人と、イスラエル王サウル(位前1025-1010年)率いるイスラエルの人々が争った戦いで、両軍はエラの谷で戦いました。このエラの谷の近くにガテ(ガース)があるわけです。

「さてペリシテびとは、軍を集めて戦おうとし、ユダに属するソコに集まって、ソコとアゼカの間にあるエペス・ダミムに陣取った。サウルとイスラエルの人々は集まってエラの谷に陣取り、ペリシテびとに対して戦列をしいた。」(サムエル記上・17章1-2節)

こうして両軍はまず対峙するのですが、はじめにペリシテびとの中からゴリアテが出て来てイスラエル軍を挑発します。

「ひとり選んで、わたしのところへ下ってこさせよ。もしその人が戦ってわたしを殺すことができたら、われわれはおまえたちの家来となる。しかしわたしが勝ってその人を殺したら、おまえたちは、われわれの家来になって仕えなければならない」(サムエル記上・17章8-9節)

しかし、イスラエル側は彼を恐れて誰も出ません。何せ、彼は若いころから軍人で、さらに「身のたけは六キュビト半。頭には青銅のかぶとを頂き、身には、うろことじのよろいを着ていた。そのよろいは青銅で重さ五千シケル。また足には青銅のすね当を着け、肩には青銅の投げやりを背負っていた。手に持っているやりの柄は、機(はた)の巻棒のようであり、やりの穂の鉄は六百シケルであった。」(サムエル記上・17章4-7節)という、背が高く、重い武具をつけた凄い強そうな人だったのです。
そんな時、名乗り挙げたのが少年ダビデです。彼はユダのベツレヘムに住む、エフラタびとのエッサイという人物の息子で、エッサイの年長の息子たちが戦場に来ていて、父から彼らにパンなどを届けるように言われて戦場を訪ねてきていたのです。
ダビデはゴリアテが挑発するのを聞き、誰も相手をしないことなどを周りの兵士たちに聞いてまわります。そんなダビデのことを知ったサウル王は、ダビデを呼んで話をするのですが、その時ダビデはサウル王に言います。
「だれも彼のゆえに気を落してはなりません。しもべが行ってあのペリシテびとと戦いましょう」(サムエル記上・17章32節)
サウル王ははじめは無理だと言いますが、ダビデが羊飼いをしていた時に獅子や熊を殺したことがあると言うと、王が所有する武具を与えてくれます。しかし、ダビデまだ子供でその武具を身につけられなかったので断り、いつもの道具で戦うことにします。

「ダビデはそれらを脱ぎすて、手につえをとり、谷間からなめらかな石五個を選びとって自分の持っている羊飼の袋に入れ、手に石投げを執って、あのペリシテびとに近づいた。」(サムエル記上・17章40節)

石投げって、スリングのことですね。布で石をくるんで振り回し、遠心力を加えて石を遠くまで投げるやつ。杖を持って、とあるのでスタッフスリングかと思ったけど、どうやら普通のみたいです。
とうとうゴリアテと戦うことになったダビデですが、近づいてきたのが少年であったのでゴリアテは彼を侮ります。
それに対してダビデが言う台詞が凄くかっこいいのです。

「おまえはつるぎと、やりと、投げやりを持って、わたしに向かってくるが、わたしは万軍の主の名、すなわち、おまえがいどんだ、イスラエルの軍の神の名によって、おまえに立ち向かう。きょう、主は、おまえをわたしの手にわたされるであろう。わたしは、おまえを撃って、首をはね、ペリシテびとの軍勢の死かばねを、きょう、空の鳥、地の野獣のえじきにし、イスラエルに、神がおられることを全地に知らせよう。またこの全会衆も、主は救を施すのに、つるぎとやりを用いられないことを知るであろう。この戦いは主の戦いであって、主がわれわれの手におまえたちを渡されるからである」(サムエル記上・17章45-47節)

くぅ〜、燃える!
勇士ゴリアテを前にしてもまったくひるまないダビデ。てか、この自信満々さは何だ、くらいの。
そして、この二人の決闘が行われるのですが、それはあっという間に決着がついてしまいます。

「そのペリシテびとが立ちあがり、近づいてきてダビデに向かったので、ダビデは急ぎ戦線に走り出て、ペリシテびとに立ち向かった。ダビデは手を袋に入れて、その中から一つの石を取り、石投げで投げて、ペリシテびとの額を撃ったので、石はその額に突き入り、うつむきに地に倒れた。」(サムエル記上・17章48-49節)

たった一投で倒してしまうダビデ。あまりにもあっけない戦いでした。(たしか昔の史劇映画で『キング・ダビデ』というのがあったような気がしますが、それだとダビデは何回か投げてましたね。)。どうやら石で殺したんだと思ってましたが、これは倒しただけで、そのあとダビデはゴリアテのつるぎを取って、彼を殺してその首を切り落としたようです。

ペリシテびとたちは、一番の勇士たるゴリアテが殺されたのを見て逃げ出し、こうしてエラの谷の戦いはイスラエル軍の勝利となります。
ダビデはこの功績によりサウル王に仕えはじめ、彼の兵の隊長となるのでした。


参照サイト
東京創元社
http://www.tsogen.co.jp/np/index.do

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http://xwablog.exblog.jp/7249791
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by xwablog | 2007-09-11 23:58 | 日記
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