デジタル・クワルナフ
  管理人・馬頭(xwablog)。トップページのアドレスはhttp://www.toride.com/~digxwa/
トップ
古代から広く読まれた超有名な寓話たち。アイソポス『イソップ寓話集』
この前気付いたのですが、どうも、ウチにある冷蔵庫の冷凍室は壊れ気味なようです。ある時は普通に冷凍してくれるのですが、何らかの理由で止まってしまうことが度々あるようなのです。そのため、中に入っているものは、凍ったり解けたりを繰り返して、フリーズドライ的な状態になってしまっていることがあります。アイスなんかよく変な感じになってたのも、これのせいみたい。もうちょっと早く気付けば、タダで修理できたのに・・・・

それはともかく。
今読んでる本はこれです。たまに、ああ、これ知ってる話だ、というのが入ってて懐かしんだり。

イソップ寓話集


『イソップ寓話集』

(アイソポス。訳/山本光雄。岩波書店。岩波文庫、赤103-1。1942年1刷、1993年64刷。520円)


古代ギリシア世界の人で、寓話作家として知られるアイソポス(イソップ)の寓話集。ウサギとカメ、アリとキリギリス、北風と太陽、金の斧銀の斧、狼少年、といったイソップ童話は子供のころに聞いたり読んだりした覚えがあるかと思いますが、それがギリシア世界の寓話がもとであったと認識している人は少ないのでは。
この本は、1927年にパリで出版された本のギリシア語原文を翻訳したもので、1942年に出されてから、93年までに64刷というから、よく読まれているみたいです。(訳者のこの内容に対する態度は微妙に批判的なのでどうかと思いますが)


亀と兎
亀と兎が速さのことで争いました。そこで彼らは日時と場所とを定めて別れました。ところが兎はもって生まれた速さを恃(たの)んで駆けることを怱(おろそ)かにし、道をそれて眠っていまいsた。亀の方は自分の遅いのをよく知っていましたから、休まず走りつづけました。こうして亀は眠っている兎の側を走り過ぎて目的に達し、勝利の褒美を獲ました。この話の明らかにするところは、鵜生まれつきがゆるがせにされると、それはしばしば努力に打ち負かされるものだ、ということなのです。
(P263より抜粋。)

この寓話は、アイソポスが全部創作したというわけではなく、いろいろな寓話を集めてもいたことでしょう。中には小アジアの寓話も含まれているとか。
アイソポスという人は、いろいろ不明な点が多い人で、だいたい前6世紀の人であり、サモスでイアドモンという人物の奴隷であったことがあり(その時、有名なロドピスと同僚だった)、その後リュディア王クロイソスに助言者として仕えたという大体のことしか分かりません。そして、最後はデルポイ人を侮辱したことで怒りを買い、デルポイで殺されます。
彼のことはヘロドトスの『歴史』の中にもロドピスのことが書いてある2巻に登場します。

(家の上に立っている)仔山羊と狼
或る家の上に立っている仔山羊が、その傍を狼が通るのを見た時に、彼の悪口を言って嘲り始めました。と、狼は「こ奴め、俺の悪口を言うのは貴様でなくて、その場所だ。」と言いました。この物語は、しばしば場所や時機も優れた人々に対して挑戦する勇気を与える、ということを明らかにしています。
(P93より抜粋。)

どの寓話も教訓を含むようなものになっていますが、寓話なだけあって、動物や自然のあれこれを擬人化した話が多く、あと神様が出る場合も多いです。
「北風と太陽」はそのまんまでしたが、実はこの寓話集の中に「アリとキリギリス」はありません。原型となった「蝉と蟻」というのがあって、蝉があまり馴染みないアルプス以北のヨーロッパにおいて、蝉をキリギリスに置き換えてあの形になったようです。日本へは英語版で入ってきたので、「アリとキリギリス」が知られているのです。あと、意外だったのは金の斧と銀の斧の話で、木こりが斧を落とすのは、泉じゃなく川だったり、タイトルが「木こりとヘルメス」ということから分かる通り、金の斧を出すのは女神ではなくヘルメスだったのだとはじめてしりました。ずっと女神と泉の組み合わせだと思ってました。

敵同士
或る二人の敵同士が同じ一つの船に乗って航海をしていましたが、その一人は艫(とも)に、他の一人は舳(へさき)に坐っていました。嵐が起こって、船はやがて沈みそうになりましたので、艫にいた方の男が舵取りに船のどちらの部分が先に水につくことになっているかと尋ねました。舵取りが舳の方だと言いましたので、彼は「それじゃ、死も私にゃ悲しくはない、敵が私の前で死んでいくのが見られようというものだ。」と言いました。この物語は、多くの人々は敵が自分の前で悪い目に遭うのを見さえすれば、自分の損害なんかちっとも気にしない、ということを明らかにしています。
(P99より抜粋。)

>アイソポス
生没年不詳。イソップの名で知られ、ギリシアの寓話集の作者とされる。伝承は、前6世紀にサモスで奴隷であったこと、リュディア王クロイソスの助言者であったこと、最後はデルフォイで殺されたことなどを伝える。
(『角川世界史辞典』P10より抜粋。)


参照サイト
アイソーポス(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%
83%9D%E3%82%B9
アリとキリギリス(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%81%A8%E3%
82%AD%E3%83%AA%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9

関連記事
アトランティスの謎が今解かれる! 魚戸おさむ&東周斎雅楽『イリヤッド 入矢堂見聞録』第15巻(最終巻)
http://xwablog.exblog.jp/7359776/
エウメネスのはじめての戦い。パフラゴニア編完結。岩明均『ヒストリエ』第4巻
http://xwablog.exblog.jp/7280445



デジタル・クワルナフ サイト・トップへ     →web拍手・コメントはこちらへ
[PR]
by xwablog | 2007-08-29 23:55 | 書庫
<< Koei『BLADESTORM... アトランティスの謎が今解かれる... >>