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そういうわけで、江戸東京博物館の「ロシア皇帝の至宝展」の後は、映画を観てきました。
『ブラッド・ダイヤモンド(Blood Diamond)』 (監督/エドワード・ズウィック。脚本/チャールズ・リーヴィット。出演/レオナルド・ディカプリオ。ジャイモン・フンスー。ジェニファー・コネリー。2006年・アメリカ) 「西アフリカ沿岸の小国シエラレオネ共和国は反政府勢力RUFの攻勢にさらされていた。混乱したシエラレオネの情勢は平和なある村に住むソロモン・バンディー(フンスー)の人生をめちゃくちゃにする。彼の村はRUFによって襲撃され、彼は家族と離ればなれになり、連れ去られ、RUFのダイヤモンド採掘所で強制労働をさせられてしまう。しかし、その後政府軍の襲撃によって捕まり、留置所に入れられる。ソロモンは大粒のピンクダイヤモンドを採掘所で見つけて隠したことを、ダイヤの密輸業者アーチャー(ディカプリオ)に知られ、微妙な協力関係を持つこととなってしまうのだが・・・」 ディカプリオ主演の紛争ダイヤモンドの物語。 西アフリカのシエラレオネは、ダイヤモンドが取れるが、輸出は隣国に密輸という形をとっています。RUFという反政府武装勢力は、ダイヤモンドの密輸によって多額の資金を得て、それで武装しています。それを知りながら、ダイヤモンド業界は密輸ダイヤでも使って利益をあげようとしています。そんな紛争の中で、一漁師ソロモンが巻き込まれる数奇な物語です。 143分の長い映画ですが、それをまったく感じさせない引きつけ、充実した内容の作品となっています。 うーむ、興奮したし、面白かったし、考えさせられた。『ロード・オブ・ウォー』や『シリアナ』もテーマを持った作品でしたが、落ち着いた、悪く言うとちょっとメリハリに欠ける『シリアナ』や、シニカルで多少ブラックジョークな『ロード・オブ・ウォー』と比べ、『ブラッドダイヤモンド』は映画というエンターテイメントとして、かなりいいものだったと思います。 ダイヤの密輸で喰ってる元傭兵のアーチャーを演じるレオナルド・ディカプリオが、やっぱかっこいいんですが、なんかすっかり歳をとりましたね。まだ少年のころの印象が強かったですが、もう立派な大人だ。 共演者のジャイモン・フンスー(ハンスゥと書かれてることも)は、どっかで見たことあるなーと思ったら、『グラディエーター』に出演してた人ですね。主人公マキシマスの友人の黒人剣闘士ジュバ役。この人、もともとはベナン共和国出身らしい。ベナンっていうと、日本のテレビに良く出てたゾマホン・ルフィン氏がベナン出身でしたね。 (ついでにベナンのこと調べてて面白かったのは、ベナンと日本の協力政策の中に、「海軍将校の養成」ってのがあったこと。日本の自衛隊が? どんなことやってんだろ~) これ観て、ダイヤ買う気無くす人いるだろうな~。私は宝石の良さをほとんど理解しない人間なんで、これでもダイヤ買う人の気などわかりませんが。 ダイヤ業界の方は少しだけこの映画に危機感を持ってるのか、こんなことも。 ほぼ根絶も…“紛争ダイヤ”映画公開で業界恐々 http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_12/g2006120416.html 「アフリカ各地の地域紛争の資金源となっている「紛争ダイヤモンド」の舞台裏を描く米映画「ブラッド・ダイヤモンド」(原題)が8日、米国で封切られる。ダイヤのイメージ悪化は不買運動を招きかねず、ダイヤ業界は「紛争ダイヤはほぼ根絶された」と悪評払しょくに乗り出した」(ZAKZAKより抜粋。) まあ、この報告がどれだけ正しいのかはわかりませんが。 そういえば、この前、皆川亮二氏が『アダマス(adamas)』って漫画を『イブニング』で描いてましたね。 あれの中でダイヤは一社が独占した方が価格が安定して安くなるって書いてあったけど、それは違うんじゃないのかな~、とか思ってましたが、『ブラッドダイヤモンド』では価格を上げるために独占・買い貯めをするみたい。どうなんでしょ。 (皆川亮二氏関連でもうひとつ。最新の『ウルトラジャンプ』の予告に、次号から『ピースメーカー』っていう西部劇?みたいなのやるようです。まさか集英社の『ウルジャン』で書くとは思いませんでした。まあ、『イブニング』だって講談社だけど・・。今までサンデー作家というイメージだったけど、たぶん最近の短編の連続は、その枠から出ようという流れなんでしょうね。楽しみです) ついでにダイヤのニュース。 大粒イエローダイヤ、2粒9億7000万円で落札 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070520-00000478-reu-ent 「かつてフランス第2帝政の「伝説の売春婦」として知られた女性が所有したイエローダイヤモンド2粒が、17日夜に当地で開かれたオークションで、約800万ドル(約9億7000万円)で競り落とされた。サイズはそれぞれ、82.48カラットと102.54カラット。競売大手のサザビーズが18日に明らかにした。このダイヤモンドは、1870年代にドイツのドネルスマルク伯爵が、愛人で後に妻となった女性に贈ったたもので、「ドネルスマルク・ダイヤモンド」の名で知られる。」(ロイターより抜粋。) この「ドネルスマルク・ダイヤモンド」のこと簡単に調べてみたんですが、どうもネットとかじゃ出てこない。誰が誰に贈ったんだろう? あとついでに次回作。 今度はアルカイダを追跡?=ディカプリオが新作映画で−米 http://www.jiji.com/jc/zc?key=%A5%C0%A5%A4%A5%E4%A5%E2%A5%F3%A5%C9&k=200704/2007041100120 「米芸能紙バラエティーによると、人気俳優レオナルド・ディカプリオが社会派スリラー映画の主演に向け、出演交渉に入った。主演が決まれば、中央情報局(CIA)工作員として、対米テロ阻止のため中東に潜入し、国際テロ組織アルカイダの首謀者を追跡する役回りを演じる。」(時事通信より抜粋。) リドリー・スコット監督「ボディー・オブ・ライズ」が次の作品みたいです。 ところで、「TIA」的な話なら、この本がどてらい。 『世界の危険・紛争地帯体験ガイド』 (ロバート・ヤング・ペルトン。訳/大地舜。講談社。KODANSHA SOPHIA BOOKS。1999年。2500円) 危険地帯を旅する旅行者のためのガイドブック。あったとしても、まったく役に立ちません。 これにはシエラレオネのページもあります。 それによると「シエラレオネは、クーデターや死骸と縁が切れない。主役が替わっても、同じことの繰り返しだ。」という国で、RUFについては「RUFは、定期的に残虐行為を行うことで知られている。犠牲者を食べることは珍しくない。肝臓と心臓が大好物だ。」とあり、また危険な場所としてダイヤモンド鉱山を挙げていて、「ダイヤモンド鉱山は部外者立入禁止とされており、へまな旅行者が足を踏み入れた場合、拘束されて、説教されるだけですめば幸運きわまりない。ダイヤの密輸者に出くわしたら、大急ぎで浅く掘られた墓に眠ることになる。」とのこと。 でも、今じゃ政府が観光誘致するくらいにはなってきてるみたい。 参照サイト ブラッドダイヤモンド公式 http://wwws.warnerbros.co.jp/blooddiamond/ シエラレオネ政府公式 http://www.statehouse-sl.org/ シエラレオネ観光局公式 http://www.visitsierraleone.org/ 関連記事 ファシストらしいファシストの生き残りともいう感じのピノチェト元大統領が死去。20061211 http://xwablog.exblog.jp/10524181 豊島園で君もルワンダ人と握手! 『ホテル・ルワンダ』が上映開始。という記事。060204 http://xwablog.exblog.jp/9232689 →デジタル・クワルナフ サイト・トップへ
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