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ロマノフ朝の通史となっている一冊。土肥恒之『興亡の世界史14 ロシア・ロマノフ王朝の大地』
しまった、元データ消してしまった。

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私、本屋に行くと、買いたい本がありすぎて、何を買うべきか迷い過ぎます。迷い過ぎて目眩に似た感じまでします。

それはともかく。
『興亡の世界史』の最新号はロマノフ王朝の話です。

興亡の世界史14_土肥恒之

『興亡の世界史 14 ロシア・ロマノフ王朝の大地』

(土肥恒之。講談社。2007年。2300円。印刷/大日本印刷。製本/牧製本印刷)

第1章・中世のロシア
キエフ国家と「受洗」、タタールのくびき、モスクワ・ロシアの形成
第2章・ロマノフ王朝の誕生
ゼムスキー・ソボールの時代、教会の分裂、「革命」前夜のロシア
第3章・ピョートル大帝の「革命」
西欧に憑かれた若き皇帝、戦争と「ロシア帝国」の誕生、新都サンクト・ペテルブルク
第4章・女帝の世紀
「宮廷革命」の時代、啓蒙君主エカテリーナ二世、女帝と寵臣ポチョムキン
第5章・ツァーリたちの試練
「リベラリズム」と「ナショナリズム」の間、皇帝とデカブリストたち、専制君主ニコライと「国民性」、ニコライ時代の内政と外交
第6章・近代化のジレンマ
「解放皇帝」アレクサンドル二世、専制とインテリゲンツィア、工業発展の陰で
第7章・拡大する「植民地帝国」
帝政ロシアとカフカース、中央アジアのロシア化、東シベリア・極東の開発
第8章・戦争、革命、そして帝政の最期
ニコライ二世とその家族、日露戦争と1905年革命、第一次大戦と帝政の最期
第9章・王朝なき帝国
レーニンと「十月革命」、独裁者スターリン、フルシチョフからゴルバチョフまで
結びにかえて

土肥恒之氏によるロマノフ王朝の通史。その前後の部分も1章をもうけて説明しているので、初めてロシア史に興味持った人でもかなり流れが分かりやすいかと。
逆に特に目新しい記事は無いです。

ピョートル大帝がよく行ったというモスクワ郊外の外国人村の話を読んでて思ったのですが、基本的に新教徒ばかりですね。ただ単に、重要な通商関係を持っていたのが、バルト海・北海経由の北岸ヨーロッパ地域ばかりだからということかもしれませんが、もしかしたらカトリックに対する警戒があったのかも?

あと、ギリシアからの亡命修道士たちがモスクワの印刷所において重要な役割を果たしたことが書いてありましたね。17世紀の段階でもこうなら、16世紀のイヴァン雷帝時代はもっとかな? ヴェネチアの印刷機が導入された経緯も、たぶんビザンツ繋がりということか。
そういえばひでさんのとこの記事で知りましたが、今、国立西洋美術館にて「チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品による イタリア・ルネサンスの版画 ルネサンス美術を広めたニュー・メディア」という展示がやってます。ロシア出版史とイタリアの印刷技術は繋がりが深いので見に行きたいのですが、行く暇が・・・五月頭くらいまでやってるから、なんとかしないと。
しかし、イタリア版画の展示なのに、スイスがやるというのも面白い。

参照サイト
興亡の世界史(講談社)
http://shop.kodansha.jp/bc/books/koubou/
一橋大学 教員紹介 土肥恒之
http://www.soc.hit-u.ac.jp/faculty/dohi.html
国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/index-j.html
「イタリア・ルネサンスの版画」を見る(Historia
http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/days/2007renaissance-print.html
イタリア・ルネサンス版画展-チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品による-国立西洋美術館(映画と絵画と版画と創作人形と展示館~TMブログ)
http://tm-blog.jugem.jp/?day=20070305


この記事へのコメント

目下読んでる最中です
シリーズの中で始めて普通の通史なのか?!?
・・・と、まだ読み始めたばかりなんで、答えがでるのは今週末くらいの予定
まあ、ロマノフ初心者なんで、それはそれで構わないです(^^;
それにしても、変なコメントやTBが多いですね
こっちにも珍しく幾つもありました。
・・・お前のコメントが一番変という突っ込みはなし(笑
Posted by 武藤 臼 at 2007年03月27日 00:20

>通史
特にどこかに焦点を当ててという感じではありませんでした。一応、『興亡の世界史』のシリーズとしての部分はやってあるかと思います。読みやすいのでロマノフ王朝とその前後の流れを理解するのにはいいかもしれません。

>変なTB
最近は毎日何個かはきますね~。実はかなりの数の「禁止ワード」を登録しまくってるのですが、あんまりやり過ぎて、普通のコメントとかTBが拒否されちゃうようになるのは避けたいですね。(卑猥な言葉だけじゃなく、「起ぎょう」とか「金もうけ」、「配信ちゅう」「ランキンぐ」「興信じょ」とか普通の言葉に近いのも登録してます)だけど、禁止ワードを全部外したら、もっときちゃうだろうし。どこらへんで線引きするか難しいですね。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年03月27日 03:56

>基本的に新教徒ばかり

イワン雷帝の頃、すでに新教徒たちがロシアに亡命してくる話がありませんでしたっけ?西方での宗教戦争のあおりを受けて。

>ロマノフ王朝

この王朝が動乱を経て創始されたこと、その始まりが病的なものであること(「大君」はポーランドで虜囚、ミハイルは精神を病み、全国会議には不穏分子わんさか)は書かれてもいいと思うのですが。
なにせ、一時は本当にスウェーデン領かポーランド領になるところだったのですから・・・肉屋のクジマがいなかったら。(ポジャルスキー公はスウェーデン派)
Posted by 大鴉 at 2007年04月22日 11:25

>すでに新教徒たちがロシアに亡命してくる話
すごい気になりますね。これ、出典がわかるなら教えてください~。

>は書かれてもいいと思うのですが。
まあ、かなりはじめの段階の部分を比較的多く書いてくれただけでも良かったので、それ以上はさらに突っ込んだ本を出すという形にしてならどうでしょう。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年04月23日 02:43

はじめまして。

私もこの本を読んでいる最中です。土肥恒之さんは近世社会史ばかりでなくこんな本も書かれたのですね。

いきなりあつかましいこと限りないのですが、お伺いしたいことがあります。
ロシアの東方拡大(シベリア先住民史)に興味があるのですが、加藤九祚『シベリアの歴史』、ジェームス・フォーシス『シベリア先住民の歴史―ロシアの北方アジア植民地 1581‐1990』、あとは『毛皮と人間の歴史』以外に何かご存知ありませんか?
Posted by かがみ at 2007年05月03日 20:39

>かがみ さん
はじめまして~。
シベリア史に興味がおありとのこと。日本ではあまりにも資料がなくて辛いところですが、頑張ってください。
他のシベリア史本となると、『帝政末期シベリアの農民共同体』という本があるみたいですが、読んだことありません。
『世界各国史 ロシア史』や『世界歴史大系 ロシア史』などに概略が載ってはいますが、詳細となると厳しいかもしれません。あと『北アジア史』や『ロシアとアジア草原』あたりが参考にはなるかもしれませんが、やはり詳しくはないです。
ここらへんのことは、私などよりも、蒸しパンさんという詳しい人がいらっしゃいます。北ユーラシア史という悪路をひた走るあの人ならば、洋書も含めていろいろアドバイスできるかも。
自分のサイトとブログも持ってる方ですので、「貂主の国」で検索してみてください。ウチのサイトでは相互リンクもしてます。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年05月03日 21:58

あ、あと、最近出た『ロシア帝国民族統合史の研究』というの忘れてました。これ、バシキール人のことについてとかなので、ちょっと違うかもしれませんが、良さそうですよ。
http://www.hup.gr.jp/details/ISBN4-8329-6611-1.htm
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年05月04日 00:57

おーっ! ありがとうございます~。
洋書、洋書ですか…。まだ入口に立って呆然としている段階なので、そこまでがっつりいけるか不安ですが…。
いろいろ探してみます。「貂主の国」、伺ってきました。
『ウイグル無頼』に衝撃を受けました(笑)
まだジェームス・フォーシスで苦闘している最中なので、蒸しパンさんにご教示を受けるのは先になりそうではあります…
ところで『興亡の世界史 14 ロシア・ロマノフ王朝の大地』は、大変読みやすい文章でわかりやすくていいですね。他の概説書でとっちらかった頭を、すっきり整理してくれました。
Posted by かがみ at 2007年05月06日 17:17

>洋書
まずは基本になりそうな日本語の本を読んでからですね。ぜひともがっつり行ってください。

>ウイグル無頼
うちでも扱ったネタですが、その放縦なストーリーに驚きますよ。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年05月06日 22:18


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