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トヴェーリVSモスクワ。中世ロシア内紛史。三浦清美『ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ』
トヴェーリVSモスクワ。中世ロシアの内紛史。三浦清美『ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ』


やべー、『墨攻』の映画、いつの間にか上映終わってる~。またこのパターンか・・・。去年からこんなんばっかりだ。
よし、次は『ラストキング・オブ・スコットランド』にしよう。

それはともかく。
実は読んでなかったことに気づいたので、この前、蒸しパンさんと一緒にブックファースト入った時に買って、さっそく読みました。

ロシアの源流_三浦清美

『ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ』

(三浦清美。講談社。講談社選書メチエ。2003年。1600円。装幀/山岸義明。印刷/慶昌堂印刷。製本/大口製本印刷)
序章・宗教国家としてのロシア
第1章・「ロシア」と「ルーシ」(1.ルーシとロシア、2.東の敵と西の敵と、3.正教会文化圏)
第2章・トヴェーリ公ミハイルの野望(1.トヴェーリ・ノヴゴロド・モスクワ、2.帝王ミハイルの悲劇)
第3章・モスクワ公イワン・カリターの秘策(1.トヴェーリ炎上、2.モスクワ公イワンの秘策、3.トヴェーリvs.モスクワ抗争の意義)
第4章・最後の異教国家リトアニア(1.異教国家リトアニア、2.ルーシの第二府主教座、3.荒野修道院による国土創出)
第5章・府主教座争奪戦争(1.モスクワとリトアニアの激突、2.ビザンツ帝国の介入)
第6章・中世共和政都市の栄光と苦悩(1.ノヴゴロドとプスコフ、2.モスクワとリトアニアのはざまで、3.モスクワ大公家の御家騒動)
第7章・モスクワは第三のローマである(1.アウトクラトール誕生、2.ノヴゴロド併合、3.帝国化するロシア)

『白樺の手紙を送りました』や『ヨーロッパ異端の源流』の訳者でもある三浦清美(みうらきよはる)氏が書いた中世ロシア史本。
内容は中世ロシアの内部抗争を描いた、といった感じでしょうか。国内での勢力争いによって統一が進み、ロシアという国家の理念も形成されていった経緯を紹介してますが、今までここらへんを中心に書かれたことが無いのでありがたい。前半がトヴェーリ(トヴェリ、トベーリ)とモスクワの争い、後半がノヴゴロド・プスコフとモスクワの争いを中心に書かれています。特にリトアニアとの関係にも重点が置かれていて、知らなかった話とかがバンバン出てくるのが嬉しかったです。
かなり自由に思い切り書いた感じもしますが、とても楽しめた本です。

三浦清美氏(現在、電気通信大学で教えてらっしゃるみたいですね)が「『キエフ洞窟(ペチェルスキイ)修道院聖者列伝』解題と抄訳」というのを書いたとの情報を得た時にこの『ロシアの源流』が出ていたことを気づいたのですが、三年も放置してた・・・。まずったなぁ・・・。翻訳の方は、PDFで読めます。これがまた面白い。

PDF「『キエフ洞窟(ペチェルスキイ)修道院聖者列伝』解題と抄訳」
http://www.lib.uec.ac.jp/limedio/dlam/M330089/13.pdf


『スラヴ研究』に掲載された『キエフ・ペチェルスキー修道院聖者列伝における物語の比較研究III : 物語作者ポリカルプ』というののPDFも見つけました。
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/5214


講談社選書メチエといえば、『信長とは何か』が面白いらしい。しかし、今日、ジュンク堂に行ったら置いてなかった。あそこ、意外とメチエのシリーズは揃ってないです。各社の選書・新書が多すぎるのか・・・
あと、どうでもいいことですが、講談社選書メチエのシリーズは、タイトルが「~とは何か」というのが多い気がします。


参照サイト
北海道大学スラヴ研究センター
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/
講談社選書メチエ
http://shop.kodansha.jp/bc/books/metier/

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この記事へのコメント

Ки.скаです。ごめんくださいませ。

>「墨攻」の映画、いつの間にか上映終わってる~。
空いた時間にどんどん行くようにするか、休日にまとめてこなさないと、見逃すことになってしまうのですよね。
私は「2月いっぱい有効」という500円のチケットを金券屋さんで見つけて、その翌日ここぞとばかりに7:00の回に滑り込み、観てきました。久しぶりにニッキー(子団役のウー・チーロン)を観ることができて嬉しかったです。

16日で終了した映画館が多いようですが、渋谷のQ-AXに限り23日まで上映しています。ユーロスペース、シネマヴェーラと同じビルです。
なんとかご覧になれるといいですね。
Posted by Кис.ка at 2007年03月18日 09:18

>空いた時間にどんどん行く
そうしたいけど休日は人がいっぱいで行くのが大変で。でもだからといって、毎回毎回レイトショー狙いというのも無理があって・・・
やっぱり映画に行くのには勢いが必要ですね~
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年03月18日 23:35

そういや、これのP33の真ん中あたり、「バトゥイ」は「バトゥ」の誤植?
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年05月23日 02:52

誤植ではなく、その人の名前はБатыйとつづるので、モンゴルの歴史を知らない人が綴りに忠実にカタカナにするとそうなります。
Posted by 雪豹 at 2007年05月23日 05:48

>Батый
なるほど~。
同じページの他のところに「バトゥ」と書いてあったので、別の人の可能性もあるかもとか思ってました。まあ、単純なミスでしょう。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年05月23日 11:55

あれまー校正漏れとかですかね?

人名が変なのは良くありますよね。
このあいだの「ロマノフ王朝と近代日本」展でも、サンクトペテルブルグで発行された日本事情の本の作者が「F.ジボルト」となっててがくっとしたもんです。
(↑普通日本では「シーボルト」と書かれる人物ですね)
Posted by 雪豹 at 2007年05月23日 22:00

>人名が変なのは良くありますよね。
あと地名の場合も多いですね。
まあ、こういうのは、翻訳する人がその分野の専門家ということはめったにないですから、しょうがないのかもしれません。
ただ、ちょっと調べてもらえば、というレベルの間違いがあるので、そういうのは、もうちょっと気をつけてほしいですね。
Posted by 管理人・馬頭 at 2007年05月24日 11:19
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