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本日、11月8日は1620年にビーラーホラの戦いがあった日です。
せっかくなので、それに関連した本でも紹介します。 『運命の迷路』 先月、『運命の迷路』という題名のドイツ語の本を買いました。まあ、残念ながらドイツ語なんてまったく読めないのですが、図版が多くて最高です。 ちょっと変則的な作りになっていて、2冊の本が合体してるような形になってます。右側が図版、左側がその解説、といった感じ。 どんな本なのかと言うと、どうやら1618年から1620年までのボヘミア(チェコ)における騒乱に関する、当時の記事を集めたもののようです。新聞やパンフレットみたいのが約120枚ほど収められています。 つまり、三十年戦争の初期段階「ボヘミア戦争」におけるボヘミアの当時の様子が感じられる貴重な史料というわけです。 この本は、1966年にプラハにある「ARTIA」という出版社から出されました。ですから、本当はチェコ語版もあるのかもしれませんが、とりあえずこれはドイツ語版です。 これは1619年の神聖ローマ皇帝フェルディナント2世の即位についての記事。彼は皇帝になる前、1617年にボヘミア王となっていて、ボヘミアでのプロテスタントに対する弾圧をはじめます。 これはフリードリヒ5世。ファルツ選帝侯だった彼は1619年に招かれてボヘミア王となり、ハプスブルク家に対抗しようとしました。 これはフリードリヒ5世とその家族。妻エリザベートと3人の息子ハインリヒ、カール、ルプレヒト(ルーパート)と、3人の娘エリザベート、モーリッツ、マリア。 これがボヘミア戦争の勝敗を決したビーラーホラの戦い(ドイツ名ヴァイセンベルクの戦い)の記事の挿し絵。4分割されていて、戦いの経緯か場所ごとの状況が描かれているものと思われます。ほんと、ドイツ語読めないのが惜しい。 名将ティリー率いる神聖ローマ帝国とスペイン軍の連合軍は、新教貴族の軍隊を撃破。敗北したフリードリヒ5世はチェコから逃走してしまいます。たったひと冬しか王位になかったことから、彼は「冬王」と呼ばれることになります。 1621年に敗北したチェコの新教派貴族たち27人(26人?)が、処刑されたことについての記事。 斬首刑や絞首刑、腹を裂かれたり、腕を切られたり、舌をやられたり、首を城門の上にさらされたりしています。 ちなみに、解説の方にも図版がついていて、当時の重要人物の肖像画が並んでいます。 いやー、凄い本を手に入れてしまいました。読めないけど、むちゃくちゃ面白いです。ホントならこれ一冊の紹介だけでひとつサイトが作れますね。 デジタルクワルナフ内の三十年戦争関連の記事がまったく停滞してしまっていますが、これを紹介できればな~。ああ、時間が足りない・・・。 しかし、この本、売ってくれた本屋さんの説明だと、「状態良好です。(特に目立つ欠点などはありません。)」ってあったんですが・・・・・・・・これ! 凄く臭い! いや、凄いんですよ。古本の臭いってのがありますが、そんな可愛らしいものではありません。自分がはじめに似てると思った臭いは、浮浪者の臭いです。あのツーンとした臭いに似てます。真面目な話、普通に読んでるだけでも辛いです。良く見るために顔を近づける時は鼻をつままないといけないくらいですよ。 これを「目立つ欠点」といわずして何というのか。この本を送る時に、臭いに気付かなかったとは思われないので、「目立つ」の意味を「見て分かる」だと、わざと狭義に解して書いたんじゃないかと疑いたくなります。 確かに自分の部屋は古本臭いらしいのですが(実は自分では気付けなかった)、それにしたってこれは酷い。どうやって保管しようか迷います。(しかも読んでると、なんか体が痒くなってくるような感じが・・・) ちなみに2ch記事の「何故古本は臭いのか?」を読んでみたら、臭いはカビの臭いらしい。 「本の臭いのは基本的にカビ。 酸性紙を使ってる本は臭くなりやすい。 これから梅雨に入るから、湿気には気を付けろ。」 「外国の古本は革装が多いから、 向こうの古本屋はマジで臭いらしいよ。 本当に悪臭で、文字通り、死体の匂いだって。 鹿島茂かなんかが書いてた。」 洋書だけど、革装丁じゃないから、やっぱりカビか。 「宗教系の本を買ったら、線香の匂いが染み付いてて、 不気味だった。木炭を置いてたら匂いが消えたけど。」 木炭で臭いが消せるのか・・・。 参照サイト デジタル・クワルナフ http://www.toride.com/~digxwa/ 石川達夫のホームページ http://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/staff/ti/WWW/index.html 番外編 お墓 チェコ プラハ ビーラーホラの戦い(100倍楽しむ海外旅行) http://blog.goo.ne.jp/fool1934725/e/021ca7e42097fe2fdeecaa6dcae87f23 チェコ旅行記 http://t-hashi.kidd.ne.jp/czech200506/200506181/200506181.htm 関連記事 人類で二番目に古い職業の栄枯盛衰。菊池良生『傭兵の二千年史』 http://xwablog.exblog.jp/10190877 チェコ史スロヴァキア史を判り易く解説。中世史に偏り気味で良い。薩摩秀登『図説チェコとスロヴァキア』 http://xwablog.exblog.jp/7976451 ------------------------------------- Mirjam Bohatcova 『irrgarten der schicksale』、1966年、ARTIA(プラハ)。 状態良好です。(特に目立つ欠点などはありません。) タイトルの邦訳は『運命の迷路』。活版印刷で残された、中世の貴族の生活を知る資料を豊富に収録しています。ドイツ語版です。
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| 2006-11-08 02:03
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