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時代劇や漫画小説がどれだけ実像と違うか解ると吃驚します。東郷隆&上田信『絵解き 戦国武士の合戦心得』
絵解き 戦国武士の合戦心得_東郷隆&上田信

『絵解き 戦国武士の合戦心得』

(東郷隆&上田信。講談社。講談社文庫。2004年。495円。217ページ)
第一章 日本刀
第二章 合戦
第三章 槍と弓
第四章 大砲と火縄銃
第五章 戦場での目印・音
第六章 首実検と切腹
第七章 女武者と船戦さ
あとがき

2001年に出た『歴史図解 戦国合戦マニュアル』の新装版です。作者は『大砲松』で吉川英治文学新人賞をとった小説家・ライターの東郷隆(とうごうりゅう)。
この本、前に奥野さんに教えてもらってからずっと読みたかったんですが、なかなか売ってないなー、と思ってましたら、実はレーベルが「講談社α文庫」(の緑背表紙の歴史ジャンル)じゃなく、普通の「講談社文庫」の方だったと今日判明。『アレクサンドロス変相』も見てみたいと思ってたので、体調悪いのにジュンク堂に行ってきました。足をフラフラさせながら歴史コーナーを見てると、新刊で『「聖なるロシア」のイスラーム』と『バルト海の中世』とかの本を見つけてしまいまして、ちょっと悩んだものの買ってしまいました。・・・熱があったからなのだと思いたい・・・
で、結局そっちに眼をとられて肝心の『アレクサンドロス変相』を見忘れたり。

この『絵解き 戦国武士の合戦心得』は、戦国時代とそのちょっと前あたりの日本での戦争で、武士たち、一般の兵士たちが、どのように戦ったのかを図解付きで解説したものです。漫画やら小説やら時代劇やらでみられるような言動・出来事がいかにテキトーなものであるかよくわかります。いや、漫画なんかではまさに漫画的表現で鎧ごと真っ二つとかがありますが(『花の慶次』とか)、あれは強さの表現であって、実際には刀で鎧とかは切れないのですが、実際に切れるもんだと思ってる人もいるようで、東郷氏が漫画原作者とかからそうした質問を受けて辟易してるようです。
この本の中では史料からの情報などを紹介しつつ、現実にはこんな感じだったんだよ、というのを刀・槍・弓、といったモノごとに分けて解説していきます。そして戦いの最中のみならず、その前後における作法なども紹介しています。
たくさんの挿絵が入っていますが、イラスト担当は『コンバットバイブル』などの上田信氏。

どの話も眼から鱗の話ばかりでしたし、『センゴク』を読んだばかりだったので、この描写あったなぁとか、この本を参考にしたんじゃないかと思うようなこともたくさん書いてありました。
例えば、武士が甲冑姿で戦う時の一番いいスタイルだという介者兵法とか、槍を使う時は上からバシバシ叩くとか。
あと、ヘー、と思ったのが、馬につける防具の話とか、槍で突く時は、体ごとじゃなく、手許で扱く形で突きをガシガシ入れるとか、盾が広く使われたとか。今言う「手だてが無い」という言葉が「手楯が無い」から来ているという話は驚きました(本当なのか?)。敵兵と距離を取りたい弱兵の国ほど槍が長い、という話もなるほどーとか思いました。だから織田が長いと!
各種の火砲、後装式と前装式、ロケットみたいな兵器のどれもが同時期に出たというのも面白い話でした。ここらへん詳しく知りたいですね。
そういや、馬の顔につける防具「馬面(ばめん)」の話のところで、越前・豊原の甲冑師の工人で「馬面派」という人たちが大坂の陣でこれを巧みにつくって「馬面」という姓を許されるというのがありましたが、調べてみたら、本当に馬面という苗字の方がいるんですね。17世帯っていうから、全部で50人程度かな?

ちなみにこれの第二弾である『絵解き 雑兵足軽たちの戦い』というのも出てました。


参照サイト
講談社文庫
http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/
東郷隆(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E9%83%B7%E9%9A%86

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%BE
全国の苗字
http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html

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by xwablog | 2009-03-15 23:55 | 書庫
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