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「ヤングアニマル」で連載中の「セスタス」ですが、今回で第一部完となって、二部はシチリアでの拳闘大会としてはじまるみたいです。六月から。十年以上かけて第一部ってことは、二部もあと十年はかかるのか・・・。まあ、取材とかで時間かかるらしいので、しょうがないか。
いままで引っ張った伏線とかそろそろ出てきそうで楽しみですね。 それはともかく。 『センゴク 天正記』第1巻 (宮下英樹。講談社。ヤンマガKC。2008年。533円。) 「天正二年(1574年)、羽柴秀吉軍の武将に、そして千石取りの領地持ちになったものの、ひとりで各地を行き来して仕えるような非常に多忙な日々を過ごしていたセンゴクこと仙石秀久。彼は調略した鉄砲打ちの国友藤太郎の新作種子島を、岐阜の信長のもとに届けるよう秀吉に言われる。しかし、センゴクがそこで半年振りに見た信長は、さらなる威厳と狂気を宿すようになった恐るべき存在だった。本願寺と武田という織田家の二大敵との決戦が迫ろうという中、センゴクは自ら間諜となり伊勢長島へと潜入するのだが・・・」 戦国大名・仙石秀久を主人公にした漫画『センゴク』の第二部、『センゴク 天正記』がはじまります。 元々の仙石領に加え、近江南部に野洲という千石もの所領を与えられ、ひとかどの領主となったセンゴクですが、そうなっても供の者も連れずにひとりで各地を行ったりきたりで多忙な日々を送っています。まあ、その方が彼らしいっちゃあ彼らしいのですが。 伊勢長島に一向宗を囲む羽柴秀長の陣に行ったとおもったら、野洲の領地に戻り、さらに越前で一向宗の軍勢と対峙する秀吉のもとへと向かったりします。けど、そんな彼がついた陣地は実は秀吉軍じゃなく、一向宗の方だったと途中で気づくようなマヌケをしたりも。 秀吉子飼いの武将としていろいろ働かされるセンゴクですが、秀吉が調略した国友藤太郎という鉄砲名人の新作火縄銃・国友筒を信長に届ける仕事を命じられます。しかし、半年前に会った時よりも、さらに恐ろしい雰囲気を持つようになった信長に、センゴクは恐怖するとともに、秀吉がずっとこれを感じながら働いてたと知って、自分も頑張ろうと決意します。何が戦国武将として大事なのかを頭ではなく本能で理解していくセンゴクです。 そんな彼は、領地持ちでありながら、なんと間諜として長島の一向宗陣地に潜入し、その様子を調べるなんてこともしてしまいます。フットワークが軽いったって、これはナイだろ? とかって感じですが、どうもこの手の仕事はセンゴクには向いているようです。(彼はのちにも九州に3年も商人として潜伏したことがあるとか) そんな彼がある時知り合うことになるのは、顔の右反面があばた面となった男・野々村正成。彼は織田家の中でも随一の鉄砲打ちである武将です。 さらにはセンゴクの家臣として、素性不明の鉄砲打ち・粗葉粕太郎(そばかすたろう)という元盗人が入ります。 このように、作中でも鉄砲に関する話が増えてきます。鉄砲による軍事的革命が起ころうという時代の話としても作られているわけです。 『センゴク 天正記』第2巻 (宮下英樹。講談社。ヤンマガKC。2008年。533円。) 武田の侵攻で盟友・徳川家の離反の可能性もある中、これをなんとか留めることに成功した信長は、伊勢長島の一向宗を殲滅することを決意します。信長の悪名を高めることになる長島攻略戦における「根切り」、つまり皆殺しです。 センゴクの働きを知ってる野々村が信長に進言したおかげで、長島攻めの中央先陣をまかされた羽柴秀長。もちろん彼の下でセンゴクも自分の家臣たちを連れて奮闘します。センゴクは自分の家臣に一族から人を集めてましたが、粗葉粕太郎という男も家臣として加えていました。そして彼らにとって、これが実質的な初戦闘となります(三河救援の時は戦いにならなかった)。 それは新しい時代の戦いの誕生ともいうべきもので、長島の一向宗門徒二万を皆殺しにする殲滅戦となるのです。 それにしても長島との戦いは織田一族にえらい死人が出てますね。信広、秀成、信昌、信次、信興、信直、信成の七人も。 (そういや、原哲夫&隆慶一郎の『影武者徳川家康』で二郎三郎が織田一族をバシバシ殺してましたね。懐かしい。久々に読みたいです) 『センゴク 天正記』第3巻 (宮下英樹。講談社。ヤンマガKC。2008年。533円。) 武田信玄亡き後、武田勝頼を新たなる「シンゲン」として覚醒させた武田の宿将たちは、またしても徳川を攻め、信長もついに大部隊を率いて三河・長篠へと向かいます。 そうです。とうとう長篠の合戦というわけですよ。戦国大名としてさらなるレベルアップを果たした徳川家康、織田家の旧臣たちを追い抜こうと決意した羽柴秀吉、狂気を宿すほどの決意で勝利を掴もうとする信長が、戦国最強の武田軍団に立ち向かいます。 『センゴク 天正記』第4巻 (宮下英樹。講談社。ヤンマガKC。2009年。533円。) この4巻がこの前出た最新巻です。 長篠に布陣した信長軍。その前へと出て来た武田軍は、ついに激突することになります。 センゴクは戦場の左翼で佐久間隊と野々村隊の間あたりにいますが、目の前はなんとあの真田家の部隊です。奮迅するも新興のセンゴクの部隊はたまらずやられてしまい、真田隊は本陣の信長目指し突き進んでいきます。しかし、これはすべて信長の狙った通りのことで、ついに新戦法が炸裂するのでした。明智光秀の「殺し間」という十字砲火を越える、圧倒的火力による包囲殲滅戦です。次々と倒れる武田軍兵士たち。そして武田の名将たちも次々と戦死していきます。そんな中、武田勝頼も自らの突撃を宣言するのですが・・・ いやはや、相変わらず新視点での描写がおもしろくてたまりません。 そういえば、『長篠の合戦の世界史』という本が欲しいんですが、売り切れで今は中古で値上がりしてしまっているようですね。図書館で借りるか・・・ ちなみに、昨日書いた記事で間違いがあったので訂正しときました。斎藤龍興と浅井長政は従兄弟同士です。 参照サイト センゴク ヤンマガ http://www.yanmaga.kodansha.co.jp/ym/rensai/ym/sengoku/sengoku.html 長島一向一揆(wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B3%B6%E4%B8%80%E5%90%91%E4%B8%80%E6%8F%86 長篠の戦い(wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E7%AF%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84 火縄銃(wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E7%B8%84%E9%8A%83 関連記事 互いの動きを操り合う姉川の戦いという緊迫した戦場ドラマ。宮下英樹『センゴク』第4巻と5巻 http://xwablog.exblog.jp/10286889 全滅必至の金ヶ崎の退き口の絶望的状況の中で・・・。宮下英樹『センゴク』第3巻 http://xwablog.exblog.jp/10210619 大包囲網の要地たる比叡山を落とす! 宮下英樹『センゴク』6巻から8巻。比叡山焼き討ち編 http://xwablog.exblog.jp/10463526/ 三方ヶ原の合戦編と一乗谷炎上編。宮下英樹『センゴク』9巻から12巻まで http://xwablog.exblog.jp/10470005/ 越前から取って返した羽柴隊が浅井を攻める。小谷城虎口攻め編。宮下英樹『センゴク』13巻から15巻まで http://xwablog.exblog.jp/10496826/
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| 2009-03-13 23:59
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