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1600年に行われたパッペンハイマー裁判の詳細。ミヒャエル・クンツェ『火刑台への道』
仕事中、眠たさをごまかすために飴を舐めたりするのですが、それが続きすぎて一日に一袋くらい食べちゃうことがあります。これはよくないなぁ。ちなみに最近気に入っている飴は『塩キャラメル』というやつ。フランスのロレーヌの岩塩を使用。

それはともかく。昨日につづき処刑人繋がりで。

火刑台への道_ミヒャエル・クンツェ

『火刑台への道』

(ミヒャエル・クンツェ。訳/鍋谷由有子。白水社。1993年。2800円。315ページ)

第一章 塔
第二章 街道
第三章 高き所
第四章 谷間
第五章 奈落
第六章 水車小屋
第七章 魔女の集会
第八章 拷問部屋
第九章 処刑場
あとがき
原註

1600年にバイエルン公国の首都ミュンヘンで処刑された放浪者一家の処刑までの顛末を、史料や当時の社会状況を紹介しながら解説する一冊。原題は1982年にドイツで出された「Strasse ins Feuer. Vom Leben und Sterben in der Zeit des Hexenwahns」
当時の裁判で容疑者がどのようにして取り調べられ、拷問され、罪が決定していくか、そしてどのようにして処刑されるのかが細かく書かれていて、この悲惨で不幸なミヒャエル・パッペンハイマーの一家が子供も含めてどんな目にあったかが400年たった今でもよくわかります。この事件は当時有名で「パッペンハイマー裁判」として知られているようです。
当局にとって迷惑な存在であった放浪者たちに対する見せしめという意味もこめて、「魔女」の一家ということで彼らに罪を拷問で「自白」させ、見せ物のように処刑します。そう。処刑というものが当時のエンターテイメントだったのがよくわかります。
処刑される方のことも詳しいですが、する側の方についても詳しく書いてあります。処刑人というものがどういうものかもよく解ります。
あと処刑した側のトップは、もちろんバイエルン大公ですが、当時のバイエルン大公は、あのマクシミリアン1世・偉大公です。強力な君主で、敬虔かつ狂信的なカトリック教徒で、連盟(リーガ)側の指導者で、三十年戦争では家臣のティリー伯とともに重要な役割を見せていたあの人。当時はまだ若く、27歳前後だったようです。

ところで、著者のミヒャエル・クンツェ氏は、本来は作詞家・脚本家としての活動がメインで、グラミー賞までとってます。宝塚で何度も上演されている『エリザベート』はこの人の作品。
けど、この人、昔は法律を学んでて博士号まで持ってます。だから、この裁判をとりあげた本について書けたのですね。

ともかく、これも非常に面白い本で、私の「お薦め歴史本10冊」の中に入る良作です。

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ところで、ロシア正教会の次の総主教が決まったようです。
ロシア正教会、第16代総主教にキリル府主教を選出(朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0128/TKY200901280271.html?ref=rss
モスクワおよび全ルーシの総主教には、やはり総主教代理をつとめたスモレンスク・カリーニングラードのキリル府主教がなることが決定しました。就任式は2月1日。


参照サイト
白水社
http://www.hakusuisha.co.jp/
マクシミリアン1世 (バイエルン選帝侯)(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B31%E4%B8%96_(%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%B3%E9%81%B8%E5%B8%9D%E4%BE%AF)
ミヒャエル・クンツェ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%92%E3%83%A3%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A7
ミヒャエル・クンツェ公式
http://www.storyarchitekt.com/
宝塚大劇場 エリザベート
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/07/snow_takarazuka_elisabeth/index.html

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多数派でない者は枠からはずれ、人の感情を害する。白水社『中世のアウトサイダーたち』
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近世ドイツを生きる人びとの世界。P・ラーンシュタイン『バロックの生活 1640年~1740年の証言と報告』
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by xwablog | 2009-01-30 10:34 | 書庫
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