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今日はせっかく洗濯機で洗ったものを、さらに乾燥させようとして、間違ってもう一度洗ってしまいました。夜までに乾かせなかったので、仕方なくストーブで暖めてます。
それはともかく。 『ALATRISTE(アラトリステ)』 (スペイン映画。原作・アルトゥーロ・ペレス・レベルテ。2006年。138分。出演・ヴィゴ・モーテンセン、ウナクス・ウガルデ、アリアドナ・ヒル。) 「ヨーロッパ各地の戦場で戦った経験のある剣客ディエゴ・アラトリステ。彼はスペインの首都マドリッドでこの街に来るとある英国人を襲撃するよう仕事を引き受けたが、何か不審に思うところがありこれを助けてしまう。このことが彼を窮地に追い込むことになるのだが・・・」 スペインのベストセラー小説『アラトリステ』の映画化作品。土曜は仕事でしたが、この前この映画をやっと観に行くことができました。今の所東京では有楽町のシネシャンテでしかやってないんですよね。 映画の方は17世紀スペインの拳銃稼業ならぬ傭兵稼業って感じのハードボイルドでして、強くてかっこいいんだけどママならない生き様のひとりの男の姿が、とにかくかっこ良く渋かったです。時代とか舞台とかが私の大好きな部分でしたし、話も面白いし、とりあえずDVD購入決定です。 フランドルで新教徒軍の要塞を奇襲するシーンからはじまって、マドリッドでの生活と仕事、ライバル剣客との出会い、ブレダ攻囲戦への参加、秘密裏の作戦、さらに恋の問題、養育した従者の問題、そして最後はなんとロクロワの戦いですよ。ブレダ開城の有名なシーンは知ってましたが、ロクロワまで引っ張るとはね。(作中のある段階で一気に10年とか経つので) 基本的にアラトリステとかは剣での戦いがメインですが、マスケット銃兵とかパイク兵(正確にはコルスレットか?)とかで戦うシーンも見れます。てか、もう少し人多く出してテルシオをしっかりやって欲しかったな〜。でも、フランスのピストル騎兵部隊とか、パイク兵同士の戦いとかいいもの見せてもらいましたよ。 剣劇の部分もかなり良かったです。レイピア右手にマンゴーシュ左手に、スペイン的なチャンバラのかっこよさがありました。ポーズひとつとってもかっこええです。『三銃士』とか好きな人だったらこれはイイと思いますよ。 しかし、この映画、スペインでは2006年に公開したんですね。来るの遅いですよ。主役が馳夫さんことヴィゴ・モーテンセンなのに。 とりあえず、原作は3巻がブレダでの戦いを描いた作品らしいので、ここだけでも読むつもりです。 『繁栄と衰退と オランダ史』 (岡崎久彦。文藝春秋。文春文庫。1999年。347ページ) 舞台背景として、衰退してってる帝国としてのスペインがあって、三十年戦争もやってれば、フランスとの対立も激しくなるという中、新教徒のオランダを含むフランドル地方はスペインから独立しようと抵抗します(八十年戦争)。ブレダはフランドルの重要拠点なわけでして、これをスピノラ将軍が陥落させることのになります。その時の情景を描いた絵が、ベラスケスの名画『ブレダの開城』です。(開城は1625年だったかな? まあ、その後30年代あたりにまた奪い返されちゃうんですがね。) ブレダ包囲の戦いのシーンは短いんですが(小説では3巻がまるまるこれらしい)、坑道シーンとか塹壕戦とかイイのがありますよ。傭兵が上官に向かって文句を言うシーンがあるんですが、傭兵が「給料が何ヶ月も払われてない」と言うと、上官に「スペイン兵は働きを見せてから金を求めろ。ドイツ兵じゃあるまいし」みたいなこと言われてしまうとことか凄いツボでした。たぶんね、映画館内で一番ニヤニヤしてたの私ですよ。 『黄昏のスペイン帝国 オリバーレスとリシュリュー』 (色摩力夫。中央公論社。1996年。2400円。367ページ) 「アラトリステ」の作中に重要人物としてオリバーレス伯爵が登場しますが、なんかイメージに近い感じで非常に美味しかった。フェリペ4世もいやらしくてイイです。 原作のアルトゥーロ・ペレス・レベルテって、『フランドルの呪画』を書いた人だったのか。 映画観に行く時、映画館の場所をちゃんとチェックしないで行ったので、探すのに手間取って、はじめの映画予告とか全部見れなかったです。でも、『戦場のレクイエム』と『ディファイアンス』は少し見れた。『ディファイアンス』はナチス占領時のポーランドが舞台ですね。 参照サイト アラトリステ公式 http://www.alatriste.jp/ シャンテシネ スケジュール http://www.tohotheater.jp/theater/041/index.html 株式会社 イン・ロック http://www.inrock.co.jp/ 関連記事 ドラムマガジンで撃つのとかマスケット銃とかyoutubeの動画。あと、『Matchlock Musketeer』Warrior 43 http://xwablog.exblog.jp/10127813 ドン・ペドロの活躍がまだまだ見れた! 青池保子『アルカサル -王城- 外伝』第1巻 http://xwablog.exblog.jp/10046983 世界に拡大していく時代のヨーロッパ史を概説。前川貞次郎『絶対王政の時代 新西洋史5』 http://xwablog.exblog.jp/9355080
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| 2009-01-10 00:41
| 史劇
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