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コシチューシコがポーランド人に独立の道を示した著作。コシチューシュコ『民族解放と国家再建によせて』
最近、帰宅時に近場の道路の角の同じ場所に、猫がチョコーンと座ってるのを見かけます。しかもなぜか毎回同じ猫というわけではなく、違う猫がいる場合も。別に何があるってわけじゃない道の隅にいて、ただ座ってるだけというのがなんか不思議です。それもいろんな猫が同じように。猫にしかわからない利点があるのでしょうか。

それはともかく。ポーランドもので、これなどどうでしょう。

『民族解放と国家再建によせて』コシチューシュコ

『民族解放と国家再建によせて』

(コシチューシュコ。訳/中山昭吉。未来社。社会科学ゼミナール53。1972年。480円。146ページ)
1 ポーランド人は独立のために戦うことができるか
はじめに
政治上の独立を妨げているポーランド人の誤り
ポーランド国民は蜂起の手段をもっているか、あるとすればどんなものか?
ポーランド人の道義心について
ポーランドの国富について
むすび
原註
2 旧ワルシャワ公国における農民身分の改善に関する指針
訳註
解説
訳者あとがき


「ポーランド人よ! お前は、このヨーロッパで不運にも自分が耐えしのんでいる苦痛は、明らかに、告訴に値するものであるとみなしているはずである。」(冒頭より抜粋)

タデウシュ・コシチューシコ(1746年〜1817年生没)は18世紀から19世紀にかけて活躍したポーランドの軍人で、対露戦争や、独立のための蜂起など、ポーランドのために戦ったことで知られている人です。また、アメリカ独立戦争にもワシントンの副官として参加しています。彼はリトアニア領の小貴族の出身で、ワルシャワの騎兵学校、パリ留学など、いろいろな所へ行っていますが、最後はスイスで死去したそうです。
彼が記したこの本は、ポーランドは独立できるんだ!、と訴えかける内容のもので、彼がロシアから解放された後おもに住んだ亡命先のパリで1800年に出版され(初版はたったの300部だそうです)、その後何度も再版を繰返すことになります。
なかなか熱い内容ですし、独立の必要性だけじゃなく、方法論や戦いの仕方まで語ってます。アメリカで学んだのか、ゲリラ戦とかについての話とかも載ってたりして面白いですよ。
訳者はポーランドものをいくつか訳したり書いたりしてる中山昭吉氏。ポーランド近代史が専門みたいですね。


参照サイト
未来社
http://www.miraisha.co.jp/
コシチューシコ(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%87%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB
%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%B3
ポーランド分割(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%88%86%E5%89%B2

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